Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。   作:きょうこつ

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ド怒りそして和解?

 

 

「ほぅ。あの声…アイツか」

突然と空から現れた宇宙船をギルは睨みつける。

 

その時だった。

 

「ギル〜!!」

 

「…ん?」

 

神社の入り口のある鳥居から声が聞こえ、見るとララがリトと共に走ってきており、ララはすぐさまギルを見つけると、両手を広げながら抱き締める。

 

「大丈夫ギル!?怪我してない!?」

 

「別に何ともねぇ。というか離れろ暑苦しい

 

抱き着きながら頬を擦り寄せてくるララをギルは右手で押し退けると宇宙船を睨み付ける。すると、宇宙船の下部が光出した。

 

「出てきたか」

光が地面に着くと同時に宇宙船の中から2頭身程の小柄な子供が姿を現した。

 

「じゃじゃじゃーん!ラコスポ参上だもん!」

 

「ラコスポ!?」

 

現れた子供にララは驚きの声をあげる。その一方で現れたらラコスポという異星人はララに目を向けると喜びの声を上げた。

 

「ララたん迎えにきたよ〜!!さぁボクと結婚するんだもん!」

 

「…!」

その顔を見た途端にララは眉間に眉を顰め嫌悪感を露わにすると舌を出し拒絶する。

 

「べー!やだよラコスポなんて!殺し屋さんにリトを狙わせるなんて最低!」

 

「な…さい…てい…!?」

 

ラコスポがララの言葉にショックを受けている中、ギルはラコスポへと目を向けた。

 

「よぅラコスポ。元気そうじゃねぇか。相変わらず諦めの悪い奴だな」

 

「げ!?…その声は…」

 

ギルが声を掛けた瞬間 ラコスポは落ち込むかの様に俯いていた顔を即座にあげると額から冷や汗を流しながら此方へと顔を向けた。そしてギルの顔を見るや否や額から更に汗を流し始める。

 

「ギ…ギル王子…!?」

 

「今更か。お前、俺が留守な時を狙って何度もララに言い寄ってたらしいじゃねぇか」

 

「そ…それは…」

 

ギルがラコスポへと鋭い目を向けながら威嚇混じりの声を上げている中、ラコスポから金色の闇へと目を変える。

 

「おい殺し屋。コイツになんて言われて依頼された?」

 

「…」

 

問いただされた金色の闇は答えた。

 

「……結城リトはデビルーク星の姫『ララ・サタリン・デビルーク』をたぶらかしデビルーク星の王位を奪おうとしている狡猾な男…故にデビルーク星の安泰のために殺して欲しい…と」

 

「へぇ。だからリトを狙っていたのか」

 

「お…おい金色の闇!何勝手に話してるんだもん!!」

 

「確認だよバーカ。そうかそんな情報だったか。だとすればそんな奴ならとっくに俺が消してる。それにたぶらかしてる?ララの頭脳を舐めてるのか?その手には一番強い事ぐらい婚約者なら把握しとけよ」

 

「ぐぬぬ…!!」

 

次々とギルに言い負かされたことによりラコスポは悔しがるかの様に歯を軋ませる。その一方で金色の闇はラコスポの情報が虚偽のものであると初めて知ったのか、静かながらも驚きの表情を浮かべた。

 

「では、私が受け取った情報はフェイク…という事でしょうか?」

 

「あぁ。証拠はないが、アイツの焦り様から見ればそう受け取れるだろ」

 

「…」

 

ギルの言葉に金色の闇はようやく自身が騙されている事を自覚し鋭く何の感慨も浮かばない不気味な目と刃に変形させた腕をラコスポへと向ける。

 

「ラコスポ…依頼の前に話した筈です。標的の情報は嘘偽りなく話すように…と。私を騙したのですね。随分と舐められたものです…落とし前として貴方“も”標的に加えます」

 

リト「“も”!?俺標的にされたまま!?」

 

金色の闇の言葉にギルは笑みを浮かべると怒りと侮辱が混じったかの様な混沌とした目をラコスポへと向けると拍手をする。

 

「そういう訳だラコスポ。お前はここで死ぬらしい。いやぁおめでたい!」

 

「な…ふざけるなだもん!!」

 

「何を怒ってるんだ?名誉な事じゃねぇか。宇宙でも名高い殺し屋さんに殺してもらえるんだからよう。死体はどこかの肥溜めにでも綺麗に埋めてやるから安心しな」

 

「そういう訳でラコスポ…肥溜めへの引導を渡して差し上げます…」

 

「ぐぬぬぬ…!!どいつもコイツも僕たんを馬鹿にしやがってぇ…許さないんだもぉぉん!!!」

 

ボロが出ると共に金色の闇にさえ見限られ糸口を失ったラコスポは眉間に皺を寄せ憤慨すると、宇宙船に向けて叫んだ。

 

「出てくるんだもん!ガマたん!」

 

「ニ”ャー」

 

すると宇宙船が光だし、奇妙な鳴き声と共にギル達が見上げる程の巨大なカエルの様な生物が姿を現した。

そのカエルを見たペケは驚きの声を上げた。

 

『あ…あれは珍獣イロガーマ…!!』

 

「イロガーマ?確か珍しい生物だよな」

 

『はい…もしそうでしたら私の天敵に…!!」

 

ペケがギルの質問に答える一方で、イロガーマという珍獣の背に乗ったラコスポは金色の闇に指を向ける。

 

「いっけー!ガマたん!!」

 

「ニ”ャー!!!」

 

ラコスポの指示に従うかのようにイロガーマは金色の闇に向けて口内から紫色の粘液を射出した。金色の闇はそれを跳躍する形で避ける。だが、その拍子に飛び散った粘液が脇腹に付着してしまった。

 

すると 粘液が付着した箇所にある衣服が段々と溶けていった。

 

「これは…!?」

 

咄嗟に金色の闇は着地すると、ただれた服の部分を抑える。

 

「は〜!はっはっは!イロガーマの吐き出す唾液には衣服だけを溶かす特殊な効果があるんだもん!」

 

「相変わらず生き物も趣味が悪いな」

 

「黙るだもん!!そらぁいけガマた〜ん!!」

 

「ニ”ャアー!!!」

 

ギルの横からの戯言にラコスポは怒りながらも金色の闇へと目を向けると、ガマたんへと指示を出し、ガマたんは鳴き声をあげると次々と唾液を金色の闇に向けて射出していった。

 

「…!!」

 

金色の闇は破れた箇所を押さえながら向かってくる唾液を次々と避けていく。だが、その動きは長くは続かなかった。

 

「!?」

 

その時、金色の闇の胸元へとその液体が付着してしまった。それによって胸元部分を覆っていた黒い衣服が溶けてしまい、前半身が丸出しになってしまう。

 

それによって金色の闇は羞恥心から赤面すると共にバランスを崩しギル達とは離れた方向へと着地する。

 

「ギャーハッハッハッ!!ざまぁ見ろだもん!」

 

「ぐ…」

 

金色の闇は赤面させながら曝け出された前半身を手で隠しラコスポを睨む。あと一発でも当たってしまえば確実に服が溶けてしまうだろう。

 

「これでもう全裸決定だも〜ん!!!ガマたんやれぇ!!」

 

ガマたんはラコスポの指示により再び口内を開けると粘液を射出した。射出された粘液は真っ直ぐと金色の闇へと向かっていく。

 

「く…!!」

 

「やめろぉぉぉ!!!」

 

リトが叫びながら飛び出すももう間に合わない。金色の闇は覚悟を決めたのか目を瞑った時だった。

 

 

ペチャ

 

 

金色の闇の前に影が飛び出し、身代わりになる様にして粘液を浴びた。

 

「ララ!?」

 

「プリンセス…!?」

 

リトと金色の闇が驚きの声をあげる。なんと飛び出したのはララだったのだ。粘液を浴びた事によりペケが生成した衣服が所々溶けていき、金色の闇と同じように胸や前半身が丸出しとなってしまった。

 

それを見たラコスポは興奮し始める。

 

「うっひょ〜!!ガマた〜ん!もっと近くに寄_いったぁ!?何するんだも〜ん!!」

 

ガマたんに指示を出して前に出ようとした時だった。ガマたんの背に乗るラコスポに石が投げつけられ、彼の頭へと強烈な一撃を見舞った。

 

「うるせぇ!女の子に何しやがんだ!!この変態野郎!!」

 

見ればリトが怒りの目を向けながらいくつもの石を抱えていたのだ。

 

「へ…変態だと…!?王族の僕たんに向かって〜…!!おのれ結城リト!何なら次はお前か____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい」

 

 

ラコスポがリトに向けて声を荒げた時だった。その場にもう1人の低い声が響き渡った。その声は声と捉えていいものではない。

 

 

『『___!?』』

 

その声が聞こえた瞬間その場が重圧に包まれ、リトとガマたんとラコスポそして金色の闇は身体を震わせた。

 

見れば先程まで達観していたギルが全身から黒いオーラを放ちながら今まで以上の鋭い目を浮かべていたのだ。その黒いオーラは嵐の様に湧き上がりそれによって髪が逆立ち額に付けられた深い傷が露わとなる。

 

 

「テメェ…いい加減にしろよ?」

 

 

その一言と共にギルはラコスポを睨みつけると一歩前に出た。

 

「「「…!?」」」

ギルがその一歩を踏み締めた瞬間にララを除いた一同は再び身体を震わせる。

 

「身を引けば許してやると思ってたんだが、一回、痛い目みないと分からねぇようだな」

 

彼を中心に風が吹き荒れ、辺りの木々が揺れ鳥達がざわめき出したのだ。普段ならばララとは相違ない風貌が今では完全に別のモノと判別できる程までに変化しており、その威圧感はあの金色の闇さえも震え上がらせていた。

そしてそれは生物であるガマたんことイロガーマとラコスポも同じだ。

 

「に…にゃ…」

 

「そ…その額の傷…まさかお前が…修羅の!?」

 

「ようやく気づいたか。お前の様な無知な奴が息子だなんて現国王に同情するよ」

 

ラコスポは驚きながらも即座に手を出しガマたんへと指示を出す。

 

「そ…そうだ!こ…今度はお前を全裸にしてやるんだもん!いくらお前でも全裸になっちゃえば闘えないんだもん!」

 

ラコスポは土壇場で焦っているのか咄嗟に思いついた作戦をガマたんへと伝える。

 

「ガマたん!アイツを全裸にするんだもん…!!」

 

「に…ニ”ャァ!!!!」

 

主人からの命令を聞いたガマたんは気圧されながらも調子を持ち直すと、ギルに向けて口元を開き粘液を射出しようとした。

 

 

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

「…!!!」

 

ギルの身体が消えると拳を構えながらラコスポの前に現れた。

 

「へ…!?」

 

「舐めんなよ」

ギルが前に現れた事でラコスポは一瞬にして勢いを失う。それに対してギルはまるでゴミを見るかの様な目を向けながら言い放った。

 

「お前の様な親が用意したデカイ椅子で我が物顔でふんぞりかえってるボンボンが一番嫌いなんだよ…!!!」

 

「ちょ…待つだもん!!僕は___グボバババババ!?」

 

最後まで言い掛けたその時。ギルの拳が消えると共にラコスポとガマたんの全身という全身に無数の連撃が放たれた。その拳は次々とラコスポとガマたんの身体へ脆い音を響かせながら撃ち込まれていき二人の身体を歪めていく。

 

「ぐべぼらぼがぎぶげぐばぼばへぇ…!?」

 

その乱撃はまだ止まらない。

 

そして 

ラコスポの鼻から血が流れ始め歯も何本か折れた時にはギルは乱舞を止め拳を大きく振りかぶった。

 

「金色の闇だけに手を出すつもりなら放っておいたが…姉に手を出した以上黙ってる訳ねぇだろクソが…!!」

 

 

 

その一言と共にガマたんの腹に拳が突き刺さり、その巨体を遥か彼方へ。そしてその直後に上から落ちてきたラコスポの顔面に向けて拳を放った。

 

「消えろ」

 

その一言と共に標準を合わせたギルの拳が落下してくるラコスポの顔面へと深々と突き刺さると彼の身体をガマたんの後を追わせるかのように空高く吹き飛ばした。

 

「ぐべらぁぁぁ…!!!」

 

拳によって吹き飛ばされたラコスポはガマたん共々、遥か遠くの空へと消えていったのであった。

 

「次来たら冗談抜きで星ごと消してやる」

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

それからラコスポを吹っ飛ばしたギルはカエルやラコスポを殴った手をパンパンと叩きながら振り払う。

 

「…」

 

そんな中、その光景をララの後ろから見ていた金色の闇はゆっくりと立ち上がるとララに目を向けた。

 

「プリンセス…何故、私を庇ったのですか…?」

 

「え?」

 

尋ねられたララは首を傾げると、何事もないかの様に答えた。

 

「だって悪いのはラコスポだもん。ヤミちゃんが襲われるのはおかしいでしょ?」

 

「や…ヤミ…ちゃん?」

 

唐突に自身をコードネームから取った安直な名前で呼ばれた事で金色の闇は首を傾げる。

 

「そ。ヤミちゃん。その方がいいでしょ?それにヤミちゃんは可愛いんだし」

 

「か…かわいい…ですか?」

 

今まで“たった1人”からしか掛けられた事のない言葉を再び掛けられた事に金色の闇は驚くと共に頬を赤く染める。

 

「あれ?どうしたの?」

 

「あ…いや、そう言われたのは凄く久しぶりですので…」

 

そんな時だった。

 

「おい」

 

「!?」

 

突然と肩を鳴らしていたギルが金色の闇の前に現れた。相変わらず鋭い目を向ける彼は着用していたロングコートを脱ぐと金色の闇の肩へと被せた。そのコートは所々に穴が空いているものの、丈が長いために全身の服がはだけ、裸も同然の金色の闇の身体を覆い隠した。

 

「え…なぜ…」

 

「そんな格好で歩かれたら岡っ引きにとっ捕まるだろ。これやるから今日はとっとと帰れ」

 

「…」

 

服の中に残るは微かな温もり。その温もりを感じた金色の闇は昔のある記憶を思い出した。

 

そんな中だった。

 

「な…なぁ。俺の疑いも晴れたからさ。もう大丈夫だよな…?」

 

「確かに。今回はラコスポのバカのでっち上げだからな」

 

リトが恐る恐る金色の闇へと尋ねる。その質問はイエスとも言えるだろう。今回は虚偽の情報を伝えたラコスポによる陰謀。情報が違えば標的では無くなるはずだ。

それについてギルも頷き金色の闇へと目を向けた。

 

それに対して金色の闇は何と首を横に振る。

 

「………いえ…一度依頼されれば必ず達成する事が私のモットーです…」

 

そう言い金色の闇は立ち上がるとコートの前のボタンを止めリトに目を向ける。

 

「結城リト…貴方を仕留めるまで私はここに滞在する事に決めました」

 

「なぬぅぅぅ!?」

 

「へぇ」

 

その答えにリトは目を飛び出す程まで驚くものの、その横ではギルとララが嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 

「やった〜!ヤミちゃんとまた一緒にいられるんだね!今度遊ぼうよ〜!」

 

「滞在するなら組手の相手もしてくれよ」

 

「ちょっと待てお前ラァァァ!!こんな時だけ意気投合すなぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

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