めぐねえがいく『がっこうぐらし』RTA   作:鹿尾菜

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おまけ編

はい!タイマーストップ!

 

タイムは4時間33分22秒!うーん……予定ではもっと短くなるはずでしたがまあ誤差です(白目)みんな、他の動画と比較しちゃダメだぞ!お姉さんとのお約束だからね

 

まずは完走した感想です。

 

もう二度とRTAなんてやりたくないです。

このゲームRTA殺しでもやっているんですかねってレベルで鬼畜なんですよ。普通にプレイする分にはなんら問題もないのに。

もうこれはのんびりトロフィーコンプリートののんびり旅でもやりたいですね。

まあつよつよめぐねえのおかげで結構サクサクプレイできました。これはメシウマ。

 

本作ゲーム版がっこうぐらし!のバイオ版はノーマル版と比べて本来はアクションや戦闘面が強くなっています。だからなのか動きや立ち回りはバイオハザードを参考にしたりと意外と他のゲームからタイム短縮のヒントをもらったりしました。

 

それにいくつもの無数に分かれた分岐点のせいでチャートが機能しているのか不安でいっぱいでした。いまだにWikiが更新され続けるわアップデートで進化し続けるわ恐ろしいゲームですわ。

 

 

普段RTAなんてやらない私が本作を走ろうと思ったのはまあ試してみたくなったからですね。

もはや好奇心の塊みたいなものです。とある方の本作RTA動画を見て普段のプレイ以外のやつもやってみたいという欲望に駆られ次第です。

 

ついでだからとバイオ版のDLCの宣伝も兼ねてみました。そうそう、この放送の最中再配布されたらしいですねこのバイオDLC。いやあこういうのも私はあっていいと思いますよ。楽しいですし。

長くなってしまいましたが、ここで示させていただきたいと思います。

長時間のご視聴ありがとうございました。

 

 

おっといけない、エンディングの最後にも映像があったのでした。

 

 

 

 

 

 

数年後

 

 

私の耳元で、電話の相手は嬉しそうに声を弾ませていたばかり

「そう、教員免許取れたのね。おめでとう」

 

世界があんなことになってから、しばらくしてそれは一気に沈静化した。ただ失った人口は大きく、再建までにはまだまだ時間がかかる。

 

「それで、採用はどうだったの」

 

「バッチリだよ!今度からめぐねえと同じで教師になるんだ」

 

「私はもう教師じゃないわよ」

 

「めぐねえはいつまでも教師だよ。ところでめぐねえ、くるみちゃんも医師免許もう直ぐ取れるみたいだけど……そっちに行くって言ってるよ」

 

「本当?それは嬉しいわ」

そっか、恵飛須沢さんももうそんな時期だったか。ならちょっとだけ話をしてみよう。

「でも国連の保険調査員って医師免許必要だったっけ?」

 

「義務ではないけれど推奨はしているわよ」

 

「そうだったんだ‼︎あ、そろそろ電話を切るね」

電話の向こうがバタバタし始めた。多分生徒だろう。

「またね由紀さん」

 

電話が終わったのを待っていたかのように、今度は別の番号から着信が入った。それは私の直属の上司からのものだった。

「もしもし?」

 

「ああ、わたしだ。君に頼みたいことがあるんだ」

私私詐欺だろうかと言おうとしたけれど多分通じないだろうからやめた。

「調査ですか?わかりました……それで場所は?」

フィラデルフィア?

 

END

 

あ、これ国連調査員エンドだ。めぐねえプレイすると結構な確率で引くやつ。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

るーちゃん「しそうしてるときにおもしろかったからとっておいたやつみたいだよ」

 

タイラント戦

ルート分岐

2日目で軍基地へ向かい武器を調達。

ラクーンシティで友人を全員助けずに脱出

情報収集と実践データ収集のため投下されたT-103B試作タイラントとこの時点で遭遇。

 

 

 

 

地面が大きく揺れた。そいつは幾度となく戦いを仕掛けてきた巨人の化け物だった。

雨とヘリの火災で参っているというのにこちらの事情はお構いなしでやってきた。既にボロボロになったコートを着て、入り口で燃え上がっている車を放り投げ、道中の彼らをまとめて吹き飛ばしながらそれは入ってきた。

 

「あいつっ!飛んだストーカーじゃねえか!」

 

「めぐねえどうしよう!あんなのまで……」

 

手元にある武器は少ない。これでどうにかできるだろうか……いや、やるしかない。散々戦った相手だ。もうそろそろ引導を渡そう。あのラクーンの地獄から私は決別する。

 

「みんなは先に地下に避難して。私は…あれにとどめを刺す」

 

私の言葉に全員が息を呑んだ。確かにそうなるだろう。なにせ何度倒しても起き上がって襲ってくる相手なのだ。

 

 

 

「でもめぐねえ危険だよ!」

 

「いやもう危険とかそういうレベルじゃなくてやばいですってば先生」

 

「大丈夫よ。必ず帰るわ」

立ち上がってそこで話はおしまいと手を叩く。

いつまでもここにいるわけにはいかない。やるしかないわけだ。

 

 

その巨人の化け物、おそらくタイラントは待っていたかのように二階の廊下に立っていた。なるほど狙いはやはり私らしく、ずっと私を見つめていた。

向こうが歩き出した。なけなしのグレネード弾を投射。既に破れかけていたコートが、千切れて吹き飛んだ。

かなりの爆発があったけれど、それの肉体には傷はほとんど付けられていない。

それでも残った全弾を叩き込んだ。

一瞬それが片膝を着いた。既に体はボロボロ……コートは吹き飛んでしまっていた。

「やって……ないわね!」

 

急にそれの背中が大きく蠢いた。筋肉が痙攣しているとかそういうレベルではない。それは、体が骨格から変貌しているような…急速な進化とも言えた。

光と共に行われるポケモ◯の進化とは対照的にそれはひどく生々しくグロテスクだった。

 

起き上がったそれは、両腕の爪が大きく肥大化し、胸元が大きく割れていた。割れたところが大きく開き咆哮する。それは巨大な口のようなものだった。その口の中に巨大な目玉が見える。あれG生物なのかしら?まさか……

 

 

まっすぐこっちに突っ込んできた。歩くなんてものではない。走っていた。咄嗟に横の教室に飛び込んだ。タイラントが壁に突っ込んだのか大きな音がした。咄嗟に教室から頭を出す。下から登ってくる火災の炎が、タイラントの体を舐め回すように取り囲んでいた。

咄嗟に9ミリ拳銃をホルスターから引き出し構える。

そこでふと気づいた。背中側の腰には途中まで持っていたガトリングガンの弾薬庫がまだ残っていた。本体は途中で瓦礫に押しつぶされて壊れてしまっていたけれど、それ以降もずっと腰に弾薬庫はつけていたらしい。

 

足に向かって10発近くを叩き込む。これだけ銃弾を叩き込めば一瞬だけれど動きを封じることができた。

その隙に即席で作った爆弾を放り投げた。

先端の導火線は短く切ってある。それは放物線を描いて、タイラントの腰にあたり炎の中に消えた。

 

一瞬遅れての爆発、それとともに化け物の咆哮が響き渡った。弾薬庫も誘爆したらしく、爆竹が炸裂する音が聞こえた。

 

教室を伝って距離を取る。タイラントはまだ健在だった。それでもダメージは入っているようで、弾薬庫のあった腰あたりは焦げてボロボロになっていた。

 

それでも私を見つめ続ける。もはや暴君ではない復讐者のようだった。

 

 

再び奴が駆け出した。避けようとして、体に彼らが飛びかかってきた。意識をタイラントに集中させすぎていた。

振り解こうにも振り解けない‼︎

「しまっ‼︎」

 

もう直ぐそばまでタイラントが来ていた。したから突き上げるようにその巨大な爪を持つ腕が動いた。とっさに体を捻ってその爪に彼らを晒す。

案の定、彼らが先にそれに接触、首筋に噛みつこうとしていた彼らの体は縦に三つに分裂し掛けた状態で爪に引っかかった。

「きゃっ‼︎」

 

そのまま彼らの亡骸共々吹き飛ばされた。

床を何回か跳ねて、壁に叩きつけられた。肺から空気が全部抜けてしまって一時的に呼吸困難となってしまう。

 

「せ、せ、先……生ッ‼︎」

ふと幼い子供の声が聞こえた。後ろを振り返ってみると、そこにはるーちゃんが息を上げて立っていた。両手で重そうに包のような武器を持っていた。

 

それは対戦車ロケット……ソ連が開発したRPG-7だった。どこからそれをと言おうとしたけれど、それよりも先にタイラントが迫ってきていた。

もう後はない。

咄嗟にそれを受け取る。

「るーちゃん、私の左側でしゃがんで耳を塞いで口を開けていて。これ絶対よ」

うなずくるーちゃん。

こういう類の兵器は一度元警官に教えてもらったことがある。

安全装置を解除し、後方確認。

重たいそれの照準を、タイラントのお腹に向ける。

一瞬そいつが腹を開けた。巨大な目があらわになった。

 

「死になさい。化け物」

 

引き金は軽く、発射時の衝撃も酷くはなかった。

白煙が室内に撒き散らされ、一瞬立ってタイラントのお腹が大爆発を起こした。体が下半身を残し木っ端微塵に砕け散った。

 

「……終わった?」

 

まあそれはいい。この場でもう襲ってこないようなら今はそれでいい。すぐにるーちゃんを抱きかかえてみんなが待っているシェルターに駆け出した。

 

 

るーちゃん「あとはほんぺんとおなじだからかっとするね。つづいてもういっぽん」

 

 

 

 

 

 

 

ヘリコプター脱出

ルート分岐

 

2日目以降に軍基地へ向かう。

ラクーン篇で友人と脱出する。

感染してワクチンを使っている。

 

 

 

 

地下の施設に向かう通路は墜落したヘリのせいでもはやいくことはできそうになかった。こんなことなら全員分のワクチンくらい持ってきておくべきだった。後悔しても今更でしかないけれど。

 

二階までの防衛戦を突破されてしまって、三階の防衛線を行おうとした矢先の事だった。全員で作戦を立てるために一度近くの教室に集まっていた。

 

「どうしたら…ってこの場合屋上しか逃げ道はないか……」

 

「確かにあそこならまだ大丈夫なはずよ」

結局逃げ場なんてものはなくて、屋上を最終防衛線とすることになった。でもまずは3階の防衛だ。

 

「あれは……」

 

少しだけ気分が悪くなって、私は割れた窓から頭を出した。そのとき見えてしまった。

散々私たちを苦しめ続けたタイラントが、こちらに迫ってきているのに……

火災地帯なんてあれには確かに通用しないだろう。

 

「めぐねえ?っ‼︎あいつがきたのか‼︎」

 

私と恵飛須沢さんは、タイラントのせいで彼らに感染してしまったと言っても過言ではない。噛まれてすぐに地下から持ってきたワクチンを摂取できたから一命は取り止めているけれどそれでもいつまでもつかはわからない。少しづつだけれど自分の体が何かに浸食されているような感覚がある。

 

「く…まだ私たちを……」

 

最悪だった。玄関に集まっていた彼らを殴り飛ばし、それは正面玄関から入ってきた。

 

「やるしかねえか……」

恵飛須沢さんは覚悟を決めたらしい。ならば私もそれなりの覚悟はしなければならない。

「2人ともどうするつもりなの⁈」

 

「りーさん、ちょっと二階で戦ってくるわ」

 

「待って危険だよ‼︎」

 

「もう安全な場所なんてないのよ」

 

まだ彼らは二階に溢れ掛けているところで、ここでなら心おきなく戦える。

みんなを無理に押しとどめて2人で廊下の奥を見つめた。

彼らが蠢いている。その奥…中央階段のバリケードの残骸が吹き飛んだ。舞い上がった埃の中から、それが姿を現した。

 

「結局最後まで私達は相手するんだな」

 

「そうね……でも先生は貴女を信じているわよ」

 

「めぐねえやめてくれよ。フラグじゃないか」

フラグなんて折るものなのよ。

廊下を蠢く彼らを吹き飛ばしながら、タイラントが歩いてきた。相変わらず走れないようだったけれど、前回ガソリンスタンドごと吹き飛ばした時にコートは破壊され、異様に変形した体がいまだに蠢いていた。

 

「なんか…気持ち悪くないか?」

 

「そうでもないわよ」

地獄というのはもっと悲惨だから。

 

 

 

「はあああ‼︎」

シャベルを構えた恵飛須沢さんが飛び出して、タイラントに接近、だけれどタイラントもアホではない。右腕で突き出されたシャベルを弾いた。

 

 

そこに私がライフルの弾を浴びせる。残っていた15発全部だ。弱点となっていた頭に叩き込んだけれど…これでも全然頭は吹き飛ばない。

「やっぱり硬いわ」

 

シャベルが何度もぶつけられる音がしたけれど、それも何か硬いものを弾いているような音でもはや効いている様子はない。

「下がって‼︎」

 

腰にくくりつけておいたグレネード弾をライフル銃の下に取り付けられた装置に押し込む。

咄嗟に恵飛須沢さんが飛び退いた。近くの彼らの頭を蹴り上げて大きく跳躍。感染してからというもの体のリミッターが外れたのか時々体操選手並みの動きを披露している。

それに合わせてグレネードを投射した。爆発でそれの腕の付け根がついに吹き飛んだ。それはさっきまで執拗に恵飛須沢さんが攻撃していた方の腕だった。

 

「腕が吹き飛んだけど……」

 

「いえ……あれは!」

 

引きちぎれた腕を回復しようと、断面がまるで沸騰する水のように膨らみ始めた。それ一つ一つが細胞なのだろう。やがてそれに触手のようなものが絡み始め、腕が再構築されていく。

咄嗟に空っぽのライフルを捨て、9ミリ拳銃を引っ張り出す。

 

何度も弾丸を叩きつける。回復途中の攻撃が効いたのか、回復が中途半端な状態で止まった。

腕の代わりとして伸びた触手のようなもの。その先端は鋭く尖っていた。その上から細胞組織が被さろうとしていたのだろうがそれは大きく肩まで後退してしまっている。

その上、足りない分を別のところから持ってこようとしたのか心臓が少しだけ胸部から露出していた。

 

「心臓を剥き出しにするって…やってくださいって言っているようなものだろ!」

一気に勝敗を決めたかったのか恵飛須沢さんが駆け出した。壁を三点蹴りし、空中から一気にシャベルを心臓に向かって突き出した。

だけれどそのシャベルは心臓を貫く前に、触手で構成された腕によって掴まれた。

 

「まっず‼︎」

一瞬だけ遅れて彼女はこちらに放り投げられた。

「恵飛須沢さんッ‼︎」

吹き飛ばされた彼女は、階段の壁に叩きつけられた。

恐ろしい威力だ。腕が触手だけで構成されているとはいえ…力は比べ物にならない。

どうしようもない。ここは引くしかなかった。

体を強打した彼女を連れてすぐに三階に避難をする。全員にすぐ屋上まで避難するように叫び、下から上がってこようとしていたその暴君に手製の爆弾を放り投げた。それはちょうど足元で爆発し、一時的にだけれど動きを止めた。

追い討ちをかけるために包丁を持ち、階段の手すりを伝って下の階に飛び降りる。

うまく心臓を突き刺したかったけれど、そううまくはいかない、爆煙の中でもタイラントは移動していたらしく、私の包丁はそれの首筋に深く突き刺さった。

頭というのはこう言った生命体には心臓より必要性が薄いらしく、なかなか怯んでくれない。

だから刺さった包丁に力をいれ、それの頭を切り飛ばした。

流石に視覚や聴覚、それらを統制する頭脳が吹き飛ばされればそいつもうかつに攻撃はできないだろう。

 

すぐにその場を離れる。後ろの方で何か気色の悪い音がした。

 

 

三階に戻ると、全員が屋上に向かっている途中だった。私の姿を見て安心しているようだ。

 

すぐに私も彼女たちに合流しようと走り出す。

 

 

突然廊下が吹き飛んだ。目の前に巨大な穴ができる。その穴から這い出してきたそれは、四足歩行化の白っぽい体をした化け物だった。

「な、なんだそれ‼︎」

 

「柚村さん!今はそんなことより上に逃げるんです!」

階段で直樹さんと柚村さんが言い争っていた。

「でもめぐねえがっ‼︎」

 

「私はいいから早く上に行って‼︎」

多分これはタイラントだろう。どういう理屈か四足歩行になり、頭があったであろうところには無数の牙の生えた丸い口が開きっぱなしでこちらを見ていた。その口の両側に目のような丸くて粘膜に覆われた何かが露出していた。

 

気色悪い。それが第一印象だった。その上こちらはさっきよりも気分が悪くなってきていた。

残っていた銃弾を効果がありそうな目に向けて放つ。倒せなくても視覚を奪う。でも弾丸が当たっているにもかかわらず、そいつは嫌がったりしない。どうやら目は弱点ではないようだ。

それが駆け出した。まるで獣だった。

鋭い爪を壁に食い込ませ、天井を走ってきた。とっさに前に転がってそれが覆いかぶさってくるのを回避する。

振り返りながら規則性のない牙をはやした口へ向かって弾丸をお見舞いする。

今度は一瞬だけ首を振って嫌がった。なるほどそこだけは外皮のように硬くはないのね。

 

 

後ろを振り返ると、もうすでに全員屋上へ避難していたようだ。

ならば私も避難をしないと…そっと後退しながら、牽制射撃を繰り返す。ただ向こうも学習しているらしい。口を閉じてしまった。

 

爆弾でも食べさせられたらよかったのだけれど…仕方がないと階段を登っていく。そいつもくっついて登ってきた。咆哮、口が大きく開いた。とっさに最後の爆弾をその口に放り込み、拳銃でそれを狙い撃った。2発目で直撃があったのか、口の中で爆弾は炸裂した。

 

「やったの?」

 

それはフラグだ。

一瞬恵飛須沢さんの声が聞こえた気がした。

煙を突き破って、それが突っ込んできた。回避できない。

 

それのタックルを受けて私は屋上への入り口から吹き飛ばされた。水たまりを何回か跳ね、ソーラーパネルの基部でようやく体が止まった。

「「めぐねえ!」」

 

「先生!」

 

「まって来ちゃダメ‼︎」

 

流石に屋上の扉は通ることはできないのかその化け物は何度もタックルして破壊しようとしていた。もはやそれは本能で動く獣だった。

扉が破壊されるのも時間の問題。

「ここまで……なの?」

 

 

だけれど雨の音に混ざって別の騒音が聞こえた。それはさっき墜落したものと同じ音で、ふと柵の先に意識を飛ばせばそこにはダウンウォッシュで屋上の雨水を跳ね上げながらボバリングするヘリがいた。

 

「ヘリコプター⁈」

それもさっきより大型のものだった。

「おい!メグ!受け取れ!」

拡張器かスピーカーがあったのかヘリからそのような声が聞こえた。

その直後ヘリが大きく揺れ、機内から何かが落ちた。ケースだった。落下の衝撃で蓋が開き、中身があらわとなった。

それは四連装のロケットランチャーだった。確か某筋肉映画にも登場したものだった。

 

それを構えて、タイラントを見つめる。すでによくわからない何かの触手が生えてきてそれは化け物になっていた。その触手が入り口の周囲を捲るように破壊していく。だけれどそれが終わるよりも私の方が早かった。

「終わりよ」

背後を確認し引き金を引いた。

飛び出したロケットは真っ直ぐ屋上入り口に飛んでいって、そこにいたタイラントを吹き飛ばした。爆風が体を撫でる。

 

「……お、終わったのか?」

 

「そうみたいね…」

 

「おーい!燃料はやばいんだ救助は君たちだけかな?」

 

それは流暢な英語だった。改めてやってきたヘリコプターを見てみる。それは大型のUH-60ヘリだった。側面にはBSAAのマークが描かれていた。

「助けに来てくれたんですか⁈」

開け放たれたキャビンからヘルメットを被った人がこちらの様子を伺っていた。

「そうだよメグ!」

ヘルメットをかぶったパイロットらしき人は、コクピットに何か合図をしていた。やがてヘリが屋上に着陸した。

 

すぐにみんながヘリに乗っていく。ただUH-60といえど8人も乗るとそろそろ収容人数がギリギリになっていた。

それでも難なく離陸するヘリコプター。

 

「あ、ありがとうございます…ところでどうして私の名前を…」

 

救助を送るときに確かに名前は伝えたかもしれないけれどどうして私が本人だとわかったのだろう?

「そりゃそうさ。私を忘れたのかい?」

 

「もしかして…レナータ⁈」

ヘルメットを外した彼女は、たしかにあの時一緒に脱出した友人だった。まさかBSAAに入隊していたなんて……

「そうだよ。久しぶりだね」

 

 

 

「街…結構ひどいことになっていたのね」

 

「でも私たちが来たからにはもう大丈夫さ。それにウィルスに対処するためのワクチンも開発の目処が立った」

意外だった。もう彼らはこの事態を収束するためのワクチンを……すごいことだ。

「どうなの⁈」

 

「ああ、この土地の湧水がこの元凶に効果があるみたいでね」

 

そうだったんだ……不思議なものだ。

 

 

 

 

 

 

 

数年後

 

息抜きのために緑茶を入れていると、携帯が着信音を奏でた。表示されている相手は若狭さんだった。彼女からかかってくるのは一ヶ月ぶりだろう。直樹さんや由紀さんみたいに一週間に一回のペースではかかってこないので珍しく感じる。

電話に出てみれば、若狭ですと、あの時よりもさらに落ち着いた声が聞こえた。

「先生!新しい職場はどうですか?」

 

「若狭さん、もう先生じゃないのよ。今の職場は……まあ色々海外飛んでいるわね」

実際一昨日まで地中海にいた。

二ヶ月前はスペインだ。

「そうなんですか?くるみさんもそっちに今度から行くって言っていたので……そうよね柚村さん」

どうやら向こうの電話口には柚村さんもいるらしい。会話声が少しだけ聞こえてきていた。

 

彼女は確か医療チームだったわね…

「ええ、こっちでも確認はしているわ」

 

「そうですか。良かったです」

 

扉がノックされた。どうやら私を呼びにきたようだ。

「ごめんなさい呼ばれちゃったから切るわ」

 

「わかりました。先生も体大事にしてくださいね」

 

「そっちもね。それじゃあ」

電話を切るのと彼が入ってくるのは同時だった。

入ってきた彼は、私より2、3歳年下のはずだけれど、それでも私より背が大きくガタイが良いからか全然年下に見えない。まあ私の部下はみんながたいがいいせいで私自身子供と間違えられそうになる。

 

「隊長、緊急招集です」

軍服の腕についたワッペンにはBSAAのマーク。私の新しい職場は、今日もどこかで戦い続けるものだ。

「わかったわ、案内して」

 

彼に続いて私も部屋を後にする。

案内されたのは作戦会議室。

机には、どこかの国の地図が開かれていた。

 

「状況はどうなっているの?」

 

さて、これはまた出張かしらね。

 

 

 

END?

 

長い合間お付き合いいただきありがとうございました。




メッセージ
るーちゃん「うらしなりおがかいほうされたよ」

なんですと

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