イナズマイレブン~彼方からの攻撃者~   作:ハマT

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最近色々とあってなかなか投稿出来なかった……
というか久しぶりでちゃんと書けてるか不安……

キャラ募集中です。現在一人につき2キャラで募集中ですがもしかしたら3キャラに増やすかも……

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=227334&uid=58942


第1話再開

昼休みのチャイムがなると同時にゆっくりと一人の少年が立ち上がる。鮮やかな赤髪のオールバックーー緋山 翔葵(ひやま しょうき)は、昼食を取るため教室を後にし、食堂へと歩き出す。廊下では他の生徒達が三者三様に束の間の休憩時間を過ごしていた。

 

(えっと次は……確か数学だっけ?)

 

そんなことを考えながら廊下を曲がったとき、正面から急に現れた少女とぶつかりそうになる。間一髪でさけーー緋山というよりは少女の方だがーーなんとか衝突を回避し改めてその少女の方をみる。紫の髪をしたその少女は、一言謝るとそのまま小走りで廊下の先へと消えていく。

 

「何だったんだ?……ってあれ?」

 

よく見ると廊下に何かが落ちている。黄色い色をした何かの小物入れのようなもの。拾って中を開けてみると中には、赤い眼鏡とコンタクトレンズを入れるであろう小さなケースが入ってた。

誰のだろう?

そう思って改めてメガネケースを見てみるも持ち主の手がかりは……あった。メガネのフレームにYÙKIと彫られている。ユウキまたは、ユキそれが持ち主の名前だろう。そう考えた瞬間、頭の中を一人の少女の事が過る。

小学校の頃、少し暗かったその少女が気になり、何度か話しかけやっと心を開いたと思ったらそのまま転校したその少女。確かその少女もユウキーー緋山自身はユキと呼んでいたがーーと言う名前で先程の少女と同じ紫の髪をしていた。

(……まさかな)

 

殆ど勘とも言える考えで先程の少女を探す緋山。その少女を見つけたのは、十分程たってからだった。場所は体育館裏。緋山も初めて来たが、昼休みや放課後に皆が必死に取り合うグラウンドと比べると、かなりの穴場だ。周りには誰もおらず、それなりの広さがある。それに足元に生えた雑草が上手く芝生の役割を果たし、裏山の木陰が差し込み少し涼しくなっている。

その場所で先程の少女は、リフティングをしていた。

 

「なぁ、これお前のか?」

 

そう言ってその少女にメガネケースを見せる。

 

「え?」

 

リフティングをやめ緋山に近づきそのメガネケースを確認する少女。

 

「ありがとう!!これいつの間に……ってショウくん?!」

 

その少女が緋山の顔を見るなり驚きの声を上げる。どうやら向こうは少女の事を知っているようだがこちらは、全く知らない。いや、一人心当たりがあるがその人物はここまで明るくもないし、髪も肩ぐらいまでしかなかったはず……。いやまさか……。

 

「もしかして……ユキか?」

 

緋山の小学校の頃の幼馴染ー舞崎友紀は、「そうだよ」と言わんばかりに頷いた。

 

「……もしかして気づかなかったの?」

 

「いや……お前かなり変わってるし……」

 

緋山が最後に会った友紀は、肩までしか無い髪に常に、少し暗い表情をしていた。だが今目の前にいる友紀は、髪を腰まで伸ばし明るい表情を浮かべている。残っている面影と言えば紫の髪くらい。気づかないのも無理もない。

 

「にしてもここで何してるんだ?」

 

「何ってサッカーだよ!!ボクここでサッカー部を作るんだ!!」

 

そう宣言する友紀。だがかなり無謀だ。この学校にある独自のシステムである学年順位。学業と部活の成績に応じて着けられるこの順位は、高いほどいくつかの優待を受けることができる。「興味がない」、「別にどっちでもいい」という生徒もいるがそれも僅かの間。たった一つの順位で学校生活が大きく変わる為、皆必死になって順位を上げようとする。その性質故か、新設の部活には人が集まりにくい。それを知らないのか友紀は、自信満々な笑顔を浮かべている。

 

「そうだ!!ショウくんもサッカーやろうよ!!」

 

そう言って緋山を勧誘する友紀。現在緋山は、部活に所属していない。だが高い身体能力を持っている為色々な部活に助っ人として参加している。学年順位に関係するその部への所属は関係ないため何人かの生徒は、助っ人という形で部活の成績を稼いでいる。しかし部活に正式に所属すれば他の部への助っ人が出来なくなってしまう。別に普通の部活であれば問題はないが新設の部、それもチームスポーツとなれば最悪、卒業まで部活の成績は0にある可能性もある。普通ならそんなリスクはおかさない。だが今緋山を誘っているのは、幼馴染の友紀だ。緋山からすれば断る理由はない。

 

「分かった。俺で良ければ力を貸すぜ!」

 

「ほんと?!ヤッター!!」

 

緋山の言葉に喜ぶ友紀。改めて、と握手しようとした瞬間、チャイムがなり始める。予鈴だ。あと5分もすれば次の授業が始まる。

 

「あ!!昼飯!!」

 

「次、体育だった!!」

 

チャイムを聞き慌てだす二人。

 

「……サッカーか……何か面白そうだな」

 

その二人の様子を山吹色のショートヘアーの男がこっそり伺っていた。その男に気づかないまま慌ててその場を後にする二人。その男も二人の後を応用にゆっくりと歩き始めた。


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