DIE HARD 3.5 : Fools rush in where angels fear to tread.   作:明暮10番

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Romantic Flight

 歌舞伎町の路地裏を抜けた先にある、寂れたビルに連れ込まれる。

 覚束ない足取りのまま、フラット・ジャックに肩を貸されながらも、何とかソファの上に座れた。

 

 

「あたし、ここで医療品の横流しをしているのよ」

 

 

 室内は未使用の注射器や、数多の抗生物質で満ち溢れている。

 キツいエタノールとアルコールの匂いが充満しており、チェリオスは居心地悪そうに鼻をさすった。

 

 

「ドクとはその関係で知り合ったって訳か」

 

「あ、それは関係ないわ。彼とはラスベガスの『覗き見クラブ』よ」

 

「は?」

 

「同じ部屋でマスカキあってたのよ」

 

「は?」

 

 

 幾つかの個室と中央のダンスルームで構成された六角形のホール。

 その個室に客が入り、マジックミラー越しで中央ダンスルームでストリップをするダンサーを見ながら、「楽しむ」のが覗き見クラブだ。

 

 マジックミラーの下には金の投入口があり、ストリッパーへ金を投げれば投げるほど、「過激なダンス」が眺められる仕組みとなっている。

 その際に金をあまり投げていない客の個室は、ミラーにシャッターがかけられてダンスが見られなくなる。

 

 

 当たり前だが、個室一つにつき一人だ。

 

 

「そこは野郎同士を同じ部屋にぶちこんでマスぺさせんのかぁ? 変態過ぎる」

 

「あたしとマイルズのどっちかが間違えて、一つの個室に入っちゃって」

 

「その時点で気付かねぇか?」

 

「お互い初めて来たから分からなかったのよ」

 

 

 

 暗い部屋、横並びの椅子に座り、ダンスを見ながらもお互い気まずそうに「楽しんで」いた事を思い出すフラット・ジャック。

 

 

 

「モツを見せ合った縁で、その後に仲良くなったの」

 

「あんたオカマだろ?」

 

「えぇ、オカマよ」

 

「女好きなのか? それかその覗き見クラブってのは野郎向けか?」

 

 

 フラット・ジャックが答える前に、奥の部屋から日本人と思われる女性がお茶を運んで来た。

 

 

「誰だこの女」

 

「嫁よ」

 

「………………」

 

「あたしバイなの。バイリンガルで、バぁ〜イ。因みにあたし、ベトナム出身よ」

 

 

 女性は無愛想な表情でお茶を置き、またスゴスゴと奥へ引っ込んだ。

 湯飲みに入れられた緑茶が、ゆらゆらと湯気を立てている。

 

 

「緑茶にもカフェインは含まれているわ。ステージ3までなら、この程度のカフェインでも効くハズよ」

 

「……そういやぁ、さっきステージ2がどうとか言ってたなぁ?」

 

 

 お茶を飲もうと口元に近付ける。

 熱過ぎてすぐに舌を離した。

 

 

「マイルズから聞いてないの?」

 

「あぁ」

 

 

 フラット・ジャックは後ろにあったホワイトボードを引き出し、マジックペンで図を書きながら説明する。

 

 

「トーキョーカクテルの効果は段階を経て強力されて行くわ。ジワジワと血液細胞と結び付いて、どんどんあなたの身体を蝕むわ。その段階は、ステージ4まで表せられるの」

 

「なんだとぉ? なんて面倒くせぇ仕様なんだ……」

 

「本当だったらこの説明は不必要だけどね」

 

「あ?」

 

「いや、人間ならステージ1の時点で死んでる。ステージ2だとか3は……馬とか象に対する効果よ?」

 

 

 頭の中に馬と象の鳴き声が響いたような、ちょっとした衝撃を受けるチェリオス。

 

 

「マジかよ」

 

「……で、ステージ1はアドレナリンの抑制と受容体のブロック」

 

 

 一つ一つのステージの説明を書き出しながら、口頭でも進めて行く。

 

 

「そして今、ステージ2はステージ1の効果強化。カフェインで補助しなければ、完全に停止するわ」

 

「なに────うぅッ!?」

 

 

 言ったそばから発作が起きる。

 持っていた湯呑みを落とし、胸を押さえた。

 

 

「あ〜、言わんこっちゃない……ほら、アンナカ! それ吸ってなんか動いて!!」

 

「おぉう、ナカにアンアン…………ズゥーーッ!!」

 

「アメリカ人はどんな薬も鼻から吸うの?」

 

 

 カフェインを摂取し、すぐにチェリオスはソファに立ち上がる。

 そのままトランポリンのように、派手に飛び跳ね始めた。

 

 

「フッ!! フゥッ!! いよっしゃぁーーッ!! さぁ続けろぉッ!!」

 

「……ソファ壊さないでね?」

 

 

 ギシギシと危ない音を立ててへこむソファを心配しながら、説明の続きを話す。

 

 チェリオスのそんな様子を、嫁は奥の部屋から引き気味に見ていた。

 

 

「それで、ステージ3。中枢神経に作用して、反応の鈍化を引き起こすわ」

 

「なんだってぇーーッ!? フゥッ!! ファーッ!!」

 

「カフェインの効果はあるけど、どんどん効き難くなるわ。十分に一回はコーヒー飲まなきゃいけないほどになる」

 

「マジ!?」

 

「マジ。マジよ。もうマ。マよ」

 

 

 そしてチェリオスが迎える、最悪の状態「ステージ4」の説明へ。

 事務所内がギシギシうるさい。

 

 

「そうして毒物が身体に染み渡り切るステージ4は…………」

 

「ステージ4はぁッ!?!?」

 

「……副腎の機能不全、中枢神経の破壊。そうなるともう、なにをやっても無駄……確実な、『死』よ」

 

 

 ソファを飛び跳ねながら、チェリオスはショックから顔を強張らせた。

 

 

「死だとお!?」

 

「えぇ。死、よ」

 

「死ぃ!?」

 

「死。Death、Deathよ。もうD。Dよ」

 

 

 大きくホワイトボードに、「D」を書いて説明を締める。

 

 

 途端に、ソファがバキリと音を立てて破損した。

 チェリオスは床に叩きつけられたものの、鬼の形相で立ち上がり、フラット・ジャックに詰め寄る。

 

 

「あたしのソファぁ!?」

 

「どうすりゃ助かるぅ!?」

 

「えと……げ、解毒剤があれば良いけど」

 

「解毒剤だなぁ!? ここにはあるのかッ!?」

 

「な、ないわ。最新過ぎる毒よ!? 持ってる人間としたら、トーキョーカクテルの保持者よ!」

 

 

 チェリオスは頭を抱えて、暫し天を仰ぐ。

 

 

 絶望し、打ちのめされているのか。

 なんて声をかけようかフラット・ジャックが迷う。

 

 

 その内、チェリオスは雄叫びをあげながらホワイトボードを殴った。

 

 

「クソォーーッ!!!!」

 

「あたしのホワイトボードぉ!?」

 

「あの、クソヤクザどもめ……! ぶっ殺す……!……毒打ったアイツらは必ずぶっ殺す。で、ついでに解毒剤…………」

 

 

 チェリオスは首を振り、訂正する。

 

 

 

「あぁ、いや、順序が逆だ。解毒剤を取って、ヤクザを殺すだ」

 

 

 

 行き場を失った怒りを滲ませながら、事務所内をウロウロ回るチェリオス。

 

 真ん中が割れてしまったホワイトボードを大事そうに抱え上げつつ、フラット・ジャックは質問する。

 

 

「……それにしても、日本にまで来てなにがあったの? マイルズから聞くと、あなた西海岸専門の殺し屋でしょ? なんで日本に……?」

 

 

 彼の質問を受けたチェリオスは、ピタリと足を止めた。

 そのままゆっくり振り返り、後悔と怒りに満ちた表情を見せ付ける。

 

 フラット・ジャックはちょっとチビりそうになり、自分の股間を押さえた。

 

 

 

 

「……事の発端は、三ヶ月前……ロサンゼルスじゃ味わえねぇような、デカいヤマの情報が入ったんだ……」

 

 

 チェリオスは今に至るまでの出来事を、説明し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は三ヶ月前、その「デカいヤマ」を遂げる為に、海外出張していた。

 

 それにしても暑い……喉が渇いた。

 

 

 

「……あの疲れた顔の刑事さん、もうタイでの暮らしに慣れている頃かな……あっ」

 

 

 空港内の売店を見つけて、飲み物を買った。

 レジに並んでいた老人夫婦を押し退けてな。

 

 なにぶん、世界中の殺し屋が集まっていると聞いていたもんで、先を越されかねない。急いでいた。

 

 

「ちょっと、あんたぁ!?」

 

「非常識よ!!」

 

「俺が先に並んでただろぉ、ボケ老人どもぉ。ほれ、会計しろ」

 

「くたばれロクデナシ!!」

 

「てめぇがくたばれクソジジイ」

 

 

 そこで買ったコーラを飲みながら、俺は空港近くでタクシーを拾った。

 

 

「ドコ、行くンネ?」

 

「ロアナプラまで」

 

「ダメ!! オリルッ!! NO!! NOッ!!」

 

「うるせぇなぁ。行くんか車くれるんか選びやがれ」

 

 

 ごねるドライバーを、持って来た銃で脅した。

 すると一気に大人しくなり、そのままロアナプラへ向けてタクシーを走らせる。それで良いんだ。

 

 

 

 

 しかし、その日はツイてなかった。

 タクシーがだだっ広い道の真ん中で、バッテリー切れやがった。

 

 

「てめぇ〜? 車検に出さねぇからこうなんだ……」

 

「す、スイマセンッ!! ソーリーッ!! 許して!! 撃たないでっ!!」

 

「バカタレがぁ。とっとと何とかしやがれ!」

 

 

 とは言ったが、全く車が来ない。

 

 レッカーでも頼むか? 

 いや、ここは都市から離れた地方の道路だ。頼んでも一時間はタイムロスを食っちまう。

 

 

 

 

「……お? やっぱツイてんじゃねぇかぁ?」

 

 

 ツイていた。

 対向車線から、車が一台やって来た。

 

 俺はそれを引き止め、バッテリーの充電を頼んだ。

 やけにハイテンションな兄貴と、ローテンションな弟の、オランダ人だった。

 

 

 

 

「おじさん、あんた幸運だーよ! オラたちが来なかったら、誰も来なかったーよ!」

 

 

 

 

 バッテリーの充電を、タクシーのドライバーに任せながら、兄弟から受け取った酒を嗜んでいた。

 

 その兄弟は、俺の向かっているロアナプラから出て来たところだと言う。

 

 

「聞きたいが、懸賞金八万ドルの双子は知ってるか?」

 

 

 ロアナプラにいるロシアンマフィアが提示した、破格の懸賞金。

 ここ最近仕事が入って来ず、懐が寂しかった俺は海外出張を決行した訳だ。

 

 

「知ってるだーよ。でもオラたちゃ興味ないだーよ。勝手にやってろだーよ!」

 

「まだ終わってねぇよな?」

 

「毎日ロアナプラじゃお祭り騒ぎだったーよ! 街中に殺し屋ばっか! まだやってるだーよ!」

 

「なら良い」

 

 

 兄弟の乗って来た、ボロいトラックの荷台を見る。

 デカい木箱が一つだけ。

 

 

「なに入ってんだ?」

 

「あーあー! それ、触って欲しくないだーよ! 中身分からないけど、大事な荷物なんだーよ!」

 

「あんたらなんだ、やっぱ運び屋(ミュール)だったか?」

 

「そうだーよ。ロアナプラじゃ鳴かず飛ばずだったけどねー。この仕事で足を洗うだーよ」

 

「そりゃ大事な仕事だなぁ」

 

 

 木箱を見てから俺は、少しジョークをかましてやったよ。

 

 

 

 

「その標的の双子を運ばされてんじゃねぇか?」

 

「そんな馬鹿な事ないだーよ! ハリウッド映画じゃあるまいし! HAHAHAHAHA!!!!」

 

 

 

 

 その後バッテリーが復活し、兄弟と別れた。

 こんな世界でも、出会いと言うのは大切にしたい主義でな。

 

 

 そんなこんだでロアナプラ到着。

 タクシーの運転手には迷惑料とチップも付けて、たんまり金を払った。

 俺はチンピラどもとは違う。労働の対価はキッチリと払う。

 

 

 

 

 

 だが、到着と同時に、俺は過去最高にツイてなかったと悟った。

 

 

「双子が逃げたぁ!? じゃあ、ロアナプラにいねぇのかぁ!?」

 

 

 同業者からその話を聞き、二日酔いの日にも浴びるほど飲んだその、次の日のような頭痛が起きたもんだ。

 

 結局、タイまで来て無駄足。

 俺は半ばヤケになり、その晩は街中の娼館をハシゴしたぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鼻からアンナカを吸い込み、一旦話を止める。

 フラット・ジャックがゴクリと、生唾を飲んだ。

 

 

「こう言う話は始めてだろ?」

 

「いや……えと。ロアナプラの娼館って、良かった?」

 

「…………最高だったぜ。アジアン、アメリカン、アフリカン、ヨーロピアン。全員食ってやった。世界の女、一晩でコンプリートしたぜ」

 

「お、おふっ……ロアナプラ良いわね。あたしも行きたいわ。そう言う、悪徳の都に浸かりたいものね……」

 

「やめとけ。おめぇのようなチンケが行ってもカモられる。生まれ変わるか、最強のガンマンになるかしねぇと」

 

 

 大きく息を吸い込んで吐いた後に、チェリオスは話を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は二日間ほど、単なるセックスツアーと成り果てた海外出張を楽しんでいた。

 

 あまりに娼館をハシゴしまくったばかりに、すぐに俺の噂は広がった。

 ある日、噂と俺の経歴を知ったチャイニーズマフィアの男が話しかけて来たんだ。

 

 まさかただヤっているだけで仕事に繋がるなんてな。

 ロアナプラ、なんて良い所なんだ。

 

 

 

 

 デカい、広い、綺麗な事務所に通された。

 待っていたのは、このロアナプラのチャイニーズマフィアを束ねる男。

 名前は、「(チャン)」だ。

 

 

 

「ロアナプラを楽しんでいるようだな、カウボーイ」

 

 

 

 イケすかねぇ、高級スーツの男だ。

 童顔なもんでサングラスかけてりゃ、タイムズスクエアの路上で歌っているラッパーみてぇで面白かった。

 

 

「要件は?」

 

「おたくを腕利きの殺し屋と見込んで、仕事を依頼したいんだが……しかしなんだ、酷い服だな。田舎農民でもまだ綺麗な格好してるもんだぞ?」

 

「こんなクソみてぇな街でもドレスコードは決まってんのか?」

 

「おっとおっと、悪かったよ開拓者。遥々ウェスタンから来て、ただ下半身あっためて帰るなんざ不本意だと思ってな。それともキリスト以上に信奉しているボスがいるのか?」

 

「俺はどこにも属していねぇ。信奉してんのは金だ」

 

「グッドだ。良いプロ意識だ、気に入った」

 

 

 チャイニーズマフィアから提示された額は、十五万ドル。前金だけでも五万ドルだ。

 さすがはアメリカより、人口のスケールがデカい国の人間だ。金払いのスケールもデケぇ。

 

 

 奴は俺を強く見込んでいた。

 

 

「おたくは間違いなく、今現時点に於いてロアナプラ最強の殺し屋だ。そんなあんたに依頼したい仕事だが、舞台は日本だ」

 

「日本だと?」

 

「実は俺たち、三合会の本部でトラブルが発生してな。スーパーマン並みに強いトラブルバスターを欲している最中だったんだ」

 

 

 双子の懸賞金に釣られ、ロアナプラには世界各国の殺し屋が集まっていた。

 この張って男は、そこから誰かをチョイスする任務を受けていたようだ。

 

 

「日時は三ヶ月後。三合会日本支部が保有していたある『ブツ』が、日本から北京に送られる前に奪われた。犯人は分かっている」

 

「誰だ?」

 

「ただのチンピラだ。まさかアンチョビほどの小魚が、サメに噛み付くとは思わなかった。奴らは大事な大事な俺たちのブツを、東京のどこかに隠しやがった」

 

 

 印刷した写真を見せつけられた。

 確かにそいつの顔は日本人顔……いや。正直、中国人と見分けつかねぇ。

 

 

「複数人による犯行だったが、リーダー格のこの冴えない男は『チョコ』と呼ばれていた。こんな馬鹿面にやられる日本支部も日本支部だが、誰に喧嘩売ったのか分かってねぇ野郎をみすみす野放しにすんのも腹の虫が収まらん」

 

「そう言うのは、そっちがケリ付けるべきじゃないのか?」

 

「あぁ、その通りだ。ここでもう一つの、厄介だ」

 

 

 奴は手下にタバコを付けさせた。

 これで三本目。中国人は自分で付けられねぇのか?

 

 

「舞台は東京。ここが面倒でな、在来種の『ヤクザ』の他に、外来種がひしめき合っている。ちょっと三合会が火種を作れば、あっという間に大戦争だ。それだけは避けたいのが、支部の総意だ」

 

「無関係な奴に任せるって訳か」

 

「それも、国籍が日本や中国から離れているだけ良い。そんで、あんたの出番って訳だ」

 

 

 ターゲットは、既に顔が割れている人間だ。

 また三合会も、現地で銃器の調達だのとバックアップもしてくれるそうだ。

 

 金額のデカさもある。

 俺はみすみす、釣られちまった訳だ。

 

 

「なにか質問はあるか?」

 

「なんで三ヶ月後なんだ? 遅過ぎる」

 

「三ヶ月後で良いんだ。『ブツが日の目に出る』のなら、その時期なんだよ」

 

 

 そこから先はまた、三ヶ月後に現地で聞けと言われた。

 奴らブツの回収と、チンピラの抹殺の他に何か意図があるような気がしてならねぇ。

 

 こうして俺は前金を受け取り、一旦ロサンゼルスに帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一旦、フラット・ジャックがチェリオスを止めた。

 

 

「長くない?」

 

「あ? まだ三分しか経ってねぇぞ?」

 

「あなたとあたしの体感時間が違うのかしら……まるでジュマンジね」

 

「は?」

 

「とにかく、長いから端折ってよ! 何があってこうなったのか!」

 

 

 彼の注文を鬱陶しく思いながらも、自分に時間がない事を思い出し、日本に来てからを話し始めた。

 

 

「三ヶ月後、東京で三合会の奴から金と銃を何挺か貰い、俺はブツを持って現れると言うポイントで待機していた……」

 

 

 キッと、睨み付けるようにフラット・ジャックと目を合わせる。

 

 

 

 

 

 

「……だが、情報が漏れていた。チョコって奴は、『ヤクザ』を引き込んでい────ッぉお!?」

 

「だから端折ってって言ったのに!」

 

 

 また発作。

 急いでアンナカを、吸い込んだ。




「浪漫飛行」
「米米CLUB」の楽曲。
1987年発売「KOMEGUNY」に収録されている。
アルバムタイトルは「米国」をもじったもの。レコーディングがアメリカで行われた事に由来する。
ファンクからポップ、歌謡曲にソウルと、多種多様なジャンルを縦横するスタイルであり、曲によって様々な顔を見せる。
ボーカルのジェームズ小野田ですけど、Vシネ「仮面ライダースペクター」にて敵役のダントンとして出演していたのが当時の驚きでした。

ドリーミーなシンセサイザー、ムーディーなリズムをベースにしたポップナンバー。
アルバム発売の3年後に航空会社のCM曲として起用されてメガヒット。それを受けてアルバムから抜き出してシングル化と言う、少し変わった形で販売し、その年のオリコン1位に輝いた。今や国内外のアーティストがカバーする名曲となっている。
因みにMVは、本人らも「意味が分からない」と評するほど、かなりエキセントリックな内容。
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