更新止まっている間に、セイバーが終わり、リバイスが始まり、ゼットがトリガーの世界に乱入したり、パワードダダが大暴れしたりしてましたが…
作者はいつの間にか、遊戯王セブンスにハマってました(オイ!?)
そして、風都探偵のイメージボードも公開されましたね!
まじでCVが気になる…最新刊も買いました!(今さら感が凄い!?)
…コホン…さてと、それではどうぞ!
あっ、あの原作キャラたちが久々に登場しますので、よろしく!
「…うわぁ…本当にフィリップ君が護衛に付くんだ…」
「…中野一花。そう言いながら、なぜ君はスマホを構えているんだい?」
放課後
校門から少し離れた、人目がつかない場所で落ち合った一花とフィリップ。翔太から、
『すまん!今日の護衛はフィリップがつく!』
『ううん、大丈夫…というか、昨日の今日だから、もしかしたら厳しいじゃないかと思ってたから……意外な解決策が飛んできたけど(…というか、二乃にバレたら、命がないかも…)』
『…俺としては、あいつと照井のコンビに不安を感じられずにはいられないんだけど…何かあったら、頼むわ』
『えっ…ちょっと待って、私、依頼人だよね?』
そんな話を交わしていたが、待ち合わせ場所にいたフィリップの姿を見て、一花は少しだけホッとしていた。翔太が着ていた探偵服とよく似たデザインの、彼専用の探偵服に身を包んだ姿から、仕事モードに入っているのだと分かったからだ。
翔太のものと違い、フィリップの探偵服は薄いコート状で、緑と白の一本線アクセントが入っており、顔を隠せるようにフードがついていた。
その珍しい服装に、思わず写真を撮ろうと一花はスマホを構えたわけで…そんな行動に、フィリップも半眼を向けてしまう。
「…ともかく早くテレビ局に向かおう。既に照井竜は向かった…と、翔太から聞いてる。僕たちも早く向かうべきだろう」
「あっ、ちょっと待って!…さっき連絡したから、もうすぐ来ると思うんだけど」
今すぐにでも移動しようと告げるフィリップだったが、一花が待ったを掛ける。どういうことかと思っていると、
プップー!!
「あっ、来た来た!あれ、事務所の送迎車!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「…?どうしたの、変な顔をして…」
「いや…本当に君が女優なんだと思ってね」
「ハハハ…流石に電車とかだと目立つしね…それに、いくら護衛だからって、フィリップを連れて移動するのなら、できるだけ人目につかない方法の方がいいと思ったからね」
(…それでも、一人の女優に車を回すということは難しい筈…その分、彼女が事務所から期待を受けているということなのだろう)
「ほらほら、急ぐんでしょ?行こうよ」
「…ああ」
車の送迎がある程に、一花の女優としてのレベルに驚くフィリップ。そんな驚きを表面に出さないまま、固まるフィリップに一花は手招きし、それに従ってフィリップは車に乗り込んだ。
「遅かったね、一花ちゃん」
「すみません、社長…授業が思いの外長引いちゃって…」
社用車で走ること十分と少し…今日収録が行われる番組『エブリィ・トーカー』に関する話をしている内にテレビ局…『継風』の地方番組を担う『継風TV』…そのB1にある地下駐車場の関係者専用入り口に着いた一花とフィリップ…そんな二人を出迎えたのは、一花が所属する事務所の社長だった。
「ノープロブレム!まだ時間に余裕はあるからね…おや…もしかして、そっちの彼が例の…」
「お初にお見えになります…僕の名前は佐桐来斗と申します。本日は…」
「聞いてるよ。さっきのクールボーイと一緒で、一花ちゃんの見学に来たんだろ?」
「…はい…?」「…あー…」
社長に視線を向けられ、颯爽と探偵用の偽名を名乗ろうとしたフィリップだったが、社長の放った一言に思わず首を傾げ、一花は思わず顔を右手で抑えた。
「…?違ったかい?一花ちゃんから、『芸能界に入りたがってる友達がいる』…って、聞いて、テレビ局のパスを用意したんだけど…」
「(そういうことか…)…ええ。実に興味深いと前々から思っていまして…彼女に今回の話を聞いたときから、ほとんど眠れない日々が続いてました!今日は宜しくお願いします!」
「…いいね…いいね、君!気に入ったよ!」
「…(ホッ…)」
先程までの冷静な姿をかなぐり捨て、今日を楽しみにしてましたとばかりに目を輝かせる(演技をする)フィリップ…その姿勢に、彼を気に入った社長も目を輝かせ、局内を歩ける来賓用のパスを手渡した。その様子に一花はなんとかなったと、胸を撫で下ろした。
「…あれ…そういえば、社長。照井君…もう一人の男の子はどこに…」
「彼なら、パスを受け取って、もう局内に入って行っちゃたよ?自分の思うままに見て回りたいって…収録までには戻るって伝えてくれとも言われたけど…彼も良かったね。鋭い眼光に、その眼の奥に宿る決意の……」
(照井竜は別行動か…まぁ、その方が有難いか。彼も僕もそうそう顔を合わせない方がいいだろう。それに、僕が中野一花の傍についていて、彼が周囲を警戒するというスタンスも取れる)
照井の姿が見えないことに疑問を浮かべる一花…社長が勝手にどこかへと行ってしまったと告げ、照井の魅力を堂々と語っていくのを傍に、フィリップは冷静に今後の動きを想定していた。
「……っと、思わず語り過ぎてしまったね。申し訳ない…それじゃ、行こうか、一花ちゃん、来斗君」
「はーい!…ゴメンね、フィリップ君。ああしかパスを用意してもらう言い訳が思い付かなくて…」
「翔太がいたら、間違いなくツッコミものだったね…まぁ、どういう形であれ、こうして入ることができたから構わないさ」
先導していく社長のあとを追い、継風TVへと入っていきながら、小声で謝る一花。問題ないとフィリップは冷静に応え、二人は歩いていく。
「それにしても、照井君は別行動か…」
「彼らしいと言えるだろう…彼は群れることを嫌う傾向にあるからね。連携が取りづらい者同士で無理してまで一緒に行動するメリットも少ないしね」
「…?フィリップ君…照井君と何かあった?なんか、言葉に棘を感じるんだけど…」
「…すまない。少し言い過ぎた…さっきのことは気にしないでくれ」
フィリップにしては珍しい棘のある言い方に、一花が首を傾げるも、失言だったと気付き、謝ってからのフィリップは無言となってしまった。一花もそれ以上は触れるべきではないと思い、言葉を掛けることはなかった。
(…今のところ、怪しい人影はないか…)
一花とフィリップが社長に連れられ、控室に到着していた頃。
人目を忍び、『エブリィ・トーカー』の収録が行われるスタジオA11の天井に来ていた照井。
番組の準備に追われるスタッフたちの姿はあったものの、誰かが怪しい動きをしているわけもなく、不審人物も見当たらない…残念半分安堵半分といった様子で、照井は思わずため息を吐いた。
(…戻って来たか…どうやら、フィリップたちの方も着いたらしいな。それにしても…あまり変わっていないものだな)
偵察に出していたビートルフォンが撮影した画像で、一花たちが到着したことを確認し、別の場所の警戒に向かおうと、天井からこっそりと降りてきた照井。継風TVを見渡しながら、そんな感想を抱いていると、
「流石にそこに踏み込むパスをあげたつもりはなかったんだけどね…」
「…!」
背後からそんな言葉を掛けられ、振り返る照井…そこにいたのは、一花のメイク待ちの時間を使い、スタジオに先に来ていた社長だった。
天井の入り口から降りてきたところを見られていたと気付き、照井は固い表情の眉を更に顰める。しかし、社長の方は照井を咎めるつもりはなく、
「ああ、気にしないでくれ…君が少し気になったからね。天井の方を見た感想はどうだったのかな?」
「…俺に質問をするな…」
笑いながら、そんな質問をする社長のことなど、いつもの如くお構いなしに無視しようとした照井は、
「照井竜君……久しぶりと言うべきなのか」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
名前を呼ばれ、足が止まった。通り過ぎようとした、背後にいる社長へと振り返ることなく、視線だけを向ける照井。
「やっぱり君だったんだね…入り口で会った時に、どこかで見かけたような気がしたんだが……前に会った時とは、雰囲気が全くの別人になっていたから、すぐには思い出せなかったよ」
「…その節は……お世話になりました」
「いや…僕は何もしていないよ。その……」
悲し気な表情を浮かべた社長の言葉を静かに聞き入れる照井…それは誰もが知らない、照井と一花の意外な接点であり…
「…もう終わったことです。それに…今の俺には関係ない話です」
「…そう、か………分かった。もう間もなく収録が始まるから、あまり遠くに行かないでくれよ。何かあったら、パスを用意した僕に文句が飛んでくるからね」
用件は終わったとばかりの照井に、それ以上言葉を掛けることなく、社長も話を終えた。しかし、その表情には未だに悲しみ…いや、後悔に近い色が映る社長は、歩いていく照井の背中を見ていた。
「スプリングアップ、ホットビューワー!!ハロー!エブリィ・トーカーの時間だぜ、ベイビー!」
英語が織り交じった、まるでDJのようなハイテンションのMCが番組のスタートを宣言し、『エブリィ・トーカー』の収録が始まった。
「さてさてさて!今日もホットで、グレートで、パワフルなトークを繰り広げて行くぜ、イェイ!それでは、メンバーの紹介だZE!
まずは、変幻自在な演技とトークで、センセイーショナルなストームを巻き起こすカメレオン役者、松理田五郎!」
「宜しくお願いします!松理田ゼェェェェトォ!!」
「Oh!?今日は熱血なキャラな感じか、その感じでヨロシク!では、次は…心はロック、しかし、歌はデスソング、けど、その魂は誰よりもハードメタルゥ!シンガーソングライター、ジミー中田!」
「今日も宜しく!早速ですが、新曲をここで…」
「おっと!それはラストに頼むぜ、ジミー…番組が進行不能になっちまうからな!それじゃ、ラストのレギュラーメンバー…全ては科学で証明できる!オカルトは…ちょっとだけ信じているという、信念ブレブレの科学ガールズ!不知火アカリ!」
「よろしく~!今日もズバズバと行くわよー!」
「熱いリプライ、サンキュー、アカリ!全く、いっつもいっつも濃いレギュラーたちを紹介したところで、今日のゲストを紹介していくZE!先日、試写会も話題となった、女子高生たちの周囲に巻き起こる連続奇怪死事件を描いた、ホラーサスペンススプラッタ映画『ナナツノカタリ』にも出演…女優の中野一花ちゃんだぁ!!」
「アハハ…中野一花でーす!今日は、色々な話に対応できるように準備万端で来ましたので、えっと…先輩方、お手柔らかにお願いしまーす!」
「これはこれは、強気なのか弱気なのか分からないリプライ、サンキュー!というか、後でサインもらえると嬉しいなぁ、お兄さん!いいかな、一花ちゃん?」
「もちろんいいですよー!」「職権乱用だぁ!俺も、俺の彼女も欲しがってたのにぃ…!?」
(…収録が始まったところで、特に変な気配はなし。偵察に放っているガジェットたちにも反応はないようだ)
DJのような司会をしていく相楽実の要望に、迷うことなく笑顔で応える一花と、それに抗議するかのように自前のギターを鳴らしながら叫ぶジミー中田。
無事に収録が始まったものの、未だに警戒心を緩めないフィリップはガジェットたちからのシグナルをも確認していた。
(メイクの前に控室も確認したが、不審物はなし…このまま無事に収録が終われば、一応は解決か…脅迫状もイタズラだったということになるだろう)
「何も問題なしか…」
「っ…!照井竜…護衛のくせにどこに行っていたんだい?」
「…俺に質問をするな」
アブソーブ・ドーパントの一件で発生したすれ違いは未だにフィリップの中に根強く残っていたこともあり、またしても棘のある言い方になったフィリップ。それに対し、いつもの口上で言い返す照井…口を開いて三口目で会話が破綻するなど、傍から見ても笑えないものには違いないだろう。
「地球の本棚とで犯人の見当は掴めなかったのか」
「人を便利な検索機みたいに扱わないでくれるかい?物証が足りないこの状況で、何をどう検索しろっていうんだい?」
「…そうか(使えん奴め)」
(あの目は、使えないとでも思ってそうな目だな)
どこまでもバチバチと言葉を交わす二人…ホットな雰囲気で進行していく番組に対し、見学している二人がいる一角は絶対零度と極熱がぶつかり合う修羅場が出来上がっていた。
(…な、何話してるのよ、あの二人!?というか、君たち護衛でしょう!お願いだから、大人しくしててよぉ~…!?)
そんな雰囲気に気付いた人物が一人…二人の関係をなんとなく察していた一花は、番組の収録中ということもあり、表情を崩すことなく内心ヒヤヒヤしていた。
そんな彼女の願いが叶ってかどうか…修羅場の空気を発しながらも、番組を邪魔することを二人がすることはなく…なんとか収録は進んでいった。
「…は~い、オッケーです!これより、20分ほど休憩に入ります!」
セットチェンジも兼ねて、休憩に入ることを告げるADの声が響き渡り、出演者・スタッフ共にそれぞれが散っていく。
「…お疲れ」
「うん。いや~…やっぱりバラエティって慣れないね」
「その割には、笑顔の上、ノリノリで話していただろう」
「アハハ…一応、社長に相談して、どういう話をするか決めてたのもあったからね。まぁ、他の皆さんが余りにも濃すぎるっていうのもあるけど…」
((…いや、誰も五つ子には言われたくない))
向こうの方で、カメラマンと先程の映像の確認をしている社長を横目に苦笑いする一花…確かにレギュラーメンバーもかなり濃いキャラだが、五つ子の長女も同じだろうが…と、その点に関してだけはフィリップと照井の心が重なった。
「まぁ、僕としては、翔太にしたみたいに、映画のネタバレをさらっと暴露…もとい、事故が起きないかなとワクワクもしていたんだけど…」
「さ、流石にそんなことは……きっともうしないと、思う…かな…」
「それよりもだ…こっちから見ていた限り、怪しい人物はいなかった…そっちの席からはどうだった?」
「えっ…!ええっと…多分いなかったんじゃないかな…というか、番組に集中してたから、そこまで意識してなかったかな…」
「まぁ、そうだろうね……ともかく、このまま何もないのなら…」
「一花ちゃ~ん、お疲れぇ~」
「っ!?」「「…?」」
互いに成果なしと報告し合ってる中、フィリップの言葉を遮る男の声が聞こえ、一同の意識がそっちへと向けられる。しかし、一花はその声の持ち主に対し、少し身構えていた。
「…も、本松さん…お疲れ様です」
「お疲れぇ~…いいトークだったよ、流石は現役女子高生だよねぇ…そうそう!この前の話、考えてくれた?」
「それは……まだ社長と相談してるところです…」
「そうかぁ…叔父さん的には、是非とも一花ちゃんには参加してほしいなぁ…その美貌にスタイル…絶対に画になるよぉ…うんうん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
話ながら、異様に一花へと距離を詰めてくる男…その動きに、一花は少し嫌悪感を出しながらも、動けないでいた…が、
「中野長女…そういえば、控室に取りに行かないといけないものがあるんじゃなかったのか?」
「…!そ、そうだった…ありがとう、照井君!ちょっと行ってくるね」
顔を直前まで近づけようとしていた男と一花の間に割って入り、咄嗟にそう言葉を放った照井…それを起点に、一花はすぐさまその場を後にした。
「…なんだい、君…ナイト気取りかい?」
「何のことだ…あいつはああ見えて、うっかりなところがあるから、忘れない様に言ってやっただけだ」
「……まぁ、いい。お前らみたいなモブがチラチラと映りやがって…カメラに映る価値もない奴らなんだから、余計なことすんじゃねよぉ」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
忌々しい…そんな感情を表情に浮かべ、フィリップと、特に照井に対し、冷たい視線をぶつけた男は、向こうへと行ってしまった。
「…何者だろうね、彼」
「本松契三…この番組のディレクターだよ」
「っ!」「…!」
周りのスタッフへとネチネチと指示を飛ばしていく姿に、軽蔑を込めた視線を向けるフィリップ…その疑問に答えた声が背後から聞こえ、二人は驚く。いつの間にか戻って来ていた社長だった。
「まぁ、ディレクターと言っても、彼の場合は名ばかり。この番組は二人のADによって成り立ってるくらいだよ…この番組の企画自体、そのADの一人…呉君が考案したものなんだけどね」
「へぇ~…そのADというのは、一体どこにいるんですか?」
「…ここにはいないよ…いや、当分ここには来れないと言った方が正しいかな」
「「…?」」
「彼は今、入院しているからさ……先週、何者かに襲われ、意識不明の重体になっていたんだからね」
「「!?」」
フィリップの疑問に再度答えた社長…しかし、返ってきたまさかの事実に二人は思わず言葉を失う。しかし、驚くのはまだ早かった。
「仕事終わりにね…打合せのために居酒屋にいたもう一人のADである小鳥遊君が連絡が取れないことを不審に思って、テレビ局に戻ろうとしたら…その道中で倒れていたそうだ…全身凍傷の、氷に身を晒されたその姿をね」
「なんだと!?」
「全身が、氷に…!」
フィリップも大いに驚いたが、驚きと共に怒りが頭を支配した照井の声に、スタジオにいた人たちの視線が一気に集中するも、そんなことなどお構いなしに照井は社長に掴み掛かる。
「そいつは今、どこに入院している!?一体誰がやった…!」
「お、おおぉ!?近くの市立風継病院だが…まだ意識が戻っていないから……犯人はまだ捕まっていないと、警察が捜査中だって聞いたかな…」
「っ……!そ、うか…」
(…犯人はまだ逃亡中…もしも…もしも、中野一花の脅迫状に、その犯人が…ガイアメモリと関連があるのなら…それが照井竜と関連があるとすれば…!)
自分たちが一花の護衛の為に来ているのだと思い出し、少しばかり冷静さを取り戻した照井…一方のフィリップも最悪の可能性を考えていた。
この事件に照井の家族を殺した犯人…氷を使うドーパント、もしくは、パンドラの一員であるドクターが関与しているのだとすれば…自分たちだけでは手に負えなくなるのかもしれない…そんな考えが頭を過ぎっていた。
(…一応、さっきの情報は翔太にメールで送っておいたが…はてさてどうしたものか…)
収録が再開したものの、スタジオを照井に任せ、先程の一件を相棒に伝えるべきだと思ったフィリップは、スタジオを抜け出し、スタッグフォンでメールを送り終えていた。
できることなら、そのADの事件のことを詳しく調べたいところではあるが、そっちは翔太の伝手に任せるべきだと思い、今の自分はどうするべきかと頭を巡らせていた。
少なくとも、地球の本棚で情報を調べるには手掛かりが少なすぎるし、そのAD自身のことは個人情報に関わるため、ドーパントの変身者でないその人を無闇に調べるわけにもいかず、このまま一花の護衛を続けるかと結論づけようとした時だった。
「あっ!誰かと思ったら、フィリップ君だぁ~!」
「…!君たちは…」
聞き覚えのある声が聞こえ、思考の海に入っていたフィリップの意識が現実に戻される。声がした方向を向くと、
「やっほー…こうやって直接会うのは久しぶりだね。去年のGWの事件以来か」
「ホントー、ホントー!というか、フィリップ君が外に出てるなんて珍しいね!しかも、翔太みたいな服まで着て…っていうか、なんでテレビ局にいるの!」
「クイーンとエリザベス…本当に久々だね。僕は翔太の代理でちょっとね…君たちは…何かの番組の収録かな?」
「「ピンポーン!せいか~い!」」
まさか知り合いに出くわすとは思ってもみなかったフィリップ…彼に声を掛けたのは、風都イレギュラーズの一員である、現役女子大生兼アイドルユニット、クイーンとエリザベスだった。
フィリップの推測が当たっていたことに、明るいテンションで揃って応える二人の声が廊下に響いた。
「あたしたちがパーソナリティをしているラジオの収録でね…歌も歌ったから、継風TVで収録してたんだ」
「今度の新曲もマジイケてる感じなんだから!フィリップ君もぜ~ったいに聞いてね?」
「ああ、発売されたら聞くとするよ(…そういえば、二乃ちゃんがこの前、ファンだって言ってたな…今度一緒に聞いてみるか)」
「あっ…このスタジオって、『エブリィ・トーカー』が収録してるところじゃん」
「あ~…ジミーが出てる番組だっけ…そういえば、今日のゲスト…中野一花ちゃんだったよね!私、あの子が出てる映画全部見てるんだよね!」
「へぇ…エリザベスがそこまで言うってことは、可愛いの?」
「可愛いよ!それに、出た映画ですぐ死んじゃうところが、私は好き!」
「…それはどうなの、女優として」
(…うん…流石はというか、いつの間にか二人で盛り上がってしまって、口を挟む暇がない)
自分に話を振っていた筈なのに、二人だけの空間で話している彼女たちに、フィリップは苦笑いしていた。エリザベスは一花のことを知っているようだが、好きなポイントがそれでいいのかと冷静なツッコミをクイーンは入れていた。。
「でも、ジミーも偉いよね~…あの変態ディレクターの番組に出続けるなんてさ?」
「あのディレクターの為というよりも、小鳥遊ちゃんたちのためでしょう?」
「まぁ、そうだよね~…というか、たかちゃんも大変だよね…くれ君がああなって、一人であの番組を回してるんでしょ?それを知って、ジミーたちも色々相談に乗ってるようだし…」
「…ちょっと待った…!もしかして、全身凍傷で入院した呉という人物を知ってるのかい!?」
「えっ…知ってるよ?というか、よく番組終わりに一緒にご飯に行ったりするし…」
「たかちゃんに話を聞いて、病院に見舞いにも行ったよね…っていうか、その事を翔太に相談しようと、あたしたちなりに情報を集めていたんだけど…」
「…それはちょうどよかった。その情報…僕にも教えてくれないかい?」
まさかの情報源が見つかったことに、眼光を光らせたフィリップ…その姿に、只事ではないと理解したエリザベスたちも、風都イレギュラーズとしての顔に切り替え、自分たちが得ていた情報をフィリップへと話し始めた。
久々に書いたので、リハビリ気分で書いたのですが、まぁまぁ長くなりました。
さてと、今回登場したキャラクターたちについて、少し補足を…
●相楽実 元ネタ:DJサガラ(仮面ライダー鎧武)
陽気かつ英語を多用する肌黒人気DJ。その人気は継風ラジオでも番組を持つほど。もちろんどこぞの大企業に雇われていたりとか、異界の植物の化身として暗躍する裏の顔を…持ってないのでご安心を。
●松理田五郎 元ネタ:祭田ゼット(仮面ライダーゼロワン)
暗殺ちゃんのイメージが強いかもしれませんが、唯一被害を免れた五号がモデルです。シャイニングホッパー完成は本当に良いお話でした…ワズの言ったことが、終盤で最悪の形で実現されるとは、あの時は誰も思ってなかったと思いますが…
ちなみに、選出した理由はゼット被り。
●ジミー中田 元ネタ:仮面ライダーW『唇にLを』
原作に登場したその人…もちろん、その歌唱センスも変わらず…
しかし、彼の歌は聞いていると不思議な魅力を感じ、聞く人によれば勇気をもらえるような中毒性を持っていると、結構なファンがいる…本作では、エリザベス・クイーンの先輩でもある。
●不知火アカリ 元ネタ:月村アカリ(仮面ライダーゴースト)
仮面ライダーゴーストに登場したヒロイン。名字は、彼女が開発した特殊な薬品『シラヌイ』より。役者、歌手ときて、ネタに困ってまさかの科学特化の芸能人として登場…本当にそれだけです。
読んでてニヤリとされた方も多かったのではないでしょうか(苦笑)
そして、エリザベス&クイーンの登場…前々から宣伝していたように(…してたよな…?)本章は風都イレギュラーズがちょいちょい登場しますので…
そんな中、照井にもスポットが当たったお話でもありました。
まさかの社長が、照井と顔見知りでした…これが、照井と一花を繋げる意外な接点でございました。そのお話はもう少し先でしっかりと種明かししていきますので、もうしばしお待ち下さい。
さらに、漂う怪しい影に、胡散臭いオリキャラ…そんなわけで、次回は戦闘回になります。また少しお待たせすることになりますが、ご期待頂ければと思います。
それでは、また!