魔法少女 リリカルなのはStrikerS~黄金の林檎~ 作:クロさん
夕方の部屋、フェイト・T・ハラオウンは通信で誰かと話していた。
「うん、久々に休暇がとれてね。二人にも最近会えてないから、明日会いに行こうと思ってるの」
「うん、ティアナも一緒にね。明日、時間は大丈夫かな?」
「うん、ありがとう。じゃあ、また明日ね」
通信を切るとほぼ同時に、誰かが部屋に入ってきた。
「フェイトさん、どうでした?」
部屋へ入ってきたのは、自分の補佐として執務官を目指しているティアナ・ランスターであった。
フェイトは笑顔で、
「うん、二人とも元気そうだった。明日は、丁度二人も非番らしくてね」と応える。
「そうですか、明日が楽しみですね」
ティアナもそれを聞き、自然と笑顔になる。なんせ、二人と会うのはフェイト以上に久し振りなのだ。
「うん、じゃあ今日はもうゆっくりと休んで明日の朝に出発しようか」
「はい、フェイトさんお休みなさい」
「うん、お休みティアナ」
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翌日、昼。第61管理世界スプールスにて。
「「あ!フェイトさーん、ティアナさーん!」」
赤髪の少年エリオ・モンディアルと少し小柄な少女キャロ・ル・ルシエはこちらを見つけると、大きく手を振ってきた。
「エリオ、キャロお久しぶり。二人とも、また少し大きくなったね」
「フリードも久し振り」
ティアナの言葉にフリードは、キュルルと鳴き声で返す。
この二人、エリオとキャロはフェイトが保護者をしているが昨年のJS事件で管理局の地上部隊が長い期間、機能不能となったため多忙となり最近まで余り長い時間一緒に居ることが難しかった。
四人は、会えなかった時間の話をスプールスを回りながら話をしていたがある時、フェイトが突然立ち止まった。
「…っ!。ティアナ、今の魔力反応感じた?」
とフェイトが問うと、
「はい、しかも徐々に増幅してるみたいです」
ティアナは返す。
エリオとキャロも感じた様で、四人は真剣な顔つきに切り替わる。
「エリオとキャロは反応の周辺に人が居ないか状況の把握、居た場合は避難誘導を。ティアナは、私と一緒に来て」
「「「はい!」」」
フェイトの指示に、三人は大きな声で返事をする。機動6課で共に戦った頃を思いだし四人の顔は少し笑っていた。
「バルディッシュ」「クロスミラージュ」
「ストラーダ」「ケリュケイオン」
《《《《ゲットレディー…》》》》
「「「「セーット、アップ!」」」」
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スプールスに広がる広大な森林。その奥にひっそりとある洞穴に、その男は居た。
「ひひ、後は時が来るのを待つだけだ…」
彼は、目の前に七色の光を放つ"黄金の林檎"を前にただ笑っていた。
「そこまでです、私は執務官フェイト・T・ハラオウン。すぐに魔力の増幅を停止させなさい、抵抗するならば危険物の所持と使用、公務執行妨害で貴方を逮捕します」とフェイトの声が洞穴に響き、彼は咄嗟に身構える。
「くそ、もう感付かれたのか!?」
「待ちなさい!」
ティアナの警告を無視し男は林檎を抱えたまま、洞穴の更に奥へと逃げ出そうと足を向けたが…
「ぐっ…!」
その行動は途中で中断され、男は意識を失った。フェイトでもティアナでもない、突如現れた第三者の一撃によって。
「ふん、余計な手間を取らせてくれたな。これは、こんな世界に…まして、お前のような者に使われるべき道具ではない」と言ったその男は林檎を拾い上げると、フェイトたちと対峙した。
「ティアナ、これは少し辛い戦いになるかも」
フェイトは、明らかに敵意を向ける男から視線を逸らさず言った。昏倒させられた男には、驚異になる魔力を感じられなかったが目の前の敵には自分に匹敵する魔力と戦闘技術を持つと感じていた。
しかし、ティアナと連携すれば捕縛は不可能ではない相手のはずだった…しかし、
「
男は、林檎を掲げると魔法の詠唱を開始した。
「ティアナ、下がって!」
その膨大な魔力に、直感的に危険を感じたフェイトは、ティアナを下がらせ自分も後退した。
「来たれ終焉の女王、アルテミス!」
男の詠唱が終わると、先程まで二人がいた地点を巨大な闇が包み込んだ。そして、その闇が消えた頃には男と林檎も既に消え失せていた…
次回予告
「レン…レン・カザマだ、よろしく」
スプールスから消え失せた男と林檎を捜すべく、フェイトとティアナ、エリオとキャロはそれぞれ行動を開始する。
林檎の情報を得るべく、管理局本部に向かったフェイトとティアナはクロノに協力者を紹介される。
次回「出会い」