はい今回は番外編としてトールオークス/ターチィ編のRTAをやっていきます。
ここの区間のRTAをやることになったきっかけですが、ある方の感想に過去編区間におけるRTAタイムの比較が欲しいとののことでしたので今回の動画を出させていただくことにしました。
ちなみにめぐねえRTAの時ののラクーンシティ単体のタイムは1時間33分4秒です。
使用キャラはくるみとします。他のキャラでも良いのですがめぐねえと対をなす必要が感じられたのでくるみにします。
では早速始めていきましょう。
今回はあらかじめ過去編が始まるまでのデータは作ってあります。
さて今回は……どうやらターチィになったようです。
正直難易度がラクーンシティの比じゃないので正直くるみ達では生存確率が極端に低くなるのですがまあ大丈夫です(白目)
当たらなければどうということはないのだ(棒)
ちなみに生徒をPCとするか先生をPCとするかで時代設定が若干変わってきます。
目の前で人が人を襲っていた。
フラフラとした生気のない表情……首元を食いちぎられて虫の息になる後輩。
呆気に取られていたのはほんの数秒…それくらいだったと思う。咄嗟に側にいた先輩の手を取って走り出した。ドラマチックな展開だと普段の時なら思えたかもしれないが今となっては別だった。
「お、おい!」
「いいから来て!」
陸上部の練習場に来ていた先輩に、めぐねえからもらったアドバイスを元に突撃。自分の思いを伝えたところで、それは現れた。呪われているのではないかとかなんでこのタイミングなんだとか言いたいことは山ほどある。
だがまずは生き残ることが重要だった。そう、あの時のような地獄では……
既に構内でも惨劇が繰り広げられていた。あちらこちらで生徒が生徒に襲いかかり、血が飛び散っていた。
先輩が屋上へ行こうと叫んだ。確かにあそこなら篭城戦をするのであればちょうど良い。水もあるし最低限の食料も……あーこの時期って野菜何があったっけ?まあいいや。
「おい恵飛須沢!危ないっ‼︎」
教室の扉が破壊され、私に覆いかぶさってきた。咄嗟のことで私も避けられなかった。
2013年6月30日。
私はその日人生初の地獄へ迷い込んでしまっていた。
1人旅行をするのにここ数年ハマっていた私は、高校入試が終わったことを気にターチィに1人飛んでいた。丁度土日前に振替休日が含まれていたため、三日間の旅行になるはずだった。
だがそれは初日の夕方、つまり昨日の時点で頓挫してしまった。
最初はお面を被った男が変な動きをしているなというだけだった。どこかフラフラと、落ち着きのない動きで通行人を見ていた。偉葉の地域は全体的にごちゃごちゃした印象だったしそういう人もいるのだなと露店で珍しいものを物色していると、背後で悲鳴が上がった。
とっさに振り向けば、そこには近くにいた女性を壁に向かって叩き投げているお面の男がいた。
周囲の人々が一斉に逃げ出した。その人の波に揉まれるようにして私もその場から逃げ出そうとした。だけどパニックになった人混みの中をそう簡単に逃げ出せるほど私はまだそれに慣れていなかった。
着ていたパーカーの端が露店の骨組みに引っかかり、その状態で突き飛ばされた。露店のテントを倒しながら私は地面に叩きつけられた。
気がつけばお面を被った男は数人に増えていた。
そいつらは私を見つけるなりおそりかかってきた。
「うわっ!」
転がるようにしてその場から横に逃げた途端、さっきまで私が倒れていたところに拳が叩きつけられていた。
頭を低くしたまま道の端を必死こいて駆けていく。すぐ背後をバッドが飛んで行った気がした。
陸上部だから足には地震があった。だけれど相手はそれ以上の速さで追いかけてきたのだ。
「頭下げてッ!」
怒鳴りつけるような英語。本能的に頭を下げた瞬間、頭上を何かが飛んでいった。
それはスコップ、あるいはシャベルと呼ばれる道具だった。それが巨大な弓のように宙を舞い、背後にいた仮面の男を吹き飛ばした。
思わず前に意識を戻せば、そこには銀髪の髪をたなびかせながらまるでピッチャーが投球した時のフォームで固まっている少女がいた。
年齢はおそらく私と同じくらいだろう。
「こっち!」
「えっとっありがとう!」
「礼は受け取っておくよ」
実際には手なんて握っていないけれど、まるで手を引かれるかのように付かず離れずの距離で私とその少女は裏道を逃げていた。
トタンで作られた壁や無造作に突き出た鉄骨と足場、錆びてボロボロのベランダと、一歩裏に入るだけでもまるで迷路のようなところだった。
そんな中でやや劣化した扉が無造作に開け放たれていた。銀髪の少女はそこに飛び込み、私もそれに続いた。
すぐに扉が閉められる。蝶番が音を立てて軋みをあげたけれど、扉を閉めて少ししてもさっきの男たちが襲ってくる気配はなかった。
「助かった?」
よくはわからなかったけれど、一息つけたのは確かだった。
「この場は助かったんじゃないかな?」
そういう少女は、外の音を少しの曖昧聞こうとしていたが、外から気配がしなくなったのかすぐにこちらに向き直った。
「えっと、助けてくれてありがとう」
「いやいいってことさ。私はレナータ。適当にレナって呼んでくれ」
日本だったら廃墟同然のボロボロな建物を歩きながら彼女はレナと名乗った。不思議な名前だった。顔立ちはどこか東洋人のようにも感じられたが、雰囲気も喋る英語も東洋の雰囲気は全くしない。
「私は恵飛須沢 胡桃」
「んー日本人か。観光できたのかな?」
「そうだけど…レナは?」
「私も観光さ。まあ生まれがここで幼い頃はここに住んでたから里帰りってやつかな」
「そっか。にしてもあいつらなんなんだ?」
お面を被った犯罪者集団でもあるのか?まあここは中国だしそんな組織の一つや二つ珍しくもなんともないけど、ありゃカンフーの達人かってレベルで超人的な動きしてたぞ。酔拳だってあそこまで凄くはならないし。
「さあ?私もわからないけど……」
レナが話している最中、部屋が大きく揺れた。何かが爆発する轟音も少し遅れてやってきた。
上の階に続く階段を見つけて、視界が確保できる高さの窓を覗き込むとして遠くでいくつかの爆発が起こっていた。まるで内戦のようだった。目の前で起こっていることもまだ実感が持てなくて、遠くの世界のような気になってしまう。人間やっぱり唐突な出来事に対してはどこか対応できないんだろうな。
「これは…テロかな」
「ただのテロだといいんだけど……ともかくここは危険だ。すぐに逃げよう」
「逃げるってどこに?」
「なるべく安全なところさ」
屋上に出ると、外の音がより一層聞こえるようになった。爆発だけではなく銃の発砲する音に悲鳴も、より鮮明に耳に入ってきた。
「おっと、ストーカーのお出ましみたいだね」
振り返れば、そこにはお面を被った男達がよじ登ってきていた。まさか建物の外壁を登ってきたのか。
「それってジョーク?」
「まあね」
男達の手には青龍刀のような太い刀が握られていた。
「走れる?」
「走るのは得意」
レナと私が駆け出したのはほぼ同時だった。それを追いかけるように背後でいくつもの足音が続く。
建物の端が一気に近づいてくる。後数歩で終わってしまうだろう。
だけれどすぐ隣にもビルがある。思いっきり踏み込んで、隣のビルに飛び移った。とは言っても歩幅一歩分しか離れていないから落ちる心配はほぼないんだけどな。
隣のビルは工事中だったのか簡易的な足場が組まれ、幾つもの工具が置かれていた。
レナが咄嗟に立てかけてあったシャベルを掴み、後ろから迫ってきていた男をぶん殴った。反動で男が転んだ。追い討ちをかけるように振り上げたシャベルで頭を叩き割った。流石にそこまでする必要はあったのかと思いたかったけれど、次の瞬間その男の体が不意に、予想だにせずに、燃え上がった。
「なんで……わからない。でも今はそれを考える時じゃないと思うよ」
そうだった。まだ男たちはいるんだった。
レナがシャベルをこちらに放り投げた。
「使ってくれ私にはこっちの方が合いそうだ」
レナの手には銀色に光る何かが握られていた。それは燃え上がった男が持っていた青龍刀だった。
「なるほど、まあなんかわからないけど人じゃないっぽいし」
数は2人。これくらいならまだ相手できる!