おかしいな…秘密を打ち明けるところまで書くつもりだったのに…
一部キャラが暴走してますが、大体フィリップと絡ませるとこうなるだろうなと思った結果です(笑)
本章も少し長くなります。
それではどうぞ。
「……何でお前がここにいんだよ」
退院の日…お世話になった看護婦さんにお礼を言って、病院を出た翔太はそこで待っていた人物……苦笑いしている五月に半眼を向けながら思わずそんな言葉を漏らしていた。
「い、いえ…片腕が使えないのでは不便かと思いまして…お手伝いに」
「俺に構う時間があるのなら勉強してくれ…上杉辺りがまたうるさそうだぞ?」
「その上杉君からも頼まれたんですよ」
「……そうだったのか」
五月の言葉にへぇ~と思いながら彼女に合流する翔太。一方で、五月はきょろきょろと周りを見渡していた。
「どうした…?何を探してるんだ?」
「……えーっと。その…お父さんにも挨拶をしておいた方がいいのかと思いまして」
「今日は出張でいないらしいぞ?というか、昨日傷を診てもらった時に一応お前たちに宜しく伝えてくれとの伝言と共に言われたぞ?」
「そ、そうですか…」
昨日の診察の際にぶっきらぼうにマルオにそう言われたことを思い出し、五月へと伝えた翔太。それを聞いた五月はホッとしたような、ちょっと気まずそうな表情をしていたのだった。
「それじゃあ行こうぜ?とりあえず、お前たちのアパートに行けばいいのか?」
「あっ…いえ。フィリップさんが佐桐君の家に連れてきてほしいって…一花たちや上杉君ももう既に向かってます」
「……俺の家?」
「はい。タクシー代もフィリップさんから預かってますので」
(何を考えているんだ、あいつ…?)
相棒の考えがイマイチ分からず困惑顔になる翔太だったが、当事者たちがもう向かっているというのなら、自分も行くしかないのだろうと思い、五月と共にタクシーで佐桐家に向かうのだった。
「もう上杉たちは来てるみたいだな」
病院から30分程タクシーに揺られ、佐桐家に着いた翔太と五月。玄関を開けると、普段見慣れない靴が5足あることからそう判断した翔太。
耳を澄ますとリビングから声が聞こえてくるので、どうやら翔太たちが来るまで勉強会を行っているようだった。とすれば、すぐに合流した方がいいと判断した翔太は荷物を置く前に五月と共にリビングへと向かった。
「みんな、必死に勉強しているようですね」
「だな。早く姿を見せて安心させてやらないとな」
そんな会話をしながら、翔太は上杉たちがいるであろうリビングを扉を開いた。全員がどんな反応をするかと身構えていたのだが…
「そもそも本能寺の変の真相は分からずじまいだとされているが、それは明確な証拠がないからなのさ。信長の首を取ったという記録もなければ、死体を確認した記録もないからだ。だけど、僕が検索した結果は」
ピシャン!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さ、佐桐君…?」
目の前の光景を信じたくなく、翔太は思わず扉を閉じた。無言のまま空を見上げている翔太の様子に五月が戸惑いながら訪ねるが、翔太は何も答えない。
このままどこかで時間を潰してこようかと現実逃避しかかっていた翔太だったが、閉じたリビングの扉が開かれた。
「ちょっと、佐桐!?あんた、なんとかしなさいよ!?」
「……あー、二乃。何があったのか、大体察しは着くが、一応聞いておく。一体誰がフィリップに余計な知識を与えちまったんだ?」
自分の安否云々よりも、事体の解決を優先とした二乃の助けを求める声に翔太は現実と向き合い、原因を尋ねたのだった。
「……三玖よ」
「三玖が?」
意外な人物の名前が二乃から告げられ、どういうことかと思った翔太はリビングへと入った。そこには予想通りの混沌とした光景が広がっていた。
「それで、それで!!光秀の話はどんな感じなの!?」
「ふむ…すぐに検索しよう。明智光秀……これは興味深いね」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「…誰、あいつ?」
「三玖よ」「三玖ですよ」
いつものおとなしい様子はどこにいってしまったのか……興奮鳴り止まない様子の三玖がフィリップへと詰め寄りながら話を聞く光景が翔太の目に映っていた。
流石の上杉や一花たちもどうすればいいのか分からず、呆然とその光景を見ていることしかできないでいるようだった。
そして、ようやく我に返った翔太は見たことのない三玖の姿に、確認するように二乃と五月に尋ねるが、二人から返ってきた答えは肯定だった。どういうことかと困惑する翔太に二乃が説明し始めた。
「戦国武将が好きなんだって…私もつい最近になって知ったんだけどね。三玖、社会の点数は断トツに良かったでしょう?それがきっかけらしいわ」
「それで…どうしてこんなことになっているのですか?」
「あー…私たち、学校が終わってすぐにここに来て…一時間前くらいには到着してたかしら…そこからフィリップ君の提案であんたが来るまで勉強会をすることになったのよ。
フィリップ君も上杉のサポートを申し出てね…それでさっきまでしてたんだけど……四葉がフィリップ君に歴史のことを質問して、それに釣られて三玖が質問しちゃったら…」
「……あー。フィリップが地球の本棚で検索して、その知識を披露しちまって、三玖のスイッチが入っちまったってことか」
翔太の推測通りだと頷くことで肯定した二乃。ともかくこのままでは埒が明かないと困惑していたところで、翔太たちは帰ってきたというわけらしい。
二乃の疲れ顔からなんとかフィリップを止めようとしていたようだが、その苦労がうかがえた翔太は入院していた時の荷物からツッコミスリッパを取り出し、
「そもそも明智光秀が台頭し出したのはかなり後になってからで、若い頃の伝記がほとんど残されていないんだ。近年ではドラマでその時の話をオリジナリティを加えた上で再現しようという試みが……」
「いい加減にしろ、この検索バカ!?」
未だに三玖に検索したばかりの記憶を手元の用紙にメモしながら説明していくフィリップの後頭部にツッコミスリッパを叩き込む。
一同が翔太の登場に驚き、そして我に返るが、ツッコミを入れられたフィリップは通常運転のままだった。
「…おや、翔太。戻ってきてたんだね。いや、そんなことよりも知っているかい……戦国武将という偉人たちのことを!昔、君に勉強を教えた時に名前だけは知っていたけど、改めて検索してみるとかなり興味深いんだよ!
君があの時、僕が検索するのを止めた理由がよく分かったよ!そもそも戦国武将というのはね…」
「分かった、分かった!というか、相棒が戻ってきたのに扱いが雑すぎるだろうが!?」
「……?見たところ、いつものハーフボイルドっぷりから元気そうに見えるが…?」
「どこで俺のことを判断してるんだよ!?というか、上杉たちの勉強の邪魔をお前がしてどうすんだよ!?本末転倒だろうが……!」
「……ショータ」
自分の扱いの軽さに抗議する翔太だったが、(本人に自覚はないのだが)どうして翔太が怒っているのかがイマイチ伝わっていないフィリップのリアクションに更に翔太の沸点が上昇していると、三玖が翔太に声を掛けていた。
自分が現れたことに驚いたのかと思った翔太は三玖へと視線を向けたが、その表情は翔太が予想していたものとは全く違うものだった。
「邪魔しないで」
「…はい?」
まさかの一言ともに怒りの視線を三玖に向けられ、思わず翔太からそんな間抜けな声が漏れた。そして、一気に翔太へと三玖が詰め寄った。
「こんなに戦国武将について教えてくれる人、初めてなの!もっとフィリップの話を聞きたいの!なんで邪魔するの!?」
「…お前、そんなキャラだったか!?」
「さぁ、フィリップ!今度は武田信玄と上杉謙信の話を教えて!!」
まさかの抗議に翔太からツッコミが飛び出した。だが、そんな翔太を無視し、再びフィリップへと詰め寄った三玖。その距離が近づきすぎることにもちろんこの人物が黙っているわけがなく…
「ちょっと、三玖!フィリップ君に近寄りすぎよ!?」
「……別にいいんじゃん。話を聞くだけだし…それに二乃がとやかく言うことじゃないと思う」
「なぁ……そ、それは…フィリップ君も迷惑だろうし!?」
「……嫉妬?」
「違うわよ!?」
そんな二乃と三玖のいつものやりとりだったが、二乃とフィリップのホテルでの一件を知っていた三玖が珍しく優勢だった。顔を真っ赤にさせたまま三玖の追及を否定していく二乃だったが完全に後手に回っていた。
「あー、佐桐。お帰り……思った以上に元気そうで良かったよ」
「おう、上杉…なんか悪いな。身内が迷惑かけてみるみたいで…」
「ショータ君…その腕…」
「だ、大丈夫なんですか!?五月からは血だらけで入院したって聞きましたけど…」
「一花、四葉…心配してくれてありがとうな。もう大丈夫だ…腕は利き腕じゃないし、骨にヒビが入ってるだけだから大したことない」
「……いや、ヒビ入ってる時点でかなりヤバいと思うんだけど…」
唯一まともな心配をしてくれた風太郎・一花・四葉に大丈夫だとアピールする翔太だったが、そこじゃないと苦笑する一花。
「それにしても…あれがお前の相棒、というか…仮面ライダーの片割れなのか」
「まぁ、な…今はあんな感じだが、戦いの時には頼りになるんだぜ?……ちょっと常識がズレてるとこはあるけどな」
「……でも、フィリップさんが一番心配してたんですよ?佐桐君が病院に運ばれたって聞いて、一花たちの制止を振り切って病院に行こうとしたくらいですから」
「あの時は四葉がいてくれて助かったよ…お姉ちゃんとヒョロヒョロのフータロー君だけじゃ止められなかったよ」
「……(やっぱりか…まぁ、フィリップにとって家族はそれほど大事だからな)」
風太郎の質問に答えながら、五月と一花の言葉から以前のある出来事を思い出した翔太は、未だに二乃と三玖の口論など気にせずに検索に夢中な相棒へと視線を向けた。
フィリップは冷静沈着で感情に希薄な面があるが、それが翔太に何かがあったりすると話が違ってくるのだ。それは二乃に関することでも最近では見られる傾向があったことに翔太は気付いていた。
だが、それが悪いことばかりではないと思い、翔太はあえて何も言うまいと考えていた。今回の一件もフィリップから提案してきたことから翔太は反対する気はなかった。
そう…さっきまでは………
(…早まったかな。あいつの考えに乗ったの…)
そんなことを思った翔太は混沌とした場を収めようと、相棒と二乃、三玖の口論を止めに入るのだった。
(……と、ようやく勉強会を再開したわけだが…)
「フィリップ君、ちょっといいかしら…この部分なんだけど」
「……ここか。ここは…」
(やっぱり教えるの上手いよな…俺の時もそうだったが…流石は天才というか検索馬鹿というか…)
二乃に質問され、遺伝子の問題を解説していくフィリップ。その光景を見ていた翔太は完成した報告書を閉じ、勉強会の様子を見守っていた。
ようやく再開となった勉強会だったが、流石に退院したばかりの翔太は安静にすべきだという一同(フィリップを除く)の意見もあり、翔太は勉強会を少し離れたところで見ていたのだ。
報告書も完成し、完全に手持ち無沙汰になってしまった翔太。気晴らしにコーヒーでも淹れようかと思い、席を立ったのだが…
「あっ…佐桐君。コーヒーを淹れるのなら私が…」
「いいから勉強してろ。というか、コーヒー淹れるが、ほしい人?」
いちいち翔太が何かしようとすると手伝おうとする五月に何度目になるか分からない断りを入れてから、逆にコーヒーが欲しい人がいるか尋ねると、風太郎と一花、二乃が手を挙げたので、人数分のカップを用意して豆を挽いていく。
利き腕の左腕は使えるので、少し苦戦しながらもコーヒーを淹れていく翔太。そして、いつものブレンドコーヒーを淹れ終え、先程手を挙げた人たちに取りに来てもらうように伝えたのだが…
「……ねぇ、ショータ君。これ、味変じゃない?」
「……なぁ!?」
「あんた…どんな淹れ方したらこんな味になるのよ!?」
「…普通じゃないか?」
「味音痴は黙ってなさい!」
一花と二乃から(当然だが)抗議の声が上がる。まさかの抗議にショックを受ける翔太。味音痴の風太郎の言葉を切り捨て、二乃は翔太が挽いた豆を見ていた。
「……結構いい豆使ってるのに、なんでこんな中途半端な味にできるのよ。豆が泣いてるわよ?」
「う、うるせー!?…この味が俺好みなんだよ!」
「あー、はいはい。これがフィリップ君が言ってたこいつのハーフボイルドなのね」
「そうなんだよ、二乃ちゃん。まさしく半熟者…いつも振り回されている僕も大変でね」
「お前がそれを言うのかよ!?」
「……なんかビックリだね」
「…四葉?」
フィリップと翔太のやり取りを見ながら、思わず漏れた四葉の言葉に五月が首を傾げた。それに釣られ、一花と三玖も視線を四葉へと向けた。
「なんていうか…普段の佐桐さんって、冷静っていうか…どこか大人びているところがあるように見えてたから……五月とはよく口論してるけど、あんなに感情的な人なんだとは思ってなかったから」
「…私も佐桐君たちの正体を知ってから、彼が学校や私たちの前では仮面を被っているんだと知りましたから、その気持ちは分かります」
「でも、ビックリ…というか、まだ信じられないよね…あの二人が仮面ライダーだってこと」
「……まだドッキリだと言われた方が信じられる」
四葉の言葉に同意する五月だったが、いつもの夫婦漫才を繰り広げる翔太とフィリップの姿に一花と三玖はまだ信じられない気持ちだった。
「……ほらほら。勉強に集中しろ。佐桐、それと…フィリップ。頼むから漫才は勉強の後にしてくれ」
「誰が漫才だ!?」
気が散ってしまった4人に注意を飛ばし、勉強へと意識を戻させた風太郎は、続いて翔太とフィリップの仲裁へと入った。これじゃ五つ子の面倒を見るのとそうそう変わりないのではないかと思いながら、二人の仲裁に入る風太郎。
だが、風太郎はあることを思いながら翔太へと視線を向けていたのだった。
「……よし、今日はここまでだな」
「「「「「…つ、疲れた……」」」」」
風太郎のストップの声に、集中していた五つ子たちはテーブルへと倒れこんでしまった。そんな5人へと労いの声を掛ける翔太の一方で、フィリップは(修理が完了したばかりの)スタッグフォンでどこかへと連絡を取っていた。
「お疲れさん。上杉もな」
「おう。それで……その、話っていうのは今からするのか?」
「…フィリップに聞いてみないとな…でも、みんな夕飯を食べてからの方がいいだろう?一回解散してから「えっ?聞いてないの、佐桐」…は?」
一度休憩を取ってからダブルの話をするべきだと思った翔太だったが、そんな翔太の言葉を二乃が遮った。どういうことかと視線を向けたが、
「彼女たちには今日は泊っていてもらうからだよ、翔太」
「…はぁ!?聞いてないぞ!?」
「言ってないからね…そもそも言ったら反対しただろう?」
「うっ!?」
フィリップに図星を突かれてしまい、言葉に詰まる翔太。そんな翔太に反論の余地など与えまいと怒涛に切り込むフィリップ。
「安心したまえ。もう既に夕食はピザやサイドメニューを注文済みだし、上杉風太郎の妹さんには既に夕飯はいらず、逆にこれから迎えに行くことを連絡済みだ。
二乃ちゃんに頼んで、彼女たちが泊まれるように荷物も持ってきてもらったからね。もう既に準備は完了している」
「いつの間にうちの連絡先を…!?」
「それで二乃…今日学校に行く時にボストンバックを持ってきてたんだ」
どうやらフィリップは既に後掘りを埋めてしまっていたようだ。愕然とする風太郎の横で、今朝の姉の出来事に納得がいった四葉が驚いていた。
「……これでもまだ反対するのかい、翔太?」
「分かった、分かった…はぁ。本当にお前の行動力には驚かされるよ……なんか悪いな、上杉。らいはちゃんまで勝手に巻き込んじまって」
「………前言撤回するわ、佐桐。お前の相棒は非常識の塊なのか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こめかみに青筋を浮かべる風太郎の言葉に何も反論することができない翔太は目線を逸らすことしかできなかったのだった。
そして、フィリップがハードボイルダーでらいはを迎えに行っている間、翔太は自身の部屋で風太郎と話をしていた。風太郎から話があると言われたからだ。
「…もしかして、らいはちゃんの件か。それについては俺の相棒が勝手なことをして、本当に済まな「そうじゃない」…え?」
「……本当に怪我はもう大丈夫なのか?」
「大丈夫だって。右腕はこの様だが、他はもう問題ない。それにダブルの活動をしてたら、多少の怪我は以前にもしたことがあったから、慣れてるから気にするな」
まぁ、ここまでの怪我は初めてだが、と言って苦笑いする翔太だったが、風太郎は珍しく苦々しい表情をしていた。
「……五月から聞いた。あの花火大会の時、らいはを助けてくれたんだろう?」
「五月の奴め…余計なことを言いやがって」
「お前には助けてもらってばかりだと思ってたが、まさか返せない恩があったとは思ってもなかったよ。その……ありがとう、佐桐」
「………当たり前のことをしただけだ。礼を言われる程じゃないし、恩に思われるものでもねーよ」
「そうか…分かった」
左手をひらひらと振りながらそう答える翔太に風太郎も呆気に取られてしまったが、すぐに我に返ってそう返答するのだった。
そして、フィリップがらいはを連れて戻って来て、フィリップが注文していた料理も届いたため、一同は夕飯を食べ始めた。
久々の外食ということで五つ子たちのテンションも上がっており、上杉兄妹も食事を楽しんでいるようだった。もっとも、
「佐桐さん!?その腕、どうしたんですか!?」
「……えーっと、階段から落ちてな…大したことはないよ」
右腕を包帯で固定された翔太を見て、らいはが心配したり、
「ふぃりっぷさん…?外国の方なんですか?」
「いや、れっきとした日本人だよ。君は上杉らいはだね?君のことはもう既に検索「うおおおい!?ほら、花火大会の時に見たことあるだろう!?俺の弟なんだよ、こいつ!」
「…?…?…?」
とんでもないことを暴露しようとしたフィリップの口を塞ぎながらごまかす翔太に、らいはが首を傾げたり、
「あー!五月ちゃん、そのピザ、私が食べようとしたのに!?」
「ちょっと四葉…頬にソース突いてるわよ」
「……ねぇ、ショータ。抹茶ソーダって冷蔵庫に置いてないの?」
「らいはちゃん、これも美味しいですよ?」
「(モグモグモグ!)あっ、佐桐君。ポテト取りましょうか?」
「流石に置いてねーよ、三玖。もらうよ、五月……足らないのなら追加注文するらしいから、遠慮なく言ってくれ。
って、一斉にバラバラの注文をするな!?あと、五月はちょっとは遠慮しやがれ!?」
「なんで私だけ…!?」
いつも通り、にぎやかに(?)食事を続ける五つ子たちに笑う翔太だったが、追加注文を聞いたところ、五人五色の注文をされてしまい、悲鳴を上げたり…
そんなにぎやかな時間はあっという間に過ぎていき……
「それじゃ、上杉らいはを送っていくよ」
「お願いします、フィリップさん。お兄ちゃん、泊りでの勉強会、頑張ってね!」
流石に話しを聞かせるわけにはいかないらいはを家に送り届けるために、ハードボイルダーの後ろに座らせたフィリップが翔太と風太郎に声を掛けた。
「おう。それじゃ、頼むな」
「任せておきたまえ。それじゃ、らいはちゃん。しっかり捕まってくれ」
「はい!」
風太郎の言葉を受け取り、バイザーを下したフィリップはらいはにそう声を掛けてから、ハードボイルダーを発進させた。
その姿が見えなくなったところで、風太郎は気になっていたことを翔太へと尋ねていた。
「……というか、お前たちもバイクの免許持ってたんだな?」
「まぁな。どうしても事件現場に行くのに足が必要だったからな……お前もってことは上杉も?」
「前にバイトの話をしたことがあっただろう?出前のバイトをしていた時に無理して取ったんだよ。まぁ、あのカスタムバイクを運転しようとは思わないけどな」
(……更に空を飛んだり、水の上を走れると言ったら、どんな反応するんだろうな)
実はハードボイルダーが換装可能だという事実を風太郎には告げず、二人はフィリップが戻ってくるまで家の中で待つことにしたのだった。
そして、順番に風呂に入り、全員が寝間着姿へと着替え…夜も更けた頃。
「…おいおい。こんな空間だったのかよ」
「いや〜…ドラマとか映画の撮影でたまにスタジオでこんな光景見るけど、実際に見ると驚くね、これ……」
「……秘密基地」
「うわぁぁ!かっこいいですね!!あっ、バイクはここに置いてあるんですね!」
ダブルの秘密のガレージへと案内された一同。ジェノサイド・ドーパントで佐桐家に連れてこられた時、来たことがあった一同だが、その時はガレージを見渡す余裕はなく、それぞれが見た感想を漏らしていた。
風太郎が困惑する横で、女優の視線として感想を述べる一花。三玖が驚きのあまり、言葉足らずの感想しか言えない状態に対し、四葉は目を爛々と輝かせてガレージを見渡していた。
「さて、ダブルの秘密のアジトへとようこそ…とでも、言うべきかな?」
「ほら、4人ともキョロキョロばかりせずにこっちに来なさい。フィリップ君、何か手伝うことある?」
「……それなら、そこに置いてある椅子を適当に並べてくれないかい?翔太、デンデンセンサーを持ってきてくれ」
4人が驚きのあまりに動けないでいたが、一足先にガレージの下部分へと降りていた翔太たちを追いかけていく形で続いた。二乃と五月が椅子や持ってきた飲み物を並べる中、フィリップがパソコンとデンデンセンサーの接続設定をするのを手伝う翔太。
そして、準備を終えたところでガレージの壁にデンデンセンサーから映像が映し出された。そして、電気を消した翔太とフィリップが話を切り出した。
「それじゃ、少し長くなるが聞いてくれ」
「これから君たちに話すのはガイアメモリの真実だ。二乃ちゃんたちも知らないことがあると思うから、もし質問があったら随時質問をしてくれ」
その言葉と共に、ダブルの二人は語り始めた。
ダブルとガイアメモリ……その話はとても長い物語の始まりだった。
次回 仮面ライダーW
『戦士たちのH/ダブルの秘密』
これで決まりだ!
シリアスな出迎えシーンを書こうと思ったら、フィリップと三玖のコラボレーションにぶち壊されました(笑)
次回もこんなノリでの解説回になります。
オリジナル回だとめちゃめちゃ筆が進むが、お話がなかなか進まないのが作者の悪いところだったりします。
それではまた。
次回更新 26日0時予定