真・恋姫†夢想~双魔の狩人~   作:D-ケンタ

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うーん、書いた後にこれでいいのかとか、色々疑問が出てくるけど、まあ、いいか!
二次創作なんて自由に書いてなんぼですしね!


別れ、そして次の街へ

「やーだー!ザイユさんも一緒に行くのー!」

「……むぅ」

 

とある街にて、天和はザイユの腕を掴んで何やら喚いていた。

 

「天和姉さんわがまま言わないで」

「だってー……」

 

人和がたしなめようとしているが、天和はブスーっと頬を膨らませる。そもそも何故こんなことになったか。

 

「仕方ないだろう。賊と疑われている俺が一緒では、君たちの活動の邪魔になる」

「でもー……」

 

そう。原因はザイユのこの格好。初見では化け物にしか見えない見た目に加え、どう見ても正規品ではない大剣。これでは怪しまれても仕方ない。

 

「心配するな。今生の別れと言うわけではないし、お互い生きていれば、また会えるさ」

「……本当に、また会える?」

「ああ。約束だ」

「―――うん!」

 

その言葉を聞いて、天和は漸くザイユの腕を離し、目元を拭うと、ザイユに向かっていつもの天真爛漫な笑顔を見せた。

 

「じゃあそれまで、私たちももっと有名になっておかないと。ザイユさんがどこにいても、私たちの事が分かるように、ね」

「ああ、君たちなら大丈夫だ。応援してるぞ」

 

そう言って天和の頭を撫でる。防具越しではあったが、天和は心地良さそうに目を細める。

 

「もうちょっと一緒にいたかったけど、まあ、仕方ないわよね」

「地和か」

「みてなさい。次会うときは、あんたが吃驚するほどの大人気歌手になってやるんだから!」

「ああ、楽しみにしてるぞ」

 

地和も当初に比べて随分と打ち解けたようだ。ザイユのお陰で、安全にこの街まで来れたし、道中の食事もしっかりと確保できた。

だからといって落ち込まず、これからのやる気に変えるのは、地和の強い上昇志向故だろう。

 

「それで、ザイユさんはこれからどうするの?」

「そうだな……陳留とかいう街に行ってみるつもりだ」

「そう……短い間だったけど、あなたのお陰で色々助かったわ。ありがとう」

「気にするな。こっちこそ、色々助けてもらったからな」

 

この地域のことについては、ほとんど人和から教わった。風習や地理など、一般常識を知らぬ状態では、今後のハンター稼業に障る故。

人和は頭もよく、意外に交渉事に向いていそうだ、とザイユはそんな印象を持っていた。試しに肉焼きをやらせてみたら、すぐにタイミングを覚えたということもあった。もっとも、姉二人を上手く制御できれば、の話だが……まあ問題はないだろう。

 

「さて、あんまり話していては惜しくなる。俺はもう行くとしよう……またな、三人とも」

 

そう言ってザイユは三人に背を向けて歩き出す。

 

「また会おうねーザイユさーん!」

「アンタも私たちと同じくらい名をあげときなさいよねー!」

「いつかまた、私たちの歌を聴きに来てね」

 

三姉妹の言葉に対し、ザイユは振り返らず、手を挙げて応える。

目指すは陳留。その地ではいったいどんな出来事がザイユを待ち受けているのだろうか。

 

 

日も暮れた頃、ザイユは森の中で焚き火の用意をしていた。流石にすぐには到着できないため、この地で夜営をするようだ。

焚き火がつくと、ザイユはお馴染みの肉焼きセットを取り出し、生肉をセットする。天和たちとの旅路で狩りとった肉だが、日にちが経ってるにも関わらず腐っていない。ポーチに入れておけば何故か肉も魚も新鮮な状態で保たれ、焼いた食料は湯気が出る出来立てのまま。どういう技術なのか不明ではあるが、ザイユは龍人族の謎技術だろうと、特段気にしていない。

 

「……む?」

 

なにかが近づいてくる。気配がした方向に視線を向け、いつでも動けるよう身構える。

 

「ぐぅるうぅぅ……」

「……アオアシラ、に似てるな。この地域での変異種か?」

 

現れたのは、この地域においてクマと呼ばれる生物。ザイユはこのモンスターについて自身の記憶と照らし合わせた結果、以前行ったユクモ村というところで狩ったモンスターと似たようなのだろうと結論付けた。似ているが体色が青でなく黒である等、細部が違う。

 

「肉の臭いにつられたか……仕方ない」

「ぐぉああああ!!」

 

立ち上がり威嚇するクマに対し、ザイユは得物の柄に手をかける。そして、大きく降られた前足を躱し、一気に抜刀。その大質量を振り下ろす。

 

ボギンッ!

 

振り下ろされた一撃は、容易くクマの骨を砕き、肉を叩き潰し、体を引き裂く。

 

「……脆いな」

 

先日のイノシシもそうであったが、ザイユが知っているモンスターに比べて異様に脆い。サイズからして小型、中型モンスターであるから、仕方ないかと、ザイユは結論付けて、剥ぎ取りを開始する。

 

「……?」

 

しかし次の瞬間、ザイユの周囲に異変が起こった。

 

「霧……?」

 

近くの木々すら見えなくなるほどの濃霧が辺り一帯を包み込んだ。霧が発生する、それ自体は自然現象のためおかしくはない。しかし、確かに今は夜であるが、霧が発生するほど気温が低いわけでも、この場所が湿度の高い場所な訳でもない。

にも関わらず、視界が塞がれるほどの濃霧が、この森に発生している。()()()()()()()()()()()()()()再び大剣を構え、周囲を警戒する。

 

「―――っ!?」

 

咄嗟にその場から飛び退く。それと同時に、先程までザイユが立っていたところを何かが通過した。

それが飛んできたと思われる方を向き、感覚を澄ませる……しかし。

 

(何だ……気配はするが、霧のせいで姿が見えん……)

 

謎の襲撃者に対して警戒するが、姿が見えないため何をすることもできない。

その襲撃者も、それ以降何をしてくることもなく、いつしか濃霧は晴れ、森の景色は元に戻っていた。

只一つ、()()()()()()()()()()を除いて……。

 

「これは……」

 

その跡を調べるが、巨大な何かということしか分からない。追跡しようとも思ったが、既に辺りは暗く、深追いは危険であると判断し、野営地へと戻ることにした。

 

「……あっ?」

 

訂正、変わったところがもう一つ。

ザイユが先程狩ったクマの亡骸がなくなっていたのだ。しかも肉焼きセットの肉までも。

 

「……寝よう」

 

獲物と食料を奪われたザイユは、何だかやるせない気持ちになり、ふて寝した。

 

 

「あれが……陳留か」

 

あの日から暫く、ザイユは森を抜け、街道を通り、ついに目的地である陳留を視界に収めれるところまで到達した。

 

「今度は入れるといいが……」

 

前回は賊の疑いをかけられたため街に入れなかったが、陳留は大きい街で、治安もいいと聞いていたため、恐らく大丈夫だろうと考えてはいたが、やはり不安にはなる。さて、どうなることか……。

 

――

―――

 

その心配も杞憂であり、ザイユは無事に陳留の街に入れた。街の入り口を警備していた衛兵に怪しまれはしたものの、何とか入れてくれた。

ザイユはその衛兵に内心で感謝しながら、街の様子を見て回る。活気があり、中々に発展しているようだ。

 

「さて、どうするか。ギルドはないらしいが、それに準じた組織はあるのか……」

 

と考えていたところに、腹の虫が鳴き声をあげた。

 

「……酒場でも探すか」

 

しかし、ザイユはこの地域の金は持っていない。ゼニーはあるが、恐らく使えないだろう。実際、天和たちに見せたとき、ゼニー硬貨が金だと分からなかった。

 

「まあ、なんとかなるか」

 

そう思いザイユは店を探すため街の中を歩く。道中、街の人から奇異なものを見る目で見られたが、全く気にせず歩を進める。

そしてある程度歩いたとき、何やら美味そうな匂いがザイユの鼻をくすぐった。匂いがした方を見てみると、一件の建物が眼に入った。どうやらあそこは食事処を営んでいるようだ。

 

「あそこにするか……」

 

ザイユは店へと歩を進め、戸口を潜ると、よりいっそう美味しそうな匂いがザイユの空腹を刺激する。

 

「いらっしゃ――ヒィッ!?」

 

入った途端、店員と思しき女性がザイユを見て悲鳴をあげた。無理もないだろう。パッと見化け物にしか見えない鎧、さらに身の丈以上の大剣を背負っているのだ。そんな人物が入店してきたら何事かと思うだろう。

 

「落ち着いてくれ。俺はただ食事に―――」

「失礼する、この近くに怪しい者がいると通報が……」

 

その声に反応してザイユが振り向くと、新たに入店してきた人物と目が合った。

空色の髪に青色の服、目つきや表情から理知的な印象が伝わる女性がそこに立っていた。得物だろうか、細身の弓を携えていることから、この街のハンター的な人物か、自警団か何かの人だろうとザイユは認識した。

 

「……成る程、確かに奇妙な格好をしているな。とりあえず大人しくついて来てくれるか?」

「……分かった」

「話が早くて助かる。私も手荒なことはしたくないからな」

 

面倒だ、そう思いながらもザイユは彼女の指示に従う。それに、この地域でハンター家業をするための足掛かりが分かるかもしれない、という考えもあった。

 

 

近頃近隣の森や沼地等で、隊商が襲われ食料等が盗まれるという事件が多発していた。しかも、人員への被害は無く、物資だけが盗まれるという。

当事者である商人の話では、いつの間にか濃い霧に包まれ、何か飛んできたような音が聞こえ、その後に霧が晴れると、物資だけがなくなっていた。賊に盗まれたにしては綺麗すぎる……。辺りを探索すると、何か巨大な足跡が見つかったという。商人達は、これは化け物の仕業だと、すぐさま近くの街へと逃げ込み、その地の太守へと訴えた。

訴えを聞いた太守は部隊を派遣するも、痕跡は確かにあるが、その正体と思われるものは何も見つからず、更には商人たちと同じように霧に包まれ、荷物を盗まれてしまった。その際隊員たちから、何かが横切った、ギョロりとした目玉が見えた、などの証言があったものの、成果無しに終わった。

それ以降も謎の盗難事件は発生し、幾度となく討伐任務が組まれるも、その全てが無駄足に終わり、太守は部隊の派遣を止め、商人たちはその地を避けるようになり、いつしかその地は、『霧隠しの土地』として、民衆の間に広まった。

神隠しの正体が何であるか、それは未だに分かっていない……。

 

「カロロロ……」

 




今回出てきたモンスター、何か分かりました?分かりやすいですよね、あれだけヒントだしてたら。
ちなみに、今後出すモンスターとか決まってます。お楽しみに待っててください!

評価や感想、推薦などお待ちしています!!

それではまた次回も、よろしくお願いします!!
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