RTAじゃないけれどサクサクプレイはーじまーるよ!
はい前回は校舎を抜けて裏通りに出たところからです。
幸いここらへんはまだ大きな混乱もなく車などの事故車もないため人がいない普通の街のような雰囲気です。
実際には表通りから侵入した無数の感染者がいますが数も少なく問題はありません。
取り敢えず4人で固まっていればまず安全です。
ではここからの方針をお知らせしま。まず服装ですが…せっかくですので今まで揃えたものを毎回着せ替えながら進めていきます。一度回収した衣装へは簡単に交換できますのでね。今回はかの有名なエログロバイオハザード漫画である学園黙示○の制服を着ています。もちろん某イラストのように破けたりはしませんよ。ちなみにリサは同じシリーズの某校医の服にしています。
それとなるべくイベントを回収してから行きたいのでたまに遠回りになったりします。
まずはここから地下鉄の駅に向かって歩きましょう。と言っても意外と表通りとこっちの道を塞ぐようにバリケードが作られているのでちょっと迂回します。正確には建物の中を通ることになります。
建物の方は鍵がかかっていないのですんなり入れました。
表の方に繋がる扉はバリケードの一環で鍵がかかっています。この鍵はお店のカウンターに目立つように置かれています。
まあチュートリアルのようなものです。バイオハザード時のみ操作性やボタン配置が通常とは変化するのでそれに慣れてねということでしょう。
それとここからは組み付かれそうになった時にとっさに出るボタン押し…クイック操作での緊急回避ではなくきめられたコマンドを打ち込むことによる緊急回避となります。そのチュートリアルも…おっとでましたね。
扉を開けた途端飛び込んできた感染者が掴みかかってきました。噛まれないようにしっかり緊急回避しましょうね。回避すると先生がその感染者を転ばせて頭を踏み潰します。ワイルドな先生ですねえ。
まあ顔色がだんだん悪くなってきているのですけれどね。
では先に進みましょう表通りです。
はい表通りはかなり荒れてしまっています。
どうしてなのか車が追突事故を起こし一部は火災で動けず。この通りを直接突破することはできません。
面倒ですが向かい側の建物から進んでいきたいところですがすぐに向こうにはいきません。
ここで一旦画面左方向、つまりダウンタウン方面へ向かってみましょう。しばらく道なりに進んでいくとなんとそこにはたくさんの生存者さん達が逃げているではありませんか。
元は十字路だったようですが正面の道は事故車で塞がっていて人々は右から左に向かって逃げています。
それらの避難誘導をやっている警察の中に皆さんお馴染みブラッドパイセンがいます。では彼らのところに向かいましょう!
向かうとすぐにみんなが逃げている方向へ逃げるように言われるイベントです。
ですが逃げる前にまずは学校側に人が取り残されていることを伝えると、警官たちがどこかに無線を飛ばし始めます。そこにブラッドが現れて事情を聞いてきます。どうやら先に現場に行き救助のための下調べをしに行くと言い出します。
ここでクイック選択。
ブラッドと一緒に学校に戻るか、否か。
ここは戻るを選択しましょう。
こうすることで先生、リサ、レナータとは別行動となります。
ではブラッドと一緒に学校の方へ戻りましょう!
ここで別れたとしても3人ともしっかり生存しますので大丈夫です。
ではきた道を引き返していると後ろからクラクションの音がしますね。見ると先程までいた十字路でバスが衝突事故を起こしています。まあなんということはありません。ただのゾンビアタックです。
ここで出てくるのはバスは41番系統アップタウン行きのバスです。
こんな時に何は知らせているんだと思いますが実はこの時点でバスは多くが避難用にアップタウン、ダウンタウン方面と街の外への避難をピストン輸送で行なっていました。
ただあれは運が悪く車内で感染者が出てしまったものでしょう。ナームナム。
ではバス事故を見届けたところで先に進みましょう。今回はアップデート前のように理不尽なバス特攻とか自動車特攻はありませんがああして遠巻きに事故が起こる様子が見られます。
ある意味地獄ですよねえ。
道の感染者は邪魔なので撤退してもらいましょう。と言ってもめぐねえの銃スキルはお察しくださいなので結構近距離から頭を狙うようにします。頭を撃たれればヘッドショットでなくても大きく怯みます。その隙に体術の足掛けで転ばせ、後頭部あるいは側頭部を撃ちます。
ちょっと手間がかかりますが仕方がありませんね。
まあブラッドさんも手伝ってくれていますので何とかなります。
では学校の正面にやってきましたが彼らの大群が門を取り囲んでいて入ることはできません。
結局また裏手側に行きます。
ちなみにまだタイラントは投下されていません。
ブラッドさんと一緒に学校に戻り生存者が立てこもっている場所まで案内します。結構な数の感染者がいますが校舎通路においてはブラッドさんがめぐねえの一歩後ろから援護射撃(ほぼヘッドショット)をしてくれますので特に攻撃をする必要はありません。
ではムービーです。
負傷者が多く避難誘導が困難だということで校舎屋上にヘリを呼ぶこととなりました。
そのためにまずは負傷者達の屋上への避難。そしてヘリの呼び寄せを行います。
では感染者が襲ってこないうちに動かせる負傷者を護衛しつつ屋上まで連れて行きます。と言っても感染者の数は校内配置はフロアごとに三体のみです。
なので一階は来る時にブラッドさんが殲滅していますので特に危険はありません。
はい殲滅。では奥上にヘリを呼び寄せるためにブラッド兄貴が発煙筒を焚きます。
後はヘリが来るのを待つだけなのでブラッド兄貴は退散です。めぐねえもこのヘリに乗るように言われますが今から来るヘリでは定員オーバーです。
なのでブラッド兄貴と一緒に他の避難者の救助をしにいきます。
まーなんというか人手不足も甚だしいですね。
では校舎を出たところで正門の向こう側から何かがやってきます。
おやあ?何か見えますねえ……
おっといけないネメシスちゃん登場です!皆さん写真撮影は今のうちです!
正門に群がる感染者をはじき飛ばし、タックルで校舎の門を破壊しました。すげえなおらワクワクしてきたぞ!
なんてふざけている場合ではありませんよおおお!
破壊した門を放り投げてきます。すごいぞめぐねえとブラッド。みる前から伏せに移って回避しています。
はい壮絶鬼ごっこ開始です。ここは障害物などに引っかからないよう全力で逃げましょう。ブラッドもそうしていますからね。
吹っ飛んだ門が校舎に突き刺さっています。走っては来ないのですがなかなか、どうして威圧感がありますね。
裏門を飛び越えて逃げようとしたらネメシスさんが掟破りの地元歩きで先回りしてきました。校舎と塀を破壊するなんて常識をどこにおき忘れてきたんですかねこの大男は。
あ、ブラッド兄貴捕まった。
でも放り投げられた。
ではここからムービーこみの操作です。
すぐにクイックアクションで近くに止まっている車(デロリアン)に飛び乗ります。キーは入ったままなので必死にくるくるしましょうねー。いやーエンジンのかかりが悪いのなんの。
はいかかりました。ではこいつを……ネメシスにシュート‼︎
脱出モーションも基本はボタン操作なのでたいしたことはしません。フルダイブ式のVRMMOを使っている場合は結構大変ですがアシストもあるし平気でしょう多分……ただしタイミングがシビアなので注意しましょうねー。
車が突っ込んだので一時的にネメシスの動きが止まりました。そのうちに追い詰められていたブラッド兄貴と一緒に逃げます。
BGMが変わりましたね。どうやら撒いたようです。まあロケットランチャー1発か2発でダウンとれる程度なのでまだ柔らかいですよ。
では会話しながら移動です。真先にブラッド兄貴を攻撃していたことからおそらくSTARS隊員を狙っているものと考えたようです。すぐに町に残っているジルに連絡を取ろうとします。
しかしブラッドさんが無線を落としてしまったようです。あーあー……
さっきネメシスに襲われた時に落としたのでしょう。
そもそもこの時点でジルに無線で呼び掛けなんてできるのでしょうかね?
とりあえず近くの公衆電話まで行きましょう。
しかしここらへんの電話線は切断されているのでジルのいる区画まで行かないといけません。
そこまで遠くないので一緒にいきましょう。
助かった……にしては現状は最悪で、もはや子供がどうとか言っている暇はない状態だった。
医務室に逃げ込んだ人の多くは負傷者で、自力での脱出は困難な状態だった。
電話も通じない。助けを呼ぶのは文明の力では不可能だった。ならどうすれば良いのか。それはあまりにも簡単で、それでいてかなりの危険が伴うものだった。
「私たちが行きます」
そういった時、誰もが私たちを止めようとした。だけれど現状満足に動けるのは私達だけだった。
意外なことにレナは私に賛成してくれた。リサは流石に怖がっていたけれどそれでも行くと言ってくれた。
そして子供だけでは不安だとさっき助けてくれた数学の先生が一緒に来てくれることになった。
先生はけが人なんだから待っていたら?と聞いたけれど、助けられた恩があると言って一緒についてくることになった。
肩を軽く噛まれただけとはいえ少し不安だった。
流石に正門側にもう一回行くのは嫌だったから、もしかしたらと思って裏門の方に行ってみた。案の定そこに化け物はいなくて、路上駐車をしている車が何台か見られる程度だった。
「静かだね……」
「そうね。いやに静か」
道路幅はそこそこ広いけれど、通る車もなければ、歩いている人すらいない。
いや、アップタウンの方から響く爆発などはしっかりと聞こえてきていた。
「こっちの方にはいないようだな…全員離れるな」
学校をぐるりと周り、表通りに出る。ここら辺は旧道をそのまま利用しているところだから、レンガ造の道が多く残っている。アスファルトやコンクリートといったものとは違うデコボコした感じだ。幾何学的に、それでいて少し不自然に歪んだレンガの隙間を、赤い液体が流れていた。
いや液体だけではない、そこはまるで大災害が起こったかのように車が横転し道を塞いでいた。これでは先に進めない。
「ひどい……」
「大きな音がしていたと思っていたけれどこんなになっていたなんて……レナは雷じゃないのかなんて言っていたけれどやっぱり事故だったんだ」
「私だってまさかこんなことになっているだなんて思わなかったよ」
すぐ近くのお店の中を通って接続する大通りの道の方に出ることにした。
そっと裏口に当たる扉を開けてみれば鍵はかかっていなかったのかあっさりと開いた。
電気はまだついているらしく、店内は明るい。学校を出る時に拾った鉄の棒を構えた先生が先に中に入る。どうやら化け物はいないらしい。
大通りに面している店本来の入り口は、やはりというべきか鍵がかけられていた。シャッターが下りていなかったことが幸いだろう。
「鍵がかかっているわ」
最初に気づいたレナが、鍵を探しに店内を彷徨き始めた。
鍵か…こういう場合真っ先に鍵を置く場所といえば鍵の保管箱だけれど、用心深い場合は保管箱には入れないでどこかに隠すはずだ。あるいは鍵を持っていってしまった場合も考えられるけれどそうなったらその時考えよう。
「鍵…えっと……」
リサも捜索に参加。すぐに鍵の保管箱は見つかったけれど肝心の鍵はなかった。
「やっぱりないか…レナは見つかった?」
「いや、何もなかったさ。こっちにはないらしい」
着替え用のロッカーなどがある部屋から戻ってきたレナはそういった。
「カウンターとかはどうだ?ものの隙間に隠してあるとかは」
どうなんだろう?
そっとカウンターを覗いてみる。もしかしてテープとかでデッキの下に貼り付けられていたりするのではないだろうか?
手を伸ばしてカウンターの裏側を触ってみると、金属の不自然な出っ張りがテープで止められているのに手が触れた。
「あった……」
それはマスターキーだった。
拍子抜けするというかなんというかこの店のオーナーは裏口を閉め忘れたりとある意味抜けている。
それを使って通りに出てみれば、隅っこで車が炎上をしていた。いや炎上しているものなんてそこら中にあった。逃げ惑う人々。2ブロック先の方から非難を誘導する声が聞こえてきた。
まるで光に集まる虫のように、ショックを抑えきれない私たちはその声に向かって進んでいく。
「君達!そこは危険だ!早く避難しなさい!」
そういったのはパトカーに取り付けられたスピーカーで避難を促していた警官だった。
「まってくれ!今中学校のほうにけが人が沢山取り残されているんだ‼︎」
先に声をあげたのは先生だった。
「なんだって⁈だがこっちも避難している彼らを放っておくわけには…」
「どうした!」
先生と警官の合間に割って入るように、黄色いベストを着た男性が駆けてきた。どうやら彼も警官だったらしい。制服を着ていた警官たちが事情を話し始めた。
「ああブラッドか。実は中学校のほうに怪我人が多数取り残されているみたいでな」
「なんだって⁈……わかった。なら俺がいく」
「おい流石に1人はまずいだろ」
そんな感じの会話だっただろうか。騒音が酷くて聞き取れなかったけれど、レナが私に要約するように教えてくれた。
「大丈夫だ。そのかわりUBCSでもなんでもいいから救助ヘリの手配をしてくれ。それくらいならまだなんとかなるだろ」
「ああ、連絡の取れるヘリを探してみる」
そう言ってブラッドと呼ばれた警官は先生を見た。だけれど先生は妙に息が荒くなっていた。さっき走ったからだろうか?それとも傷がまだ痛むのだろうか?その時の私にはわからなかった。
「できれば案内をして欲しいんだが」
でも先生の様子はとても案内できそうな状態ではなかった。やっぱり学校で待っていた方がよかったのではないだろうか?
「私が案内します。みんなは先に避難を」
気づけば私はそう言っていた。感覚がおかしくなったままだったのだろう。
「めぐ⁈何いっているのさ。だったら私も……」
リサが私の肩を掴んで止めた。
「先導なら1人で大丈夫だよ」
「そうだな。ヘリを学校に呼び寄せるが人数が多いと一度に乗り切れない場合がある。何度も往復するのも厳しい状態だからすまないが動けるものはなるべく地下鉄で避難してくれ。UBCSとか言うやつらが避難誘導をしているはずだ」
「なら私が…くっ」
前に出ようとした先生が呻いた。少し顔色が悪くなっている。あまり無茶をしない方が良いのは一目瞭然だった。
「先生は無理しないで」
すったもんだがあったけれど、結局私はレナとリサを納得させて先生を地下鉄まで運ぶように伝えた。
残った私とその警官…ブラッドさんは再び来た道を戻り始めた。
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「いったいどうしてこんなことになったんでしょう……」
俺を案内すると言った中学生くらいの女の子は、前を歩きながらそう呟いた。いやボヤいた。その声に抑揚はなく、魂が抜かれてしまったみたいだった。少なくとも俺にはそう見えた。素人の俺にも分かる。これは相当ショックを受けている。それを使命のようなものを与えて無理やり押さえ込んでいるだけだ。
「分からん。だが気づけばこの有様だ」
だけれど少なくとも9月に入ってから化け物どもの目撃例が街で多発していた。あの忌々しい所長がそれらを捻り潰していなければもっと初期の段階で抑えられたかもしれない。
今更言ったところで無駄だろうが。
自宅待機が解除された時にはもうすでに手遅れで、住民の避難もままならない状態だった。
少女は、名前をめぐみと言った。日本という国からの留学生らしい。
「なあメグミ、救助対象者は何人いるんだ?」
「大体二十人くらい……かな」
銃を手に持つ少女は、少女らしからぬ立ち回りで、素早く校舎に向かっていった。
校舎にいた彼らを撃ち殺し、保健室に入ってみれば、そこには確かにけが人がたくさんいた。そのほとんどは火傷と骨折だと言っていた。
胸ポケットに入れておいた無線がなったのは、救助者の人数を数え終わったところだった。
「こちらブラッド。どうぞ」
『こちらUBCSの輸送ヘリ、ヴァイパー1だ。今からそちらに救助に向かう。要求者の人数と着陸ポイントを教えてくれ』
声に混じってローターが空気を切り裂く音が聞こえて来る。
「要救助者は子ども十二名大人九名、火傷と骨折で大半が重症。ラクーン中学の屋上にヘリが降りられるだけのスペースがある。合図は発煙筒を焚く」
『了解した。あー…十分ほどでそちらに到着する』
「頼んだ」
救助ヘリとの通信を終えると、俺のズボンを少女の手が引っ張った。
「私はどうしたらいいですか?」
ここは俺たちに任せろ。クリスだったらそう言っただろう。だけど俺にはそこまでできるほど強くはない。
「そうだな……全員を屋上に移動させる。援護してくれ」
「わかりました!」
意外と校舎の中に彼らの姿はなかった。
全くいないというわけではなく、数が少ないのだ。考えればなんのことはない。校舎入口は塞いである上に彼らは塀で校舎には近寄ることすらできないのだ。
それでもいるというのはきっと……いや考えないようにしよう。戸惑った奴から死んでいくのだ。
三階の廊下にいた彼らを最初に視認したのはメグミだった。
彼女は正確に頭を撃ち抜いた。
射撃のセンスは十分ある。ただ少し距離が近い。アレでは危険すぎる。銃身もかなりブレていた。
「銃は初めてか?」
「ええ…初めてです」
「なら構え方は悪くないからしっかり踏ん張って、照準を合わせてみるんだ。そうすればそんなに近づかなくてもちゃんと当てられるさ」
まあこれはクリスの受け売りなんだがな。
確かクリスもケビンから聞いたって言っていたから一番最初はケビンか。
そうこうしているうちに無事全員を屋上へ連れていくことに成功した。
緑色の発煙筒を焚き、平たい屋上へ誘導する。少ししてヘリの音が聞こえてきた。
「来てくれたな……」
到着したヘリコプターは、メインローターが二つあるタイプの大型ヘリだった。だけれど中にはすでに避難中の人達が何人もいた。別のところで救助活動をしていたものだというのはすぐに分かった。
「何人ほど乗せられそうだ!」
コクピットに回ってエンジン音に負けない大声で尋ねた。
「要救助者分は載せられます!ですがそれ以上は無理だ!離陸できなくなっちまう」
まいったな。そうなるとこの少女が乗れないかもしれない。
「この子も連れていけないか?」
「これ以上はむりだ!重量オーバーギリギリなんだ!」
俺もヘリパイロットだからわかる。数キロだって機体重量をオーバーすれば離陸できなくなってしまう。子供1人だってオーバーすればおいていくしかないのだ。
「だそうだどうする?」
「わかりました。では私は地下鉄で避難します」
やけに素直だった。中学生とは思えない。少しだけ不気味だった。
「じゃあ頼んだぞ!」
アンブレラの傭兵。あの研究所でこの惨劇を引き起こしたウィルスを作っていたあの大企業様の傭兵。だけれど彼らは何も知らない。
それに実際に救助活動を行なっている。少なくともその点については信用できる奴らだった。エンジンの音が大きくなり、ヘリは再び浮いた。
ヘリが飛び去っていくのを見守って、俺たちは地下鉄の駅に向かうことにした。
校舎を降りている途中、窓の端に何かコンテナのようなものが投下されているのが見えた。
だけれど俺はそれに気づかなかった。
そいつは突然現れた。
校舎を出たとき、その巨人のような化け物は、学校の正門に集まるゾンビ共を拳で弾き飛ばし、厳重に閉まっていた門を飴細工のように持ち上げ破壊した。
明らかにやばそうな存在だった。顔まで黒い袋のようなもので覆われていて表情は見えない。だけれどそれはこちらを見つめているように思えた。
「アレはやばい!こっちだ!」
とっさに裏門にむかって駆け出す。その後ろで空気を裂く音が聞こえ、咄嗟に頭を下げた。
頭上を引き剥がされた正門が飛んでいき、校舎に突き刺さった。なんて怪力だ!
「なんですかアレ!」
「知るか!こっちが聞きたい!」
なんなんだよアレはっ‼︎追われる恐怖、あの時と同じだった。あの時はヘリのコクピットにいて、とっさにエンジン出力を上げて飛び上がって逃げ出してしまったけれど、ここではそんな手は通用しない。
走ってくることはなかったけれど、そいつは真っ直ぐこちらに歩いていた。
メグミと一緒に裏門を飛び越えた。すぐにここから離れないとアレに追いつかれちまう!
ただ校舎を回るようにしていた上に距離はあったからすぐにはこなっ……
バガァンッ!
突然目の前の煉瓦造りの塀が吹き飛んだ。
「なっ!」
そいつは、校舎を突き抜けてショートカットしたのだ。
直撃を受けた少女が吹き飛ばされた。
頭を掴まれ、俺も遠くに吹き飛ばされた。
まずいこのままだとっ‼︎くそお‼︎
ゆっくりと歩いてくるそいつは、無機質に、無表情に、まるで命令を遂行しているかのように俺に迫ってきた。死の恐怖が俺のすぐそばを通過し、心の底から手が震え始めた。
目を瞑ってしまいたかったが俺は奴の振りあげられた手を見続けてしまった。
だがその手が、拳が俺に振り下ろされることはなかった。
「くたばれええ‼︎」
女の子とは到底思えない声と共に、一台の車が巨人の化け物に突っ込んだ。化物が大きく跳ね飛ばされ、車ごと塀の向こう側に消えた。
ぶつかる直前で彼女は飛び降りたのだろう。俺に向かって駆け出していた。
「早く逃げるよ!」
「分かっている‼︎」
ほんとうに子供なのか?そんな雰囲気を感じ取った。だがそれを確認する術は結局俺にはなかった。