超次元世界 クロスフロンティア   作:青龍騎士

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OP:楽園都市


第20話 予算会議の乱

 ある日のセントラルエリアの中央軍事基地では、メサイア達が食堂で談笑していた。

 

「大晦日のビッグイベントだけど、大丈夫?」

 

「ああ。このビッグイベントには絶対勝つ!それにケモナーマスクもスーパーファイトで登場するし、このイベントで恥を晒すわけにはいかないからな。」

 

「ですよね。ん?」

 

 瑞希が視線の先を向くと、シズクが欠伸をしながら席に座っていた。

 

「シズクじゃない!どうしたの?」

 

「昨日の夜、会計部隊の決算で……今日の朝まで仕上げていたので寝不足なんです……」

 

「そ、それは大変だね……」

 

「そうです!大変です!」

 

 全員が声のした方を見ると、マルタ(くー)が慌てながら姿を現す。

 

「マルタ(くー)さん!」

 

「会計部隊隊長のサレンさんが各部隊の予算を大幅にバッサリ減らしてしまい、他の部隊長がカンカンに怒っています!」

 

「大変です!急がないと!」

 

 シズクは慌てて立ち上がり、マルタ(くー)と共に会議室に駆け出す。

 

「偉い事になったな……」

 

 メサイアは頭を掻いた後、瑞希達と共に後を追いかけだした。

 

 

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 会議室では予算会議が行われており、魔術部隊隊長のフレイアが抗議をしていた。

 

「どういうつもりですか!予算を大幅に減らすなんて!」

 

「落ち着いてください、フレイアさん!」

 

 怒るフレイアをシズクとマルタ(くー)が落ち着かせる。

 

「フレイアさん。新しく隊長に就任されたのはいいですが、あなたの部下の二人がとんでもない騒動を起こしていましたからね。特にこの子が!」

 

 サレンはめぐみんを指差し、彼女は縮こまってしまう。

 

「あーっ、あいつはエクスプロージョンでいろいろやらかしたからな……」

 

「うるさいわい!」

 

 メサイアの発言にめぐみんが抗議する。

 

「よって、魔術部隊の抗議を却下します!」

 

 フレイアは俯いてしまい、メサイアが彼女を支える。

 

「次!」

 

「遠距離部隊も抗議します!」

 

「遠距離部隊隊長のミーナさん。」

 

「却下!」

 

 サレンは砲弾を発射するが、ミーナは上手く回避する。

 

「その手には……きゃああああああ!!」

 

 ミーナは落とし穴に落ちてしまい、メサイア達は唖然とする。

 

「いくらなんでも滅茶苦茶すぎないか!?」

 

「サレンさんは会計に関しては厳しいからね……」

 

「じゃあ、図書部隊は?」

 

 桃江が指さす方を見ると、笑っているスーツ姿の男がいた。

 

「ああ。彼は図書部隊隊長の岩崎宣十郎。無口だが、怒ると笑うんだよな……」

 

「そ、そうなんだ……確か図書部隊はロビンさんが所属しているし……」

 

 するとロビンが姿を現し、宣十郎は笑い始める。

 

「ヒャハハハハ。」

 

「図書部隊、何か?」

 

「図書部隊も抗議します。この予算では新刊本の購入が不可能です。」

 

「通訳担当ですね。ご苦労様です……」

 

 サレンが溜息をついたその時、魔術弾が彼女に襲い掛かる。

 

「「キャッ!」」

 

 サレン達が回避した直後、魔術弾は床に激突する。

 

「魔術部隊!魔術弾を投げないでください!」

 

 さらに銃弾がサレンに襲い掛かってくるが、彼女は盾で防ぐ。

 

「遠距離部隊!ゴム弾を発射しないでください!」

 

 今度は爆弾が襲い掛かり、サレンに激突する。

 

「図書部隊!爆弾を投げないでください!」

 

 大乱戦となる中、シャールカ達は予算を確認する。

 

「シャールカさん。救護部隊は?」

 

「駄目。全然話にならないわ。」

 

「では、こちらはどうしますか?」

 

「そうね……」

 

 シャールカは苦笑いしながらどうするか考え始めた。

 

 

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 そんな中、千冬、部長、怜悧は急いで会議室に向かっていた。

 

「何とかして騒動を終わらせなければ!」

 

「あっ!このようになっています!」

 

 会議室の中では今も乱戦となっており、シャールカ達が包帯を投げまくっていた。

 

「救護部隊!貴方方もいい加減になさい!」

 

 すると部長が前に出て息を吸い込む。

 

「ばっかもーん!!」

 

「あっ、部長!」

 

「予算会議で喧嘩など……よさんかい。」

 

『あがああああああ!!』

 

 部長のダジャレで全員がずっこけたと同時に、予算会議が幕を閉じた。

 

 

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「ええ。確かにケチケチ予算でしたが、なんだか残高がいつもより多めに高かったです。」

 

 その後、サレンは部長達から事情聴取を受けており、彼女は丁寧に答えていた。

 

「いつもより?」

 

「はい。それで相談しましたら、とりあえずそうなりまして……」

 

「なるほど……」

 

 事情を知った部長達は納得の表情をする。

 

「では、改めて確認する必要があるな。ここは両津を使おう。」

 

「そうですな。両津!」

 

「あいよ!」

 

 両津は部長から資料を受け取り、予算を確認し始める。

 

「分かったぞ!ここの領収書があっていない!」

 

「まあ!」

 

「まさか計算ミスか!?」

 

「その通りだ。この様なミスをするのは……」

 

 両津が辺りを見回した途端、ランコが逃げ出そうとしていた。

 

「やはり貴様か、ランコ!」

 

「やばっ!」

 

「「待てー!!」」

 

 逃げ出すランコをサレンと部長が追いかけ始める。

 

「やっぱりこうなると思った……」

 

 この光景を見た千冬達は呆れるしかなかった。




ED:大丈夫

次回予告

トライアウト。それは戦力外通告を受けた者達のラストチャンス。

我々はそこで一人の男を追跡する……

次回、トライアウト2019(前編)。

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