この辺りは原作と同じ流れです。
それではどうぞ!
追記 前話が1日で1000近くUA頂きました!Σ( ̄□ ̄;)
何事か大変びっくりしております(///∇///)
「こ、これは・・・何があった?」
土曜日。いつものように家庭教師の助っ人にやってきた翔太は・・・五つ子のマンションの部屋の前で倒れている風太郎を目の前にし、困惑していた。
「・・・・・ね、寝てんのか・・・目を開けたまま寝るなんて、器用すぎないか?」
器用な寝方をする風太郎にツッコミを入れながらも、このままにしておくわけにはいかないと思い、翔太は風太郎を起こすことにした。
「お~い、上杉。起きろ~」
「・・・・はっ!?こ、ここは!?」
「五つ子の部屋の前だ。大丈夫か?」
「わ、悪い、佐桐。またやっちまったようだ」
「・・・前科ありかよ!」
これが初めてでないという風太郎に、翔太のツッコミが響いた。
「もう、朝からなんですか」
「おう、五月・・・気にするな。風太郎がやらかしただけだ」
「・・・ああ、上杉君がですか。なるほどですね」
「おい・・・その納得のされ方は、なんか釈然としないんだが!?」
翔太と五月の、ああ、いつものことか・・・みたいな扱いをされた風太郎の講義の声をスルーし、翔太と五月はリビングに進んだ。
「もうみんな始めてますよ・・・」
「あ、ああ・・・悪い悪い」
「テストまであと一週間だからな・・・気合を入れていかないとな」
五月の言葉に、自分たちが遅れてしまっていることに気付いた風太郎と翔太。すると、風太郎が懐から何かを取り出した。
「テストまで一週間・・・だから、これを用意した!」
そう、それは問題がびっしりと書かれたA4用紙の束・・・期末テスト対策用紙だった。
それを見た翔太は、スゲェ量だな、と感心し、五月は冷や汗を流していた。
「今回の範囲を全てカバーした想定問題集だ。人数分用意したので課題が終わり次第初めてもらう。これを一通りこなせば勝機はあるはずだ!」
「や、やっぱ今日の約束はなしで・・・!?お引き取り下さい!」
「逃げんな!お前がこれをお引き取るんだよ!?」
「・・・・・お前ら好きだな、そのやり取り・・・(というか、上杉の奴、日本語おかしくなってないか?まだ寝不足なのか?)」
いつもの漫才に苦笑しながら突っ込む翔太だった。風太郎の押しに負け、五月は受け取った問題集を見ると、
「・・・こんなに・・・これ!?」
「・・・うん?どうし・・・・・なるほどな。寝不足の原因はこれか」
「・・・そ、そんなことはどうでもいいだろう」
五月の驚きの声に、翔太も横から問題集を覗き込んで、その原因を察した。そして、風太郎の方を揃って見ると、頭を掻きながらリビングに向かっていた。
「お前たちだけやらせてもフェアじゃない・・・俺がお手本になんなきゃな」
「・・・お手本、って」
(・・・・あれ?もしかして、俺もこれやらないと駄目なパターン・・・?)
風太郎の言葉に五月が呆気に取られる一方で、内心冷や汗を流す翔太がいた。
「・・・ほら、なにボッサとしてんだよ、二人とも。逃げ出さないうちに行こうぜ?」
「は、はい。そうですね」「・・・おう」
風太郎の言葉に我に返った五月と翔太も後に続いた。
「また、二乃を引き留めるのは骨が折れますから」
「・・・流石、二乃」
「・・・もう逃げようとしてたんだな・・・あいつ、一言、灸をすえてやらねばならんな!」
「あ、あの・・・!揉め事は勘弁してくださいね!?」
「・・・いや、口論は待ったなしじゃないのか、これ?」
「そ、そんなことは・・・時間は有限ですから!みんなで協力し合いましょうよ!」
張り切る風太郎と諦めムードの翔太に、五月が慌てて待ったを掛けた。そして、扉を開いた先には・・・
「三玖・・・この手をどけなさい」
「二乃こそ、諦めて」
「・・・仲良く・・・何だって?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二乃と三玖・・・二人が修羅場を繰り広げていた・・・リモコンを取り合うとくだらない理由で・・・ジト目で睨む翔太と風太郎の視線に五月は目を反らすことしかできなかった。心なしか、アホ毛もへなへなしている気がする。
「はぁ?あんたが諦めなさい!」
「諦めない」
「・・・はぁ。それで、お二人さん・・・何やってんの?」
「上杉・・・どう見たって、リモコンの奪い合いだろう?」
やれやれといった表情で二人の修羅場に介入する風太郎と翔太。二人に気付いた二乃と三久は、
「今やってるバラエティにお気にの俳優が出てるのよ!」
「ダメ・・・この時間は戦国のドキュメンタリー。今日の特集は見逃せない」
それぞれの主張を述べ、翔太と風太郎の表情が更にげんなりした。
「フータローはどっちの・・・」
「勉強中は消しまーす」
三玖の声を遮り、風太郎は容赦なくテレビを消した。やれやれといった表情の風太郎に一花が苦笑していた。
「くだらねぇ・・・」
「なぁ、一花。前から思ってたが、あの二人は仲が悪いのか?」
「んー、どうだろう。犬猿の仲って奴?」
まだ言い合う二人を見ながら、以前から気になっていたことを翔太は尋ねていた。
「特に二乃。あんな風に見えて、あの子が一番繊細だから、衝突も多いんだよね」
「あー、なるほどな。納得だわ」
「はーい、みんな再開するよ」
その答えに頷く翔太を横に、一花が全員に声を掛けた。そして、
「それじゃ、フータロー君、翔太君・・・これから一週間、私たちのことをお願いします」
「ああ、リベンジマッチだ」
「ビシバシいくから、覚悟しろよ?」
その言葉に、風太郎と翔太も不敵な笑みを浮かべるのだった。
(・・・と、まぁ・・・全員集まるようになったのはいいが)
(・・・ああ。まさかの問題発生だな)
5人に聞こえないように小声で話す風太郎と翔太。その視線は・・・二乃と三玖に集まっていた。
(もしこいつらが仲違いでもしたら・・・)
(テスト勉強どころじゃなくなって、赤点回避なんか夢の話だな)
そんな相談をしていると・・・二人の懸念が当たってしまった。
「それ、私の消しゴム。返しなさい」
「借りただけ」
と物借りで言い合い、
「あ、それ私のジュース」
「借りるだけよ・・・って、マズッ!?」
ととても小さな復讐劇が繰り広げられたりして・・・
「・・・アイデア募集中」
限界を超えた風太郎が助けを求めるのだった。その時、四葉が手を上げた。
「はい!こんな作戦はどうですか?」
翔太と風太郎は四葉の言葉に耳を傾けた。
『みんな仲良し作戦 by四葉』
「きっと二人は慣れてない勉強でカリカリしているんです!上杉さんが良い気分に乗せてあげたら、喧嘩も収まるはずですよ!」
とアドバイスを受けた風太郎が動いた。
「はっはっは!いやー、いいねぇ!」
「「!?」」
「素晴らしい!」
「・・・」
「いや、二人ともいい感じだね。なんというか凄く良い」
「・・・・・・」
「しっかりしてて・・・健康的で・・・良いね・・・うーん・・・」
「・・・・・・・・・」
「偉い!」
「・・・佐桐さん」
「・・・言うな。俺も思ったことは同じだから」
なんとかしてください、という四葉の顔に手遅れだと首を振る翔太だった。もちろん、三玖と二乃の反応は・・・
「どうしたの、フータロー?」
「気持ち悪いわね」
心配と酷評だった。そして、それが原因でまた口論を始める二人。
「失敗か・・・」
「・・・原因はお前だけどな」
「はいはーい、こんなのはどうかな?」
容赦のない翔太のツッコミが決まったところで、今度は一花が手を挙げた。
『第3の勢力作戦 by一花』
「あえて厳しく当たることでヘイトを別のところに集めるんだよ。共通の敵が現れたら、二人の結束力も集まるはずだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・?どうしたの?」
と、一花の作戦を聞いた風太郎は黙り込んでしまった。どうしたのかと、一花が不思議そうに尋ねると、
「うーん・・・一応それなりに頑張ってるあいつらに強く言うのは心が痛む・・・」
「・・・・・意外だな」
「・・・あなたにも人の心があったのですね」
「とりあえずやるだけやってみるか・・・」
その反応に驚く翔太と五月を横に風太郎が動いた。
「おいおい!それだけしかまだ終わってねーのかよ!」
「「「!?」」」
まさかの風太郎の豹変ぶりに、二乃・三玖だけでなく翔太まで驚いた。
「と言っても半人前のお前らは課題を終わらせるだけじゃ足りないけどな!あっ、違った!半人前じゃなく、五分の一人前か!ハハハハハ!!!」
(なんだか生き生きしてない?!)
「そんなもんじゃ、俺はおろか、佐桐に教えを乞うなんて100年先の話だ!フハハハハハハハ!!!!!」
(巻き込むのかよ!?しかも、雑!?)
テンションが爆上げの風太郎に一花と翔太の心のツッコミが入った。巻き込むのはいいが、勝手に好感度を下げないでほしいと翔太が思ったのは余談だ。そんな風太郎に、二乃がドヤ顔で問題用紙を突き出した。
「言われずとももう終わるところよ。ほら!」
「「・・・・・ん?」」
突き出された用紙を確認する風太郎と翔太。だが、その表情が曇った。
「そこ、テスト範囲じゃないぞ」
「・・・あれぇ!?やば・・・!」
風太郎に指摘され、二乃は慌てて問題を見返していた。すると、
「二乃・・・やるなら真面目にやって」
「・・・・・っ・・・こんな退屈なこと真面目にやってられないわ!部屋でやってるからほっといて!」
「お、おい!」
風太郎の制止も聞かず、二乃は立ち上がって、自室に戻ろうとしていた。
「くっ・・・ワンセット無駄になっちまった」
「・・・まだ終わりじゃないだろう?」
「・・・佐桐?」
問題集に手を置き、落胆する風太郎に翔太は声を掛けた。
「お手本になるんだろう?だったら、ここで諦めるなんていうのは早いんじゃないのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
翔太の言葉を受けた風太郎は、視線を周りに向けた。そこに先程同じ言葉を向けた五月の視線がぶつかった。その言葉に風太郎は問題集を持って、二乃を追いかけ始めた。
「待てよ、二乃。まだ始まったばかりだ。もう少し残れよ」
「・・・・・・」
「あいつらと喧嘩するのは本意じゃないだろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ただでさえお前は出遅れてるんだ。四人にしっかり追いつこうぜ?」
「・・・・・っ!」
(・・・・・不味いな)
風太郎の言葉に反応した二乃の顔を見た翔太は、すぐに動けるように風太郎の傍に近づいた。
「うるさいわね。何も知らないくせに・・・とやかく言われる筋合いはないわ!あんたなんかただの雇われ家庭教師・・・・・部外者よ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二乃の言葉を、風太郎は黙って受け止めた。その時、
「これ・・・風太郎が私たちのために作ってくれた・・・受け取って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三玖が例の問題集を二乃に差し出していた。その目は全く笑っていなかった。
「問題集を作ったくらいでなんだっていうのよ、そんなの・・・いらないわ」
そう言って、二乃は三玖の手を払おうとした。だが、当たり所が悪かったのか、
「・・・あっ」
三玖の手から問題集が飛び散り、落下した。二乃自身もそこまでするつもりではなかったようで、思わず声が漏れていた。
「ね、ねぇ・・・二人とも落ち着こ?」
「そうだ、お前ら・・・」
「二乃も悪気があったわけじゃないだろう?ほら、問題用紙を早く拾おうぜ?」
険悪な空気を察し、一花と風太郎が制止の声をかけた。翔太も慌てて落ちた問題集を拾おうとするが、
「待って、ショータ」
「み、三玖・・・?」
「・・・二乃・・・拾って」
翔太の行動に待ったを掛けた三玖の声はとても冷たいものだった。その温度に流石の翔太も動きを止めてしまった。
「こ、こんな紙切れに騙されてんじゃないよ。今日だって、来るのギリギリだったし・・・こんなの渡して・・・」
そう言って、二乃は問題集を一枚拾って、
「いい加減なのよ!それで教えてるつもりなら大間違いだわ!」
「「!!」」
風太郎たちの目の前で破り捨てた。その行動に、翔太と三玖は目を見開いた。
「・・・二乃!」「・・・っ!?」
「(まずい!)・・・三玖!翔太!俺はいいから・・・!」
三玖と・・・珍しく翔太までもが目に怒りの色を映したのを見た風太郎は二人を止めにかかった。翔太に至っては今すぐにも暴言が飛び出しそうな雰囲気だったのだ・・・だからこそ、近くに来ていた彼女の行動に反応するのが遅れてしまった。
パチン・・・!
・・・五月が二乃にビンタしていた。
その行動に翔太も、三玖も、風太郎や他の五つ子たちも言葉を失っていた。まさかの人物の行動に先ほどまで怒っていた翔太と三玖も怒りを忘れてしまっていた。
「二乃・・・謝って下さい」
静かに・・・だが、確かに怒りが籠った声で五月が二乃にそう言ったのだった。
次回 仮面ライダーW
『Nのさよなら/五月・イン・佐桐家』
これで決まりだ!
今回のお話は前半部分が翔太、後半部分はフィリップがメインとなる構成になっております。
そんなわけで、当分は翔太サイドのお話になります。
それではまた。