うわぁぁ!!! キャアア!!
逃げろ!
誰か!誰か助けてください!!
姉さん! 倒れるぞ!離れろ!!!
『それ』は突然訪れた。
災害、或いは「大侵攻」と呼ばれる異界よりの侵略者。ネイバー、そう呼ばれる異形の存在が三門市を襲った。
警察、自衛隊。およそ日本の持つ少なくとも頼れる防衛よりの武力は一切の傷を与えることが叶わず、ただ侵されるのを待つばかりかと誰もが思った時、ある一団が異形の者達を押し返し始めた。
「こいつらのことは任して欲しい、我々はこの日のためにずっと備えてきた。」
そう言った一団の名は〔ボーダー〕、彼らは怒濤の勢いで巻き返し、後にごく短い期間で組織を正式に設立し、防衛拠点を作り上げた。
彼らの存在により三門市は現在、日常化したアラートと共に新たな日常を過ごすこととなった。
そのボーダーの一級、いや例外的存在は今日もおよそ20gしかない友を握りしめ、三門の平和維持に努めていた。
「トリガー、オン。」
自らの体がトリオンによって置き換えられ、右手には西洋の剣を思わせるブレード型トリガーを持ち、少年の目の前に文字列が並ぶ。
Are you living?
「うん、今日もしっかり生きてるよ。」
What do you wish?
「君と一緒に、生きていたかったよ。」
Then give power
無愛想で、端的で、いつもと変わらぬ彼女は少年に生きる為の【心臓】を与える。
少年の剣の周りに球体が現れ、彼の左腕にはバックラーのようなシールドが現れた。
そして少年の頭に直接声が響いた。
ーー貴方は生きていて良いのよ!なんせ、こんなにも素敵な絵を描くんだもの!ーー
そして文字列は一つになり、剣の周りを浮くそれよりも2回りほど大きい球体になり、羽のようなものが生え、
「行くよ、いつも通り貴方は攻撃に専念して頂戴。私はトリオン兵の観測と周囲の避難確認をするわ。」
大きな口ができ、男とも女とも取れない声でそう言った。
「わかった、じゃあ今日もよろしく、レン。」
口調から察するに女性…メス?と思われるそれに返事を返す。
その日は、特にトリオン兵が現れることも無く防衛任務が終わった。
「どーも田口さん、お疲れ様ですー。交代の時間なんで後はウチが引き受けますわ。」
軽いノリで交代をする生駒に少年は意識を向けた。
「おー、イコやんだ。今日は夜番なんだ。お疲れ様ー。」
「そーなんすよ、暇だったんでさっき決めてきました。」
「いや嘘言うなや、そこそこ前に決めたやんか。」
などと他愛無い話をしてから本部へ帰投する。
立ち入り禁止で溢れた路地を歩いていると強烈な叫び声が胸を穿った。
ーーー《助けて》
紅く、大きなタグ。
少年は優しい人間では無いと自覚していた。だが、コレは無視できなかった。
少年はすぐさまタグが飛んで来た方へと走り出す。
トリオンによって強化されたその脚はものの十数秒でタグを飛ばしていた人物のもとに訪れる事を可能にした。
「ボーダーだ!今すぐ止めろ!!!」
それは、複数の青年が1人の少年を囲い、暴力を振るう現場だった。
「なっ、ボーダーだと!?」
「市街地付近には巡回してこないんじゃなかったのかよ!」
「そんな事知るか!現に来てんだろ!!」
言い争う彼らはふざけているのだろうか?
少年をリンチにし、監督者が来れば責任のなすりつけ合い。スーツでいる所を見るに、社会に出ているイイ大人のくせにこんなくだらない事を平然とするなど
「ここが警戒区域だとわからないのか!それにっ!」
こんな、少年をーー
落ち着かなければ、まずは
「本拠まで、同行する様に。拒否すれば、貴方達の現状を『ボーダーとして』公にさせて頂く。」
無言で首を振る青年らを尻目に少年の元へと寄る。
あざが酷い、それに明らかに変色してる部分まである。骨が折れているのであろう。
「もう、大丈夫だ。」
声をかけ、横抱きにする。
軽い、と言うよりは細い。それに見たところ10代半ば、これでは満足に食事も摂っていないのだろう。これでは満足に逃げる事さえ叶わない。
少年を観察していると、彼は震えながら確かに「ありがとう」と言った。
「早く本部へ連れて行かなければ。
お前ら!さっさと歩け!いや、走れ!!」
青年らに急がせ、田口は月に照らされた道を走った。
------…く気がつ 物だ。 と数度こん 事を えさせたら幾ら若いと言っても治りきらなかっただろう。普段は何も関わらないのにどう言った風の吹き回しよ?」
「…こいつは必死に助けを求めたんだよ。声が枯れようとも、周りに誰もいなくても、それでも助けを呼んだんだ。だから」
「放って置けなかった?そう、そんなに辛かったのね…」
丸い…ぼーる?
「あら?気がついたのかしら?はーい、ご機嫌いかが?身体中痛いかもしれないけれど起きてたら何かしら反応くれないかしら?」
「なに!、っておいレン!お前ちょっと戻ってろ!話がややこしくなる!」
この声、聞いたことがあるような…
「起きて…ます。」
自分でも驚く程嗄れた声がでた。
なるほど、散々叫んで彼に助けられたのだろう、この声は気を失う前に聞いた声のような気がする。
「ほら喋った!起きたわよしょーちゃん!!」
ところでさっきからこの目の前をうろついているボールは何なのだろうか。
思いっきり見切り発車ですんでここまでしか構想練れてない馬鹿です。次回は書くかもしれませんのでよかったらお気に入りにでも(小声