貴方の心臓はなんですか?   作:錬鉄

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よし、誰もいなさs(アッ
いや、違うんです。
いや違わないですけれども、
いや、難産だったんです。
あ、いえ、そんな言い訳とかでは…
はい、えー。
「「「「「すんまそん」」」」」」


6話

「僕が何したってんだよ。」

ブツブツと呟き家路へとつく少年がいた。

いつもいつも文句ばっかり言ってる。

そのくせ自分では言い返せない内気なヤツ。

そのくらい言い返せばイイのに。

 

「風邪ひくわよ。」

アタシは優しいから傘にくらい入れてやるけどね。

 

「ほら、入んなさいよ!!」

何よ、こっちが話しかけてるのにずっと下向いちゃって、良いわよ来ないならこっちから行くし。

 

「キリエはどうして僕にそんなに優しくしてくれるの?」

しょーたがこっち向いて聞いてきたきた。

心なし顔赤い気するけどあんた雨で風邪ひいてんじゃないの?大丈夫?

 

「別に好きなヤツに優しくするなんて普通じゃない。」

そんな事当たり前じゃない。

仲良くしようとしてんのに喧嘩売るようなヤツいないでしょ。

 

「は?あ、いや、うん。そっかキリエだもんねそうだよね。」

何よ。

アタシだからなんなのよ。

何度か聞いてみたけど結局アイツははぐらかしてばっかりで教えてくれなかった。

なんなのよ、もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、この辺はもういないかな。」

辺りを見渡し、ネイバーがもう近くには居ないことを確認して、携帯でおじさんに電話をかけた。

「おじさん、こっち片付いたんだけど次どこがいま人手足りない?」

 

『おー、さすが小南、仕事が早いなぁ。』

おじさんが褒めてくれる、普通に、っていうかめっちゃ嬉しい。

 

「あったりまえでしょ!で、次は?」

 

『そっちからみて南の方に小学校があるだろう?そっちにもしかしたら大型のが出るかもって話だからそっち向かってくれる?』

ふーん、大型かぁ。何が来るんだろうか。

こんな時だけど、大型って聞くとやっぱりウキウキする。

今まではせいぜい中型のモールモッドくらいしか手応えのあるのはいなかったからね。

 

「わかったわ、じゃあ。」

 

『おう、気を付けろよ。』

そして電話を切り、小学校が見える方へと向かう。

正直南とか分かんないけどおじさんはいつもわかりやすい目印をくれるので非常に助かる。

いつネイバーが来ても良いように孤月は常に抜刀してある状態で走り出す。

 

そして、着いた。着いてしまった。

大型が来る、という話だったのだがそこにいたのは中型サイズの見た事のないタイプのネイバー。

それも、建物が倒壊してるのを見るに爪や牙での攻撃じゃなく、砲撃や格闘での攻撃型。

そして、そいつは何かに釣られるように歩いていた。

建物が崩れている時点で嫌な予感はしていた。

人だ、それも武装をしてないのを見るに一般市民だ。

 

「待ちなさいよ!!!」

そこからは体が勝手に動いていた。

情報を整理とか、どんな動きとか考える間もないほどすぐに。

 

「ふっ!」

縦に大きく振り上げ、斬り裂く。

すぐさま横に飛び、敵の視界から外れ、そのまま横から地面と水平に横なぎにする。

そしてネイバーがこっちを向く前に切り詰める。

 

「あ゛っ!」

気がつけば背中を打っていた。

視界の先には腕を振り払い、ほとんど傷のついていない敵の姿が。

ふと目の下の方を淡い光が照らしているのに気づく。

ただ腕を振るっただけでこちらの胴を飛ばすほどの威力を持っていたらしい。

そのまま状況を整理しようと周りを見たのがアタシにとって運の尽きでもあったのだろう。

ちょうどネイバーを挟むように向こう側に黒い髪が見えた。

その下にはいつも表情をコロコロ変え、アタシが仲良くしたいと思っている()()()()()()()()()()

 

「祥太!!!」

なんで避難しなかったのよ!

どうして一人で動いていたの!

なんで。

なんでアタシはもっと早くに辿り着かなかったのだろうか

 

「〜〜〜〜ッ!!!」

声にならない悲鳴、とはまさにこの事だろう。

アタシはネイバーなんてお構いなしに、穿たれた胎も気にせず彼を掬い上げ、走り去った。

脚が潰れ、背の左からも血が出て、もがいたのか、指先に血が滲んでいる。

病院なんてこの状態では運べない。

かといって自分の知恵じゃ治療なんて不可能だ。

不意に、遠くで強い光が溢れた。

 

昔、誰からか聞いたような気がする。

トリオン能力が高いと、トリガーを独自で改造出来る。という話を。

確かアレは

 

「ブラックトリガー」

というものらしい。それを作る際とても強い光が発生するらしい。

でも、それをするにはダイショウがいるとも聞いた。

ソレが何かはわからない。

でもきっと良い物ではないのだろう。

話をしてくれた人はとても悲しい顔をしていた。

あれは誰だっただろうか。

アレは、その光なのだろうか。

アレは、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ねえ、祥太。アタシ、あんたともっといっぱい話がしたいの。いつもみたいに特別な事じゃなくても良いの。あの日は不幸だったとか、あのご飯は美味しかったとか。そんなので良いのよ?ねぇ、祥太?もっといっぱいお話ししよ?」

だから、アタシはブラックトリガーを作る。

アレは作った人の願いを叶える物だと。

アレは、想いを為すための道具であると。

なら、アタシはアイツに、生きていて欲しい。

今までのように、いやもっと先まで、【強く生きていて欲しい。】

 

「トリガー、オフ。」

まずはトリガーの接続を断つ。

そして残っているトリオンをありったけ注ぎ込む。

どうかこいつがこんな所で死んでしまわないように。

どうか、アタシが言った「生きていても良い」をこんな所で終わらせないように。

どうかこいつがいつまでも笑って過ごせるように。

アタシは今は見えないお星様にそう願う。

もうほとんどできたのだろう。もっていたトリガーが変形し、黒く染まっていく。

そして、アタシはダイショウが何となく分かった。

いや、わからされたというべきだろう。

自分が自分でなくなっていく。

コレの代償は作った人の命なんだろう。

正直、ちょっともったいない気がするする。

だってジンならきっとこんなの作らなくてもきっとこいつを助けられただろうし。

シノダさんならこいつがこんなになる前に救えただろう。

でも、アタシにはコレが精一杯。

アンタとはコレが最後のお話になっちゃう。

あーあ、もっと話したかった。

でも、だからこそ

 

「アタシは、アナタが生きていくのを、とても素敵な人生を送るのを願っているわ。」

 

お星様、どうか。

どうか祥太に、

 

「幸せな人生を。」

お 願い、

しま

 

 

 

 

 

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