早速翔太の胃のライフがガリガリと削られております(笑)
旅行終わったくらいに穴開いてそうです…ちなみにフィリップのせいでマルオのヘイトが翔太に向けられているので、風太郎への扱いが少し優しくなってます…(なってるのか?)
それではどうぞ!
「ヤッ…ホォーーーーーーーーーーー!!!」
「…なんで母さんが一番テンション高いんだよ…」
人がにぎわうビーチに森林浴目的としてのハイキングコースが有名な山岳…そんな絶景を前に、女性の木霊が山の中に響き渡っていた。そして、山びこを楽しむ女性…佐桐亜希子の姿に、息子である翔太は冷めた目を向けていた。
「何よ…山にきたら、ヤッホーは当たり前でしょう?」
「言いたいのはそこじゃねーよ!?」
「はいはい…分かってるわよ。というか、普通はあんたみたいな若者こそ、もっと元気出すところでしょうが…なんでそんなにテンション低いのよ」
「はぁ…ハードボイルドはそう声を荒げないんだよ。俺は子供じゃねんだよ」
「ふうん…でも、お父さんは場の空気を読んで、こういうこともやってたけどね…」
「ヤッホーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
(翔太、あんた…)
ハードボイルドという言葉に簡単に釣られた息子に将来を心配する亜希子。未だ全力で叫び続ける翔太を横に、もう一人の息子とも呼べる少年へと声を掛けていた。
「フィリップ君…大丈夫?」
「も、問題ないです…少し疲れただけ……ふぅ」
「もう…いつも引きこもってるからよ。全く、うちの息子たちは本当に正反対なんだから。ほら、翔太。あんたはいつまで山びこしてんのよ!」
息を切らしながらもなんとかハイキングコースを登ってきたフィリップにため息を吐きながら、未だに熱心に叫び続ける翔太の首根っこを掴み、亜希子はハイキングを再開することにした。
亜希子の提案で家族旅行に来たダブルの二人。
いきなりの話だったが、翔太が懸念していたフィリップも迷うことなく賛同し、一同は観光スポットへと来ていた。旅館へのチェックインまでまだ時間があるとのことで、船から降りたその足で三人は山へとハイキングに来ていたのだ。
「それにしても、母さん。こんな観光地に招待してくれる知り合いがいたのか?」
「私の、というよりもお父さんのよ。昔の仕事の関係で少し付き合いがあった方でね。私も面識があったのよ。その方もこっちに家族旅行で来る予定があったらしくて、もし良かったらご一緒にどうですかって知り合いの旅館に招待してもらったのよ」
「な、なるほど…佐桐壮吉のし、知り合いだ、ったんだね。それ、は少しきょう、み深い……はぁ…はぁ…」
「本当に大丈夫か、フィリップ…?」
旅行先がここまで有名な観光地だと思っていなかった翔太の問いに亜希子は先頭を悠々と生きながら答える。その答えに息も切れ切れに反応するフィリップ…そんな相棒に思わず心配になる翔太。
本日の彼らの恰好はいつもと異なる格好だった。
翔太は黒と紫を主に、半袖のポロシャツにベスト、動きやすいスラックス、トレードマークの帽子も忘れずに被って来ている…汗をかいているのなら脱げばいいのにというのは言わないお約束である。
一方のフィリップは薄い長袖にTシャツに、カーゴパンツという緑と白を基調とした春を感じさせる恰好だった。一応、念のためにということで変装用の眼鏡をかけている…もっとも汗だくでいい感じなイケメンになっているのは余談である。
「「ヤッホーーーー!!」」
「あら…どうやら他の人たちも来ているみたいね」
「そりゃ、ハイキングコースだしな。春だし、海よりも山に来る人も多いんじゃねーか?釣りに行く人も多いみたいだけどな」
聞こえてきた山びこの声に反応する亜希子。ここに来るまでに見てきた看板にそう書かれていたなと翔太はそう答えた。聞こえてきた声は女の子と男性の声で親子連れかなと思った翔太。
(それにしても、上杉の奴…メール送ったのに全く反応なしっていうのはどういう了見だ、あの野郎…!休み中、勉強に夢中で携帯見てないとかってオチだったら、どうしてくれようか…!
はぁ…まぁいいや。フィリップも旅行を楽しんでるみたいだし、せっかく母さんが連れてきてくれたのに俺一人がどうこう考えていてもしょうがないし…今はこの旅行を楽しむとするか……よし!)
今はダブルのことも、家庭教師のことも忘れて旅行を楽しもうと決心した翔太は、ハイキングコースの先に開けた場所が見えてきたことに、もう一度山びこを叫ぼうと駆け出した。そして、息を大きく吸い込み叫んだ!
「「「ヤッホーーーーーーーーーーーーーーーー!!!………えっ…?」」」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
重なった山びこに翔太の思考が一旦止まる。とてつもなく聞き覚えのある声に翔太は油が刺さっていない機械の如く、視界を向けるために頭を右へと動かす。相手もこちらに気付いたらしく、顔を見合わせ…
「さ、佐桐君!?」「五月!?」
「なんでお前らがここにいるんだよ!?」
「えっ…上杉!?お前までなんでここに…!?」
まさかの人物…五月がいることに素っ頓狂な声を上げる翔太。そして、反対側から聞こえてきた声…風太郎までもいることに更に驚きが重なる。二人にどうしてここにいるのかと尋ねようとした時だった。
「五月―!早いよー…って、上杉さんに佐桐さん!?フィリップさんまで!…と、どちら様ですか…?」
「あ、あれ…フータローもあったんだ…はぁ…あれ、ショータにフィリップ?」
「な、なんで3人ともここにいるの…?」
「う、嘘だろう…いつものメンバー全員集結ってどういう奇跡だよ」
続々と別のルートから現れた四葉・三玖・一花・二乃の登場に、流石の翔太も顔が引き攣ってしまっていた。一方、ここに佐桐たちがいるとは思ってもみなかった二乃は、
「……嘘……」「っ……!」
フィリップと二乃は予想していなかった出会いに気まずくなっていた。あの告白以来、碌に会話していなかった二人。そんな二人の様子に尋常でない雰囲気を感じた翔太が声を掛けようとしたのだが、
「やぁ、佐桐君…元気そうだね?」
「っ…!?」
その声に佐桐はゆっくりと振り返る…とてつもなく聞き覚えのある声だったが、何故か恐ろしい程に冷たい声色に冷や汗が止まらない翔太が目線を向けると、
「偶然だね…君たちも家族旅行に来ていたんだね」
「……そ、そうですね」
五月が言っていた家族旅行の内容を思い出した翔太…そう、当然この人も来ている筈だったのだ。五つ子たちの父親である中野マルオその人がだ…しかも、何故か翔太と…そして、フィリップに殺気を飛ばしていたのだ。
覚えのない殺気を飛ばされ、流石の翔太も思わず後退る。心当たりがないことはないのだが、今まで感じたことのない恐怖に為す術もない状態だった。そんな翔太など気にすることもなく、マルオは二乃へと声を掛けた。
「大丈夫かい、二乃?疲れたのなら少し休んでいるといい」
「だ、大丈夫よ、パパ…佐桐たちがいるとは思ってなかったから驚いただけよ」
「そうかい…上杉君も元気そうでなによりだ」
「ど、どうも…ご無沙汰しております」
上杉には普通に挨拶しているところを見ると、翔太に対する態度だけがおかしいことに気づく翔太。だが、その理由だけがどうしても分からずにいた…相棒がマルオに対して、とんでもないことを仕出かしているとは知る由もなかった。
「あら…中野さん!本日はご招待を頂きましてありがとうございます!」
「…佐桐さん。いきなりのお誘いでしたが、来て頂けて良かったです」
「…えっ?佐桐…?あの、佐桐君…あちらの女性はもしかして…?」
「ああ…俺の母さんだよ…(招待してくれた知り合いって、五月たちの父親かよ!?というか、さっき偶然とか言っておきながら、あんたが仕組んだんじゃねーか!?)」
互いに挨拶を交わす親の姿に内心舌打ちしながら、五月の問いに答える翔太。しらじらしい態度のマルオがどういう目的で自分たちをここに招待したのか訝しむ翔太の横で、五月は以前佐桐家に見た写真と、今の亜希子の容姿が全く変わっていないことに驚いていた。
「おい、佐桐!?なんでお前がここにいるんだよ!?」
「家族旅行だよ!理由は俺にも分からんが、色々あってここに来たんだよ!というか、なんでお前もここにいんだよ!?」
「こっちも家族旅行だよ!?福引きが当たったんだよ!?」
「…ど、どうしたんですか、お二人とも?」
互いに状況を確認する風太郎と翔太。どうやら上杉家は福引きで当たった特典でここに来たらしい…そんな二人の様子に首を傾げる四葉。
「そんなことよりも聞いてくださいよ!ここって、凄い伝説が残っているんですよ!!」
((あれ…デジャビュ?))
興奮してテンションの高い四葉がそう言い出した光景に、林間学校のことが頭をよぎった翔太と風太郎。そして、四葉が伝説について説明し出した。
「この島随一の観光スポットです、『誓いの鐘』です。この鐘を二人で鳴らすとその男女は永遠に結ばれるという伝説が残っているのです!」
「そ、そうなのか…(はっ!マズイ…そんな話を聞けば、フィリップが暴走しちまう!?)」
林間学校の『結びの伝説』を聞き知った時のフィリップの反応を思い出した翔太に危機感が走った!今ここには、風太郎や五つ子たちだけでなく、何も知らない上杉一家やマルオ、そして、一番ダブルのことを知られたくない母親である亜希子がいるのだ。
相棒の検索が発動する前になんとしても止めなければと焦る翔太だったが…その懸念は意外な形で裏切られることになった。
「…『誓いの伝説』…永遠に結ばれる…」
「……そ、そう」
(あれぇぇぇぇ!?フィリップさん、貴方そんなキャラでしたっけ!?というか、二乃までどうした!?お前もそんなキャラじゃなかっただろうがぁ!?)
感慨深く呟くフィリップに翔太はまたしても驚き後退る。そして、何故かこれまた意味深に呟く二乃の様子に内心変わった口調でツッコミを入れていた。これは普通ではない…この二人に何かがあったのだと…そして、マルオが自分に奇妙なプレッシャーをぶつけてくることも関りがあるとどこかで直感していた。
「さて、ここで昼食にしようか。全員準備を始めてくれ。但し、足元には気を付けよう。この辺りは滑りやすいからね」
「なぁ…佐桐。ちょっといいか?」
「うん、どうした上杉…?」
「実は…「佐桐君。君たちも一緒にどうだい?」っ!?」
「え…!?いや、俺はそこまで腹減ってないし…!?」
「何言ってんのよ、翔太。すみません、中野さん。お言葉に甘えさせてもらいます」
「お、おい…母さん!?」
翔太に何かを告げようとした風太郎だったが、声を掛けたマルオと彼を連れて行ってしまった亜希子により遮られてしまった。置いて行かれた風太郎はまたしても機会を逃してしまい、頭を掻いていた。
(はぁ…まさか、佐桐たちだけでなく、二乃たちまでいるなんて…休み明けに家庭教師を再開するまで距離を置けると思ったのに…なんで全員揃ってこの島にいるんだよ!?つーか、なんであいつらの父親までいるんだよ!?というか、佐桐の母親までいるとか、なんだよこの家庭面談みたいなイベント!?というか、この俺はどうなる!無事にあいつらが進級できたということは俺は完全に家庭教師をクビになっちまうのか!?)
あまりに奇妙なイベントに風太郎の頭脳はパンク寸前だった。いつも頼りになる翔太は母親に連れて行かれてしまい、マルオとの会話に恐怖していた。こうなれば、他のメンバー…五つ子たちに相談するしかないと思い、声を掛けるが、
「おい、一花…どういうことだが説明してほしいんだが…」
「あはは…ごめん。忙しいから後でね」
「……お、おう。」
一花にはそうあしらわれてしまい、
「よつ…」
「う~、緊張してきた…うまくできるかな…」
「……?(どうしたんだ、四葉の奴)」
何故か顔を青くしている四葉に風太郎は声を掛けることを戸惑ってしまった。こうなれば、他の姉妹に声を掛けるべきかと思ったが、
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
(…うん。二乃は絶賛取り込み中だな)
二乃はフィリップと気まずい空間を形成しており、流石の空気詠み人知らずの風太郎も相談できる状態ではないと判断した。
「どうしたの、フータロー?」
「い、いや…なんでもない。それより、一体どうしてお前たちがここにいるんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「み、三玖…?」
「ゴメン、フータロー。
それについては答えられない」
「っ!?」
その冷たい声色に風太郎は思わず息を呑んでしまった。それは、家庭教師当初の自分を拒絶していた三玖の姿とダブって見えた。驚く風太郎を余所に三玖は風太郎から離れていった。呆然とする風太郎だったが、こうなったら残る五月に話を聞くしかないと思ったが、
「五月。何をしているんだい?江端から弁当を受け取ってくれ」
「…分かりました」
(……マ、マジか…!?完全に話をする機会を逃したぁぁぁ!?)
マルオに呼ばれ、五月が行ってしまったことで風太郎は心の中で絶叫を上げていた。完全に余所余所しくなってしまった五つ子たちに困惑する一方で、
「さて、佐桐君。ゆっくり話をしようじゃないか?それにしても、君には弟さんがいたんだね……じっくりと話を聞かせてくれるかな?」
「え、えっと……アハハ(怖ぇ!?えっ、何?なんで今日、この人こんなに怖えんだよ!?俺なんかしたか!?)」
完全にマルオに詰問を受けていた翔太。表情はなんとか笑みを浮かべていたが、心の中で大絶叫していた。マルオ自身も笑みを浮かべているようが、目が笑っていなかった。声色も全く笑っていなかった。誰か助けてくれと心の中で叫んでいると、その助けに応えるかの如く、割り込む声が入ってきた。
「おーい!お兄ちゃん!」
「遅ぇーぞ、風太郎。心配で戻ってきちまったぞ」
「…あれ?五月さんたちに翔太さんたちもいる!なんでー?」
「あー、らいはちゃん!」
「やはり上杉君も家族でいらしてたのですね」
「じゃあ、あの人がお父さん?そういえば、初詣の時にも見たような…?」
「案外似てるわね…金髪が似合ってるわね」
「…気にするのそこ?」
ハイキングコースを先へと進んでいた上杉一家…らいはと勇成が戻ってきたのだ。二人の登場にテンションが上がる五つ子だが、勇成の存在に気付いたマルオは、
「……おや、雨が降ってきたようだね」
「「「「「「えっ?」」」」」」
「山の天気は変わりやすいからね。下山して、宿に向かおう。江端、片づけを頼むよ。佐桐さん、一緒に行きませんか?」
「…でも、雨なんて降って…ちょっと、中野さん?」
いきなりそんなことを言い出したマルオに五つ子と詰められていた翔太が驚くが、そんなことなどお構いなしにマルオはさくさくと下山し始めてしまっていた。そんなマルオを追いかけて、亜希子も下山を始める。
いきなりのことに呆気に取られる一同。ようやく翔太に話ができると思った風太郎が声を掛けようとするが、
「あの…佐桐君、上杉君」
「「うん…?」」
「後でお話があります。恐らく同じ旅館だと思いますので…(ボソボソ)…」
「あ、ああ」「分かった」
こっそりとそう告げた五月も姉妹たちと同じようにマルオを追って下山を始める。
「はぁ…(こりゃ…楽に過ごすことはできそうにないな…俺もこいつらも…)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
先程から何も話さない相棒と呆然としている風太郎の顔を見ながら、今回の旅行がただで終わらなさそうと判断した翔太。そんな彼の悩みなど知らず、
「雨なんて降ってないのに…不思議だね、お父さん」
「…ああ。(あいつ…まさかこんなところで会うとはな)」
らいはの言葉に頷きながら、勇成はそんなことを思っていたのだった。
(さて…夜中の0時に中庭ということで来てみたが…五月の奴、いねーじゃねか)
五月の予想通り、中野家・上杉家と同じ旅館に辿りついた佐桐家。五月からメールでそう指示を受けた翔太は、風呂と夕飯(オンボロ旅館だと思っていたが、料理はかなり豪華だったので、知る人ぞ知る隠れた旅館だと思ったのは余談だ)を済ませ、五月を待っていた。
0時までまだ時間があったが、一刻も話を聞きたい翔太はイラつきを覚えていた。そんな時だった…
「うん…?あれは上杉といつ……誰だ、あいつ?」
ふと視線をロビーに向けた時だった。旅館のロビーで風太郎と五月…いや、五月によく似た格好をした人物が話しているのが目に入ったのだ。一瞬、翔太も五月と見間違えたが、その人物が五月でないとすぐに気が付いた。
他の五つ子ではないかとすぐに察したが、それが誰かまでかは区別することができなかった。どういうことかと思い、ロビーに近づいた時、二人の会話が聞こえてきたのだが、
「この関係に終止符を打ちましょう」
「は?」「っ!?」
そう切り出した五月に似た人物の放った言葉に風太郎と、駆け付けた翔太は驚く。どういうことかと息を潜め、物陰に隠れながら事態を見守っていた。声で判別したかったが、五月に寄せているのか、それが誰なのか翔太は判別することができなかった。
「何言ってんだ!?ちゃんと説明しろ!」
「痛っ!?」
パニックになった風太郎に肩を掴まれ、詰問された偽五月。その反動で足をぶつけてしまった彼女から悲鳴が上がる。
「父親に言われたのか!?なぜ、今そんなことを…言ゅんぅぅぅぅぅ!?!?」
ダァン!!
更に問い詰めようとした風太郎だったが、その言葉が続くことはなかった。奇妙な悲鳴と共に床に叩きつけられたのだ。思わず飛び出した翔太だったが、
「う、上杉!?だいじょ…っ!?」
殺気を感じ、思わず手を払う。払った手の先には風太郎と同じく、翔太を投げ飛ばそうとしていた旅館の主の姿があった。只ならぬ老人の動きに翔太は警戒心を強める。
「う、嘘だろう…爺さん、死んでたはずじゃ…」
「いや、どう見たって生きてるだろうが。受付で微動だにしてなかっただけで呼吸はしてたわ!」
投げ飛ばされ呆然とする風太郎の反応に、自身も旅館に来た当初はそう思ったが、微かに呼吸音は聞こえていたのでそれはないと気付いていた翔太はツッコミを入れていた。いきなり現れた翔太に風太郎も偽五月も驚いていたが、話はそれどころではなかった。
「お前…一体誰だ!?どうして五月の真似なんかしてる!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
翔太の問いかけに偽五月は何も答えない。そして、逃げるかの如く、自身の部屋へと駆け出して行った。偽五月の後を追おうとする翔太だったが、老人がそうはさせまいと年齢からは考えられない素早い動きで進路を妨害する。
「……(ボソボソ)……」
「な、何言ってるんだ?」
「さ、さぁ…?なんですか、番頭さん?」
「……(ボソボソ)……」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
小声でボソボソと話し続ける老人に、埒が明かないと判断した二人は投げ飛ばされることを警戒して、老人の言葉を聞き取るために近づく。そして、聞こえてきた言葉は、
「わしの孫に手をだすな…殺すぞ」
「「…ま、孫…?」」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
((はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?))
再び顔を見合わせ、目の前にいる老人が五つ子たちの祖父だと知り、絶叫する二人。こうして、波乱万丈な旅行が始まってしまったのだった。
次回 仮面ライダーダブル/Kの花嫁
『Mの試練/友達としての当たり前を』
これで決まりだ!
偽五月…一体誰なんだ(すっとぼけ)
多分次回のメインは翔太と五月になるかと思います。
本作では珍しいお話になるのかと…なるのかな…?
絶賛執筆中です。
ケチャップの伝道師さん
我が魔王の下僕(ウィザードが好き)さん
ご評価ありがとうございます!
それではまた。