やぁ、画面の前の諸君。私は君たち人間から神と呼ばれる存在だ。
君たちには私の娯楽を紹介したいと思う。
あれは今から36億年…いや、1億年前だったか…まぁいい。
何せここには何も無いからな。することといえば新しい世界を創造するか何処かの星の雑草の数を数えるぐらいだった。
退屈だった私はある世界を創造し、その世界の娯楽を試してみよう、となったのだ。
そこで興味を持ったのは小説とかで有名な『転生、転移』といったものだな。私に掛かればこの程度朝飯前だ。
早速その小説のような世界を創造し、一人をその世界に送ってみた。結論だけを言おう。
とても愉快だった!
あれほどのめり込んだのはいつぶりだろうか。それからも私は新たな世界を続々と創り出し、転生、集団転移、逆転移と呼ばれるモノなどを何度も何度も何度も何度も行った。
そして今回初めてとなる、とある世界の娯楽物、漫画と呼ばれる物の中にある架空の世界を私は創造した。ランダムで選んだからな。一体何だったか…
そうそう、確か作品名は「僕のヒーローアカデミア」だったか。この作品は個性という不思議な力を使い、少年達がヒーローを目指すというヒーローものだ。
まぁこの小説を読んでいる君たちなら詳しく説明しなくても大丈夫だろう。
すまない、話が少し長くなってしまったな。本題に入るとしよう。
今回その世界に転生させるのはつい先程交通事故で死んでしまった一人の青年だ。彼の年齢は18歳、転生、転移ものの小説を好むごく普通の高校生だ。
彼を選んだ理由は転生、転移に興味があるから…それだけだ。彼がこの作品を知っているかは分からないがそれはそれで面白いだろう。
今彼は私の目の前に魂だけで存在している。彼に転生の話をすると狂喜乱舞する。どうやらOKだそうだ。
しかし彼に何も持たせずに転生させるには忍びない。「特典をつけてやろう」と言うと彼は待ってましたとばかりに喜び私に要求する。
「ポケットモンスターのグラードンの力が欲しい!」…と。何故かと聞くと彼はどうやらグラードンが大好きのようだ。ゲームではグラードンを主軸にしたパーティーを組み、グッズは全て買い込んでいるとか。
まぁそんなことはどうでもいいが、よりにもよって私が生まれて初めて創造した世界のアイツを選ぶとは…すこし感慨深いものがあるな…
これが終われば久しぶりに私の子供達に会いに行こう。
今言った子供は最初に創造した三匹のことだ。一匹は時間を司る龍、もう一匹は空間を司る龍、そして最後の一匹は反物質を司る龍だ。
まぁこの話は置いといて…彼を「僕のヒーローアカデミア」の世界に送るとしよう。
ん?本当に特典はつくのかって?安心して欲しい。私は嘘をつかない。
私の名はアルセウス。全ての世界を創造せし神である!この名に誓い、君にはグラードンの力を託そう!
画面の前の諸君にも私の娯楽に付き合ってもらうとするか。彼の人生、異世界での人生を…