仮面ライダーW/Kの花嫁   作:wing//

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大変お待たせしました!
ようやく環境落ち着きましたので、連載再開です!!…こっちの作品、スランプ気味なのは治ってないのですが(苦笑)

さて、新章のプロローグとなります。
オリ要素や原作を少し変えた感じになってますが、あの方に似たキャラが登場です!
…ちなみに本章にダブルの戦闘パートは存在しませんので、そちらをご期待の皆様、申し訳ありません。

それではどうぞ!


⑫Mの試練
第53話 「Mの試練/母の帰還」


(学年末試験も無事に終わり、俺たちと上杉も五つ子たちの家庭教師としての役目を一つ終えられたわけだが…どうしてこんなことになってんだろうな…)

 

いつもは相棒が行っているドライバーやガジェットのメンテナンスを、慣れない手つきで代わりに行いながら、翔太はそんなことを思っていた。どうして彼がそんなことをしているのかというと、原因である相棒のフィリップが今はそれどころではなくなってしまっていたからだ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙々とホワイトボードに何かを書いているかと思えば、ボードいっぱいに書き終えた途端にすぐさま全部を消し去り、再びびっしりとボードいっぱいにずらずらと文字を書き続けていく。

 

最初は日本語だったのだが、いつのまにか英語やら中国語に変わっており、今は翔太にすら何の文字で書いているのか分からない状態である。

 

フィリップが知識欲のあまりに暴走することはこれまでも何度もあったが、それでも今回の状態は翔太から見れば明らかに異常だった。食事も睡眠も取っているし、ダブルに変身する時にもすんなり承諾してくれてもいる…だが、

 

「済まない……これは僕の問題なんだ。少し放っておいてくれ」

 

翔太が何を調べているのかと聞いても、その一言だけで答え、再び黙々と検索を再開してしまうのだ。日常生活のサイクルは守っているため、翔太自身も強く言えることができず、日々苦悩する相棒に言葉を掛けることができずにいたのだった。

 

せめて、道具のメンテナンスだけは引き受けてやろう半分、心配で見守っていたいという理由半分でガレージで作業をしながら、フィリップを見守っていたのだが、一向に彼が納得する答えに辿り着く気配がないので、翔太も思わずため息を吐いていた。

 

幸い、春休みということで翔太自身も暇を持て余していた。学年末テストのすぐ後とのことで、風太郎と話し合った結果、家庭教師は少し休みにすることにしたのだ。

 

(そういや、上杉もなんか様子が変だったよな。何故かフィリップの方を気にしてたけど…もしかして上杉は何かを知っているのか?)

 

翔太が風太郎と最後に逢ったのは、学年末テストの祝賀会が最後だった。その時に何故か慌てた様子だった風太郎の様子が頭をよぎり、今回のフィリップの一件に関わっているのではないかと翔太は考えていた。

 

春休みが始まって数日経つ…今後の予定のことも確認しておきたいと思った翔太は、ようやくメンテナンスが完了したスタッグフォンを起動し、風太郎に電話を掛けるが、

 

『お掛けになった電話は電源が切られているか、電波が届かない……』

(繋がらね……一応メールしとくか。まさかとは思うが、携帯代払えずに電話止められたとかじゃないよな…?)

 

内心そんな冗談を思いながらメールを打つ翔太…ちなみに翔太は一回も上杉家を訪れたことがないので、風太郎の家計がどれだけ酷いのかを知らなかったりする(翔太本人は少しだけ貧乏なのだろう、という軽い認識だったりする)。

 

「…そうだ。あいつなら何か知っているかも」

 

そう思った翔太は再びスタッグフォンに登録されている電話帳を開き、電話を掛ける。掛けた相手は…

 

 

 

一方、そんな電話が掛かってきていることを(携帯電話の充電をし忘れで充電切れになっていることにも)気付いていない風太郎は渋々と買い物に出て来ていた。

 

(はぁ…こんなことしてる場合じゃないっていうのにな…)

 

折角の春休み…家庭教師も休みとのことで、目一杯勉強に時間をかけられると思っていた風太郎は思わずため息を吐きながらスーパーへと向かっていた。流石の勉強馬鹿の風太郎も、

 

『働かざる者食うべからずだよ』

 

と妹のらいはに言われてしまっては逆らうこともできず、こうしておつかいに出向いているわけである。

 

(ま…気分転換にはなるか)

 

信号待ちで立ち止まっていると、頭に浮かぶのは先日の学年末の結果だった。

 

国語93点 数学97点 理科94点 社会91点 英語90点 

合計点数465点(学年順位2位)

 

(はぁ……次回の試験はこうならないようにしないとな)

 

全てのテストで満点を逃すという結果に風太郎は少し落ち込んでいたりする。尤も、五つ子たち全員が赤点を回避できたので、それよりもショックはかなり小さいのだが…そんなことを思っている時だった。

 

「好きだ」「私もよ」

「……!」

 

後ろのカップルの会話が風太郎の耳に入ってきたのだ。情熱的な恋の会話に風太郎は気まずくなる。そして、脳裏に浮かんだのは…

 

『あんたを好きって言ったのよ』

『あんたのことが……貴方のことが好きよ、フィリップ君』

 

フィリップへと告白した二乃の言葉だった。偶然にもその告白を聞いてしまった風太郎は後悔していた。このことを翔太に伝えるべきかどうか葛藤した風太郎。だが、結局そのことを翔太に伝えることができず、今も秘密を抱えてしまっている状態だった。

 

(まさか二乃が…はぁ…これからどんな顔してあの二人に会えばいいんだっつの…)

 

別に他人が勝手に恋愛することなどお構いなしの風太郎だったが、相手が教え子の一人と助っ人である人物の相棒であれば、流石に話が変わってくる。それが今の風太郎の頭を悩ませている原因の一つでもあったりする。未だ熱烈な会話を続けるカップルの会話を聞きながら、風太郎は思わず毒づいてしまう。

 

「(どいつもこいつも…)理解不能だ」

「フ、フータロー…?」

「うん…?」

 

聞き覚えのある声と呼び方に横を向く風太郎。そこにいたのは、

 

「三玖!」

「う、うん……偶然、だね」

 

五つ子の一人…三玖だった。三玖も行き先は同じスーパーとのことで一緒に行くことになった二人。食品売り場に向かい、近況を話し合う。

 

「元気そうで良かった。試験が終わってから、フータローもショータたちもずっとうちに来てくれないから」

「い、行く用事もないしな。ほら、家庭教師は少しの間、休みにするって言っただろう?」

「用事がなくても遊びに来てくればよかったのに…それに、私はそんなことなんて関係なしに勉強を教えてほしかった…」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

三玖の言葉に思わず言葉に詰まる風太郎。このまま話が続くのは不味いと思い、話題を別のものへと振り替えた。

 

「え、えーっと…お前も今日は買い物か?」

「そう、当番」

「…ん?ここよりもっと近い店がなかったか?どうして、このスーパーに…」

「あっ……べ、別にフータローに会えるかもしれないから前に迎えに来た記憶を頼りに少し遠回りしてこのお店まで来たわけじゃなくてたまたま歩いていたら自然とこのお店に来ちゃったわけで」

(これまで聞いてきた中でも、三玖史上一番の長文)

 

矛盾しまくっている言い訳よりも、すらすらと出てきた長文の方に驚く風太郎。流石の鈍感さはここにも発揮され、三玖の真意に風太郎は全く気付いていなかった。それでも誤魔化し切れていないと思った三玖は他に何かないかと思い、慌てて周囲を見渡すと、

 

「あの…えっと…あっ!こ、これ目当てで来たの!」

「うん…?へぇ、こんなのやってるのか」

「そ、そう!このお店だけなんだ」

 

三玖の咄嗟の嘘を疑うことなく信じる風太郎。三玖が指差したのは、『3,000円以上の買い物レシートで一回引ける福引き』だった。風太郎の興味が景品に移ったことに安堵した美玖も福引きの内容へと目を移した。その中でも彼女の目に留まったのは、

 

「あっ。このA賞の行き先、お爺ちゃんの家の近くだ。懐かしいし、これにしようかな」

「は?温泉なんて金にもならん…狙うなら勿論E賞の商品券だ!待てよ……このB賞は売ったらいくらだ?」

「そんなフータローには当たらない気がする」

 

B賞のペアリングを換金できた際の金額に欲がでる風太郎に、流石の三玖もジト目になってしまっていた。彼の家計を考えれば仕方ないことかもしれないが、女性の前でそれを言うのは流石に失礼な話だった。

 

「そんなのはやってみないと分からないだろう。会計行くぞ!」

「待って…実は二乃からも頼まれた買い物があるんだ」

「に、二乃から…!?」

「…?どうかした?」

「い、いや……なんでもない」

 

三玖からまさかの名前が飛び出し、思わず動揺する風太郎。頭をよぎるのは、二乃とフィリップの顔だった。

 

「な、なぁ…二乃の奴、どっか様子変じゃなかったか?」

「変…?うーん……いつも通りだったと思うけど」

「そ、そうか…」

「あっ…でも、いつもよりスマホを気にしている感じはあったかな?」

「へ、へぇ…(フィリップからの連絡を待っているとか?もしかして、あいつら、もうそんな深い関係になったのか!?)」

 

事情を一方的に知る風太郎はまさかの可能性を疑ってしまう。もちろん、そんなことにはなっていないのだが、初めて人の告白のシーンを盗み聞きしてしまった風太郎に気が付く余裕はないのも仕方のない話だった。

 

「二乃がどうかしたの?」

「い、いや!なんでもないぞ、うん!なんでもない!!」

「…?」

 

慌てて誤魔化す風太郎の言葉に首を傾げる三玖。すると、何を思ったのか…いや、五つ子である三玖にだからこそ聞けると思って聞いてみたのだろう。とんでもないことを風太郎は聞いてしまった。

 

「あのさ、三玖……好きな人とかいる?」

「……………ええっ!!」

 

風太郎の放った言葉が一瞬理解できず、数秒ほど思考が停止した三玖。しかし、その言葉を理解した途端、彼女にしては珍しく大きな声を上げて驚いた。

 

「い、いないよ!?前にも言ったでしょ」

「あれから同じクラスに気になる奴とかできたんじゃないか!?」

「急にどうしたの、フータロー!?」

「恋バナだ!?恋バナしようぜ、恋バナ!?」

 

いつもと様子が違う風太郎に困惑する三玖。一方の風太郎も完全にパニックになっていた。それほど彼も必死だったのだ…不審者がられて、通りかかったお客さんに注意されるまでそんなやりとりは続き…

 

「本当にどうしたの、フータロー?いつもちょっと変だけど、今日は一段とおかしい」

「いつもからそう思われてたのかよ、俺…はぁ、ちょっとな。あー…知り合いの話なんだが、そいつが同級生に告白されてたんだよ。で、その知り合いはちょっとだけ俺とも関わり合いがあって……正直どう接すればいいか戸惑っててな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

風太郎は個人名を伏せ、三玖に正直に打ち明けた。それを聞いた三玖は、

 

「プッ…プププ…!」

「…なんだよ…」

「フータローでもそんなこと考えるんだと思って。普通の男の子みたい」

「だから知り合いの話だっつうの!?」

「でも意外。そういうの一蹴するタイプだと思ってたから…嬉しいな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

三玖の言葉に今度は風太郎が黙り込んでしまう番だった。そんな風太郎に三玖はある話を持ち出す。

 

「…私の知り合いの話だけど、告白しようとしたけど、自信がなくなってできなかった…らしい。したら最後、元のように戻れないから……それくらい告白って勇気がいるんだよ」

「……(そうなのか…だけど…)」

「……(世の中にはそんな勇気のある人がいるんだ…)

 

(結局佐桐に言うべきなのか、俺は…それとも…)

(私はなんて臆病なんだろう)

 

変なすれ違いをしながらも、そんなことを悩む二人。だが、問題は彼らを待ってなどくれなかった。

 

(ひとまず春休みだ。考える時間はいくらでもあるか…)

 

そんな安易な風太郎の考えを打ち崩す出来事が待っているとは彼らは知らない。

 

 

 

「お前…奢ると言ったのは俺だが、本当にそれ全部食べるのか?」

「当たり前です!あっ…一つ欲しいと言ってもあげませんからね!」

「言わねーよ!?」

 

そんな翔太のツッコミが響き渡ったのは、彼の行きつけの喫茶店『ウィンドウ・シティ』だった。春休みということもあり、子供連れで賑わう店内で叫んだ彼の声は周囲の目を集めてしまった。

 

周りに謝罪の一礼をして、翔太は対面する相手…呼び出した五月にジト目を向ける。彼女の前にはオーナー特製『風都パフェ』のチョコ味と抹茶味が並んで置かれていた。お昼の15時とはいえ、この後夕飯食えるのかという翔太の心配を無視して、五月はパフェを食べ始める。

 

「それで…相談というのは何なんですか?」

「ああ。そっちで何か変わったことはないか?」

「変わったことですか……特に思い当たる節はありませんね。もしかして、佐桐君…!?」

「安心しろ。ガイアメモリ関連じゃねーよ。ちょっとフィリップの様子がおかしくてな」

「フィリップさんが…?」

 

まさかと慌てる五月を制し、翔太はコーヒーを一口飲んでから相談の内容を打ち明けた。フィリップの様子が変だと聞き、五月はスプーンを咥えたまま首を捻る。

 

「あの祝賀会以来、何かを調べっぱなしでな。もしかしたら、お前たちの誰かが関係しているんじゃないかと思ったんだが…何もないんならいいんだ」

「…はぁ…」

(…俺の気のせいだったか。てっきり二乃関連かと思ったんだが…そういえば、一花もあの後から様子が変だったよな。でも、五月はどこも変ではないって言うし……もう少し様子を見るしかないか)

 

当てが外れたと思った翔太は、それと共にどこか安堵していた。これが五つ子に関わることならば、また胃が痛くなるかと思っていたので、ちょっとだけホッとしていた。先日感じた寒気も気のせいだったのだろうと思っていた。

 

「そうだ…あの、春休みの予定なんですが…」

「うん…?ああ。俺も上杉に相談しようとしたんだが、連絡がつかなくてな。今のところ、家庭教師の日程は未定だぞ」

「そうですか…実は家族で旅行に行くことになりまして…」

「旅行…!?お前ら、そんな費用、一体どこから…」

「えーっと…お父さんからいきなり提案を受けまして…旅行といっても、里帰りに近いものですけどね」

「ふーん……まぁ、長期休みだし、それぐらいいいんじゃないか?お前の親父さんだって、何かを想ってのことだろう。それぐらい付き合ってやれよ」

「……佐桐君。お父さんと何かありましたか?」

「悪いが、ノーコメントだ。俺から語れることじゃないしな」

「…へぇ…私には話せないことなんですか…!」

「凄まれてもこればっかりは言えないからな。探偵の口を堅さを舐めるなよ」

「ムムムムム……!?」

 

マルオとの間にあったことを翔太は語る気はなかった。マルオ自身がそのことを望んでいないのに、五月たちに勝手に言うわけにもいかないというのが翔太の判断だった。

 

五月が頬を膨らませ、もの凄い目付きで睨まれるが、こればかりは翔太も完全に隠し通す気だった。話を逸らそうとするが、

 

「そんなことよりも、早く食べないと溶けるぞ、パフェ」

「…もう全部食べました」

「えっ……うそぉ」

 

翔太が考え事している内に五月の前に並んでいたパフェの器は空になっていた。ものの数分の間に二つのパフェを空にした五月に、流石の翔太も引き攣り笑いを浮かべるしかなかったのだった。

 

 

 

「それにしても家族旅行ね…俺たちもどっか旅行にでも行くべきか?」

 

五月をアパートへと送り、ハードボイルダーを地下ガレージに戻した翔太は、五月の話を思い出しながらそんなことを考えていた。最近は事件の依頼を受けることも少なく、警護対象である五つ子も旅行に行くというのなら、良い機会かと思ったのだ。

 

フィリップも出掛けると聞けば、少しは気分転換になるのではないかと思い、とりあえず夕飯を作って、その時にでも提案してみようと考えながら、家の玄関をくぐった時だった。

 

「……うん?この靴…それに煮物の匂い…?まさか…!?」

 

とても見覚えのある靴に翔太は慌てて靴を脱ぎ、リビングに駆け込む。そして、そこにいたのは…翔太が予想していた人物であり、

 

「…母さん!?」

「あら、翔太!おかえりー!」

「それはこっちのセリフだぁぁ!?」

 

いつも通りのマイペースな態度……髪を一本垂らしたおさげ髪に童顔が特徴な女性…翔太の母である佐桐亜希子その人の挨拶に翔太のツッコミが響き渡った。

 

「…ったく。帰ってくるならくるで連絡くらいしろよな?」

「いや~、急遽決まった話だったからさ。それにあんたたちを驚かせたいと思ったからさ!どう?驚いたでしょう?」

「はいはい…驚いた、驚いた」

 

そんな突然の再会を終えてひとまず席に着く二人。まるで悪戯が成功した風な笑みでそう尋ねてくる母親…亜希子の問いに呆れながら答える翔太。相変わらず変わってねーなと思いながら、頬に肘を突きながら亜希子の話を聞く体制になった。

 

「それで…地方出張は終わったのかよ?」

「あー、それがもう少し掛かりそうなのよ。今追ってるネタが週刊で連載している途中だからね。あと…一年ぐらいは短くても掛かりそうなのよ。その前に、上から長期休暇をもらったってわけ」

「なるほどな…やっぱり記者も大変そうだな」

「まぁね。でも、安心したわ。あんたも元気そうにしてるみたいだしね。また少し身長も伸びたんじゃないの?」

 

自身の仕事…記者として地方を飛び回っている亜希子は今日帰ってきた理由を話した。翔太も口ではこう言っているが、亜希子が帰ってきたことを喜んでいたりする。

 

「そうだ…今回はどれくらい家にいられるんだ?まぁ、仕事で疲れてるからほとんど寝て過ごすんだろうけど」

「ちょっと!?人のことを年寄り扱いしないでくれる!?これでもまだまだ若いんだから!……コホン!そうね…大体1週間くらいかしらね。そういえば、フィリップ君はどうしたの?姿が見えないけど…」

「あ、ああ!もしかしたら散歩に行ってるのかもしれないな!そのうち帰ってくると思うぜ!(…やべぇ…フィリップにガレージから出てくる時に注意するように言わないと…!?)」

 

亜希子にフィリップの所在を尋ねられ、慌てる翔太。亜希子にはダブルのことは何一つ教えていないのだ…それを今さら知られるわけにはいかないと思い、翔太はすぐに連絡を取ろうと席を立とうとしたのだが…

 

「あっ、そう…翔太。実はね、知り合いの方に温泉に招待されたのよ」

「…温泉?」

 

亜希子がカバンから取り出したチラシを見て、翔太は首を傾げる。内容を見ると、そこそこ良いところの旅館が写真で写っていた。

 

「そうそう!帰ってくる前に知り合いの人たちに挨拶してきたんだけどね…ある人に紹介を受けてね!もし良かったら、ご家族で一緒に来られないかって!あんたも学校休みだろうし、フィリップ君もいつも籠りっぱなしというわけにはいかないでしょう?」

「……それは…いや、いいな、それ!」

 

一瞬リスクのことを考えたが、今のフィリップには何かしらの気分転換が必要だと思っていたのも事実なので、翔太は亜希子の提案に賛同した。

 

「そう!なら、後はフィリップ君に話すだけね!」

 

そんな亜希子の嬉しそうな言葉に苦笑いしながらも、翔太自身も少し楽しみにしていた。ここ最近色々なことが起こりすぎていたのだ…少しばかりの気分転換にはちょうどいいだろうと思っていた。

 

残念ながら、その旅行が楽しみでは済まなくなることをこの時には知らずに…

 

 

次回 仮面ライダーダブル/Kの花嫁 

 

『Mの試練/訪れる試練』

これで決まりだ!

 




佐桐の母…佐桐亜希子登場です!
賛否両論あるとは思いますが、ヒロインが五つ子だと、こういう出し方しかできないかと思いの結果でした。本章終わった後はそんなに出ることもないので、まぁ、旅行のきっかけになった人物と思っていただければ…

次回は旅行編です。なんとかモチベーション立て直したいな…

dyrgaさん 
ご評価ありがとうございました。
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