チュンチュン
男は木にもたれかかっていた。そして目を開ける。
「死んでなかったのか‥」
確か、俺は‥とりあえず水だ。水が飲みたい。
ビッグボスはヨロヨロと歩きながら川を目指す。
そして水を飲もうと膝をついた時、驚いてしまった。
「若返ってる‥何故だ?それに今気づいたが声もだ‥」
「体を動かしてみた結果で推定するに‥俺の体は29歳。スネークイーター作戦の時と同じ。装備は‥」
何故か持っていたバックパックを確認する。
「服装はオリーブドラブか。ええとM1911にコンバットナイフ、M16ライフル、閃光手榴弾に、ダンボール、双眼鏡、ナイトビジョンゴーグル‥お!葉巻だ。」
俺はとりあえず一本咥え、火をつける。
フー
「やはり葉巻はいいものだ。」
葉巻の風味を堪能していたスネークだが、重大な事を思い出す。
ここはどこなんだ?と。
よっこいしょ。と立ち上がり、歩き出す。
どうやらここは森のようだな。
何故だ、何故人間に遭遇しない。
もうかなり歩いたぞ。一人遭遇したっていいじゃないか。
だめだ、弱気になるな。
うん?あれは‥洞窟か。
足跡‥?真新しいな。数からして4人。あと恐らくだが男1人に女3人。だが古い足跡は‥なんだ?裸足だ。しかも‥指の数がおかしい。
普通の足跡の方に出会えたらいいが‥
そう思い、洞窟内に入った。
洞窟内でスネークはハンドガンとナイフを構える。
この構え方も懐かしい。
しばらく進んでいると、話し声が聞こえてきた。
「ほら遅れてる!もう少し早く歩いてよ!隊列を乱さないで!」
「あ、はい。ごめんなさい。」
なんだ、あの服は‥どこかの教会の人間と‥魔女でいいのか?
「!? 今何か音が!」
「は?誰が後ろに来てるってのよ?」
バレた!?
ギッ!
俺は背中に嫌な視線を感じた。俺は恐る恐る後ろを振り返った。
それは目の前にいた。全身緑色で、棍棒やナイフを持った明らかに人間じゃない集団が俺を見ていた。
「ギギィ!!!」
「な!?」
敵‥ゴブリンというのだが、その一体がスネークに襲いかかる。
すぐにハンドガンをしまい、ナイフ一本だけにする。
そして棍棒を持つ手首を掴み、地面に叩きつける。
「グギャ!」グチャ!
嫌な音を立てて、ゴブリンの首の骨が折れた事がわかる。
「え!?だ、誰!」
そう神官のような女性が叫んだ瞬間、ゴブリンたちは何匹かスネークに来たが、多くは神官達に殺到する。
まるで最高の獲物を見つけたかのように。
「ゴブリン!?」
ゴブリンというのか、あの生物は。
しかし、魔女が神官の前に立ち、なにやら呟くと杖から炎が飛び出した。
「うおっ!」
スネークは飛び前転で回避すると1匹に当たり、炎上した。
そして、続いて唱えようとした時、ゴブリンが眼前に迫っており、押し倒された。
押し倒された痛みに顔を歪めるが、あることに気づく。
杖がない!
よく見るとゴブリンに奪われていた。
「返しなさい!その杖は!」
ゴブリンはニヤッと笑う。そして。
バキッ!
真ん中から真っ二つにへし折ってしまった。
「貴様!」
魔女は押さえつけているゴブリンを振り払おうともがくが、それがいけなかった。足が偶然にもゴブリンの左頬に炸裂してしまった。
蹴られたゴブリンは呆気にとられるが、すぐになにかを取り出した。
マズイ!ナイフか!
スネークはすぐに自分に来た最後のゴブリンの首をへし折ると、ハンドガンを取り出して、撃った。
ドォン!
レーザーサイトが付いていて、助かった。
放たれた鉛玉はまっすぐゴブリンの側頭部に吸い込まれ、血飛沫という名の赤い花を咲かせた。
「大丈夫か!」
今頃になって前を歩いていた二人が急いで戻ってくる。
剣士と‥武闘家‥か?
まあ、いい。こんな狭い場所だ。接近戦ができる奴がいれば‥
「でえぇい!」
剣士は剣を抜くと大ぶりで振り始めた。
「な!?おい!こんな狭いところで!」
ガキン!!
スネークが叫んだ瞬間、洞窟の岩壁にぶつかり剣が止まってしまった。
その剣に気を取られた瞬間、ゴブリンが今度は剣士に殺到し数の暴力により押し倒された。
「今行く‥」
「伏せて耳を塞げ!」
スネークは叫ぶと腰からM16ライフルを抜き、剣士に群がるゴブリン達に向かって発砲した。
的確にヘッドを撃ち抜かれ、ゴブリン達は静かになる。その隙に剣士の方へ走り、背負うとすぐに神官達の方へ走った。
だが、武闘家の伏せていた時間が長く、今度は武闘家にゴブリン達のヘイトが向いてしまった。しかも、デカイ‥だと‥
一際デカイ個体がいる。あれが親玉か!
俺はすぐにライフルを一際デカイ個体に合わせ撃とうとしたが、すぐに武闘家はデカイ個体に飛びかかり、ハイキックを放った。
だが、そのゴブリンは簡単に足を掴み、そのまま手を握り締めると、バキッと武闘家の脚の骨が折れる音がした。
武闘家は苦悶の表情を浮かべるとゴブリンはそれを喜ぶかのようにニヤつき、脚をつかんだまま振り回して武闘家を洞窟の壁に叩きつけた。
力の差がありすぎる。俺が真っ向から立ち向かっても勝てるかどうか‥‥スネークはそう考えていた。
足の骨を砕かれ、壁に体を打ち付けられた痛みで動けない武闘家に対して追い討ちをかけるかのごとく、ゴブリン達が石を投げつけ始める。
そして石の雨が収まると一匹のゴブリンがビリビリと音を立てて武闘家の服を爪で引き裂いた。
武闘家の服の下に隠していた素肌が見えるとゴブリン達は一層危険な雰囲気を醸し出した。
な!?まさか!?スネークは女性の捕虜が捕まった後の仕打ちを思い出す。そして、それが合ってるかのように今度は腰布にその醜悪な手が伸びた。
「させるか!お前ら!耳と目を塞げ!」
スネークは閃光手榴弾のピンを抜き、武闘家の方に投げた。
地面に転がった瞬間、強烈な爆音と光が洞窟内を包み込む。
「グギャァァァ!!!!!」
ゴブリン達は一時的に聴覚と視覚を奪われた事で、のたうちまわる。
俺はすぐに走り寄り、武道家の周りのゴブリンをナイフで排除すると、今度は武闘家を背負い、戻った。
その頃にはなんとか剣士は復活していた。
「出口まで走れ!」
スネークの声に全員が走り出す。
スネークも武闘家を背負い、走る。
だが目の前を走っていた神官が転ぶ。
見ると肩に矢が突き刺さっており、肩口が血で真っ黒に染まっていく。
あいつか。
スネークは銃を向けるが、後ろから悲鳴が上がり、剣士達が戻ってきた。
おそらく探索にでも出かけていたのだろうゴブリン達が戻ってきていたのだ。
スネークはすぐにゴブリン3体を撃ち抜き、沈黙させた。
スネークはすぐに自身の上着を脱ぎ、武闘家に無理やり着せる。
「お前ら‥今から言うことをよく聞け。お前はコイツを背負え。その前に松明とか持ってるか?」
「あ、ああ‥ここに予備が‥」
剣士から受け取ってすぐにライターで火をつける。
「よし、いいな。俺が合図をしたらみんなすぐに走れ。」
「あなたは‥?あなたはどうするんですか?」
神官は作戦の意図が分かったのか、聞いてくる。
「俺は囮になる。」
「そんな!ダメです!」
「いいか?ここで全員逃げたら全部が襲いかかってくる。だが誰かが残れば何匹かは引きつけられる。」
「でも‥」
「なら、すぐに街に戻って応援を呼んできてくれ。腕が立つ奴をな。」
「分かりました。名前を教えてください。」
「スネークだ。それと、そこの剣士。」
スネークに呼び止められて戻ってくる。
「このナイフと棍棒を持っていけ。洞窟内はそっちの方がいい。」
「分かったぜ。」
「さてと‥走れ!」
その声に神官達は走り出す。
反対にスネークは逆に走る。
「こっちだ!」
スネークは松明を振り回しながら逃げる。
スネークの狙い通りに半数以上を自分に引きつけることに成功した。
松明を持ち、たまに飛びかかってくるゴブリンを松明で殴りつけ、逃げる。
そして途中の道で、スネークは松明を自身の進路とは反対方向に投げ捨てて物陰に身を隠す。
「ギィ!」
ゴブリンの集団が走ってくるが、途中でスネークの姿が見えなくなった事で探し回る。
その頃、神官達は。
なんとか入り口まで戻り、脱出に成功した。がまだ2匹ほどついてきていた。
「しつこいな!あいつら!」
しかし、その時だった。
自分たちを掠めてナイフが飛んでいき、1匹のゴブリンの眉間に突き刺さった。
それによりゴブリンは絶命していた。
よく見ると、そこには全身を鎧に包んで顔が見えない騎士のような男が立っていた。
「ギキィ!」
仲間をやられたことで、もう1匹のゴブリンが、そのフルアーマーの男に飛びかかるが、盾を用いたパンチで地面に叩き落とされ、後頭部を一突きで絶命させられていた。
「あの‥あなたは‥」
「ゴブリンスレイヤー(小鬼を殺す者)。」
「それより助けを呼んで来なきゃ!」
そう言い、剣士達は走って街へ戻っていった。
「ゴブリンか?」
「え、ええ。」
「そうか、どうやらその様子だと失敗したみたいだな。だがまだ幸運だ。死人が出ていないからな。」
「あ!それよりもスネークさんが!まだ中に!」
「‥残念だが‥」
「‥そんな‥」
「俺は奥へ行って捕まってる奴らを助けて、ゴブリンを殺す。」
「私も付いていきます!」
そして二人は中に入る。
「奴らは女の匂いに敏感だ。だからな‥」
「はい‥」
神官は全身にゴブリンの血や臓物を塗られていた。
「鼻で呼吸しろ。そして慣れろ。」
そしてゴブリンスレイヤーの先導でどんどん奥に進んでいく。
そして‥
「この穴だな。」
「‥はい。」
「それとだが、この箱はなんだ?何か文字が書かれてるが‥?」