仮面ライダーW/Kの花嫁   作:wing//

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後編パートです。

フィリップによるお説教&和解パートです。

それでは、どうぞ!


第12話 「戦慄のT/気付く本心」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

爆弾が直撃し、ダブルの身体に火花が大きく飛び散った。爆発がダブルを包み、煙が晴れると・・・

 

『まったく・・・世話がやけるよ』

 

ブリザードクラッシャーへとチェンジしたダブルが健在していた。その体は所々氷が張られていた痕跡があった。爆弾を受ける直前、フィリップがブリザードメモリへとメモリをチェンジし、その特性でダブルの全身を瞬間的に氷で包み、できるだけ直撃を防いだのだった。

 

『・・・逃げられたようだね』

 

だが、ドーパントは先ほどの攻撃の際に、逃走したらしく、その姿を消していた。

 

「わ、悪い・・・フィリップ・・・俺のせいで・・・」

『翔太・・・いつもの君なら、もっと慎重に戦っていたはずだ・・・君らしくもない』

「・・・・・・・」

『とにかく、僕たちも一度、体勢を立て直そう・・・悪いが、今日の家庭教師は諦めてくれ』

「・・・・・あ、ああ」

 

フィリップの言葉に素直に頷き、翔太は変身を解いた。

 

(・・・上杉にメールを送らないとな)

 

スタッグフォンを開き、メールを送ろうとする翔太の顔は更に沈んでいた。

 

 

 

秘密のガレージに戻り、ハードボイルダーをリボルギャリーの格納スペースにしまった翔太は、既に先ほどのドーパントの検索を終えていたフィリップの話を聞いていた。

 

「おそらく、奴が使っているメモリはボムメモリだろう。名前の通り、爆弾の記憶を秘めた、危険なメモリだ。さっきの闘いでも使った小型爆弾、地雷・・・爆弾のスペシャリストといったところだね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「使用者ももう既に特定している・・・小金井雅夫。32歳、フリーター。趣味はMMO、いわゆるオンラインゲームだ。奴が、メモリをゲーム感覚で使用しているのも、それが影響しているだろうね」

「・・・・・ふざけた話だな」

 

フィリップの解説に、翔太はこぶしに力を込めていた。その様子に、フィリップはやれやれといった表情をしていた。

 

「それで・・・そいつの居場所は特定できてるのか?」

「・・・残念ながら、現在の居場所が特定できない・・・どうやら、こちらを警戒してか、場所を転々としているようだ。検索したところ、住所とは、違う場所がヒットした。もしかすれば、ネットカフェなどを転々としているのかもしれないね」

「・・・それなら、情報屋のみんなに探してもらうしかないか・・・」

 

早速、連絡を取ろうと、翔太がスタッグフォンを開こうとした時だった。

 

「・・・その前にだ・・・さっきの闘いはなんだい、翔太」

「・・・・・・・っ」

「昨日から様子が変だとは思っていたが、君のプライベートまで詮索するべきではないと思い、何も言わなかった・・・・・だが、ダブルの活動に支障をきたすのなら、放っておくわけにはいかない・・・・・何があったんだい」

「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・お前には、全部お見通しってわけだな・・・実はな・・・」

 

フィリップの指摘に隠しきれないと観念した翔太は、昨日の出来事を話した。それを聞いたフィリップの第一声は・・・

 

「・・・・・馬鹿なのかい、君は?」

「な、なんだとぉ!?」

 

容赦のない罵倒だった。馬鹿にされ、思わず翔太もムキになった。

 

「馬鹿だと言ったんだ・・・普通なら、君が上杉風太郎と中野姉妹との仲を取り持たないといけないはずなのに、中野五月と喧嘩するなど・・・これを馬鹿と呼ばないで、何と言うんだい?」

「・・・ぐぐぐ」

 

フィリップの正論に、何も言い返せず、歯噛みする翔太。

 

「そもそも・・・僕は家庭教師の依頼を引き受ける際に言ったはずだ・・・ダブルの活動に支障をきたさないようにと・・・だが、現状、君はいつものペースを取り乱し、ドーパントを取り逃がした」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「僕たちがやっているのは、正義の味方ごっこでも、遊びでもない・・・僕たちが失敗すれば、多くの人が被害を受ける可能性だってあるんだ。そのことは君が一番分かっているはずだ」

「・・・・・そう、だったな・・・悪い」

「・・・・・はぁ・・・まったく・・・君のハーフボイルドは相変わらずだね」

「ハーフボイルド言うな・・・俺だって、あいつを怒らせるつもりはなかったんだよ」

「・・・それなら、なぜ本当の理由を言わなかったんだい・・・?自分の昔の姿に被ったから、放っておけなかった・・・って」

 

フィリップの言葉に、翔太は上を見ながら、言うべきかどうか少し迷って・・・・・

 

「・・・あいつは・・・五つ子の中でも、不器用なくせに一番真面目だ・・・昔の自分と被ったからなんて理由・・・同情を買った、と思われるだけだと思ったんだよ」

「・・・・・やっぱりハーフボイルドだね」

 

フィリップのハーフボイルド発言に、翔太は今度は何も言い返さなかった。その通りだと思ったからだ。

 

「・・・・・だが、それはあくまでも君の考えだろう?」

「・・・あん?」

「少なくとも、中野五月は君がそう思っていることは知らないだろう。彼女にとって、君はあくまでも他人なのだから」

「・・・・・」

「君も僕もそうだ・・・僕はこんな性格だし、君もあいかわらず甘ちゃんだ・・・それでも、少しは成長してきた。僕も、今なら少しは人の心が理解できる・・・それを言って、中野五月がどう思うか、それを君が勝手に決めてしまうのは、早計なんじゃないのかい?」

「・・・・・・・」

「誰も人の心を完全に知ることは不可能だ・・・『地球の記憶』を持つ僕でさえ、不可能なんだ・・・いつも通り、ハーフボイルドなりのやり方でやるしかないじゃないかい?」

「・・・お前から、そんなことを言われるなんてな・・・」

 

フィリップの言葉に、苦笑いし、翔太は自身の頬を叩いた。

 

「・・・・・そうだな・・・!こうなったら。行動あるのみだな・・・ああだ、こうだ考えるのは俺らしくないしな」

「・・・ようやく普段の君に戻った、といったところかな?」

「・・・・・悪かったな、フィリップ・・・心配をかけて」

「そういう言葉は、中野五月と仲直りをしてから言ってくれるかな?君が不調だと、ダブルの活動に支障をきたすのだから・・・まぁ、僕的には、このまま家庭教師をクビになってもらった方が嬉しいんだけどね」

「お、おいおい・・・」

「・・・冗談だよ」

「・・・・・お前、笑えない冗談だぞ・・・」

 

フィリップの冗談に、思わず冷や汗を流しながら、そう突っ込む翔太だった。

 

 

 

翌日・・・迷いの消えた翔太は、ドーパントのことをフィリップに任せ、自身の問題を解決するために、中野家のマンションを尋ねた。すると、

 

「あっ!佐桐さん!」

「・・・四葉?何してんだ?」

 

自動ドアのところで、四葉と遭遇した。後ろから、風太郎と一花も姿を現した。

 

「さ、佐桐・・・」

「上杉・・・昨日は来れずに悪かった・・・・・問題はなかったか?」

「・・・・・・・・・・・・」

「わ、分かった・・・・・色々あったんだな」

 

風太郎の表情から、どうやら色々とトラブルがあったらしいことを察した翔太はそれ以上聞かないことにした。

 

「それで、どこかに行くのか?」

「今から、図書館で勉強しに行くところなんだ」

「三玖がもう行ってるそうなんですよ!ね、上杉さん!」

「あ、ああ・・・」

 

翔太の問いかけに一花が答えた。風太郎の表情が安定しないのが、気になるものの、翔太はとりあえず話を進めようとした。

 

「・・・五月は?」

「・・・・・自室だ」

「・・・そうか。上杉・・・・・五月のことは任せてくれるか?」

「・・・・・頼めるか?」

「・・・ああ」

「・・・・・分かった。よし、それじゃ行くぞ、一花、四葉」

「うん」「はい」

 

上杉達と別れ、翔太はマンションに入り、エレベーターに乗った。

 

 

 

「あ、あれ・・・ショータ・・・?」

「・・・?三玖・・・図書館に行ったんじゃないのか?」

「・・・・・い、色々あって・・・」

「・・・分かった・・・もう何も聞かない」

 

おそらく風太郎関連だろう、と察した翔太は、顔を赤くした三玖に、それ以上言及しないことにした。

 

「ショータは・・・?」

「五月に用事があってな・・・・・部屋にいるのか?」

「・・・うん・・・ねぇ、ショータ」

「うん・・・?」

「・・・・・五月のこと、お願いね」

「・・ああ」

 

三玖はそう言って、自室へと入って行った。どうやら、まだ支度の途中だったようだ。翔太も本題を済ませようと、五つ子の自室へとつながる階段を昇ろうとすると、

 

「・・・誰が来たと思ったら・・・あんたか」

「・・・二乃?」

 

二乃が自室から姿を現した。どうやら、翔太が来た音に反応して、部屋から出てきたらしい。

 

「あんたといい、上杉といい・・・諦めが悪いわね」

「悪いな・・・しつこくて」

「・・・・・昨日来なかったから、あんたは諦めたと思ってたんだけどね・・・今更、泊まり込みで勉強しても無駄なのにね」

(・・・上杉の奴、泊まり込みで教えてたのか・・・・・本当に悪いことしちまったな)

 

二乃の言葉で、昨日泊まり込みで家庭教師をしていた風太郎に、今回の件で罪悪感を感じた翔太は、早く解決しなければと思い、階段を昇り始めた。

 

「・・・もう諦めたら・・・私たちの誰かが赤点を取ったら、クビ・・・なんでしょう?」

「・・・・・知ってたのか?」

「・・・上杉が口を滑らせてくれたのよ・・・・・残念だったわね」

 

二乃が知っていたことに、翔太は少し驚いたが、経緯聞くと、先程の風太郎の顔色が悪かったことから、そういうことかと翔太は納得していた。それでも、翔太は足を止めずに、五月の部屋へと向かった。

 

「・・・諦めが悪いわね・・・今更、何ができるのよ」

「そうじゃねーよ・・・諦める、諦めないの話じゃない・・・これは俺が犯した罪への償いなんだよ」

「・・・はぁ?」

 

翔太の言葉の意味が分からず、思わず二乃は眉を顰めた。

 

「俺はあいつを傷つけた・・・あいつの気持ちが分かっていながらな・・・そのまま放っておくわけにはいかないんだよ・・・俺が最も尊敬する人なら、絶対にそんなことはしない」

「・・・・・勝手にすれば」

 

興味を無くした二乃は再び自室へと戻っていた。それを見送り、翔太は五月の自室のドアを叩いた。

 

「五月・・・佐桐だ・・・・・今、ちょっといいか?」

 

翔太が声をかけるが・・・反応がない。

 

「五月・・・俺と口を聞きたくないのは分かるが・・・話を聞いてくれないか?」

 

・・・・・先ほどと同じく反応がない。

 

(これは駄目か・・・?)

 

そう思い、どうするべきか、考えていると・・・

 

ガチャ・・・

(鍵が、開いた・・・?)

 

鍵が開いた音がして、ドアノブを握り、ドアを押すと・・・扉が開いた。

 

「五月・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

翔太が部屋に入ると、五月は勉強机で勉強していた。翔太の声掛けには全く反応していなかった。ドアを閉め、翔太はゆっくり言葉を発した。

 

「あー・・・勉強中悪いな。どうしても言いたいこと・・・いや、謝りたくて・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「一昨日は、その・・・悪かった。俺も言いすぎた・・・勝手なことを言ってるのは分かってるけど・・・もう一度、俺に・・・いや、俺たちに勉強を教えさせてくれないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・それだけを言いに来たんだ・・・本当に悪かった・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

翔太は頭を下げ、五月の言葉を待った。さっきから無言のまま、五月は何も言わなかった。

 

(・・・・・・完全に嫌われたか)

 

拒絶されてしまった・・・そう思い、翔太が部屋を後にしようとした時だった。

 

「どうして・・・引き受けたんですか?」

「・・・・・えっ?」

 

いきなりの言葉に、翔太は驚き、振り返った。そこには、こちらを向いている五月の顔があった。

 

「・・・家庭教師の依頼・・・どうして引き受けたんですか?」

 

再度問いかける五月の目は真剣だった。翔太の真意を知りたい・・・翔太には、その意図が目から伝わっていた。一息吐いてから、翔太は・・・

 

「・・・昔のお前が俺と被って、見えたんだよ」

「・・・えっ?」

 

翔太の言葉に、五月が驚き、意味が分からないといった表情をしていた。

 

「・・・・・図書館で会った時・・・分からない問題を必死に解こうとしているお前が、昔のお前を見てるみたいで嫌だったんだよ」

「・・・・・ど、どういうことですか?」

「・・・俺もさ、昔は勉強なんかまったくできなかったんだよ・・・今のお前のようにな」

「で、でも・・・!?」

「今だからこそだ・・・俺も、ある人に勉強を叩き・・・教えてもらったんだよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・だから、お前の気持ちはよく分かった。自分の想像通りにできない辛さは知ってたから、なおさらな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・理由があるとすれば、そういうことだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

翔太の言葉を五月は黙って聞いていた。そのまま、沈黙の時が続いた。先に動いたのは・・・

 

「・・・・・・・・」

 

五月だった。翔太から視線を勉強机へと視線を戻したのだ。これは駄目だったか、と翔太が完全に諦めようとした時だった。

 

「・・・分からない所があるんです・・・教えてくれますか?」

「・・・!」

 

五月からの言葉に、翔太は目を丸くした。

 

「・・・教えてくれないんですか?」

「・・・あ、ああ・・・どこら辺だ?」

 

五月に駆け寄り、分からないと言った問題を見ていた。すると、

 

「私のほうこそ・・・変な意地張って、すみませんでした」

「・・・・・・・ああ・・・この問題は、遺伝子の組み合わせの問題だから・・・」

 

五月の謝罪を何も言わずに受け取り、問題の解説を始める。そのまま、

 

「よく一人で頑張ったな」

「・・・!」

 

翔太の言葉を受け取った五月は、嬉しそうにほほ笑んだ。そのまま、マンツーマンで勉強を教えていると・・・

 

コンコン・・・

「あー・・・悪い、上杉だ・・・今、いいか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・いいか?」

「・・・・・(コクッ)」

 

部屋主の許可を得てから、翔太はドアを開けた。そこには、上杉が気まずい顔をして、立っていた。

 

「あっ・・・佐桐」

「・・・・・分かってんだろう?」

「・・・ああ」

「・・・今のあいつなら、大丈夫だ・・・ちょっと飲み物買ってくるわ」

 

そう言って、翔太は上杉へとバトンを交代した。そのまま、翔太はマンションの外へと買い物に出た。風太郎と五月の分の飲み物・・・ついでに軽食も買いに行くのだった。

 

 

次回 仮面ライダーW 

 

『戦慄のT/半熟者の覚悟』

これで決まりだ!

 

 




次回に続きます。

仮面ライダーアクセル参戦決定!ヒロインは誰がいいですか?(すみません、オリジナルヒロインだと、更に介入難しそうなので、削除しました)

  • 一花
  • 三玖
  • 四葉
  • 絶望が・・・お前の花嫁(ゴール)だ
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