仮面ライダーW/Kの花嫁   作:wing//

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お待たせしました! 
引き続きのバトル回となります。

初めに注意しておきますが、今回少し残酷な描写が入っております…できるだけ少なくはしてますが、苦手な方はお気をつけ下さい(風都探偵レベルのグロさです…)

そして、風都探偵アニメ化おめでとうございます!
ちらほらそんな噂は聞こえてましたが…キャスト気になりますね…ゲームと同じなら今のうちにプレイ動画を見ておくべきか…

まだごじょじよの二期もゲームも見てもできてもいないのですが…

それではどうぞ!


第67話 「Aは止まれない/怪物が目を覚ます」

『キィィィィィィィィィィィィィィィ!?!?!?』

『っ…来るよ!?』

 

ダブルとアクセル目掛け、信じられないスピードで迫ってきたドーパントの突撃を横っ飛びで躱すライダー。連戦での襲撃にため息を吐きたい翔太だったが、残念ながら相手はそれを待ってくれる様子はなかった。

 

「ったく…人気者は辛いぜ。うおぉ…!?」

『そんなことを言ってる場合かい…?』

「分かってるさ…いくぜ!」

 

『Cyclone!』『Metal!』

『Cyclone! Metal!』

 

型などあったものではないドーパントが乱雑にダブルを捕まえようと迫るも、前転で攻撃をやり過ごした隙に、サイクロンメタルへと変わるダブル。中距離から疾風を纏ったメタルシャフトを叩きこもうと迫り、

 

「おおおおぉぉぉ」

『ギャァアア!?』

 

ドーパントの体を疾風が襲い、打撃と共に火花が散る。大きな抵抗をすることもなく、ダブルの乱舞を受けるドーパント…自分たちが押していると思った翔太は更に攻めに転じる。

 

「なんだ、こいつ…いきなり襲ってきたわりには大したことねぇぞ…?」

『あ、ああ…(何だ…この嫌な感じは…)』

 

翔太の言葉に頷きながら、しかし、フィリップは今の状況に違和感を覚えていた。そうするうちに様子を見ていたアクセルも攻撃に加わる。

 

「しゃぁぁぁぁ!何をボンヤリしている!?さっさと片付けるぞ!!」

「…分かってらぁ…!」

 

エンジンブレードの重い一撃をドーパントに加え、ビルの壁へと叩き付けるアクセル。フィリップが迷っているせいで動きが鈍っていたダブルに発破をかけ、追撃に動いた。ダブルもその動きに合わせ、動かなくなっているドーパントにメタルシャフトを振り降ろそうと…

 

『ギギギィィィ?!』

 

「なぁ…!?」「ぬん…!?」

 

二人の攻撃が届くことはなかった…先程までダメージを与えていたメタルシャフトとエンジンブレードがドーパントの手によって防がれていたのだ…片腕でそれぞれの一撃を止められてしまった二人のライダーから驚きの声が漏れるが、驚くにはまだ早かった。

 

『アアアアアアアアアアアアヤヤヤヤヤヤァァァァ?!!?』

 

咆哮と共に、ドーパントの腕に吸い込まれるようにメタルシャフトとエンジンブレードが消えてしまったのだ。眼前の光景に思考が止まるライダーを更なる衝撃…緑の色を纏った疾風がお返しとばかりにダブルとアクセルを吹き飛ばした。

 

「がぁ…?!なんだ…今の…!」

「俺たちの武器を…」

『今の風…まさか…!』

 

何が起こったのか理解できず、困惑する翔太と照井…しかし、フィリップは先程の一撃に覚えがあった。そして、それを肯定するかのようにドーパントの体が変化を始めた。両腕が不気味な動きをしたかと思えば、その形が歪に変わる…

 

「…おい…嘘だろう」

『間違いない…さっきの攻撃はサイクロンの風…それにあれは…吸収された僕たちの武器だ…』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

翔太の言葉をフィリップは肯定した…右腕には原型の大きさなど留めていない鉄骨に近いメタルシャフトもどきを、左手には機械のパーツと人肉が混じり合ったような巨剣のエンジンブレードもどきが、ドーパントの腕から生えていた。

 

サイクロンメタルとエンジンブレードの攻撃を受けたことで、ドーパントが進化した…その驚愕な事実を突きつけられ、照井までもが言葉を失ってしまっていた。

 

だが、ドーパントは待ってくれない…吸収したサイクロンを暴風へと変え、周りの全ての者を吸い込み始める。

 

「ぐぅぅ!?」「がぁぁ!?」

 

咄嗟に近くにあった電柱や建物にしがみつく二人。変身していなければ、もう既に吸い込まれていたであろう風になんとか耐える。そんなライダーたちに構わず、ドーパントは吸い込みを続ける。何が狙いかと疑うフィリップがそれに気付いた。

 

『翔太、あれ!?』

「…?っ…あれは…ドーパントに変身していた人たちか…?!」

 

ドーパントの狙い…それはアクセルの猛攻によってメモリブレイクされ、意識を失っていた変身者たちだった。意識なく風に攫われていく体を見て、翔太は焦る。

 

「くそっ…ルナジョーカーで…!?うおおおぉぉ…?!」

『…駄目だ…!この風の中じゃ、メモリのチェンジも…!?』

 

あの人たちを助けなければ…焦燥感に駆られるダブルがメモリをチェンジしようとするも、強風の中、自身の体を固定するのがやっとであり、その様を見ていることしかできなかった。そして、ドーパントの元へと4人分の体が到着した時…

 

ライダーたちの武器を吸収した時のようにドーパントが人間たちを取り込んだ…四肢がバラバラになることなど構わず、血肉や骨すら一片たりとも残さず吸収してしまったのだ。その凄惨すぎる光景に翔太は絶句し、フィリップですら衝撃を受けていた。

 

『キャキャキャ!?カカカカカカッッ?!!?クルクルクルクル!?』

「…!?てめぇぇぇぇぇ!?」

 

満足し終えたかのように吸い込みを止めたドーパントから、歪な笑い声が上がる。それが、何もできなかったダブルを嘲笑うかの如く、頭に血が上った翔太は考えなしに特攻を掛けた。

 

『ケケケケケッッ?!ヒュウウウウルルル!?!』

「なぁ…ぐはっ…!?」

 

だが、再び体が不規則に体動し始めたドーパントの体から何かが飛び出した。高速で飛来してきたそれを咄嗟に躱すダブルだが、ボディを掠めてその場に舞う。ダメージから何とか立ち上がるも、飛んできたそれは…

 

先程ダブルを散々苦しめた上空に浮かぶドーパントが放った象によく似たものだった…違いがあるとすれば、先程は天使を模した像だったのに対し、こちらは悪魔を模したであろう像だということだろうか…それすらも形が崩れていたのだが…

 

それだけではなかった…右肩からは悪魔の笑みを模したようなシルクハットが飛び出し、右足は黒い雷が走る瓦礫の装甲が肉片と混ざり合い、顔の右半分は数珠が巻き付いた骸骨へと変貌し…先程の姿など原型を失ってしまった…まさしく混沌の悪魔とも呼ぶべき怪物がそこには顕在してしまっていた。

 

「ちぃ…!奇妙な能力を持ちおって…はぁぁぁぁ!」

『キュルルル!?ラアアアアアアアァァァァァァ!?』

「っ!?」

 

武器を失い、徒手空拳での戦闘を余儀なくされたアクセルがドライバーをふかして一気に迫るが、それすらも無駄だとばかりに叫び声と共に歪なエンジンブレードを一閃した瞬間…その剣戟に誘導されるかのように音を置き去りにした激雷が空気を切り裂いた!

 

咄嗟に身を屈めたアクセルだったが、少し回避が遅れてしまい、右肩のアーマーが焼き切られ、背後に立っていた建物すらも紙のように切断されてしまっていた。

 

「ぬぅうううぅぅ!?今の雷は…さっきのドーパントの…!」

『そんな…?!吸収した人間に残っていたメモリの残留エネルギーから、能力をコピーしたというのか?!』

「こうなったら、ダイナソーで…!」

『駄目だ…!?もし僕の推測が正しいのなら、これ以上奴に攻撃するのはマズい!?君も…!これ以上の攻撃は控えるんだ!?』

「何だと…!ふざけたことを言うなぁ!?」

 

ダイナソーメモリを取り出した翔太に待ったを掛けるフィリップ。アクセルにも攻撃しないようにと忠告するも、照井は理解ができず反発する。装甲越しだが、キレているであろう声色だったが…事態は最悪の方向へと進んだ。

 

『ゴオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!?!?!』

『マズい…!?』

 

呼吸とも轟音とも取れる叫び声と共に、ドーパントの全身から暴風と魔焔が溢れ出し、強烈なエネルギーが圧縮されていく…余りにエネルギー量にフィリップから焦りの声が漏れ、思考を理解した翔太もすぐさま動いた。

 

(間に合うか…!?)

 

未だにダメージが抜けきっていないアクセルの前に飛び出すダブル。メモリを取り出すも、ドーパントが圧縮し続けていたエネルギーが限界を超え、一瞬の閃光と共に…全てが光に包まれた。

 

『アアアアアアオオオオオォオォォォォォォ?!!?』

 

音など置き去りにした大爆発が一帯を吹き飛ばした…ドーパントを中心とした半径一キロが跡形もなく消え去った…サイクロンの疾風で、吸収した魔焔を限界まで燃焼させ起爆材として使用した大爆発は有機物・無機物問わず、全てを滅ぼし…

 

「はぁ…はぁ…!」

「お前…俺を…!?」

 

全てが滅びたわけではなかった…息を切らし、なんとか耐えた者…ギリギリでアースメタルへとメモリチェンジができたダブルがアクセルの盾となり顕在していた。

 

装甲のところどころが焦げてしまっていたが、一帯を吹き飛ばしたあの大爆発にも関わらず無事なダブル…その訳はダブルドライバーのマキシマムスロットに装填されたアースメモリによるマキシマムドライブの効果だった。

 

『Earth! Metal!』

『Earth! Maximum Drive!』

 

アースメタルは鉄と地層の装甲を持つフォーム…周囲の地面を存在しない超合金へと変化させ、巨岩のドームを形成して盾にしたことで直撃を防いだのだ。

 

「…っ…ぐぅ…はぁ…!?」『翔太…!?』

 

しかし、消耗が激しい技であり、自身へのダメージまでもは完全に殺し切れず、ダブルが膝を突いた。その姿に庇われたアクセルは何も言えなくなってしまっていた。

 

『キュルル…!?しゃぁぁ…!??!ゲッ、ゴル、リュア…!?』

「…!奴の動きが…!」

 

眼前で生き残った者がいることが信じられないといった様子のドーパントが追撃を掛けようと動くかと思いきや、いきなり動きが鈍くなり、全身から煙が上がり始めていた。照井がその動きに気付いたが、アクセルも先程の爆発の余波を少なからず受けており、まだ動けないでいた。

 

『ガァガァガァ……?!ヌアアアアァァァァァァァ!?』

『っ……逃げた…?』

 

全身から発する煙がどんどんと増していき、苦しむドーパントは雄たけびを上げたかと思えば、全身を疾風で纏い、高速のスピードでどこかへと消えてしまった。

 

逃走したドーパントの姿を見ていることしかできず、フィリップの口から安堵とも疑問とも取れる言葉が漏れた。

 

これ以上の変身は流石に体力にキツイと判断した翔太はドライバーを閉じ、変身を解除した。照井もこれ以上の変身は意味がないと思い、アクセルから元の姿へと戻った。

 

「おい…怪我はないか?」

「…何故俺を庇った?」

「あん?…人に質問するなと言っておいて、お前はするのかよ?」

「いいから答えろ!?何故だ…!」

「お前を見捨てるなんて選択肢がなかっただけだ…お前がどんな奴だろうが、俺の前で危ない奴がいるのに、放っておける訳がないだろうが」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

それが当たり前だとばかりに照井の質問に答える翔太…その姿が信じられないと、翔太の前で初めて照井のクールな表情が崩れた。

 

「反吐が出るほどに甘い…!貴様らがもっと非情であれば、俺は…!」

「何だと…?それはどういう意味だ…そういえば、さっきも俺たちがどうとかって…あれは一体…?『♬♪♬』…フィリップ?」

 

先程の照井の発言の真意を問おうかとするも、スタッグフォンからコールが鳴り響き、相棒からの電話にでる翔太。照井にも聞こえるようにと頼まれ、スピーカーモードに切り替える。

 

『二人ともすぐにその場を離れたまえ。先程の大爆発で警察と消防がそこに向かっている。それに、おそらく君たちの学校の方でもかなりの騒ぎになっている筈だ。上杉風太郎には僕から連絡して、何とか誤魔化しておいてもらうが、教室に戻らないというのはマズい』

「…そうだな。まさかここまでの被害になるとは思ってもなかったからな。分かった…すぐに戻る…と言いたいが、さっきの爆発でバイクが…」

『問題ない』

 

フィリップの言葉に応えるかのように轟音を立て、リボルキャリーが翔太たちの元へとやってきた。

 

『学校の近くまでリボルキャリーで送ろう。急ぎたまえ…警察の包囲網を突破してきたからね』

「うわぁ…これはまた刃さんに何か言われそうだな…お前も乗っていくだろう?」

「……(コクッ)」

 

無言で頷き、肯定の意思を示す照井。すると、パトカーや消防車のサイレンが聞こえてきて、翔太は照井と共にリボルキャリーに乗り込んだ。

 

『ドーパントの対策と正体については僕の方で調査しておこう…翔太、後で彼をうちに連れて来てくれ。君には聞きたいことがあるし、君もさっきのドーパントに関しては知りたいことが多いだろう?』

「…しょうがねぇな…お前もそれでいいよな?」

「…俺に質問するな」

(こ、こいつ…!会話ってもんができねぇのか…!?)

 

何度目になるか分からない台詞に、翔太の額に青筋が浮かぶも、戦闘の余波で疲労し切っていた翔太は怒るのを諦めた。そして、リボルキャリーはその場を高速で離脱した。

 

(照井竜…翔太には止められているが、彼が言っていたことを知るためにはこうするしかない…)

 

スタッグフォンの通話を切ったフィリップは一斉送信で風太郎と五つ子たちに事情を伝えてから、地球の本棚に入ろうとしていた…先程のドーパントの正体を探るためでもあったが、照井が先程言い放った台詞が気になっていたフィリップは、地球の本棚にキーワードを投げ込む。

 

「検索…照井竜…」

 

その固有名称と共に一気に本が消え去り、真っ赤な色をした本が一冊だけ残った。それを手に取ったフィリップは閲覧を始めた。

 

 

 

『ギィィ…?!ゴォォォガァァ!!』

「おやおや…流石に食べ過ぎましたか?まぁ、本来はアルカナシリーズのドーパントたちだけを吸収する予定でしたからね」

 

町はずれの廃墟…地面をのた打ち回るドーパントを観察しながら、ドクターは首を振っていた…しかし、その様子はどこか嬉しそうだった。

 

「しかし…想像を超える進化をしましたね…!あの仮面ライダーの力を吸収し、街を吹き飛ばすあの力……あぁ!もしもライダーたちの力を更に吸収すれば、どんな力を発揮するのか…考えるだけで涎が出てきてしまいますね!!

そのメモリを使えば、どれだけの力を得られるか…これだからメモリの実験は止められません!」

 

狂気に満ちたその言葉は一体誰に向けているものなのか…いや、おそらくは酔った自分に向けているものなのだろう。目の前で苦しむドーパントの安否などお構いなしに嗤うドクター。

 

「さぁ…貴方の体を調整致しましょう。これで貴方は更に力を吸収できるようになるでしょう。今度はライダーそのものを呑み込みなさい…そして、更なる進化をこの私に見せて下さい!」

『…キィィィィィィィィィィ!!!』

 

それは応えているのかどうかすらも怪しいドーパントの咆哮が辺り一帯に響き渡った。

 

 

次回 仮面ライダーダブル/Kの花嫁 

 

『Aは止まれない/復讐の理由』

 

これで決まりだ!

 

 




●オリジナルマキシマムドライブ解説
『アースリプレイス』
 アースメタル変身時、ダブルドライバーのマキシマムスロットにアースメモリを装填することで発動する必殺技。
 ダブルの足から周辺の地面・地層を操作、材質変換を可能とするエネルギーを発信し、自在に操る能力。メモリブレイクでなければ技名を叫ぶ必要もないため、メタルシャフトで防げない広範囲攻撃などを防御することに重宝するが、一度の使用でかなりの体力を消費してしまう弱点がある。

まさかの負けに等しい回でした。
これまでも負けることはありましたが、ジェノサイド以上のチート能力を持つのが、今回対峙するドーパントでございます。

次回は解説やら対策、そして、照井の過去のお話になりますので、ドーパント解説も次回行おうかと思います。

…全くごじょじよ(+風太郎)が絡んでませんが、次回少しだけ絡ませられたらとは思ってます。

ちなみに先に宣言しておきますが、次章はごじょじよ原作を絡めつつの、オリジナルのお話となります。メインとしてはアクセルと彼女を想定しておりますので、
こっちの作品も頑張って更新していきたいと思います。

それでは!
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