どちらかといえば、ダブル寄りのお話になるかと思います。
ドーパントの正体も解説します…そして、照井の闘う理由も…
それではどうぞ!
P.S. ようやく二期見終わりました…これからゲーム版をやっていく予定です。(笑)劇場版は前後編2作かなと勝手に思って、期待してます。
「…よし…まだ先生は戻ってきてないみたいだな…今なら…」
リボルギャリーで学校へと戻ってくることができた翔太と照井は人目を忍び、なんとか教室の入り口に辿り着いた。戦闘の余波で破損が目立った制服は予備のもの(リボルギャリーに積んでいたものであり、体格の似ていた照井も翔太のものを借りた)へと着替えていた。
学校を離れてから幾ばく時間が経っていたが、いまだ担任は緊急会議に出て行ったまま、帰ってきていないようであり、オリエンテーションを終えた教室は、生徒たちの雑談話で大盛況だった。
ほとんどの生徒たちがスマホを見ているところを見ると、さっきの事件がニュースか何かで報道されているのだろう。今ならこっそり戻ってもバレないだろうと判断した翔太は、何事もなかったかのように教室に戻り、照井も後に続いたのだが、
「どこに行ってんだい、佐桐君?」
「っ…!た、武田…!?」
気配を消していた筈が、翔太たちに気付いた人物…武田にいつものハイテンションで声を掛けられ、驚く翔太。そして、武田が声を掛けたことで周りの生徒にまで翔太たちの存在が認知される。
「先生から教室にいるように言われていただろう?なのに、こっそりとどこかに行っているなんて感心しないな…君がいきなりいなくなることはよくあることだけど、皆だって心配するだろう?」
「あ、ああ……えっとな…そう!転校生にこの学校を案内していたんだよ!時間を無駄にしちゃもったいないだろう!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「………(ダラダラ)」
「な~るほど…流石は佐桐君だ!時は金なりと言うからね!だが、せめて一言告げてから行くようにしてくれ…例えば、僕に、とかね?」
「お、おう…気を付けるわ…!(…あ、あぶねぇ~!?こいつの性格に感謝だわ!)」
咄嗟に思い付いた言い訳に冷や汗を流す翔太だったが、それに納得した武田のにこやかなスマイルに、心の中で安堵しまくりだった。そのやりとりが馬鹿馬鹿しいと思った照井はその場を後にしてしまった。
「流石は武田君だよね…佐桐君がいなかったこと、気付いていたんだ…」
「というか、また佐桐の奴、サボりかよ…」
「それなりに勉強できて、性格いいのに、サボりの常習なのは意外だよな」
(好き勝手言ってくれるよな…はぁ…)
周りの生徒たちの声に内心辟易しながら、翔太も席に戻ることにした。生徒たちもまた雑談へと意識を戻してしまった…6名を除いて…
「…どうやら言い訳を頼む必要はなかったみたいだな。先生は一回も戻ってこなかったのか?」
「ああ…フィリップから連絡を受けた時は驚いたが、無事で何よりだ」
自分の席に集まっていた五つ子たちと風太郎が安堵する姿に、翔太も軽く手を振ってから応え、教室の状況を風太郎に尋ねる翔太。
風太郎曰く、今も教師たちの会議は続いているらしく、生徒たちは学校から出ることを禁じ、保護者に迎えの連絡をするようにという放送があったことを告げた。
「そうか…」
「怪我がないみたいで良かったよ~…ニュースだととんでもない爆発が起きたってあったから…」
「それで…ドーパントは無事に倒せたの?」
「…一応はな…だけど、その後に別のドーパントが現れてな…」
「えっ…!?」
スマホのニュース画面を見せながら心配する一花に対し、結果を尋ねる二乃。周りの様子を伺いながら、その問いに答える翔太の表情は険しいものになっていた。どういうことかと驚く四葉に、小声で話すように注意しながら、翔太はその先を話し始めた。
「なんとか撃退…いや、見逃されたと言うべきか…さっきの戦闘じゃ、倒し切れなかったんだ。それだけじゃない…見たことない仮面ライダーまで現れやがったんだ」
「「「「「「…!?」」」」」」
ダブル以外の仮面ライダーがいたということに、6人に衝撃が走る。驚きを隠せないでいる6人をそのままに、翔太は壁にもたれかかったままでいる照井へと視線を向けていた。周りの喧騒など気にせず、目を瞑る照井に今すぐにでも問い質したかったが、なんとか堪えて意識を話へと戻した。
「ともかく色々ありすぎて、俺もまだ混乱してるぐらいだ…」
「その…新しい仮面ライダーって誰なんですか?顔は見たんですか…!?」
「ああ…けど、そいつのプライベートもあるから正体は言えないぞ」
「…ダブルみたいに二人で変身するの…?」
「いや、一人で変身して、バイクに変形した」
「…大丈夫か、お前…?」
興味津々に尋ねる五月と三玖に答える翔太だが、最後の回答に対し、風太郎は翔太のことを本気で心配してしまった…それが自分の頭のことだということを理解した翔太のツッコミスリッパが繰り出されたのは言うまでもなかった。
「~~~~~…!?」
「…そういうわけで、先生が戻り次第、今日はこのまま帰宅になるだろうな。保護者に連絡するように言っている辺り、付き添いでの帰りを推奨されるだろう。悪いが、上杉…こいつらと一緒に帰ってもらっていいか?
俺はその仮面ライダーと話をしないといけないから、家庭教師の方も休ませてもらうが、万が一に備えてメモリガジェットを渡しておく……壊すなよ、四葉!」
「私限定…!?」
頭を抑えて痛みに苦しむ風太郎を放置し、今日この後のことを話す翔太。スパイダーショックと疑似メモリを取り出し、使い方を理解している二乃へと手渡した。
時折使い方を聞いて遊んでいることもあり、ジト目と共に注意された四葉からそんな悲鳴が上がる。そうしているうちに担任が戻り、生徒たちはそれぞれ席へと戻ろうとしていたのだが、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「…?どうした、二乃。早く席に戻れよ」
「う、うん……その…大丈夫だったかなと思って…」
「はぁ…?俺はなんとか「じゃなくって…!?」…ああ、フィリップのことか。安心しろ…というか、大体闘うのは俺が主体だぞ?心配のしすぎだろうが…」
「そ、そうね……そうだったわね。それじゃ、戻るわ」
焦りからダブルの変身スタイルを忘れてしまっていた二乃は、翔太の回答を聞き、思い出しながらもホッとしていた。
「…夜になったら、連絡してやってくれ。あいつも喜ぶ」
「…!…う、うん…」
少しだけ背中を押してくれた翔太の言葉に、照れてしまった二乃は珍しく素直に返事をしていた。その頬が赤みがさしている彼女を見て、翔太も少し笑みを浮かべるのだった。
「さてと…ようこそ、ダブルの秘密基地へ…って、五月たちの時にも言ったか…」
「挨拶などいい…なるほどな。ここがお前たちの拠点…そして、お前がダブルの片割れのフィリップだな?」
「ああ、初めましてと言うべきかな、照井竜……仮面ライダーアクセルと呼ぶべきかな?」
「俺に質問するな…さっさと用件を話せ」
放課後…
ドーパントの襲撃事件の影響と始業式で授業もほとんどなかったことから、生徒たちはすぐに家に戻るよう、担任から通達があり、生徒たちは即帰宅となった。
五つ子たちのことを風太郎に任せ、翔太は約束通り(?)に照井を家へと…秘密のガレージへと連れて来ていた。
一応の挨拶はした翔太だったが、照井はそれを容赦なく切り捨てた。怒りを隠すことができない翔太は拳を震わせていたが、冷静な照井とフィリップは話を進めていく。
「質問するなとは随分な言い草だね?聞きたいことだけを聞くのは、人としてのコミュニケーション能力が欠如しているんじゃないかい?」
「余計な会話が無駄に感じるだけだ。それとも、長々と駄文を語る時間があるのか?」
「コミュニケーションは大事なことだよ?それは人間の技術が証明しているさ…電話然り、メール、SNS、トークアプリなどなど…君の口癖の『俺に質問するな』という言葉はそれら全てを否定しているものだけど…?」
「……ちぃ」
口論は圧倒的な知識を蓄えていたフィリップに軍配が上がった。口癖を封じられてしまった照井は苦々しく舌打ちをして、ようやく一方的な聞き取りから会話に応じることにした…もちろん相棒が一泡吹かせたことを、翔太がガッツポーズで喜んでいたのだが…
「では、会話を始めようか?まずは君のことを聞かせてくれるかな?あの見たことないドライバーと…君の協力者であるシュラウドという人物について…」
「…いいだろう」
フィリップの問い掛けに、仕方なしという態度を隠すことなく、照井は懐から自身が持っているアイテムを出していく。アクセルメモリにエンジンメモリ、アクセルドライバー、そして、
「…これはスタッグフォン…?いや、似てるけど違うな」
「これはビートルフォンだ。名前以外は、お前たちが持っているガジェットとは大差ない」
「ふむ…スタッグフォンの同系統のガジェットか…フロッグポッドやデンデンセンサーの設計図が送られてきたことから予想はしていたが…このガジェットはシュラウドから貰ったものだろう?
そして、このアクセルドライバー…さっきは戦闘の最中でよく観察できなかったが、これは素晴らしい設計だね!ロストドライバーから発展させた、単体メモリの性能を極限にまで引き出す仕様……ガイアメモリに関する深い知識がなければできないことだ」
「ロストドライバーからの…ダブルドライバーとは違った進化をしたドライバーか」
照井が疑似メモリを装填したことで、ライブモードに切り替わったビートルフォンがカブトムシを模した形態になり、狭い地下空間を自在に飛び回り始めた。
そして、フィリップの興味はアクセルドライバーへと移った。ほとんどのアイテムのメンテナンスを行うフィリップはその特徴を見抜き、一方で翔太はロストドライバーからの発展だと知り、感嘆の声を漏らしていた。
「それにしても、シュラウドって…あの黒づくめの包帯女のことだよな?何者かとは思っていたが、あんな怪しい恰好をした人物だったとはな…なぁ、お前とシュラウドって、どんな関係なんだ?」
「………シュラウドと出会ったのは一年前だ…」
先程の戦闘で初めてシュラウドと相対したダブル。片割れである翔太はその奇抜な姿を思い出しながら、当然の疑問を照井へと問い掛けた。一瞬表情を歪めた照井は答え始めた。
『私はシュラウド…貴方と同じガイアメモリを憎む者…そして、貴方に闘う力を与える者よ』
「突然現れた彼女はそう言って、俺にエンジンブレードと仮面ライダーとしての戦闘をこなすためのカリキュラムを手渡してきた。そして、一年の時を経て、俺は特訓を重ねてきた…俺の目的を果たすために……なのに、貴様らは余計なことをした!?」
「…!?」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シュラウドとの出会いを語る照井がいきなり怒りを露わにしたことに、思わず翔太は後退ってしまった。一方で、フィリップは冷静な態度を崩さないでいた。
「貴様らが俺の正義を邪魔した…!あのような屑共を放置しようとした結果があの怪物を強化させた!?俺が止めを刺していれば、あんなことは…!?」
「てめぇ…!?まだそんなふざけたこと言ってんのか!?お前がやろうとしたことは殺人だぞ…!訳の分からないことばっかり言いやがって…」
「俺は俺のしようとしたことが間違っているとは思っていない!あの行為は必要悪だ!今の警察では倒せない奴らを…俺が法の番人として裁こうとしただけだ!」
「この馬鹿が…!?それ以上言ったら、俺にも考えが…」
「…復讐…」
「「っ…!?」」
自身の主張を曲げることのない照井とそれに怒りのボルテージが上がった翔太の口論はヒートアップしていく…遂に翔太の方が我慢の限界を超えようとした時、フィリップが放った一言がその場の空気を支配した。
相棒の放った言葉が分からず困惑する翔太…それに対し、照井は初めて動揺した姿を見せた。そして、その態度はフィリップの放った言葉が的を得ていたことを証明してしまっていた。
「どういう意味だ…復讐…?」
「照井竜…君の行動は正義と称して行っている個人的な復讐だ」
「…っ…!?そうか、調べたんだな…俺の過去を…!」
「本来は個人的な情報に関しての検索は、僕たちはタブーとしているが…君の異常な態度が引っ掛かってね……翔太、覚えているかい?一年前…世間を騒がせた連続凍結殺人事件のことを…」
「…そういえば、そんな事件があったな…っ!?まさか…!」
「そうだ…彼の家族はその連続殺人の犠牲者…4件連続で起こった事件の、最後のターゲットになった一家だ」
「…!?」
フィリップの放った単語…かつて、継国を震撼させた『連続凍結殺人事件』…その概要を翔太は思い出していた。
ようやくダブルの活動に慣れてきた頃に起こった超常事件…突然、連絡が取れなくなったと思い、知り合いが家を訪ねたところ、家の全てが氷漬けになっており、警察が調べた所、その場にはそこに住んでいた家族の血肉が……砕け散った氷の破片というあまりにも異常な形で残っていたのだ。
もちろんダブルの二人も、それがドーパントの仕業だとは考えていたが…犯人は巧妙に正体を隠しており、証拠自体もほとんどが残されておらず、警察もお手上げ…風都イレギュラーズの情報網を以てしても情報が全く掴めず、捜査は難航。
更に、犯行が一週間で4件という短期間で行われたに関わらず、4件目以降はピタリと犯行が止まってしまい、警察は未解決事件として捜査体制を縮小…次々と事件が舞い込むダブルも、いつしかその事件のことを忘れてしまっていたのだ。
「彼の情報を検索して、改めてあの事件のことを再検索したんだ…人や物を凍結させる能力を持つドーパントの仕業だということは分かっていたが……僕たちが解決できなかった唯一の事件だ」
「そうだ…お前たちが…貴様らが早く犯人を倒していれば、俺の家族は殺されなかったかもしれない…!貴様らに分かるか!?俺の痛みが…家族を殺されて湧き上がるこの怒りが…!?たかが検索した程度で知った気になっている貴様に、この苦しみがどれほど分かるというんだ!?俺の心の叫びまで理解できているのかぁ!?」
完全にブチ切れた照井…淡々と事件のことを語るフィリップへとその怒りの矛先が向けられた。彼の喉元へと掴みかかり叫ぶ照井の姿は…彼が初めて見せた本音のようにも見えた。
「分からないさ…地球の本棚には事実や知識しか記されていない…だからこそ、僕たちは君から聞かなければならない…君の家族に何があったのかを…全ての罪を背負うと決めたからこそ、あの事件を未解決のままになどできない…!」
「…っ…!?」
飄々とした態度は鳴りを潜め、真剣な表情に変わったフィリップの言葉に、怒りを露わにしていた照井も少しだけ冷静を取り戻し、その手を離した。フィリップの目からそれが本気なのだと理解した照井は、一年前のことを語り出した。
「あれは突然だった…!父と母と…妹の4人で俺たちは平穏な日々を過ごしていた…!なのに……塾の模試のせいで帰りが遅くなったあの日…家に帰った俺が見たのは……凍りついた家族の姿だった…!そして…助けようとした俺の目の前で、家族は砕け散った!?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「…父さんが最後に残した言葉はこうだ…『氷の化け物に襲われた…白い人間に似た姿をした化け物が…』、と…」
「「…っ!?」」
照井の言葉にダブルの二人に衝撃が走る…白い人間態のドーパント…二人にはその人物に心当たりがあった。ジェノサイド・ドーパントの事件で相対した敵組織『オリジン』の幹部…ドクターと名乗ったあの人物のことを…
「……そして、事件は俺の家族を最後に止まった…分かるか?犯人が捕まっていないのに警察の捜査が止まった時の絶望が…!いきなり家族を失い、日々に虚無感を感じるようになった俺の悔しさが…!この話を聞いてもなお理解できるというのか!?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
それが照井の敵討ちの相手とは断定はできなかったが、可能性がゼロだとは言い切れなかった。ドクターがいつからドーパントに変身するようになったかが分からない以上、照井にそのことを告げるできではないと思い、二人は沈黙を貫いた。
「…だからこそ、俺はガイアメモリを使う奴らなど許せない…!それこそ、命を断つことなど厭わん!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「俺は話したぞ…次はお前たちの番だ。さっさとあのドーパントのことを話せ」
照井の言葉に何も言うことができずにいるダブルに対し、これ以上話すことはないという態度で、照井は話を二人のライダーの能力と武器を吸収したドーパントのことへと移した。フィリップも今は話題を変えるべきだと思い、自身が閲覧した検索結果について説明を始めた。
「いいだろう…あのドーパントのメモリの正体は…アブソーブメモリだ」
「アブソーブ…?何だ、そのメモリは?」
「アブソーブというのは吸収するという意味だ…つまり、あのドーパントは吸収の記憶を体現した能力を持っているということだ」
「…吸収…それで俺たちの武器を吸収したということか?」
「ああ…アブソーブ・ドーパントの能力は吸収そのものだ。受けた衝撃・触れた物・感覚・記憶……ありとあらゆる物を吸収し、それを自身の力へと還元するのが、奴の力の正体だ…明らかに流通しているような一般メモリではない…おそらくは組織が放った刺客と考えるべきだろうね」
翔太と照井の疑念にフィリップはホワイトボードにドーパントの特徴を書きながら説明していく。ダブルとアクセルの攻撃を吸収し、まさしく化け物ともいえる能力を発揮したのかと納得した翔太は、あの時のフィリップの言動の意味をようやく理解できた。
「そうか…それでダイナソーメモリの使用を止めたり、照井の追撃を制止したのか…」
「そうだ。もしあのまま反撃し続けていたら、本当に手の打ちようがなくなっていただろう。奴を倒すにはこちらも作戦を以て臨まなければならない」
「御託はいい…さっさとその作戦とやらを教えろ」
「いいだろう…けど、君にはこの作戦は無理だ」
「っ…何だと…!?」
フィリップの放った否定の言葉に、照井が声を荒げる。しかし、フィリップも引く気はなかった。
「この作戦は僕たちだけでやる…それに、メモリブレイクした後、相手を殺そうとする人間を戦場に来させるわけにはいかない…そんな人間に仮面ライダーを名乗る資格なんて……ない!」
「…!そうか…ならば、勝手にしろ!?」
完全にキレた照井はそんな言葉を残し、ガレージを去って行ってしまった。残されたダブルの二人は威圧から解放されたこともあり、安堵の息を吐いていた。
「お前にしては珍しいな…あんなに感情をむき出しにするとはな…お陰で俺の怒りの拳が炸裂しなくて済んだけどな」
「…すまない…あの言い方は流石にマズかった。本来であれば、アクセルのサポートがあった方がもっと確実だったんだが…彼が命を奪うことを迷わないことに……怒りが上回ってしまった」
「まぁ、気持ちは分かるさ…それほど、俺にとってもお前にとっても、仮面ライダーの名が……いや、ダブルの名を背負っている意味が大きいってことだろう?」
「…翔太…君にはかなり危険な役目を負ってもらうことになる…覚悟はいいかい?」
「…聞くまでもないだろう?もったいぶらさずにさっさと作戦を話しやがれ」
「簡単な話さ…君お好みの作戦だよ。但し、超絶危険、一か八かの特攻作戦だけどね…」
「それは……確かに照井には話せないな」
フィリップの困ったような笑みから、アブソーブ・ドーパントに対する作戦が文字通り危険だと察した翔太…そして、復讐心に駆られている照井を参加させるわけにはいかないとも理解したのだった。
その夜…
「これって…この武器って……!?」
風呂上りにスマホで今日の事件のことを調べていた五つ子たち…そんな中、『謎の仮面ライダー!?二人目の正義のヒーロー登場か…?』という見出しの記事の画像を見た一花は驚きを隠せないでいた。
荒い画像ではあったが、彼女には見覚えがある武器が映っていた…それは以前、シザー・ドーパントに襲われた際に照井が使っていたエンジンブレードだった。
あまりに特徴的すぎるその武器を、画像に映る二人目の仮面ライダーが持っていたことに…一花がその正体に思い当たらない訳がなかった。
(照井君が……新しい仮面ライダー…?)
あと3話ぐらいで本章も終われるかと思います。
一か八かの作戦に出るダブル…そして、キーマンとなるアクセルを動かすのは…もちろん彼女となります。
ちなみにですが、メタルシャフト・エンジンブレードだけでなく、各ライダーのバイクも前話の大爆発でお釈迦になってます(笑)なので、次章の途中までハードボイルダーはお休みです。
それでは、また!
●オリジナルドーパント解説
マジシャン・ドーパント 『Magician』
全身黒ずくめのビニールのような体表を持つ人型ドーパント。頭部には体の細さに対し、全くサイズの合っていない巨大で歪なシルクハットが顔面を覆うように存在している。
アルカナシリーズと呼ばれるブロンズメモリで変身したドーパント。内包する記憶は大アルカナの1番「魔術師」。発火や放炎能力だけでなく、魔術師の如く体を炎と化して攻撃を擦り抜けるなど、トリッキーな能力でダブルを翻弄した。
しかし、アクセルの攻撃により炎から実体に戻ったところをエーススラッシャーの一撃によりメモリブレイクされる…が、その後乱入したアブソーブ・ドーパントに変身者は吸収(描写的に殺害されている)され、右肩に取り込まれた。
タワー・ドーパント 『Tower』
全身が茶色のレンガに近い金属で構成されたメモリ名を模したかのような非人型ドーパント。アルカナシリーズと呼ばれるブロンズメモリで変身したドーパント。内包する記憶は大アルカナの16番「塔」。
跳躍での移動になるため、機動性はほとんどないが、急速にエネルギーをチャージしてからの稲妻攻撃を繰り出す攻撃特化型。最小限のエネルギーで周囲の窓ガラスを割ってしまう程の威力を持ち、ハイエロファント・ドーパントの連携技で、スパークメモリでも耐え切れない雷でダブルに大ダメージを与えた。
しかし、アクセルの介入により、連携を乱されたところでダブルの反撃を受け、ヒートニンジャの『シノビペネトレイト』によりメモリブレイクされた…が、その後乱入したアブソーブ・ドーパントに変身者は吸収され、右足に取り込まれた。
ハイエロファント・ドーパント 『Hierophant』
骸骨が僧服を纏ったかのような人型ドーパント(モデルとしては、ペルソナシリーズに出てくる「だいそうじょう」)。十字架を模した僧杖を持つ。アルカナシリーズと呼ばれるブロンズメモリで変身したドーパント。内包する記憶は大アルカナの5番「教皇」。
僧杖は振るうだけであらゆるエネルギー物質を無効・操作することができるためチートに等しいサポート能力により、ダブルの通常攻撃からマキシマムドライブまでを無効化してしまった。
しかし、タワー・ドーパントが放った電撃を逆に利用されてしまい、エネルギーと実物両方の属性を持つアクセルのダイナミックエースを受け流し切れず、僧杖ごと叩き切られメモリブレイクされる…が、その後乱入したアブソーブ・ドーパントに変身者は吸収、顔の右半分に数珠が巻き付いた骸骨として取り込まれ、それまで吸収した能力を集約させ、膨大なエネルギーを大爆発と共に放出する能力を得た。
ハングドマン・ドーパント 『Hanged man』
デフォルトで宙に仰向けで浮かぶドーパント。浮いているように見えるが、実際には吊るされているので自身の意志で地面に降り立つことが出来ない。(モデルはペルソナ3の大型シャドウそのもの)。内包する記憶は大アルカナの12番「吊された男」。
内包する記憶の意味通り、範囲内にいるドーパントの意志を抑制(ガイアメモリのエネルギーを乗っ取る)し、自身に奉仕させる存在…操り人形と化する能力を持つ…各ドーパントが一切の意思疎通を取らずに絶妙なコンビネーションでダブルを追い詰めたのはこれが理由。更には、自身の周囲から天使の石像を放つといった自衛方法を持つといった、アルカナシリーズの中でも上位に入る強さを持つ。
しかし、アクセルの介入により各ドーパントが撃破され、残された自身もバイクフォームへと変形したアクセルの奇襲により地面へと叩き落とされ、その勢いでアクセルグランツァーによる一撃を受け、メモリブレイクされる…が、その後乱入したアブソーブ・ドーパントに変身者は吸収され、悪魔を模した石像を放つ能力を得た。
実は、それぞれの各ドーパントの変身者は「オリジン」の組織員であり、ドクターが各ガイアメモリへの適合率が高い者を選別し、街へと解き放った…全ては、『アブソーブ』という悪魔の実験体を強化させるための前戯にすぎなかった。