貴方の心臓はなんですか?   作:錬鉄

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(・ω・。≡。・ω・)キョロキョロ
[壁]´┏ω┓`)ノ"))))))))バレテネェナ


2話

「助けてくれてありがとうございました。」

 

少年は開口一番に礼を述べた。この年で即座に礼を言えるものは少ないだろう。

 

「ああ、それは問題ない、お前の想いが俺を助けさせたんだから。助かったのはお前の力だ。よくやった。」

そう、俺自身は助けるつもりなんかなかった。ただ、タグが、少年の心が俺を動かした。

普段なら見て見ぬふりをする信号を、よりハッキリと見せつけた少年の想いが為せた技だろう。

 

「そう、ですか。」

少年が言葉を詰まらせる。

何かを言おうとし、直前で飲み込んだ。

 

飛んできたタグは薄い青の「否定」

俺は今度こそ、ソレを見ないフリで目を閉ざした。

 

「さて、目を覚ましたなら警戒区域外まで送ろう。一応処置は施してもらったから問題はないと思うがしばらくは激しい運動は禁止な。」

 

無言で頷く少年を立ち上がらせ、帰れる事を伝えた。

 

 

「さて、少年。これでお別れな訳だが、一つ。いいかな?」

ずっと無言で歩いてきた少年に最後の言葉とばかりに声を掛ける。

すると少年は立ち止まり、次を促す様にこちらをじっと見つめた。

そして、こちらを見つめる黒い瞳に、俺は言葉を、俺なりの「心臓」のかけらを受け渡す。

「よく耐えた。お前のおかげで俺はお前を助けることができた。誇れ、それはお前の強さだ。お前は強い男だ。」

 

 

 

「ねえ、しょーちゃん。あの子大丈夫かしら?」

少年の後ろ姿を見ながらレンが問いかけてきた。

 

「大丈夫だろ。怪我は大方治ったし、体があそこまで良くなってたことに気付いてたくせに詮索してこなかったんだ。それなりに周りも見れている。」

 

「違うわよ、貴方が言ったことにあの子がきちんと気付けるかってことよ。」

 

それは俺らが気にすることじゃないさ

 

「大丈夫だろ。」

だが、確信めいたものを感じながらもう一度肯定する。

「あいつは強い意志を持ってるんだ。あとは行動に移すだけだ。」

その程度なら俺でも出来た事だ。あの少年ならきちんとできるだろう。

 

あの時の胸の中央に刺さった緑色をした小さな、だが確かに力を感じさせる濃い色をした感謝のタグを向けてきたあの少年なら、必ず。

 

 

「さあ、レン。そろそろ俺らも帰る

ぞ。」

 

ええ。と返してレンがトリガーへと戻った事を確認し換装を解除する。

 

「綺麗だなぁ。」

空を見上げ、映り映えする月に声が漏れた。

 

 

 

 

 

翌朝、昨夜の少年のことを報告するために玉駒へ向かった。

 

「おお、祥太か。いらっしゃい。」

玉駒に着くと林藤さんが迎えてくれた。

 

「リンドーさんおはよーございます。迅っていますかね?」

 

「おぉ、迅なら朝から墓の方に行くっつったきり帰ってねぇな。」

 

ああ、きちんと予定されていたらしい。

「そうですか、ありがとうございます。そっちへ行ってみます。」

 

「おう、またいつでも顔見せにこいよ。」

彼は子供っぽく笑い、そう言ってくれた。

「はい。」

 

 

 

墓場へ着くとやはりと言うか先客がベンチで座っていた。

「おう、先に挨拶していくか?」

 

「うん、そうするよ。」

右手を上げ軽い挨拶をする彼の前を通り、いつもの墓へと向かう。

 

「こんにちは、()()()()。」

小南家之墓と書かれた墓石に挨拶をし、手を合わせる。

ここが俺の心臓を与えてくれた人の墓であり、レンの母とも言える人の墓だ。

納骨こそされていないが、確かに俺の恩人の墓なのだ。

 

 

 

「もういいのか?」

墓参りを終え、ベンチへ向かうと迅が声をかけてきた。

「うん、ちゃんと挨拶もできたよ。ありがとう、迅さん。」

 

「いいよいいよ、俺も最上さんに会いにきただけだからね。」

気をつかってくれた迅に感謝を述べるも偶然であることをしてくれた。

毎回思うけどこいつめっちゃいい奴よな。趣味が暗躍ってだけにマジで嫌ってる人いるけども。

 

その後迅に昨日の事を報告した。

「うーん、それはちょっと問題だね。…祥太、一応上層部への報告は俺に任せてもらっていいか?」

ん?

「数日したらボーダーの一般公募があるでしょ?そこでちょっと1人ほどどうしても入隊させたい奴がいるんだよ。ただ、そいつ問題…多分トリオン不足だろうね。そのせいで直談判したいっぽいから今警戒区域の警備固めちゃったらそいつが入隊できなくなっちゃうんだよね。」

なるほど、そう言うことか。

「じゃあ暫く黙っとくね。一応シフト組んでるんだけどそん時に警戒区域ギリギリのとこに行くぐらいなら問題ない?」

 

「ああ、そうしてくれるなら助かる。報告するときは連絡入れるから一緒に来てくれよ。」

 

その程度なら問題ない。

「おっけー、いいよ。」

 




主人公の名前とSEこうかーい!ぱちぱち〜

田口 祥太
たぐち しょうた 

心叫受信体質
強い思いや心からの叫びを受信する
思いや叫びがタグ付けされ、体に飛び込んでくるように見える。
想いが強ければ強いほどタグが大きくなり、タグはカテゴリ分けされ色付けされ、届く事が願えば願うほど色付きが濃くなり、タグのさる場所は胸へと近づく。

しょーちゃんが迅の事を呼ぶ時は「迅」って言ったり「迅さん」って言ったりしますが、基本的に何も考えてないので特に意味は無いそうです。
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