感のいい読者は嫌いだよ。(ツンデレ
やあ、久しぶりだね。画面の前の諸君。私だ、アルセウスだ。
最初に言っておこう。感想にお気に入り登録、そして評価をありがとう。この物語を楽しんでくれているみたいで喜ばしい限りだ。
さて、そういう話は置いといて本題に入ろう。何故私がここで出てきたのか…
それは彼が敵連合に所属するとパワーバランスが崩れすぐにバッドエンドのストーリーになってしまうんだ。それもそれで面白そうだが私は両者拮抗する熱い戦いが観たいんだ。圧倒的な力で他者を蹂躙するのは少々見飽きたからね。
というわけで此方を見てほしい。
何があるかって?フフフッ…これはまた別世界にある人間の魂さ。この魂に私の力を込めて…その力の扱いを大まかに覚えさせる。
暴走したら彼の二の舞いだからね。
よし、出来た。彼女はあれが好きなようだね。お望み通りこの力を授けよう。
転生はもうしたからなぁ…次は転移だな。少し過去に彼女を飛ばして…よし、出来た…!
これで面白いことになるだろう…フフフッ、楽しみだな…彼と彼女が出会いどうなるのかが…
▽▽▽
ここは雄英高校、1-Aの生徒達は救助訓練をするためにウソの災害や事故ルーム、略してUSJに足を運んでいた。
(でっかい!!漫画で見た通りの!!)
一人、初めて訪れたのにも関わらず、昔から知っていたかのような驚き方をする少女が一人。
名を
そして容姿はとても優れており、10人に可愛いかと聞けばほぼ全員がYESと言うだろう。
そんな彼女には一つ、誰にも言えない秘密があった。
それは…彼女が転移者であるということだ。潮は中学一年生の頃にこの世界へと転移した。家族は変わっておらず、街も学校も変化はなかった。しかし、違う…前の世界とは違うモノがあった。
それは個性と呼ばれる能力だ。これを知った時、潮はすぐに漫画がある本棚に駆け寄った。何故ならそこには僕のヒーローアカデミアという個性で戦う漫画があったからだ。
しかし無かった。変わりにあったのは見たこともない漫画だった。すぐに部屋にあったパソコンを起動し、ある高校の名を検索する。
「雄英高校…ヒーロー科っと…」
出て来たのは雄英高校のホームページへと飛ぶリンクだ。フィクションではない。実在している。すぐにテレビの電源を入れ、ニュースを見ると、そこにはオールマイトまたもや活躍!というニュースが流れていた。
信じられなかった。潮はすぐに頬を抓る。痛い、夢じゃないことにホッとする。そして歓喜する!
転移を自覚した次の瞬間、酷い頭痛が襲う。莫大な情報が頭に流れ込む。痛みで顔を歪め悲鳴を上げる…
髪が風呂上がりのように濡れる…
髪が藍色に…
胸の上部に熱い何かを押し当てられたように痛い。
水色に輝くαの痣が…
目も痛い…まるでジャンケンのチョキで目を潰されたように。
目が黄色に…
痛みが治った潮はヘタリと座り込む。悲鳴を聞きつけ大急ぎで母親は潮の部屋に入り、その惨状に息を呑む。
部屋は水浸しになり、布がベタベタしているのと磯の香りがすることから海水ということがわかる。極め付けは娘の変貌だった。
髪は藍色に、胸元には痣が、目は黄色くなり、もはや別人の域へと達していた。
しかし惨状には驚いたが、病院へ行くと個性だということがわかり、両親は泣いて喜んでいた。潮は元々無個性で虐められていたという。本人にはわからなかったが原作の主人公、緑谷出久が雄英に行くというだけでクラスの皆は嗤い馬鹿にしていたのを思い出した。
この世界では無個性のヒエラルキーは低いのか…と感じつつも、母が作ったご馳走を口に運ばせた。
そんな彼女は物思いに耽っていた。
(原作じゃここで敵連合が来るんだよね…推しの相澤先生にはあんな大怪我してほしくないし絶対に阻止しなきゃ!)
13号の話は終わり、訓練に入ろうとしたその時、目の前の広場の空間が歪み、黒い靄が現れた。
(来た!!)
潮はすぐに戦闘態勢に入る。それを見た教師陣とA組の生徒達は訝しむが、相澤はすぐにその意図に気づき戦闘態勢に入る。
「一塊になって動くな!!」
相澤が叫ぶ。唐突なことでA組の生徒達は一人を除いて混乱する。まだ彼らはこの事態に気付いていない。
「動くな!!あれは…ヴィランだ!!」
▽▽▽
大地と死柄木が会合した次の日、大地は死柄木に続き、黒霧のゲートを潜り雄英高校へと侵入した。その後に何十人というヴィラン達が続く。
潜り抜けると、まず目に入ったのはヒーローのイレイザー・ヘッドこと相澤と、1-Aの生徒達だ。そこで一人の少女と目が合う。
藍色の長髪に見たことのないコスチューム。こんなキャラいたか?と思った次の瞬間、心の奥から湧き上がるかのような不快感に嫌悪感。
隣で黒霧がオールマイトがいないと言うが今の大地には関係ない。
同じく潮も大地を目にした途端、不快感と嫌悪感が湧き上がる。自制心を抑えきれない。
「死ねッ!!」
大地に照準を向け、手を翳し大きな水の塊を発射する。
“ハイドロポンプ”
“だんがいのつるぎ”
しかし大地も同時に鋭利な岩の剣を創り出し水流を受け止める。
「おいッ!!大海!!何してる!!」
相澤が潮を叱咤するが潮には聞こえない。
室内であるのに突如雨が降る。
“あめふらし”
ヴィランがいる方は日が照っている。
“ひでり”
日が照り始めた直後に、先程大地が創り出した岩を貫通し、緑の極光が潮を襲う。
“ソーラービーム”
「…ガハッ!?」
極光に襲われた潮は、身を捩って回避を試みるが、風圧で吹き飛ばされUSJの壁へと叩きつけられる。そのまま地面へと落ちるがダメージは浅い。
「黒霧さん、アイツを誰もいない所へ送ってくれ…アイツは俺がやる…!」
「…わかりました」
少し黒霧は躊躇ったが、大地の怒りが相当なものと捉えて許可を出す。
黒霧は個性を消すイレイザー・ヘッドの目を掻い潜り、生徒達がいる場所へと移動し生徒達をワープさせる。
そして大地と潮の体は黒霧の霧に包まれ、誰もいない火災エリアへと飛ばされた。本来なら尾白が来るエリアだが、彼の代わりとして潮が送られてきた。
「紅羅鈍さん!!?何でここにいるんすか!?」
「……」
送られた大地を見つけた敵連合の有象無象は駆け寄り話が違う事を問うが、大地は答えない。
共に送られてきた潮を一瞥し、彼は話しかける。
「お前…名は?」
「大海 潮…貴方は?」
「紅羅鈍…なんだかわからねーが…やっぱりお前は…」
「「気に食わねぇ(ない)ッ!!」」
両者、紅と藍に光り輝き、その光は徐々に大きくなっていく。
「ヒッ!?なんすかコレェエ!!?」
近くにいたヴィラン達はその光と共に発される暴風により吹き飛ばされる。光はビル群を超えた辺りで収まり、二体の巨大生物が姿を現した。
『ぐらぐらぅるぅぅぅぅぁぁあああッ!!!!!』
『ぎゅらりゅるぅぅぅぅううあああッ!!!!!』
二体の巨大生物は同時に咆哮を上げ、紅羅鈍は大地の力を刃へと変えて攻撃し、潮は青白く輝く無数の光線で紅羅鈍を狙い撃つ。
“だんがいのつるぎ““こんげんのはどう“
紅と藍が今、3度目の神話の闘いを起こす!!