Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。   作:きょうこつ

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ルンレンレンルン

 

金色の闇との騒動が開けてより1週間。

 

今日もギルはララやリトと共に登校していた。もうすぐ新学期が始まるがまだ一年である皆は特に表情に変化はない。

 

「ふわぁ…」

 

「疲れてるのか?」

 

「あぁ…。古手川が苦手な分野があるって言ってたから夜遅くまで教えてたんだよ…」

 

そう言いギルはLINEの連絡画面を見せた。そこには深夜まで数時間に渡り通話した記録が残っており、地球の機器をアッサリと使いこなすその順応速度にリトは苦笑する。

 

「順応早いな…それにお前も勉強が得意だったなんて…」

 

「あぁ。学びは嫌いじゃないからな。それに教えた方が俺も伸びやすい」

そう言いながらギルは再び大きくあくびをする。それを見ていたリトはララを見た。

 

「そ…そういえばララも勉強得意だよな…?」

 

「うん!最初は分からなかったけどちょっと見れば慣れちゃうよ!」

 

「だぁぁ!!!何か複雑だぁぁ!!!」

 

 

それから3人は学校へと到着したのだった。

 

 

だが、そんな光景を校舎の窓から覗く影があった。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

時は進み昼休み前の3時限目。

 

 

「よっと。ほ〜らリト」

 

「おぅ!!!」

 

体育でサッカーの練習をしていたリトはギルからパスされたボールを足で受け止めると、目の前に佇むゴールに向けて思い切り脚を振り回した。

 

 

「うぉりゃあ!!!」

 

 

蹴り飛ばされたボールは勢いをつける事なく、何故か高くポーンと、ゴールとは明後日の方向へと飛んでいった。

 

「なぁ!?どこに蹴ってんだよ!?」

 

「悪い!!ちょっと取ってくる!!」

 

猿山に手を合わせながらリトはそのままボールを追っていく。

 

一方で、蹴り上げられたボールはゆっくりと落下していき____

 

 

_____渡り廊下を歩いていた女子生徒の顔面へとクリーンヒットしてしまった。

 

「なぁ!?おい大丈夫か!?」

 

偶然にもその現場を見てしまったリトは責任を感じ、安否を取る前に女生徒を担ぎ、保健室へと向かったのであった。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

その後、保健室へと着いたリトは、担当医である御門に経緯を話すと共に彼女を診てもらった。その結果、軽い脳しんとうと判断され、安静に寝かせるという結果となった。

 

診察が終わると御門は職員室へと向かい、リトは彼女が目覚めるまで側にいるべく保健室で待機していた。

因みにリトが助けた少女は普通の女子生徒とは全く異なり、小柄な身体であるが、あまり見られない桃色の髪を後ろに流し、ふっくらとした唇と大きな目が特徴的な大変美しい美少女であった。

 

すると

 

「…んん…?」

 

その女子生徒の目がゆっくりと開き、それを見たリトは驚きの声を上げながら駆け寄った。

 

「気がついた!?」

 

「…」

 

「えっと、その、俺のボールが当たっちゃったんだ!ほんとごめんな!俺のミスで…」

ゆっくりと上半身を起こした女子生徒にリトは何が起きたのかを説明すると共に謝罪をする。

 

だが、その少女は何故か輝く瞳をずっとリトへと向けていた。

 

 

「あれ…?どうかした…?」

 

 

リトは恐る恐る尋ねる。

 

 

その瞬間

 

「リートく〜ん!!!」

 

「うわぁ!?」

 

少女はパァと顔を明るくさせると、自身の名前を呼びながら抱きついて来た。彼女の高校生にしては豊満な胸が押し付けられた事でリトは顔を真っ赤にさせるが、少女は気にする事なくその身体を押し付けてきた。

 

「うれしい!やっと二人っきりになれたね!!これでやっと気持ちが伝えられる!!」

 

「はぁ!?ちょ…待って!!気持ちってなんだよ!?」

 

リトは咄嗟に彼女から離れ、尋ねると彼女は顔を真っ赤にさせながらも口にした。

 

 

「私…貴方が好き!!私と付き合ってください!!」

 

 

 

『付き合ってください』

 

 

その言葉は思春期真っ盛りな上に生涯において一度も言われた事がないリトの思考を一瞬にして停止させた。

 

「(付き合ってください…?えぇ!?いま告白されたのかぁ!?)」

 

だが、驚く気持ちを抑え込み、今の自身が好いている西蓮寺の顔を思い浮かべる。

 

「あ…あのさキミ…」

 

「分かってる!リトくんには既に好きな人がいる事くらい…でも…」

 

すると、少女は口元を隠しながら瞳を震わせる。

 

「貴方とのキスが今でも忘れられないの…」

 

「えぇ!?」

 

その言葉によってリトの冷静さはすぐさま消し去られた。

 

「き…きききキスって!?俺、キミとキスなんて一度も!!」

 

「…まぁ。覚えてないのも無理ないか…」

リトは手をバタバタさせながら彼女の言葉に疑問を抱き、すぐさま訂正するかの様に言うと、彼女は妖艶な笑みを浮かべながら唇を舐め、ゆっくりと近づいてくる。

 

そして 

 

「じゃあ〜もう一度…♡」

 

リトの身体に自身の身体を預けるかの様に抱きつくと、人差し指で胸元をなぞる。再び身体を押し付けられた事でリトはもはや抵抗する判断さえもできなくなり、そんな隙を狙っていたのか彼女はリトの頬を挟み込むとゆっくりと唇を近づけていった。

 

「リト君…♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

「真昼間から何やってんだ?クソアマぁ」

 

「ふぎゃぁ!?」

 

背後から一人の影が現れると共に口付けをしようとした少女の頭を掴んだ。それによって少女は悲鳴を上げ、その悲鳴に正気を取り戻したリトは少女の頭を掴む影へと目を向けた。

 

「ギル!?」

 

「よぅ」

それはなんとギルであった。

 

「私もいるよ〜♪」

ついでにララも一緒である。

 

二人がいることに驚く一方で、掴まれた少女も自身の背後に立っていたのがギルであると知ると冷や汗を流し始めた。

 

「ぎ…ギル王子…!?」

 

「久し振りだな『ルン』」

 

ギルを見た途端にルンと呼ばれた少女は先程のときめいた表情は何処へやら。一気に顔を青ざめ、脚をガクガクと震わせた。

 

「えっと…いつからそこに…?」

 

「リトが戻ってこねぇから呼びに来たんだよ。それよりも、王族がこんな真昼間から性交渉だぁ?少しは場を弁えれねぇのか?」

 

「な…なによ!私よりチビのくせに!!」

 

「あ"ぁ…?」

 

その言葉によって、ギルの額に青筋が浮かび上がると、ギルは恐ろしい笑みを浮かべ上げる。

 

「俺が一番嫌いな悪口をキッパリと言うたぁ良い度胸じゃねぇかぁ…?成長したなぁ…!!」

 

「にゃぁぁぁ!!!!」

笑みを浮かべたギルのルンを掴んでいた腕の力が増し始め、彼女の悲鳴が響き渡る。

 

「ちょっと!!女の子にこんな…ぴぎゃぁぁぁ!!!!」

 

「何だってぇ…?よぉ〜く聞こえなかったなぁぁ〜!!!」

 

「ひぃいい!!!それ以上力入れないで!!ごめん!!!ごめんなさい!!謝りますから許してください皇子!!魔王!!いや大魔王ギル様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

それから無事にギルから解放されたルンはベッドの上で荒い息を吐いていた。先程の光景をララと共に目にしていたリトは不思議に思いギルとララへと尋ねた。

 

「えっと…知り合いなのか?」

 

「ん?あぁ。それにお前も一度は会ってるだろ」

 

「え?」

 

ギルから返された言葉にリトは尚も理解できずララへと目を向けると彼女もギルと同意見なのか、うんうんと頷いていた。

 

「まぁ、分からねぇだろうな。取り敢えず……と」

 

「ぐぇ!?」

 

すると、ギルはティッシュを一枚取り出し先端部分を纏めると、下を向いていたルンの顔を掴み、無理やり上げると鼻の穴をくすぐった。

 

「ちょ…!?へ…へぇ……くしょんッ!!!!」

 

 

 

その瞬間

 

 

 

その姿は以前、リトと一悶着起こしたレンとなってしまった。

 

 

「えええええ!?」

 

「うわぁぁぁ!!!なんでこんな時にぃぃ!!!」

 

突如としてレンに戻った事にリトが驚きの声を上げる一方で、女子の制服を着ていたレン自身も驚き、すぐさまスカートの裾を掴む。

 

「あ!!」

そんな中、彼は内側から見ていたのか、近くに立っていたギルを睨みつける。

 

「ギル貴様ぁ!!!よくも僕の妹に…」

 

そう言いレンはギルに向けて殴りかかろうとするが_____

 

「じゃあ妹の教育ぐらいちゃんとしろやボケェ!!」

 

「べふぅ!?」

 

____見事に殴り飛ばされ返り討ちとなったのだった。

 

 

それから戻ってきた御門からレンとルンの正体がメモルゼ星人であり、彼ら彼女らの特別な性質を教えられたリトは、その性質を用いて再びルンに戻そうと胡椒を手に持つララにレンが追いかけられているシュールな光景を、先程のルンと重ねながら複雑そうに見つめていたのであった。

 

 

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