仮面ライダーW/Kの花嫁   作:wing//

4 / 100
というわけで、本編スタートです!

そして、本作のメインヒロイン登場です。
タイトルでネタバレしてますが(笑)

それではどうぞ!


①Iとの邂逅
第1話 「Iとの邂逅/末っ子はいじっぱり」


「ふわぁぁ・・・」

 

窓際に座る、くせ毛が特徴的な男子生徒は教科書で顔を隠しながら、あくびを噛み殺していた。

 

(・・・やっぱり夜中の3時にドーパント退治はキツイな・・・めちゃくちゃ眠い!)

 

今はお昼前・・・しかも公式が子守唄のように聞こえてくる数学の授業と来た。

早く終わらないかと、翔太は眠たい目をこすりながら、そんなことを考えていた。すると、

 

「それじゃ、この問題・・・佐桐、解いてみろ」

「(・・・マジか)・・・分かりました」

 

偶然なのか、眠たい顔をしていたのがバレたのかは定かではないが、教師に指名され、翔太は内心ため息をつきながら、教壇に上がり、黒板を見た。そして、回答を書き始めた。

 

「・・・・・これで合ってますか?」

「・・・ああ、正解だ」

 

回答を書き終わり、教師に正解かどうか尋ねると、面白くない顔をしたまま、教師は正解だと答えた。

 

(・・・後者だったな)

 

自分が授業を聞いてないと思って、当てられたのだと、教師の顔から判断した翔太は再度ため息をつき、席へと戻った。

 

「いや、流石だね!佐桐君!」

「・・・お前だって、あれくらい余裕だろう、武田」

 

小声で称賛の言葉を掛けられるも、学年2位の武田にそう言われても、うれしくない翔太はぶっきらぼうに返した。

 

「いやいやいや!君は僕のライバルだからね!そうさ、君は僕が認めたライバル二人のうちの一人で・・・」

(はぁ・・・また始まったぜ・・・こういう時、フィリップがうらやましいぜ)

 

武田の話を右から左へと流しつつ、空を見上げながら、ここにはいない相棒を羨ましながら、翔太は授業が早く終わってくれることを祈っていた。

 

 

 

(ようやく一日が終わったよ・・・)

 

最後の授業を終え、翔太は背伸びをしながら、開放感を味わっていた。

 

(・・・さてと、フィリップとの約束まで時間があるしな・・・図書室で時間でもつぶすか・・・)

 

この後の予定を確認し、翔太は図書室で時間を潰すために教室を後にしようとした。

 

「やぁ、翔太君!良かったら、一緒に・・・」

「悪い、武田。ちょっと用事があってな」

 

いつもの爽やかな笑みを浮かべた武田の誘いを断り、翔太は素早く教室を後にした。

 

(武田に捕まると、恐ろしいほど拘束されるからな・・・)

 

以前の出来事を思い出し、苦い顔をしたまま、翔太は図書室へと歩を進めた。

 

(うへぇ・・・今日は混んでるな)

 

図書室に着いた翔太は、席がほとんど埋まってしまっている図書室を見て、顔を歪めた。普段は利用者がそう多くない図書室がここまで混んでいるとは・・・どうやら今日はツイていないことが続く日のようだと翔太は思った。

 

(空いてる席は・・・おっ、あそこ空いてるな)

 

とりあえず席を確保しなければと、歩きながら室内を見渡すと、奇跡的にも席が空いていた。向かい側には、女子生徒が自習中のようで、必死に勉強をしていた。翔太はお気に入りの小説を本棚に取りに行き、席を取られる前に素早く戻り、席についた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

(・・・これは、ちょっと邪魔しちまったか・・?)」

(ペコリ)

 

席に着いた時に、こちらに気が付いた女子生徒が一瞬、こちらを睨んだような気がしたのだ。思わず、一礼して、謝った翔太に、女子生徒は怒りを収めたのか、再び勉強を始めた。

 

(・・・熱心だな・・・あれ、こいつ見かけない生徒だな・・・・・ああ、最近来たって言う転校生か・・・噂じゃ、五つ子とか聞いたな)

 

学園の生徒全ての顔を覚えている翔太は、女子生徒が噂の転校生であることに気が付いた。

 

(・・・まぁ、ジロジロ見るのも失礼な話だし・・・勉強の邪魔をしないように、俺も読書に集中しますか・・・)

 

そう思い、翔太は本を開き、本を読み始めた・・・のだが、

 

「・・・う~~~~~~~ん・・・!」

(・・・・・もう10分ぐらい同じ問題を見つめてんな)

 

最初の内は全く気にしていなかったのだが・・・手に持ったシャープペンは動かず、先程から一点を見つめるその視線に、思わず翔太はそんな感想を持った。

 

(どれどれ・・・・・ああ、数学の問題か)

 

何が分からずに困っているのか、小説から目を離し、彼女が見つめる問題を盗み見る。

 

「うううううううううう・・・・・!」

「・・・・・それは公式を使う問題だぞ」

「!?」

 

あまりの困っている姿に翔太は思わず声を掛けてしまった。女子生徒もまさか声を掛けられるとは思っておらず、驚いていた。

 

「その問題は、最初に公式を使わないと次の計算に進めないんだ」

「・・・こ、公式ですか?」

「ああ。ちょっと待ってろ・・・・・こういう公式だ、見たことないか?」

 

胸ポケットからメモ用紙とボールペンを取り出し、公式を書いて、女子生徒に見せた。

 

「・・・こ、この公式を使えばいいんですか?」

「ああ・・・そのまま、数値を当てはめていって・・・・・」

 

女子生徒の問いかけに翔太は解き方を教えていく・・・そして、

 

「わ、分かりました!」

「・・・良かったな・・・但し、もう少し声を小さくな」

「あっ!?す、すみません!?すみません!?」

 

解けた喜びで大声を出した彼女に翔太は苦笑いしながら、ここが図書室であることを示唆した。女子生徒は慌てて、アホ毛を揺らしながら、周りに謝った。

 

「あ、あなたも・・・ありがとうございました」

「・・・気にすんな」

 

女子生徒のお礼に翔太はなんでもないという風に手を振って、答えた。

 

(これで読書に集中できるな・・・)

 

そう思い、再び小説に目を戻した・・・・・のだが、

 

「むむむむむむむ・・・!」

(またかよ・・・!)

 

先程と同じ光景に思わず翔太はそう突っ込んでしまっていた。これでは読書に集中できないと、本を閉じた翔太は・・・

 

「・・・・・どこが分からないんだ?」

「えっ・・・?」

「・・・いいから、見せてみろ!」

「ちょ、ちょっと!?」

 

翔太は強引に女子生徒から問題用紙を奪い取った。どうやら小テストのようで、間違った問題を復習しているようだった。

 

(へぇ・・・このテスト、よく考えられて作られてるな・・・学校のテストの問題の中でも出題頻度が高いものがチョイスされてるな・・・点数の方は酷いが)

「か、返して下さい!?」

 

問題に感心していると、女子生徒に問題用紙を取り上げられてしまった。

 

「ああ、悪い・・・」

「・・・・・なんですか?何か、言いたいことでもあるんですか?」

「・・・はい?」

 

涙目になりかけの彼女の言葉に翔太は思わずそう言うことしかできなかった。

 

「なんですか!?勉強ができないことがそんなにいけませんか!?それとも、こんなテストも解けないなんてって、バカにしてるんですか!?」

「お、落ち着け!?ここ、図書室だから!?」

 

癇癪を起した彼女を慌てて制止し、周りにペコペコと頭を下げてから、席に着いた。

 

「グスン・・・すみません、取り乱しました・・・」

「・・・いや、こっちにも原因があるしな・・・・・勉強苦手なのか?」

「・・・・・いけませんか?」

 

今にも泣いてしまいそうな彼女の問いかけに、翔太は・・・

 

「いや、全然・・・・・もし良かったら、分かる範囲で教えようか?」

「・・・えっ?」

 

そんなこと気にしてないといった風に、逆に提案していた。

 

「・・・・・どうした?もしかして、人に教えてもらうのは嫌いか?」

「い、いえ・・・・・さっきの点数見て、何も思わないんですか?」

「・・・?なにが・・・?」

「・・・だ、だって・・・!?こんな簡単な問題を半分も取れないのとか、あんな点数を取って、恥ずかしくないのとか・・・そう思わないんですか?」

「・・・・・?いや、できなかったら、次できるようになればいいだけの話だろう?

そのためにこうやってできなかった問題を復習してるわけだろう?そんな必死な奴を馬鹿にする訳ないだろう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

翔太の言葉に女子生徒は信じられないといった表情をしていた。

 

「それで、どの問題が分からないんだ?」

「い、いいですよ!わ、私一人でもできますから!」

「そう言って、さっきからペンと目が動いてなかったからな」

「・・・うっ!?」

「・・・ほら、分からないことを人に教わるのも勉強だぞ。どこが分からないのか、言ってみろ」

「・・・・・この問題からなんですが・・・」

 

そう言って、女子生徒は分からない問題の部分を言い始め・・・

 

「・・・お、終わりました!!」

「・・・(ほとんどの問題が分かっていなかったな)」

 

全ての問題の復習を終え、女子生徒は安堵の表情を浮かべた。一方で、翔太は正直な感想を口には出さずに苦笑いしていた。

 

(・・・結構な時間が経っちまったな・・・周りもほとんど人がいないし、俺もそろそろ帰るか・・・フィリップとの時間にはまだ早いが、途中で買い物でもして帰るか)

 

そう思い、翔太が席を立とうとした時だった。

 

「(ジー―――――――――――)」

「・・・・・まだ何か用か?」

 

何故か翔太をじっと見つめる女子生徒に、翔太はそう尋ねていた。

 

「・・・あなた、一体何者なんですか?」

「・・・・・はい?」

 

今日何度目かの疑問の声を上げながら、翔太は女子生徒の質問に声を尋ねていた。

 

「・・・・・何の目的があって、私に勉強を教えてくれたんですか?普通、見ず知らずの人にそんなことしませんよね?・・・もしかして、あなた、上杉君の知り合いか何かですか!?」

「・・・・・はぁ・・・一度に色々質問しないでくれ」

 

まくしたてる女子生徒に翔太はため息をつき、頭を掻いた。

 

「何を勘ぐってるのかは知らないが、目の前で困ってたから助けただけだ。別に何かを要求するわけもないし、誰かの差し金でもない」

「・・・本当ですか?」

「まぁ、いきなり言っても信じられないだろうがな。少なくとも、さっき君に言った言葉は本当だし、それを信じる、信じないは君に任せるよ・・・それじゃ、俺はそろそろ行くよ」

 

そう言って、席を今度こそ立った翔太は本を戻しに本棚に・・・

 

「・・・あなただったら、良かったのに・・・」

「・・・えっ?」

「・・・・・あなたが、私たちの家庭教師だったら、良かったのに・・・そう思ったんです・・・」

 

いきなりの言葉に話が見えない翔太はそのまま固まってしまった。だが、その女子生徒には悔しそうな、今にも泣きそうな表情をしていた。

 

「(ああ、もう!)・・・何のことやらさっぱりなんだが・・・どういうことなんだ?」

 

いつも相棒に言われている、人の好さが出てしまった翔太は再び席に着き、話を聞く体制を取った。見ず知らずの彼女をこのまま放っておくのは簡単にできるが、一度関わってしまった以上、最後まで付き合うのが、男であり、探偵を目指す自分の信念だと思ったのだ。

 

「・・・・・私は今、ある家庭教師に勉強を教えてもらっています・・・」

 

女子生徒は話し始めた。

 

その家庭教師は、かなり勉強ができるらしいが、デリカシーに欠け、いじわるで、性格が悪い・・・らしい。彼女が昼食を食べる際に『太るぞ』と言ったり、わざと100点のテストを見せつけてきたり、初対面の時に勉強を教えてほしいと頼んだ際には断ったくせに、家庭教師になった際には手のひらを返したこと・・・などなど・・・

妹さんがかわいい、という余計な情報もあったが・・・

 

(・・・印象最悪だな、その家庭教師・・・)

 

女子生徒の辛辣な評価に、苦笑することしかできない翔太はそう思った。

 

「・・・というわけなんです!酷いですよね!」

「・・・・・・・なるほどな」

 

説明を終えた女子生徒と先ほどのテスト用紙をもう一度見た翔太は・・・

 

「あんた、馬鹿だろう」

「・・・えっ?」

 

翔太は容赦なくそう言い切った。翔太からのまさかの言葉に女子生徒は一瞬言葉を無くした・・・だが、すぐさま復活した。

 

「話、聞いてましたか!それとも、私が言っていることがおかしいですか!?」

「いいや・・・あんたがその家庭教師をどう思っているかはよく分かったよ。だが、

それはあくまでもあんたの主観だろう?確かにそいつの言い方もまずかったのかもしれない・・・だからといって、その家庭教師が最低だとは言い切れないだろう」

「・・・そ、そんなこと・・・あなたに分かるって、言うんですか!?」

「・・・・・少なくとも、このテストを見た限りじゃ、その家庭教師が君たちの授業

に真剣に考えているのは分かるよ」

 

そう言って、翔太は先ほどのテスト用紙を指さした。

 

「・・・そのテスト、多分その家庭教師の手作りだろう?さっき見せてもらったけど・・・よく考えられてるよ。全科目からテストの頻出度が高いもの・・・その中でも簡単な問題を中心に選出されてる・・・・・この問題がほとんど解けるなら、授業についていくなんて、問題ないレベルだろうな」

「・・・・・っ!?」

 

翔太の指摘に女子生徒は今度こそ完璧に言葉を無くした。

 

「・・・・・この問題の意図を知ってもまだその家庭教師のことを最低だって言うのなら・・・それこそ本当の馬鹿だと俺は思うね・・・だから、あんたに言ったんだ・・・

 

馬鹿なのか、ってな」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その言葉に女子生徒は今にも涙をこぼしそうになっていた。

 

「・・・だからこそ、これからじゃないのか?」

「・・・・・えっ?」

「この事実を知って、その家庭教師のことをもう一度見直すのか、変わらない態度で接するのか・・・人間、やり直しができないなんてことは少なくないんだ。あんたに少しでも間違ってたと思う気持ちがあるのなら、その家庭教師の話を聞いてやってもいいんじゃないか?俺から言えるのはそれだけだ」

 

そう言って、翔太は席を立った。

 

「完璧な人間なんて一人もいない。互いに支え合って生きていくのが人生という名のゲーム」

 

「・・・えっ?」

「・・・俺が最も尊敬する人の言葉さ。じゃあな」

 

本を戻し、図書室の入り口へと向かう翔太に

 

「あ、あの!」

「・・・うん?」

「・・・貴方の名前は?」

「・・・・・佐桐翔太だ」

 

名前を聞かれ、名乗った翔太はそのまま図書室を後にした。

 

「佐桐・・・翔太・・・」

 

残された女子生徒は翔太が去っていった方向を見ながら、その名前を呟いていた。

 

 

 

次回 仮面ライダーW

 

『Iとの邂逅/第1位からの依頼』

これで決まりだ!

 

 




2話に続きます

仕事の関係で2、3話の更新遅れるかもしれません。
申し訳ありません。本日中には更新しますので、お待ち頂ければと思います。

アクセルはどうすればよろしいでしょうか?(登場させるとしたら、照井竜のリ・イマジネーションキャラになります)

  • でてほしい(五つ子の誰かがヒロイン)
  • でてほしい(ヒロインはなし)
  • 登場しなくてもいい
  • 俺に質問するな!!
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