ハズレ卍解の代名詞
夜空が嗤っている。
俺の前に立ちはだかる小さな男は口を開いた。
「名を聞いておこうか?デカいの」
…意味ねぇな。
「これから殺す相手に名など名乗るだけ無駄だろう!」
「…そうかよ!俺とお前ではどうやら流儀が違うらしい。殺される相手でも自分を殺す漢の名ぐれえ知って死にてえハズだからな」
つまらなさそうに目の前の男は吐き捨てた。そのまま剣を構える。
「更木隊、第3席斑目一角だ!てめぇは名乗る必要はないぜ!俺の名前をよく覚えておけ!」
てめぇを殺す漢の名だ!!
そう目の前の漢は吠えた。
しばらく解放せずに戦った事でわかった事がある。どうやら目の前の男はケンカ好きらしい。
てめぇが楽しむ戦い方で来やがる。
こういう相手にはどんな対応が一番なのかを知っている。
…刻み込むのだ。
(俺たちアランカルに対する戦いへの恐怖ってヤツをな!)
「熾きろ!ボルカニカ!」
火山の獣の名を持つ斬魄刀の名を叫ぶ。目の前の男は目を見開いた。…どうやらアランカルの刀剣解放は始めてみるらしい。
「そういや、お前の流儀では殺す相手には名を名乗るんだったな!」
黒い着物の男を驚きごとまとめて殴り飛ばす。残念ながらマトモに驚きに付き合うつもりもない。目の前の男は空中まで吹き飛んだ。
「アランカル№13!エドラド・リオネスだ!」
吠える。全力で叩き潰してやる。
「伸びろ鬼灯丸!」
死神も斬魄刀を解放したらしい。刀と鞘が一体化して槍と化した。
「見誤んなよ!」
…槍ぐれえ見たらわかるっつうの。どうやら勢いよく滑空してそのまま体当たりするかのように槍を突き刺すつもりらしい。…カウンターを合わせてやる。タイミングを合わせて腕を振り下ろすと、
「うぉ!」
振り下ろした直後にはなんと目の前に槍の穂先があった。慌てて顔をそらす。…だが避けきれずに頬を浅くもってかれた。
「…チッ。脳天ブチ抜くつもりだったのによ!」
なぜか目の前の黒い着物の男は楽しそうに告げた。
どうやら一拍遅らせて槍の穂先を投げ、自分は瞬歩でぎりぎり躱すとかいう離れ技をやったらしい。…瞬歩が一瞬遅れれば自分と槍もろとも吹き飛ぶというのに。…それにどうやら槍ではないらしい。
「三節棍とはまたマイナーだな!」
※★〜☆の中は読まなくていいです
★ちなみに双節棍とはヌンチャクの事を指すらしい。それより1つ節が多い棍棒である。多節棍の中では比較的節の数が少なく、扱い易い多節棍だ。作者の知識の中では多節鞭と呼ばれているものもあり、最大36節まであるらしい。また節が多いほど扱いにくさと自由度が上がり、36節ともなると、1流が使うそれは一種の結界ともなるらしい
☆
三節棍だとわかった事でぎりぎり躱せたが、だいぶ危なかった。目の前の男は手札が1つ減ったハズだがまだ楽しそうである。
だが剣と鞘で戦った時とほとんど変わらない様な戦いぶりだった。右の穂先で斬撃して左の石突で打撃してくるという、両方攻撃であるというって危なァ!
「やはり持ち替えるのか。お前は」
一度目と同じ手を使って来やがったな。警戒してたからどうにかなったが。左の穂先を火山獣で防いだからなんとかなったが危なかったな。
「チッ。2度目は警戒されてんのか」
あたりまえだっつうの。
わずかに赤く染まった穂先をつまらなさそうに目の前の男は見ていた。
…ん?「わずかに赤く染まった穂先」!?
俺の右腕からはかすり傷ほどの小さな切り傷ができていた。思わず目を見開く。
「なんだぁてめぇ!?全く傷無しで俺と鬼灯丸の相手をするつもりでいたのかよ!?」
目の前の小さな男は不満そうにわめいた。
「死神相手に俺の火山獣が斬られるとはな!」
本当に。本当に!
「恥だ!」
「そう言うな!そのままぶっ倒してやるんだからよ!」
目の前の男は楽しそうだ。こっちもさっきの一撃で火がついちまった。火山は火を吹くと止まらないんだぜ!?
拳に激烈な熱を纏わせる。遠慮や会釈や容赦は全部要らねえ!限界のフルパワーだ!
俺の右腕からはマグマの赤。左腕からは噴煙の黒が出る。1つで十二分すぎる破壊力だ!少なくとも目の前の小さな男を叩き潰すのには充分だ!
利き腕が右のせいか、右腕に力を纏わせるのに慣れている。左でもそんなに変わらないが本気で叩き潰す時は右腕に力を込めてしまいがちだ。その右の
空に向かい活きた火山が紅を龍がごとく噴く。その時人は皆、すべからく抗う術を持たず。ただ等しく呑み込まれるのみ。
そんな言葉を当時、綾瀬川弓親は思い出していた。それぐらい凄まじい噴煙と爆発だったのだ。
そんな中、その大自然の摂理に抗う不条理な漢がいた。
その爆炎のド真ん中で生き残る漢がいたのである。言うまでもない。
斑目一角である。
激しい熱と猛烈な煙の中で意識も半分近くなかったが、「生きていた」のである。
俺は爆発の中から姿を見せたのが視界に入り、仰天した。てっきり粉々に砕け散ったのかと思ったのだ。それぐらいの手応えはあったし、マトモに入ったのだ。原型を保っているだけで驚きである。それどころか、元気いっぱいに手もとの三節棍を構えるなど。…想像すらしていなかった。
「…恐ろしいな。死神とはこうも死なないものなのか」
まさに死の神だなとくだらない事を考えた。
だがスタミナは無限はねぇ。力も無限じゃねぇ。力対力なら俺に負けはねぇ!
そっからはこちらが想像すらしていなかった持久戦が始まった。向こうが一発打つごとに、こっちは優に三発打ち返してる。なのに、なのに、なんで!
(打ち返してきやがる!?)
向こうはもうボロボロだ。こっちは三発クリーンヒットするのに対し、向こうは一発。その一発すらはずす事もある。なのに、なのに、愉しそうに笑って。
(笑って打ち込んで来やがる!)
…もう限界だ。こんなゾンビみたいなヤツの相手なんかしてられるか!フルパワーで叩き潰してやる!
左右の腕に全力を込めた。自分がいま出せる最高のエネルギーをブチ込み。グッと力を溜める。最強の一撃を繰り出すために。大きく力を溜めて俺がいま出せる最高の一撃を繰り出した!
噴煙と共に小さな漢は落ちた。
アスファルトが陥没している。その真ん中にボロボロになったヤツがいた。
…だがまだ闘志があるらしい。ボロボロになった槍の柄を探ってしっかりと意志を持って掴み取っていた。
「…戦士にとっては時に諦めも美徳だ。ボロボロに叩き潰すまではしたくねぇ」
…だがまだ立ち上がろうとするらしい。諦めの悪いヤツってよりは、どっちかというと執念とか妄執の類だな。コレは。
「…残念だ」
覚悟を決めた。コイツは死ななきゃ死ぬまで戦う。どうしようもないヤツだ。そんなどうしようもない敵の命を断つつもりで拳を打ち下ろした。
…だがなぜか背中で受け止められていた。そんなスタミナすら削り取ったハズなのに。
「今なら自分の敵で手一杯だろうし誰も気が付きやしねえだろ」
そんな声が聞こえた。拳の下からさらに声が聞こえる。
「ホントはこんな所で使うつもりなかったのによぉ!まさかここまで力の差があるとはな!」
そしてその男は力ある言葉を吐き出した。
「卍解!!!」
凄まじい勢いで吹き飛ばされた。慌てて叫ぶ。今聞こえた声を否定したくて。
「卍解だと!?」
だが現実はそううまくはいかないらしい。
「そうだ!これが俺の卍解!龍紋鬼灯丸―」
ホントは浅野圭吾とかの絡みも書きたかったんだよね…
規約に引っ掛かりそうなのが間違いなく引っかかるから。これもかなりぎりぎりというか黒寄りのグレーというか。あんま人気にならんでくれ…。運営の目をかいくぐりたいんだ…。
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