恋愛は戦ぁ!
これはかぐや様は告らせたいと俺ガイルのクロスオーバーである
私立秀知院学園!
かつて貴族や士族を教育する機関として創設された由緒正しい名門校である。
そこの彼らを纏め上げるものが凡人であるなど許されるはずもない!
秀知院学園副会長【雪ノ下雪乃】
総資産200兆円を有する雪ノ下家のご令嬢で芸事、音楽、武芸などで輝かしい功績を残した正真正銘の天才である。
秀知院学園生徒会長【比企谷八幡】
質実剛健、聡明英知、孤立無援の孤高独歩。学園模試は不動の1位!多才である雪ノ下とは別に何事にもオンリーワンの結果を出し続け、常に孤独になり続けた結果「もうあいつ1人でいいんじゃないかな?」という理由で何故か生徒会長に抜擢された男である。
そんな二人が並んで廊下を歩く姿を見て生徒達は口々に言う。
いつ見てもお似合いですわ!
もしかして付き合っているのかな?
1人…いや2人か?相変わらず比企谷会長の存在感のなさはすげぇぜ!
好き勝手言っていた。
「雪ノ下そっちは生徒会室じゃないぞ。学校の中で迷うな。」
「わ、分かっているのだけれど。ここっちよね?」
「違う」
生徒達の喧騒をくぐり抜けて俺は生徒会室で雪ノ下の淹れた紅茶を飲んでいた。
しかしなんで本人達に聞こえるボリュームであーいうことを言うのかね?最後の奴とかもう俺のこと見えてないじゃねぇか。そもそも雪ノ下と恋人とか不釣り合いにも程があるだろう。でもまぁ、友達くらいになら俺達はなれるんじゃないだろうか?雪ノ下がどうしてもと言うなら友達になることもやぶさかではない。
一方雪ノ下は
なぜ比企谷君と私が付き合わなければならないのかしら?確かに比企谷君には色々と助けて貰ったしギリのギリギリの果てもないような可能性ならあるのだけれど。まぁ、比企谷君の方から身も心も捧げると誓ってくれるなら考えてあげなくもないわ。
両者は互いに関係を進めることもなく半年が過ぎたのだった。
そんなことには全く気づいていない書記の藤原ではなく、IQ3の由比ヶ浜結衣がやって来て不意にチケットを2枚出した。
「ゆきのん、ヒッキー聞いてよー。」
「なにかしら由比ヶ浜さん」
「今週末が期限の映画のチケットがあるんだけど、あたし用事があって行けないの!もったいないから行って来て!」
「俺は暇だし行ってもいいが雪ノ下は「あ、そういえばこの映画2人で行くと幸せになれるジンクスがあるんだって!」どうだ?」
しまった。そんな映画に雪ノ下を誘ったらこうなるに決まっている。
『あらあら比企谷君。そんなに私と幸せになりたいの?お可愛いこと(微笑)』
きっと由比ヶ浜はあほの子だから男女2人で幸せになるという意味を理解していないだけだ。ここは強引に軌道修正しなければならない。
「ゆ、雪ノ下はこの映画興味あるのか?」
「パンさん…」
一方の雪ノ下はそれどころではなかった。
比企谷君とパンさんの映画見たい!でも私から誘うとデートに誘ってるみたいにならないかしら?そうしたらこの男はつけ上がるに決まっているわ。少し恥ずかしいのだけれどここはこの男が強引に誘ったから仕方なくついて行く風を装うしかないわ!
きゅっと彼の裾を掴んで下から覗き込むように目を合わせて聞いてみる。
「比企谷君の方がどうしても行きたいと言うなら…仕方がないのだけれど?」
「うっ。それは」
お願いだから強引に誘いなさい!比企谷君!こうしてるだけでもかなり恥ずかしいのよ。
これじゃまるで俺が誘うから仕方なく付き合うみたいな流れになってしまう。なにかやんわりと友人同士で行くような流れに出来ないのか!?
交差する視線、擦れ違う思惑、ラブコメの波動。2枚あるのだから2人で行くのが自然なのだが何故か嚙み合わない。どうにかして自分の思った方向に持って行こうとする最中!第3の選択肢(カオス)が生まれる!
「あ、そういえば他の映画のチケットもあるんだった。」
カオスが生まれたことにより様々な計略を巡らそうとしていた2人の脳内はパニックになりかけた。だがしかし!
「悪いな雪ノ下。俺こっちを1人で見るからそっちは雪ノ下が見てくれ」
「……プリキュア………」
男は迷いなくそちらのチケットを取った。元々、男の思考では映画は1人で見るものという概念が存在していた。好きな作品ということも相まって思考回路をすっとばしてチケットを手に取ってしまったのである。
真っ赤な顔から一気に色を失った雪ノ下は茫然とした後やけくそ気味に笑い出した。
「フフフ、いいのよ比企谷君。私も1人でパンさんの大冒険見るのだから!もう今日は帰らせてもらうわ!バカ!ボケナス!ハチマン!」
そう言って生徒会室を勢い良く飛び出して行った。
「ゆきのん、何で怒ってたんだろうね?」
「さぁ、1人だと映画館にたどり着けないからじゃないか?」