Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。   作:きょうこつ

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学園祭の準備

あれからギルは目的であるトイレにいき、お手洗いを済ませるが、先程の事が既に学校中に知れ渡っており、

 

『風紀委員の最高戦力』という異名をつけられてしまった。

 

「ッ…変なあだ名付けやがって…」

 

辺りから向けられる視線に舌打ちをしていると、ララも話を聞いていたらしく能天気に尋ねてきた。

 

「ねぇギル!風紀委員会っていうのに入ったって本当!?」

 

「入ってねぇよ。なんで俺がンなもんに…」

 

舌打ちをしながら答えていると、向こう側ではレンがまたもやリトに突っかかっていた。

 

「向こうもめんどくせぇ状況だな。とっとと帰るぞ」

 

「え?この後 春菜達と『からおけ』って所にいくんだけど?」

 

「から…おけ?あっそ。どうぞご勝手に」

 

ギルは欠伸をすると、先に帰るとだけ言い残し学校を後にする。今日だけは護衛の任務をサボる様だ。

 

「はぁ…地球の学校ってのは面倒なところだなぁ…」

 

ギルは次々と迫り来る未経験の体験に頭を悩ませるのだった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

それから時が過ぎ、学園祭の期日が迫ってきた。

 

「学園祭?」

 

「あれ、ギルルン知らないの?私達が出し物とかして校外から色んな人達を招いて開催するイベントだよ?」

 

「イベント…ですか…」

籾岡から教えられるもギルは首を傾げた。

 

「(ララやナナ達の生誕祭みたいなもんなのか…?)」

 

自身が星にいた頃にララや妹の誕生日と記して祭典を開いた事を思い出しながらも、目の前の黒板を見る。そこにはいくつもの案が書き出されていたのだ。

 

「出し物ねぇ…」

 

 

 

それから授業を終えると、学園祭の出し物を決める時間帯となった。黒板の前では猿山が立ちながら机をバンバンと叩いていた。

 

「諸君!学園祭の出し物が決まった!!ウチのクラスがやるのは……喫茶店だ!!」

 

 

「「「「喫茶店?」」」」

 

猿山の叫びに女子等は首を傾げる。

 

「えっと…ただ食べ物を出すだけなら屋台とか…」

 

「チッチッチ。違うんだよ西蓮寺」

 

西蓮寺に対して人差し指を向けると猿山は更に黒板に書き加えた。

 

 

「ただやるだけじゃ面白くない…。動物をテーマにした…『アニマル喫茶』だぁ!」

 

 

「「「「アニマル喫茶…!?」」」」

 

猿山の叫びにクラス一同は更に首を傾げる。それと共に辺りからは不満の声が上がり始めた。

 

「え〜?なにそれ〜!」

 

「はやんないよそんなの〜」

 

籾岡と沢田の声や辺りの皆から出る不満の声が飛び交い始める。だが、猿山はそれを否定した。

 

「い〜や!絶対流行る!今は弱肉強食の時代だぁ!!!」

 

そう言い猿山は教室の扉を開けると多くの服が掛けられた台車を持ってくる。

 

「取り敢えず女子達は俺が用意した服に着替えてくれ!」

 

それから女子達は不満の声をあげながらも更衣室に向かい猿山の用意した服を着用した。

 

 

「アニマル喫茶ってなんだ?猛獣を放し飼いにして、来た客を食わせる祭りの事か?」

 

「違うから!何そのカイ○みたいなの!?喫茶もクソもねぇじゃねぇか!」

 

 

 

それから数分後。猿山の用意した服を着用した女子達が戻ると黒板の前に並んだ。

 

 

「「「「おおおおおお!!!」」」」

 

その服装を見たクラスの男子達は顔を赤く鼻の下を伸ばしながら歓声をあげる。

 

女子達が着用したのはなんと……所々に動物の特徴が出されながらも脚や腹部を露出した奇抜な服だったのだ。 

 

 

「リト〜!ギル〜!どうかな!」

 

「お…おぅ…」

 

「何か寒そうだな」 

 

ララはリトに向けてピースしながらポーズを決める。その姿にリトは頬を染め見惚れるが、ギルは相変わらずであった。

 

「ゆ…結城くん…どう…?」

 

「〜!!!」

 

そして西蓮寺の黒猫を模した姿に関してはリトは鼻血を流していた。

 

 

そんな中、ギルは未だに喫茶店というものが理解できていなかった。

 

「結局…喫茶店というのはなんなんだ…?」

 

すると、それについて近くにいた西蓮寺が答えた。

 

「ザックリ言うと…ご飯やお茶をするところ…かな?」

 

「成る程。つまり女子を餌にして鼻の下を伸ばしながら寄ってきた連中から金を巻き上げるって事ですか」

 

「言い方!?」

 

西蓮寺の説明にギルは納得すると猿山に目を向けた。

 

「そうなると食い物も必要なんじゃないか?」

 

「…!」

 

ギルの言葉に猿山は頷くように指を指す。

 

「そこよ!場は揃えたとしても食べ物を出さなければ意味がない!だが、この服で予算も幾分か減ってしまった。ギルくん低予算で何か良いアイデアはないかね!?」

 

猿山から尋ねられたギルは顎に手を当てると考え、答えを浮かび上がらせた。

 

「…カツ丼」

 

「いや、カツを作るほどの予算がな…」

 

「ピザ」

 

「ソイツも予算が……」

 

「チャーシュー麺特盛」

 

「だから…」

 

「ちゃんこ鍋」

 

「違う…」

 

「満漢全席」

 

「低予算だって言ってんだろ!値段比例してどんどん上がってきてんだよぉ!しかも何で全部ガッツリ系!?喫茶店もクソもねぇ上にちゃんこ鍋は力士が食うやつだし!ていうか終いには喫茶店どころか大宴会になってるし!」

 

「何を言ってるんだ?肉ならそこらにいる蛇やカエルにイノシシでカバーができるだろ。そして野菜はツクシ、虫はタランチュラの腹。そして川魚」

 

「客に何食わせるつもりなんだよ!?喫茶店だって言ってんだろ!?アマゾンじゃねぇんだよ!」

 

それから話がまとまり、出し物は軽い手作りのケーキやムース、そして食べ物はオムライスやカレーとなったようだ。

 

 

そんな時だった。

 

「ん?」

 

ギルは窓の外から気配を感じ、目を向ける。見れば中庭の木の上から双眼鏡で此方を覗いている女性の姿があった。

 

それは数日前に自分に向けて木刀を振り下ろしてきた女子生徒であった。

 

「(何やってんだ…?)」

 

此方をずっと見つめているその不可解な行動に不思議に思いながらもギルは準備に取り掛かった。

 

 

 

 

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