Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。 作:きょうこつ
地球へと着いたギルは辺りを見回す。
見えるのは母国とは一味違う街並み。辺りには住宅地が多いので、ここはビル街から離れた住宅街だろう。そんな中、宇宙船の中から、ギルを連れて来てくれた女性が出てきた。
「取り敢えず、家に入りましょう。親衛隊の人達が来るまでは私の所に住んでていいから」
「わかった」
彼を招き入れる彼女は 見た目は少し過激だが、銀河でも名を馳せる凄腕の医者だ。例えばこの女 誰とも徒党を組まず、束縛を嫌う。極限に磨かれた技術と膨大な知能が彼女の武器だ。気のままに訪ねてくる人々をただ治療する一匹狼の女医である彼女の名は『御門 涼子』
またの名を_________『ドクター御門』
〜♪
「おい音楽止めろ」
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「はい。いつものコーヒーよ」
「どうも」
渡されたカップをギルは受け取ると口に運ぶ。淹れたてなので、常人ならばいきなり飲み干すことは不能だが、彼は物ともせずにすぐさま飲み干した。
「お風呂はどうする?なんなら、入れてあげるけど」
「いや…シャワーだけ借りる………入ってくるなよ?」
「うふふ。もちろん♪」
「…」
風呂場へ向かうギルを御門は微笑みながら見送る。因みに、これまで何度も彼は御門宅へお邪魔していた時期があり、その時は毎回彼女と一緒に入っていたのだ。彼女曰く、『水道光熱費』の節約らしいが、明らかに違うだろう。
それから、数分後
風呂から上がり髪を乾かしたギルは布団に座り込み、連絡機を操作する。
「さて……そろそろアイツらも着いてる頃じゃねぇかな…」
そう言い親衛隊であるザスティンへ連絡しようとした時だった。
「ララ様!」
「お待ち下さい!」
複数の男性の声が外から聞こえた。その瞬間 ギルは目の色を変えた。
「ようやく見つけた…。御門!ちょっと俺は出るぞ」
シャワー室に向かって言いながらギルは服を着ると外へと出た。
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俺の名前は結城リト
ごく普通の高校生だ。
俺は今……走っていた。屋根の上を……
その理由は…手を引き一緒に走っている女の子にある。
コイツは宇宙人であり、スーツを着た怪しい奴らに狙われているらしい。
最初は馬鹿馬鹿しいと思っていたが、男達が部屋に凸って来た時は肝が冷えガチだと確信した。
そして俺は男達から逃げる為に屋根の上を走っていたのだ。
そいつを連れて。
ちくしょぉぉぉ!!幾らなんでも急展開すぎるだろ!!あれか!?春菜ちゃんに告白しようとした時にちょくちょく飛来物とか象とか現れたけどあれは予兆だったのか!?ホントに何から何まで分かんねぇ!!
そんな風に心の中で絶叫している間に、とうとう公園まで走ってきてしまった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
俺は息をついている。スポーツをやっている為、長距離走るのは慣れてはいるが、そんな俺でも息を激しく吸ったり吐いたりしているので、相当の距離を走った事が分かる。そんな俺にずっと引かれているのに、このララという女の子は疲れの一汗もかいていなかった。
「ごめんね。私の事なのにリトを巻き込んじゃって…」
謝ってきたが、俺は別にいいと返した。それよりも、少し気になる。コイツは何故アイツらに追われているんだと、それ相応の事情があると思い、俺は質問してみた。
「気になってたけど…何があってお前…アイツらか逃げてんの…?」
「え?あ〜!まだ言ってなかったね。実は私ね……
「見つけましたぞ」
『!?』
ララが言いかけた寸前に声が聞こえ、さっきの変な3人組が暗闇から現れた。
「さぁ!もう逃げられません!我らと共に帰りましょう!」
………は?
帰る?どういう事だ?
「嫌よ!帰ったらまたお見合いお見合いって!もういい加減にしてよ!」
お見合い!?はぁ!?
俺がどういう事だと追求しようとした時、ララが何かを取り出した。
それはまるでタコのような機械だった。
「まずい!ララ様の発明品だ!」
「は…離れるぞ!」
えぇ!?あの機械見た瞬間 あの人たち凄え焦り出したぞ!?そんなにヤバイ奴なのか!?あの機械は!
俺は驚いているとララは空中に飛び上がりその機械を上に放り投げた。
その瞬間 その機械の目が光ると同時に巨大化し、吸盤の部分から音がしたかと思うととてつもない風が吹き始めた。
『ギャァァァァ!!!』
目が回る…!!俺と一緒にあの男達も巻き込まれており、吸い込まれるようにタコの口の中へと消えていった。
俺もこのままじゃ吸い込まれちまうと思いすぐさまララに向かって叫んだ。
「おぉおおい!!!ララ〜!!!止めてくれ〜!!!」
これを作ったのがララなのだから必ず止める方法は分かるはずだ!
そういう希望を抱きながら叫んだ。
「……ごめんねリト…止め方忘れちゃった♪」
は……はぁぁぁぁぁぁ!?
「ちくしょぉぉぉ!!」
そして俺はタコの口の中へと吸い込まれていった。
ガンッ
「…!?なんだ!?」
その時、タコのロボットから何かを叩いたような音が聞こえた。
その直後
「オラァァァァァッ!!!!」
突然鳴り響いた雷のような叫び声と共に何かがタコのロボットを貫いた。するとタコのロボットは作動を停止した瞬間、全身の至る所から蒸気や電気を発して
数秒後に……
大爆発した。
俺はその衝撃と爆音で意識を失った。
失う際に目に映ったのは……2人のララだった。