「卍解!!!
3つに別れた刃が目の前の小さな男の両の腕と背中にそれぞれ収まる。左右非対称な両の
「…すげぇじゃねぇか」
俺は言う。コイツが卍解ってヤツか。確かにすげぇ。だが目の前の七首の龍を背負った男には皮肉に聞こえたらしい。
「世辞はやめろよ。まだてめぇが関心するほどの霊圧はでちゃいねぇハズだ」
一気に赤い霊圧を纏い始める。
「…すげぇかどうかは…」
「死んでから決めろォ!!!」
小さな男は血の猛りのまま走り出した。
「ウォラァ!!!」
風切り音が凄まじく痛い。慌てて避けるが、避けきれずに右腕がバッサリ縦に斬り裂かれた。
…俺の
驚愕しながらも反射的に攻撃を返していた。深紅を全力で纏わせて。
俺の攻撃を軽く躱して今度は何処にって…上か!?
今度は左腕を一気に半分近くもってかれた。更に力を込められ。3/4近くを斬られたらしい。死覇装の男は不気味に笑う。
驚愕のまま紅を纏わせ、振り払った。
コイツの卍解は、鬼道的な力が付与されるワケでもスピードが上がるワケでもねぇ。
ただただ巨大な力の塊だ。力に特化した分。その分。
力対力なら俺の負けはねぇ!!
既に目前の漢の右の双龍は大きく欠けていた。
…だが。
目の前の男が霊圧を高めると。
メキメキ音を立てて冶っていく。それと同時に龍の彫り込みも少しづつ紅い輝きを取り戻し、なお紅く、紅く輝く。
「…な、なんだと!?」
なぜかさっきよりも霊圧が上がっているような…!
…まさか!。
「気がついたみてえだな!」
目の前の黒装束の男は叫ぶ。
「俺の鬼灯丸は俺と同じで戦いが大好きでな!せっかく卍解してやっても
対峙する漢が巨大な扇形の刃を転回させながら吠える。
「だから敵をぶった斬って、敵にぶった斬られて!コイツも!オレも!!闘いを愉しまねえと力なんてほとんどでやしねえんだ!!!」
俺は気付いた事を1つ言葉にしてみる。
「…そのための龍の紋様なのか!?」
その言葉を聞き、目の前の漢は驚いたようだった。
「お!?理解が速えなデカいの!そうだ!!コイツが闘いを愉しみ始めると八つ首の龍の紋様が少しづつ紅く染まる!そして全て紅く染まったとき!」
身体全体に深紅を纏いながら対峙する漢はそう吠えた。
その姿はまるで龍の姿を霞ませるほどで。…待てよ。
俺はこの時ばかりは察しの良さを呪った。さっきコイツは言ったのだ。
「コレにも気づかれるとは思わなかったがな!そうだ!
ホントにすげぇな。その能力。
「行くぜ」
「あぁ!!」
俺も
距離をとって、一瞬の静寂が起こる。
次の瞬間。
静から動へ。睨み合いから戦いへと変容する。
襲いかかってくる漢に俺は。
八つ首の龍の幻影をかいま見た。
勝負は一瞬でついた。気がついたら俺は地面に倒れていたのである。身体は胸から下は消し飛んだらしい。
「斑目一角か。名前聞いといて良かったぜ」
俺は心からそう思った。アイツの流儀ってのはムダじゃなかったんだな。そう思いながら少しづつ意識が薄れていった。
それから少し経ち。
上半身裸の禿頭の漢がゆっくりと煙の中から降りた。
「やっぱり生きてたね。一角」
そう部下に声をかけられた。
「あたりまえだろ!」
俺は応える。煤まみれではあるが
「俺は
りゅうもんほおずきまるやまたのおろちでした。卍解の名前は。名前なげー!
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