DIE HARD 3.5 : Fools rush in where angels fear to tread. 作:明暮10番
くたばれチェリオス
クタバレチェリオス
くたばれチェリオス
FUCK YOU CHELIOS
FUCK YOU CHELIOS
FUCK YOU CHELIOS
くたばれチェリオス
FUCK YOU CHELIOS
くたばれチェリオス
FUCK YOU CHELIOS
くたばれちぇりおす
(一同歓声)
司会者「さぁ、お待たせしました! お待たせさせ過ぎたかもしれません!」
司会者「今番組は、とっても良い子で、これからの将来が楽しみな少年少女をゲストとして呼び、視聴者の方々から頂いた質問でインタビューをする番組です!」
司会者「ご家庭のお子様の模範として、是非とも繰り返し見せてあげてください!」
(一同爆笑)
司会者「前置きはここまでにしましょう! 早速ご紹介します!」
司会者「本日のゲストは、シェブ・チェリオス君です! どうぞ!」
シェブ「
(一同
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
(
シェブ「(
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
(一同爆笑)
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
司会者「
シェブ「
司会者「
司会者「
(一同爆笑)
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
シェブ「
司会者「
司会者「
司会者「
(一同
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
司会者「
(一同
司会者「
司会者「
(拍手喝采)
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
シェブ「
シェブ「
(
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
(
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
司会者「
シェブ「
(一同感心)
司会者「
(一同
司会者「
シェブ「
司会者「
司会者「
司会者「
司会者「
(
司会者「さて、ここで一旦コマーシャル!」
司会者「チャンネルはそのまま! シェブ・チェリオス君の全てを、皆さんと一緒に知ろうではありませんか!」
司会者「……最後まで!」
ドクンッ。
「うおああああ!?」
「あ、やった! 起きた!」
長い夢より、チェリオスは胸の痛みと凄まじい高揚感から目を覚ます。
真っ先に視界に入ったのは鈍色。冷たい、コンクリート打ちっぱなしの壁だ。
そして大きな注射を握った、フラット・ジャックの姿。
頭がぼんやりとする。
それが次第に冴えて来れば、今度は腕からも強い痛みを感じた。
パッと目を向ければ、注射針が刺さっている。針から管が伸び、吊り下がった点滴バッグからトクトクと何かの薬剤が、血液に流れていた。
胸にも注射痕があり、自分が何されたのかを悟った。
「お前……神経は避けやがれッ!」
「仕方ないでしょ! 昏睡してて、さっき突然心停止したのよ!? 焦るでしょうが!!」
心停止した彼を、フラット・ジャックがアドレナリン注射で蘇生させたようだ。
チェリオスの覚醒を確認すると、傍らにいた嫁を一瞥して誰かを呼びに行かせた。
「ここは……?」
「あたしの隠れ家よ。秋葉原の」
そう言えば電話口で言っていたなと思い出す。内装は代々木の家と比べればガレージ感が強く、見窄らしい。
枕元に置いていたデジタル時計を眺める。夜の十一時を迎えていた。
同時に何があったのかを想起しては、ハッとなる。
「おい! 俺はボウリング場にいただろ!?」
「それはもう、昨日の話! あんたそれから丸一日……もう二日になっちゃうけど、昏睡してたの!」
「なぁに!?」
「毒が自律神経まで侵食している証拠よ。何とかアドレナリンとカフェインを点滴しまくって延命させてたけど……本当にここからは寝たら死ぬわよ。クライン・レヴィン症候群と似た状態になっているわ」
何とか二日前を思い出す。
サングラスかけた雪緒の婚約者(勘違い)と決闘したまでは覚えている。
そしてそれを、「ストップ」と叫んで止めた雪緒の声も覚えている。
あの後から記憶がない。何があってここにいるのか、気になって仕方がない様子だ。
チェリオスのそんな気持ちを察してやり、フラット・ジャックは椅子に座ってから説明してやった。
「まず第一。待ち合わせしたけど、いつ野垂れ死ぬか分からないあんたを待つのは嫌だから考え直して、こっちから迎えに行ったのよ」
「あ、あぁ? んだとしても、あんな辺鄙なとこ良く分かったな……」
「言い忘れてたけど、あたしのランボルギーニね」
得意げに小さな端末を取り出すフラット・ジャック。
画面には周辺の地図が表示されており、その中心では赤いマークが点滅していた。
「んだそりゃあ?」
「GPSよ。元々軍事用だったけど、最近民間でも使えるようになったじゃない」
「なんだその……GPSってぇのは?」
「簡単に言うと、あたしのランボルギーニが地球上のどこにあるのか、人工衛星使ってすぐに分かる装置」
「……んな便利な物があるのか」
「時代はデジタルよ」
「愛車とは言えそこまでやるかぁ?」
「あたし、自分の物への執着心エグいの。なんなら嫁にもGPS埋め込みたいわ」
「気持ちわる」
ドン引きするチェリオスをそのままに、フラット・ジャックは何事もなく続けた。
「このGPSを使って、場所を特定したあたしは早速、迎えに行ったのよん」
時間は戻り、昨夜のボウリング場。
「ストォーーーーップッ!!」
最早人間を辞めていた二人の決闘。
止めたのは、雪緒の制止の叫びだった。
「ゼェ、ゼェ……ま、間に合った……!」
「……お嬢?」
「ユキオ!!」
互いに武器を下ろし、雪緒に近寄ろうとする。
彼女に続き、鷲峰組の構成員と思われる男たちがゾロゾロと入って来た。
「雪緒ちゃん! 勝手に動いたら危な……ん?」
中にはロックもいる。
大急ぎでやって来た彼の目も、チェリオスを捉えた。
見覚えのある人物。
確か新宿の電話ボックスで、突然怒鳴り散らして来た不審者だ。
「あ、あなたは……」
「お嬢!」
話しかけようとしたところで、銀次に阻まれる。
ワックスで滑りそうになりながらも駆け寄り、訳を聞こうとしていた。
「お嬢を攫った犯人はあいつですかい? ならこっちとしても、ケジメは付けさせねェとなりません」
チラリと彼の方を見る。
雪緒をうっとりと見つめながら、ワックス塗れでアンナカを吸っていた。ヤバい光景だ。筋金入りのヤクザたちとは言え、ドン引きする。
「お嬢には酷な話ですが……面子ってモンがありますから」
「違うんです、銀さん! あの人は悪い人じゃ──いや、悪い人ですけど! 凄く悪い人なんでしょうけど!」
「じゃあ……」
「でも、あの……何と言うか、系統が違うと言うか……雰囲気が違うと言うか……」
言葉は通じ合えていないが、彼が妙に自分に優しい事だけは気付いていた。
ただ説明が難しいのか、雪緒自身も分からないまま喋っている始末。
どうしようかと考えた末、思い出したかのようにロックへ向き直った。
「オカジマさん……あの人に事情を伺えないでしょうか?」
英語を話せるのはロックのみ、妥当な判断だ。本人から詳細を聞けば、何者なのか目的なども分かる。
ロックは頷いて了承し、真剣な顔付きで彼の方へ歩き出す。
とは言え白い粉を吸いまくる人間に、恐怖がない訳がない。
恐る恐る近寄り、レーンの始まりから距離を空けて呼ぶ。
「あのー! そこの人!」
「ん……!?」
母国語が聞こえ、分かりやすく反応するチェリオス。
英語圏の人間だと確認したロックは、彼から戻って来るように伝えた。
ヨタヨタとロックのいる場所へチェリオスが向かう間、一方の銀次は改めて雪緒を労っていた。
「お嬢、お怪我はありやせんか? 一体、何があってお嬢を……」
「えっと……香砂会と戦争するとか言っていましたが……」
「…………香砂会と? あいつらが?」
その時にやっと追い付いた吉田が、号泣しながら雪緒の話しかけた。
「うおおおおおんッ!! お嬢ーーッ!! ご無事でなりよりですーーッ!!」
「ご心配をおかけしました……」
「そんな、お嬢はなんも悪ぅないです! 全部あの、ボケどものせいや! きっちりチャカにも、ケジメ付けさせるんで安心してくだせぇ!」
「あの……お、お手柔らかに……」
再び雪緒は、チェリオスの方を見やる。
ロックのいる場所へ到着した彼は、膝を突いて苦悶の表情だ。
目線を出来るだけ合わせ、英語で話しかける。
ロックは彼の顔を覚えているものの、向こうは忘れているようだ。
「……あなたの名前は? 出来れば所属も」
「てめぇこそなんだ……ワシミネか? コーサか?」
「…………どちらでもありませんよ。ただの通訳です」
嘘は言っていないと、自己を納得させる。
チェリオスからも、弱々しい見た目の割に強情そうな奴だなと悟れた。仕方なく身の上を話すが、所属だけは黙っておく。
「……シェブだ。シェブ・チェリオス……雇い主は言えねぇ。先に言っておくが、拷問はやるだけ無駄だからな」
「別にあなたの口を割るつもりはありません。雪緒ちゃんは知りたがっているんです……あなたの目的と、素性を」
「……アメリカの殺し屋。それしか言わねぇ」
「アメリカの殺し屋がどうして日本に……?」
「何だって良いだろ……どうせ俺は死にかけてんだ……!」
アンナカの袋を切り、中身をひっきりなしに吸い込む。
その鬼気迫る有様は、ロックにも疑問が生まれた。
彼はロアナプラで、数多のジャンキーを見て来た。
酷い状態の者も見たが、どうにもチェリオスはそのどれにも当て嵌まっていないように思える。
癌による痛みから逃れる為、モルヒネを打つ患者。
ロックからは寧ろ、彼の状態はそれに近いと思わされた。
「……病気、なんですか?」
「……お前、コーサとかに詳しい奴か?」
「……多少は」
「じゃあチョコって奴知らねぇか? あと、ピンクの菊の刺青背中にいれたモロ=サンってのと……トーキョーカクテルって毒も」
どれも初耳だ。ロックは正直に首を振った。
チェリオスはすぐに失望の目を向けて、諦念を込めて項垂れる。
「その、チョコって人と……トーキョーカクテルって毒が目的で?」
詳しく聞こうとしたが、彼は弱々しく首を振るだけだ。
「いや、もう良い……もうあの子を巻き込みたくはないんだ……それに俺はもう……無理だ」
「何ですって?」
「ユキオに伝えてくれ……俺は、選択を間違っていたってな……本当に申し訳ないと思っている……こうなっちまったのは、自業自得だ」
次に顔を上げた時には、懺悔の目となっていた。
この時から強い倦怠感に襲われていた。副交感神経が優位となり、とうとうチェリオスもネガティブになっている。
「……負けたぜ……あの、婚約者の……漢気にな……」
そう言って銀次と雪緒を見つめるチェリオス。
ロックは一瞬だけ思考停止し、彼が何を言っているのかを再整理した。
パッと二人の方を確認し、またチェリオスに向き直ってからまた、二人の方へ。
「……え? 婚約者?」
「あぁ……あのターミネーターがそうだろ?」
「はい?」
「信じらんねぇ……撃った弾を、ソードで斬りやがった……婚約者の為にそこまでやるなんざ、格が違う……」
「…………はい?」
「それだけ伝えてくれりゃあ……もう心残りはねぇ……俺はここで死ぬ……」
「……あ、あの、シェブさん?」
さては何か勘違いしているなと気付いたロックだが、訂正してやるか黙ってこのまま往生してもらうか逡巡する。
そうこうしている内に、雪緒が銀次を伴って近付いて来た。
「あの、オカジマさん……クリスマスさんは、なんと……?」
「お嬢のご好意で、警察に突き出して強制送還って事にするそうです。何か言っておりやしたか?」
何か言おうとした。
途端に、ボウリング場の電気が全て消えた。
そこからはもう記憶がない。気絶したのだろう。
事のあらましを説明したフラット・ジャックは、暗視ゴーグル片手に得意げに語る。
「なんか怖い人いっぱいいたから、ボウリング場のブレーカーぶっ壊してからこれ付けて助けたのよん!」
だからここまで来たのかと、チェリオスは納得する。
同時にここに来て初めて、フラット・ジャックに対し感心した。
「……おめぇ、意外と根性ある奴だなぁオイ? 一人で助けたのか?」
「いや、あたしはやってない。ここに引きこもってた」
「は?」
「実行してくれたのは、そこの良い男」
暗視ゴーグルを部屋に入って来た人物に投げ渡す。
受け取った者は、見覚えのある中国人だった。
三合会で、張の補佐役をしていると言う
「お目覚めかい、カウボーイ」
「おめぇ確か、トライアドの……!?」
「六本木で殴られて、トルコ料理吐かされて以来か。六日前にな」
そう言いつつもまたトルコ料理を食べて来たのか、独特なスパイスの香りがする。
彪は置いていたソファに座ると、暗視ゴーグルを弄りながら疲れた声で話す。
「……あの後なぁ。張大兄に命じられ、あんたを探してたんだ。分かるか? 大兄はあんたの殺害じゃなくてな、生かして見つける事を要求したんだ。すげぇ大変だったぞ」
「……このままゴミ処理場に連行か?」
「必要はないし……何よりあんたは死にかけだ。六日保ったのは驚きだけどな……遅かれ早かれ、気を抜けば勝手に死ぬ。それが今のお前だ」
非情な現実を突き付けてから、彪は溜め息を吐いてここまでの経緯を説明した。
「……フラット・ジャックが香砂会に追われていると知った。あんたと関係があるかと思い、接触。そのままボウリング場に行って、俺があんたを担いで助けた。めちゃくちゃ大変だったがな……まぁ。ランボルギーニに乗れたってだけ報われたよ」
ニヒルに笑い、また疲れた顔に戻る。
チェリオスからすればいけ好かない。だが助けて貰った事は事実だ。
悪態を吐きながらも、とりあえず感謝だけはする。
「……助かったぜクソ野郎」
「二度とごめんだ」
「だがなぁ……おい。なんで……張は俺を生かした?」
「さぁな。あの人の考える事はたまに分からねぇ。でも、何だかんだ上手く行くもんだ。だから信じている」
「質問の答えになってねぇよ」
「答えは知らない。まぁ、ケジメを付けさせたいのかもな」
「ケジメかよ……」
「あぁ……チョコを殺し、トーキョーカクテルを取り戻す」
枕に頭を埋めて、苦々しい表情で天井を睨む。
簡単に彪は言うが、もう状況は四面楚歌だとは知っているハズだろ。
「……万策は尽きた。それに俺はもう、
「となると、大兄の見込み違いって事になるか。高いギャラ払ったのになぁ」
「じゃあこっから、どうすんだオイ? そもそもケジメっつぅなら、盗られたてめぇらが取るべきだろが?」
痛い所を突かれたのか、彪は暗視ゴーグルを置いて目を合わせる。
表情には焦燥感が滲んでいた。
「俺たちだって、あれから散々東京中走り回って、探ってたんだ……だが、情報が入らない。ブツは厳重に隠されてやがる」
「張の奴は、三ヶ月後の今ならチャンスがあるとか言っていたぞぉ?」
「確かに大兄は正しい。現にあんたは寸前まで辿り着けた……奴らが、トーキョーカクテルを動かす時期になったんだろうな」
「あぁ」
「まぁ……あんたが捕まったり抗争が始まったりだので、奴らまた警戒しちまったが」
四面楚歌なのはチェリオスだけではない、こっちもだと彪は理解を求めて来る。
「……内通者はまだ見つからない。情報が筒抜けになってやがるし……とうとう俺にも、ケジメの話が持ち込まれた。俺もこのままじゃ、フカヒレの為サメに身を捧げなきゃならなくなる。だから俺もあんたも、やるしかないんだ」
何か言ってやろうかと思ったが、チェリオスは呆れて諦めて、天を仰ぐ。
点々と落ちる点滴の雫を見つめては、思いを馳せる。
もうここで終わるのか。ならボウリング場で、雪緒の前で死にたかったとつい思ってしまう。
現状、何が足りないのか。
武器でも人員でもない。
「……情報が少な過ぎる。香砂会はクロだ……事情通はいねぇのか?」
「トーキョーカクテルの話題はからっきし。ただどう言う訳か……ワシミネって組が、ホテル・モスクワを雇ったらしいな」
「なに……?」
「このワシミネってのは、香砂会から不遇な扱いを受けてたそうだ。自国に仲間がいないから、外から傭兵雇って親を殺すって算段なんだろ」
脳内にチャカの姿が出て来た。
あの野郎、香砂会とロシア人は繋がってねぇじゃねぇかと、怒りに満ちる。
尤も今は暴れる気力はないが。
「だがそれももう、香砂会にバレたらしい。終わりだろうな」
彼がそう吐露した途端、雪緒の顔と銀次の顔が交互に現れた。
二人は間違いなく鷲峰の人間。堅気である雪緒も、無関係では済まない。
「……ユキオが……そんな……」
「……何とかするんだ。何とか、情報を……」
項垂れ、策を練ろうとする彪。
その間もチェリオスはずっと、雪緒の事を考えていた。
俺はホテル・モスクワをぶっ飛ばした。あまつさえ、頭領と思われる髭男も誘拐した。
だとすれば鷲峰組に何かあれば、間違いなく自分の責任だ。
取り返しのつかない事をしたと、後悔する。
口を食い縛り、怒りと悲しみを半分ずつ馴染ませた瞳で天井を見る。
不意に、夢の中の男の言葉が反芻される。
「……派手にケジメ付けて……」
チェリオスが決意を固めつつある中、テーブルの上に置いていた携帯電話が鳴った。
軽快な着メロだ。チェリオスと彪は鬱陶しそうな顔付きだが、フラット・ジャックはノリノリだ。
「あらぁん? チェリオス、あんた浜崎あゆみ好きなの?『A』の着メロじゃない!」
「知るか。その携帯は、奪ったもんだ」
確かチャカの舎弟から盗った物。チャカにこの携帯に連絡しろと命じたのだった。
「とりあえず出るわよ?」
「勝手にしやがれ……」
ピッと着信ボタンを押し、電話の向こうの相手に話しかける。
「しもしも〜? どちら様ぁ〜?」
相手は若い男らしい。
淡々とした口調で、一人の名前を呼んだ。
「……シェブ・チェリオスさんは、ご存知ですか?」
「あぁ、シェビーね…………え? シェブに?」
「俺かぁ?」
電話口の男は、どう言う訳かチェリオスを指名。
上半身を起こし、怪訝な目を向けるチェリオス。とりあえずフラット・ジャックはおずおずと返答した。
「え……えぇ……目の前にいるわよ……えと、どなた?」
何者かを伺うと、相手は少し唸った後にぽつりと名を告げる。
「……『ディープ・スロート』と、名乗っておくよ」
この一報こそ、チェリオス再起の━━━━香砂会壊滅への狼煙となるとは、まだ誰も予想はしていなかった。
ディープ・スロートは携帯電話を片手に、不敵に笑っている。
男の名前は、ロック。
「Skyphone speaker」
「スーパーカー」の楽曲。
1999年発売「JUMP UP」に収録されている。
良くナンバーガールと共に、邦楽ロックを変えたバンドとして挙げられる。デビュー当時は全員十代だった為、「恐るべき子供たち」とも呼ばれた。
テクノとオルタナティブを融合させた斬新なスタイルは、数多の後続バンドに影響を与えている。
青臭い歌詞と浮遊感のあるギターリフを、強烈な音の波の中に浸したかのような、非現実的な一曲。
終盤の「選ぶよりも選ばれろよ」と言う力強い歌詞が印象深い。
・ブラックラグーン二十周年!
アニメ版が地上波でも再放送、YouTubeでも全話配信中と、お祭り騒ぎです
是非とも観尽くそうではありませんか