翔太が饒舌になったりツッコミを入れまくったり、
風太郎が高笑いしたりします(笑)
それではどうぞ!
原作『五等分の花嫁』最終回記念で投稿早めました。
春場ねぎ先生、お疲れ様でした!
「一花、二乃、四葉、三玖、五月!」
「「「「「二乃、三玖、五月、四葉、一花!」」」」」
「髪を見れば分かるでしょ!?」
「・・・・・なんじゃこりゃ・・・?」
風太郎が無事退院し、迎えた家庭教師の日。
用事でちょっと遅れた翔太は中野家のリビングで起きている混沌とした光景に絶句していた。目の前には、髪形を統一した五つ子とそれを言い当てようとした風太郎がいた。
「おう、佐桐。実はな・・・これを見てくれ」
「・・・・・こ、これは・・・」
「・・・俺がこれを見つけたのは、ほんの10分前のことだ」
風太郎がテーブルに置いた物を見て、驚愕する翔太。
そして、風太郎がその時の状況を説明し始めた。
「ふふふ・・・オートロックも使いこなしてきたぜ!」
得意げに語りながら、中野家の玄関をくぐった風太郎。翔太がいれば、ツッコミが入った事間違いなしの台詞だったが、今は話を進めよう。そのまま、廊下を歩いている時だった。
バスタオル姿の五つ子の誰かと遭遇したのだ。
「またかよ」
「変態!」
「ピンポン押しただろう!?」
投げられる物から頭を守りながら逃げる風太郎。その時、投げられてくる物の中である物を見つけた。それが・・・
「・・・それがこの全教科0点の解答用紙か」
「ああ・・・ここまでくると奇跡だよ。ご丁寧に名前まで破かれているんだ」
「それで犯人捜しのためにこんなカオスな出来事になってるわけか・・・お前、家庭教師をしに来たんじゃないのか?」
「そ、そうだが・・・これは見逃せないだろう!?バスタオル姿で犯人は分からなかったが、犯人はこの中にいる!」
(・・・あれ、俺、家庭教師の助っ人に来たのに・・・なんでこんな茶番劇に巻き込まれてるんだ?というか、そのセリフ、俺の~・・・)
次第に頭が痛くなってきた翔太は今日ほど帰りたいと思ったことはないと思いながら、風太郎の言葉を聞き続けていた。
「私が犯人だよー、って人―?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「四葉、白状しろ!」
「当然のように疑われてる!?」
「決めつけは酷くないか・・・!?」
容赦のない風太郎の言葉に動揺する四葉。翔太の頭痛が増した・・・気がする。
「それでこの髪形だったんだ」
「顔さえ見分けられるようになれば、今回のこともスキーの時みたいな一件も起きないだろうからな」
「・・・正論だな」
「ううう、反省してます・・・・・」
「う~ん・・・あの五月は、マスクさえなければ私たちも分かったんだけど・・・」
当時のことを思い出しながら、見分け方の話をしていく7人。その時、風太郎が気付いた。
「あれ、そういえば・・・佐桐。お前、なんであの一花が五月だって気付いたんだ?」
「「「「あっ・・・!」」」」「えっ・・・?」
風太郎の疑問に、当事者の4人とそのことを知らなかった一花が驚きの声を上げた。そして、視線が翔太に集まった。
「・・・ああ。声だよ」
「「「「「「こ、声・・・?」」」」」
翔太の当然のような回答に6人は言葉をオウム返ししていた。
「上杉、五つ子と言っても全部が全部一緒なわけじゃないぞ?」
「そ、それは分かってるつもりだが・・・」
「俺が言ってるのは性格と趣味じゃないぞ?五つ子だからって、声や声紋、指紋は全くの別人なんだ」
「・・・し、指紋ですか?」
「ああ。ミステリーとかでよく話題になるが、DNAが同じ二卵性双生児でも、そういった個人を特定する情報は異なるんだ。だから、この前のスキーの時も声で五月と一花の見分けがついたってわけだ」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
得意げに語る翔太だったが・・・五つ子と上杉は何を言えばいいのか困惑していた。
「そ、そうか・・・それなら、お前らはどうやって顔だけで判別してるんだ?」
「は?」「なんでって・・・」
翔太の見分け方が当てにならないと判断した風太郎は二乃と三玖に見分け方を尋ねたのだが、
「こんな薄い顔、三玖しかいないわ」「こんなうるさい顔、二乃しかいないわ」
「(・・・駄目だ、こりゃ)・・・・・・・・・」
まったく参考にならないと思った風太郎だった。そうこうしている内に二人が口論していると四葉が風太郎に接近してきた。
「上杉さん!良いこと教えてあげます!」
「・・・良いこと?」
「私たちの見分け方はお母さんが昔言ってました・・・愛さえあれば、自然と分かるって!」
「・・・佐桐、助けてくれ」
「・・・・・諦めるの早くないか?」
翔太の見分け方が一番まともだと認識を改め直した風太郎に助けを求められるも、苦笑いするしかない翔太だった。
「う~ん・・・やはり顔は同じ・・・」
「もう戻してもいいかなー」
なんとか五つ子たちを見分けようと頑張る風太郎だったが、一花の方から限界の声が出た。
「なんで今日はそんなに真剣になってるんだろう?」
「!(まさか昨日の話を・・・)」(昨日の様子からして、もしかして・・・な)
風太郎の態度がおかしいことに、病院の一件から心当たりがあった五月と翔太はそんなことを思っていた。すると、二乃のシャンプーの匂いから何かを思い出したのか、風太郎が閃いたかのように叫んだ。
「これだ!お前たちに頼みがある!・・・俺を変態と罵ってくれ!!!」
「アホか!?」
もちろん翔太のスリッパツッコミが炸裂したのはお約束だ。
「あんた・・・手の施しようのない変態だわ・・・」
「ノリノリにもほどがあるだろう!?」
「ほくろで見分けることもできるけど・・・」
「お手軽ぅ!どこにあるんだ?見せてくれ!」
「え、えっと・・・フータローには見せても・・・」
「ここで何を見せる気だぁ!?せめて、俺がいないところでやれ!?」「駄目です!?」
「フータロー君、実はね・・・私たちには隠された6人目の姉妹・・・六海はいるんだよ」
「・・・お前らみたいな姉妹があと一人いたら、俺も上杉もパンクするわ・・・!」
「な、なんだってー!!」
「信じるの早すぎだろう!?」
姉妹たちのボケ(一部本気なのもあるが・・・)に次々とツッコミを入れていく翔太。
「む、六海は今どこに・・・」
「ふふふ・・・あの子がいるのはこの家の誰も知らない秘密の部屋・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ツ、ツッコミが追い付かねぇ・・・!」
「だ、大丈夫か、佐桐?」
「お、お水です、佐桐君」
息を切らし、翔太が膝をついた。ツッコミ気質の翔太がくじけたのを見て、心配した風太郎と五月が声を掛けたり、水を持ってきたりしていた。そして、話は再び0点解答用紙の犯人探しに戻った。
「・・・ふむ。残された手がかりはこの答案用紙か」
「ああ」
翔太と風太郎は解答用紙を見ながら、誰が犯人かを小声で話し合っていた。そして、先に動いたのは限界がきた風太郎だった。
「ややこしい顔しやがって!もう分かるか!?こうなったら、最終手段だ!」
そう言って、鞄から5枚の用紙を取り出した。
「これはそのテストの問題を集めた問題集・・・これが解けなかった奴が犯人だ」
「・・・なるほどな」
風太郎の策を察した翔太は、上手い手だと思い、その動向を見守ることにした。
「そ、そんな無茶な!」
「私もわからない自信があります!」
「一番最後の奴を犯人に認定しまーす。はい、スタート」
「「「「「わーっ!」」」」」
五月と四葉の反対意見を無視し、無情に告げた風太郎のスタート宣言に五つ子たちは慌てて解答を始めた。だが、約一名・・・内心で笑っている人物がいた。
(・・・追い詰められたね、フータロー君)
そう・・・風太郎にバスタオル姿を目撃された一花だった。
(あの時はびっくりして、らしくもなく追い返しちゃったけど・・・逆にそれが功を奏したかな?)
「なんでこんなことになるのよ・・・」
「・・・・・ううう!?」
「今日のフータロー、ちょっと強引」
(みんなに悪いけど、今日はさっさと終わらせよっかな)
悪態を吐いたり、目を回す姉妹たちを見ながら、さっさとテストを終わらせようとする一花。
(小テストの時は油断しちゃったけど、私だってやればできるんだから)
そう思い、一花がペンを動かそうとした時、その手を止めた。
(っ!待って・・・・・まさか・・・筆跡!?)
一花は気付いた・・・風太郎が自分たちの筆跡を確認しようとしているのではないかと。
(何食わぬ顔で筆跡を比べようとしてる!やるね、フータロー君!それに・・・ショータ君の方も油断できない・・・今は、さっきの0点用紙をずっと見てるけど、彼の洞察力は普通じゃない!もしかしたら、ショータ君も・・・!)
風太郎と翔太の考えを察した一花は慌てて筆跡を変え、解答用紙を書き終えた。
「はーい、一番乗り!」
そう言って、一花が手を挙げ、解答用紙を風太郎に提出した。風太郎と翔太が一花の解答用紙を見ている間、
(作戦は悪くなかったよ。でも、今回は君たちの負けだよ?)
誤魔化せた・・・そう思い、一花が勝ちを確信した時だった・・・
「ふむ・・・お前が犯人か、一花」
「・・・あれっ?」
冷静な風太郎の言葉に一花から間抜けな声が漏れた。
「なんで・・・筆跡だって変えたのに」
「一花。その読みは悪くなかったが・・・上杉が見てたのは筆跡だけじゃないぞ?」
「・・・えっ?」
「・・・ここだ。この『b』の書き方」
「!」
翔太と風太郎が指摘したのは、一花が提出した解答用紙の文字の書き方だった。
「一人だけ『b』の文字を筆記体で書くことは覚えてた。俺はお前たちの顔は見分けられるほど知らないが、お前たちの文字は嫌というほど見てるからな」
「・・・そういうことだ。残念だったな、一花」
「や、やられた~~~!?」
「フハハハハ!」
崩れ落ちる一花の前で勝利の高笑いを浮かべる風太郎。だが、その笑い声を遮った人物がいた。
「上杉。高笑いしてるところ悪いが、あくまでも一花は犯人の一人だぞ?」
「・・・えっ?」
声の持ち主は先程の0点用紙を持った翔太だった。その言葉に風太郎の高笑いが止まった。
「この解答用紙・・・それぞれ字体が違う。まるで5通りの書き方をしたみたいにな?」
「・・・あっ・・・も、もしかして?」
翔太の推理から、頭の回転が速い風太郎は答えにたどり着き、頬をひきつらせた。
「ひらがな・数字の書き方、漢字の簡略の仕方、これまでもよく見た送り仮名の間違い・・・お前ら、それぞれの科目で0点を取ったんだな?」
「つ、つまり・・・・・お前ら全員犯人かよ!?」
「「「「「ア、アハハハ・・・・・」」」」」
隠蔽がバレた五つ子は翔太と風太郎の追及の目が耐えられず目を反らした。
「何してんのよ、一花。こいつらが来る前に隠す約束だったでしょ」
「ごめーん」
「・・・俺が入院した途端これか・・・俺がいない間、佐桐に代役を頼んでおけばよかった・・・!」
「・・・いや、これを予想するのは無理だろう」
思わず顔を手で隠した風太郎の肩に手を掛けながら、慰めの声をかける翔太。
「上杉君」
そんなやりとりをしてると、五月が風太郎に声を掛けた。
「今日、あなたが顔の判別にこだわったのは、昨日話してくれた5年前の女の子と関係があるのでしょう?」
「「!!」」
「・・・私たちの誰かだったと思ってるんですね?」
「・・・・・・そうだ」
(・・・・・上杉)
五月の質問に答える風太郎を、翔太はその動向を見守っていた。
「・・・この中で、昔、俺にあったことがあるよーって人ー?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
風太郎の突然の質問に固まる五つ子たち。その様子を翔太は観察していた。
「何よ、急に・・・」
「どういうこと・・・?」
「そりゃそうだ。そんなの都合よく近くにいるわけがねぇ。それに・・・お前らみたいな馬鹿が、あの子のはずねーわ」
「ば、馬鹿とはなんですか!?」
(・・・ヒデェ~・・・)
風太郎の発言に抗議の声を上げる五月。それを見ながら、内心で苦笑する翔太だった。
「間違ってねーだろ。五月、よくも0点のテストを隠してたな」
「・・・・・お、おい。上杉・・・!?」
「今日はみっちり復習だ・・・あれ?」
風太郎が声を掛けた人物に気付いた翔太が制止しようとしたが・・・もうすでに手遅れだった。
「もしかして、わざと間違えてる?」
(・・・・・あちゃー・・・)
そう・・・風太郎が声を掛けたのは・・・頬を膨らませ、怒りを表した三玖だったのだ。翔太が心の中で、やっちまった、と思ったがもう既に後の祭りだった。
「フータローのことなんて知らない」
「す、すまん!」
「あはは、まずは上杉さんが勉強しないといけませんね!」
風太郎と五つ子たちが盛り上がる中、翔太はちょっとした考え事をしていた。
(さっき・・・上杉が問いかけた時、誰も動揺しなかったな。本当にこの中にはいないのか。それとも・・・上杉が質問してくることを予想して隠しきった・・・?)
先程の五つ子たちの反応を思い出しながら、翔太はそんなことを考えていたのだった。
次回 仮面ライダーW
『Nのさよなら/クイーンとエリザベス』
これで決まりだ!
というわけで、日常回のお話でした。
次回から「七つのさよなら」編こと『Nのさよなら』編に入ります。
現在、最後の方を執筆中ですが、原作とは流れが異なる部分も多々出てきますのでお楽しみ頂ければと思います。
原作の『五等分の花嫁』は最終回を向かえましたね。
アニメ二期のPVも公開され、まだまだ盛り上がりを見せてますね。ちなみに作者、即効で完結記念のグッズを予約しました!
本作も最終回までは頑張って書きたいと考えてますので、今後もよろしくお願いします。
それではまた。
次回更新 3月1日0時予定