Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。   作:きょうこつ

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二年生へ

 

 

桜舞う通学路。多くの社会人や学生などが行き交う道をギルはリト、ララと共に歩いていた。

 

「なぁギル。お前しばらく見なかったけど何してたんだ?」

 

リトから尋ねられたギルは地球から戻ってからしていた事について思い出し答えた。

 

「御門の家でテレビ見てた。そしたら熊を駆除した際に熊に遭遇した事もねぇ県外の奴らがゴチャゴチャとクレーム入れて業務妨害したニュースがあってな。そんでその苦情入れる奴らの正当性と不当性について御門と考えてた」

 

「すまん…何言ってるか分からん…」

 

「結局出てきた答えが『そもそも専門的知識のいる危険な仕事に知識どころか、行動も起こさない、ましてや県の住民でもない奴らが『可哀想』だのなんだの綺麗事並べながらゴチャゴチャと外野から口にするのは関係のない第三者目線からのクレームという不快極まりない行為であり、業務妨害にあたる故に正当性は全くない』と言うようになった」

 

「だから何を言ってんだよ!?」

 

「そんで、御門と話してたら、北海道で働いてる知り合いの宇宙人から丁度、電話が来てその愚痴を聞かされてな。逆探知が得意な知り合いも呼んで、掛けてきた奴を20人ぐらい特定して捕まえて腹を空かせた熊が出る野山に」

 

「もうやめろぉおおお!!!」

 

「しかもそれが結構面白くてな。ソイツら熊殺すなとか可哀想とか一丁前に言ってた癖にいざクマの前に立ったら助けてくれ〜!とか早くこの熊殺せ〜!!とか、逃げ惑いながら___」

 

「やめろって言ってんだろーがぁ!?」

 

「最後の最後に頭噛み砕かれる前に熊気絶させたら大泣きして『熊怖ーい』って。それがマジでツボにな___」

 

「わぁー!!!わぁーわぁー!!!!」

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

それから通学路を歩き3人は学校へと到着した。

 

見れば昇降口には新しいクラスが割り振られた紙があり、皆は自身がどのクラスの子と一緒なのかワクワクとしながら見ていた。

 

「リトとギルが一緒だといいな〜!」

 

「そうだな。離れてちゃ、制止できねぇし」

 

そう言いながらギルはララとクラス表を覗くと、そこには同じクラスの欄にギルとララとリトの名前があった。

 

それを見たララは満面の笑みを浮かべるとリトに抱き着いた。

 

「あ!あったよ!!二年生も一緒だね〜!」

 

「おい!?人前で抱きつくなよ!?」

 

「俺も安心したよ。……ん?」

 

そんな中で、ギルは何か気になる名前を見つけたのか、もう一度クラス表を見る。

 

そこには自身と交流のある女子生徒の名前があった。

 

「コイツは…」

 

すると

 

「貴方達!朝からこんな人前でイチャつくなんてハレンチよ!」

 

背後から凛とした声が響く。その声に驚いたリトやララ、そしてギルは振り向くとそこには古手川の姿があった。それを見たララは目を輝かせる。

 

「あ!唯だ!」

 

「き…気安く名前で呼ばないで!1学年では好き勝手にやっていたそうだけど、私が同じクラスになったからにはそうはさせないわよ!」

 

「えぇ!?俺達がなにを!?」

古手川から指を向けられたリトが驚き尋ねると、彼女は顔を真っ赤にさせながら答える。

 

「惚けても無駄よ!!私は全部見ていたんだから!そ…その…廊下で裸になったり…」

 

「そ…それはララの…」

 

それに対してリトはララの発明品が原因である事を思い出し、咄嗟に声を出そうとするも、彼女はララの尻尾へと目を向けていた。

 

「やっぱりギルくんと同じ…尻尾が生えているのね…」

 

「え?あ〜この尻尾は…」

 

ララが尻尾について説明しようとした時であった。

 

「本物の尻尾なんでしょ〜?宇宙人だもんね〜♪」

 

「ひやぁ!?」

 

背後から同じクラスである籾岡と沢田が現れ、ララの尻尾をやらしい手つきで触り始めた。それによってララは顔を真っ赤に染め上げる。

 

「え…宇宙人…?」

 

「あ!いやその…」

 

驚く古手川に対してリトは咄嗟に説明しようとするが、籾岡は続けるようにララの尻尾を触りだす。

 

「そしてこの尻尾は〜弱点なんでしょ〜♪」

 

「ひょわぁ〜!!」

 

それによってララは顔を真っ赤に染め上げながら喘ぎ声を上げ、それを聞いた古手川は顔を真っ赤に染めた。

 

「ち…ちょ!?廊下でなんて声を!?」

 

 

すると

 

「いい加減にしろ」

 

「「ぎゃふん!?」」

 

ララの尻尾を触る二人の頭にギルの拳骨が降ろされ、その場に倒れた。

 

「目の前で喘ぎ声出しながら悶えてる姉の姿を見る弟である俺の気持ちを考えてくれませんかね…?」

 

「あははは!いやぁ〜ギルルンだったらシスコンに目覚めて興奮す___」

 

「する訳ねぇだろアバズレが」

 

「ひど!?」

 

 

そんな時であった。

 

「うぉおおい!結城リトぉおお僕が別クラスとはどういう事だぁぁ!!!」

 

「うぉ!?レン!?」

 

突如として激おこプンプンしながらレンが駆け寄ってくると、涙を流しながらリトの胸ぐらを掴み上げた。

 

「これはきっと裏工作だ!!!お前が根回ししたんだろぉ!!!」

 

「いやいやいやいや!俺じゃねぇって!!」

 

すると

 

「うっせぇ!!!」

 

「「ぎゃふん!?」」

 

「喧嘩なら面でやれ!!」

 

同じくギルの拳骨が二人へと炸裂すると共に、新たなる2学年生活が幕を開けるのであった。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

そんなこんなで2学年が始まってより数日。ある休み時間にて__。

 

「へぇ?初めて来たけど、随分と使われてないな」

 

「そりゃあ〜旧校舎だからね〜」

 

ギルはリト達と共に旧校舎に侵入していた。事の発端は休み時間の時の沢田や籾岡の幽霊が出ると言う噂話であり、興味を持ったララがリトや西蓮寺、そしてギルを誘った事で今に至る。

 

周囲はとても薄暗く、蜘蛛の巣や傷んだ木材のギシギシと鳴る音が聞こえ、不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

 

「そういや…おい、リトは来たことあんのか?」

 

「いや?俺はあんまり…」

 

リトが首を横に振ると今度はギルは西蓮寺へと目を向ける。

 

「青髪デ子は?」

 

「あ…あの…ないけど…そろそろ苗字か名前で呼んでくれないかな〜…」

 

それから四人が進んでいった時であった。

 

 

「……誰かいるな」

 

「「「!?」」」

 

ギルの溢した言葉に皆は驚き、ギルやララの背後に隠れた。

 

「いるのか…!?」

 

「あぁ。この扉の向こうに」

 

リトに答えながらギルは通路の横にある教室の戸へと目を向けた。

 

 

 

すると

 

 

ギシ…ギシ…ギシ…

 

その扉の向こうから何者かが此方へと歩いてくる足音が聞こえてきた。

 

「ひゃい!?ま…まさか本当に…!?」

 

「いや、足音が聞こえる時点で実体ですよ。それにこの気配は…」

 

悲鳴をあげようとした西蓮寺に返しながらギルは扉へと手を掛けた。

 

「お…おいギル!もしかしたら潜伏してる殺人鬼っていうのも…」

 

「いたらいたで八つ裂きにすればいい」

 

「怖ぇ事言うなよ!?」

 

 

そしてギルはゆっくりと扉を開けた。

 

 

ガラガラガラガラ

 

扉を開けると共に光が差し込む。そこにいたのは______

 

 

「……あ。プリンスにプリンセス…」

 

殺し屋である金色の闇であった。

 

「あ!ヤミちゃんだ!」

 

「なんだお前か」

ーーーーーーーー

 

その後、金色の闇と再び会ったギルは突然と現れた金色の闇へと尋ねた。

 

「んで、たい焼き女。何でお前がここにいる?」

 

「たい焼き女…?ここには古い蔵書があるので読み漁ってたんです…プリンスこそなぜ大勢でここに…?」

 

「ララから旧校舎の噂を聞いてな。それで___」

 

「わ〜!!」

 

「か〜わぃぃ〜!!」

 

ギルが金色の闇への質問に応えようとすると、それよりも前に後ろで控えていた籾岡と沢田が飛び出して金色の闇に抱きついた。

 

「へぇ!ヤミちゃんって言うんだ〜!!」

 

「肌プニプニ〜!」

 

「いやあの…少し離れて欲しいです……ん?」

 

その時であった。

 

 

ヒュン…

 

「あ…あれ!?」

 

沢田と籾岡から一瞬にして離れた金色の闇は目の前の廊下の先から何者かの気配を感じ取った。

 

「プリンス…」

 

「あぁ。何かいるな」

 

同じくその気配を彼女よりも先に感じ取っていたギルもその先を睨みつけると、威嚇するべく全身から黒いオーラを出す。

 

 

「そこにいる奴出てこい。じゃねぇと旧校舎ごと消し炭にするぞ…?」

 

「うぉぉぉい!?何言ってんだよぉ!?」

 

ギルの殺気混じりに放たれた言葉に咄嗟にリトは突っ込むが、どうやらギルは冗談ではないらしく、目の前の暗闇に向けて鋭い目を向けながら拳を構えていた。

 

 

すると

 

 

「え…?あ…あの…私…だけど…」

 

その気配の主が何やら聞き覚えのある声と共に動き出し、ゆっくりと此方に歩いてきた。

 

その気配の正体は……

 

「…ん?何だ唯か〜!」

 

「な……何だとは何よララさん!!」

 

風紀委員長である古手川であった。

 

「それよりも西蓮寺さん!!クラス委員の貴方がこんなところで何をしているの!?本来なら注意する立場でしょ!」

 

「ひぃ!?ご…ごめんなさぃ…」

 

「全く……ひぃ!?」

 

そんな中で、古手川が振り返り不意にギルと目があった瞬間、全身を震え上がらせた。それもそうだ。あれ程の濃密な殺気を向けられていたのだから。

 

「あ〜」

その気配が古手川であると理解したギルは先程までの表情を一変させた。

 

「なんだ委員長じゃないですか〜そうならそうと言ってくださいよ〜」

 

「いやぁ!!怖い怖い怖い!!情緒どうなってるのよ!?」

 

その変わりように流石の古手川も涙を流しながら絶叫しドン引きするのであった。

 

そんな賑やかな光景を白い人影が朽ちた家具の影から覗いていた。

 

 

 

その一方で、古手川が皆の行動に呆れ果てていると、

 

 

___ミシ。

 

突然と床が軋み始める。

 

「あ…あれ?何か嫌な音が…」

 

「え…?」

 

リトの言葉に古手川は何が何なのか分からず、思わず軋んだにも関わらず、振り返るために数歩動いた。

 

 

 

その時であった。

 

 

ガシャァァァン!

 

 

古手川が一歩を踏み締めたと同時に突然と床の板が崩れ落ちた。

 

 

「え?きゃぁ!?」

 

「うわぁああああ!?」

 

「いやぁあああ!!何これぇ!?」

 

「んあ?」

それによって崩れた場所に立っていたリト、西蓮寺、ララ、古手川、ギルの身体はそのまま下へと落下していった。

 

ーーーーーーーー

 

それから落下した皆の中で、ギルとララは普通に着地するが、リト、西蓮寺、古手川は尻から落ちてしまった。

 

「よっと…大丈夫かお前ら?」

 

「いつつ…な…何とか…」

 

そう言いリトは尻を押さえながらゆっくりと立ち上がる。その際に目の前に下着が取れかかっていた西蓮寺の太ももが目に映り、彼女からビンタをお見舞いされたのはまた別の話である。

 

「それよりも…随分と落ちたわね…」

 

古手川の言葉通り、ギルも周囲を見渡すと、周囲には埃が舞い、先ほどまでいた階層がとても高い位置に見えているため、3階から落ちたものと見られるだろう。

 

「あの…皆と合流してすぐに外に出よう…さっきから『出て行け』って…きっと幽霊の声だよ…」

 

「い…いやいや!幽霊なんて迷信よそんなもの!!」

 

西蓮寺は涙を流しながら提案する。それに対して、古手川は震えながらも必死に言い聞かせるように強く言う。一方で、ギルも西蓮寺と同様に先程からその声が聞こえていたのか周囲を見渡していた。

 

「確かに…さっきから妙な気配がちらほら感じるな」

 

「な…!?ぎぎぎぎ…ギルくん!?幾ら何でも冗談が…!!」

 

「俺はあまり冗談は言いませんよ。増してや______

 

 

 

 

 

______敵意を向けられてる空間では」

 

 

「「「!?」」」

 

ギルの言葉に古手川は勿論だが、リトに手を握られながら立ちあがろうとした西蓮寺、そしてリトは目を震わせた。

 

 

その時であった。

 

 

〜♪

 

「「「「!?」」」」

 

どこからともなくピアノの音が聞こえた。誰もいるはずのない付近の音楽室から聞こえてくるその音にギル、ララ以外の3人は恐怖のあまり更に身体を震わせていった。

 

 

それだけではない。

 

 

 

ゴゴゴゴゴ___!!!

 

「な…なんだ!?天井が揺れてる!?」

 

突然と天井が音を立てながら軋み始めた。その音は益々大きくなっていく。

 

 

 

その瞬間

 

 

 

ガシャァァァン!!

 

 

「「「「!?」」」」

 

先程と同じく、目の前の天井が崩れ落ちると共に一つ目の巨大なタコのような異形な怪物が落ちてきた。

 

「ば…化け物だぁぁ!!!」

 

「あ〜?なんだ、この手の奴か。…ん?」

 

リトが騒ぐ中、ギルはそのタコ型の怪物の触手に金色の闇が囚われている姿を確認した。

 

「おいたい焼き女〜何だその様は〜?その程度の奴すぐに八つ裂きにできるだろ〜?」

 

「うぅ…プリンス…残念ながら私…ニュルニュルには弱く…」

 

「ハッ。宇宙一の殺し屋がニュルニュル嫌いなんざ聞いて呆れるわ」

 

「言ってる場合かぁ!?」

 

リトがギルに突っ込む中、金色の闇と同じく触手に囚われている籾岡や沢田を救出しようとしたララまでもが触手に捕えられてしまった。

 

「な…ララまで捕まっちまった…どうすれば……」

 

 

リトが戸惑う中、彼女らを捕えたタコ型の怪物は鋭い眼光を此方へと向けた。

 

 

すると、ギル達の立つ場所の背後にある暗闇の奥から、更に多くの影が現れた。

 

___ククク…逃さねぇぞ?

 

_生きて帰れると思うなよ…

 

 

その声を耳にした古手川は振り向くと、身体を震わせながらギルにしがみついた。

 

「ギル…くん…!!も…もっと増え…た…!!」

 

「あ〜。分かってますよ」

 

古手川の言葉にギルは最初から気づいていたのか振り返りもせず、答えた。

 

「めちゃめちゃいるんですよね?変な奴らが」

 

そういうギルの背後には、多くの異形な姿をした怪物達が立っており、他の教室からも次々と出てきた。

 

「グハハハ!俺達のナワバリに侵入してきた事を後悔するがいい!!」

 

現れた怪物達はタコ型の怪物と同じく鋭い眼光を向けながらギルやリト、古手川、西蓮寺達を取り囲んだ。

 

「ひぃ…!!そ…そうよ!これはきっと夢なんだわ!そうよ夢よ夢!!」

 

「お…落ち着け古手川ぁ!西蓮寺もしっかりしろ!!おいギル!どうする!?」

 

背後でパニックに陥る古手川を宥め、気絶した西蓮寺を譲っていたリトはどうすれば良いのか自身でも分からずギルに尋ねる。

 

「まぁそうだな」

リトから尋ねられたギルは、この状況下でありながらもまるで何とも思っていないのか、冷静に周囲を見渡しながら答えた。

 

「まずは簡単に謝罪だな」

 

「はぁ!?」

 

リトが驚く中、ギルは前に出る。

 

「お…おい!大丈夫なのか!?」

 

「心配するな。俺に任せろ」

 

そう言いギルはサムズアップすると怪物達に目を向けた。

 

 

「……騒がせてすまなかった。お前達のナワバリとは知らずに勝手に足を踏み入れてしまって」

 

その言葉と共に、何とギルは怪物達に向けて頭を下げた。以前のギブリーとの騒動の時とは全く別人であり、その冷静な様子にリトやララは驚きの目を向けた。

 

その一方で、頭を下げたギルは顔を上げる。

 

「すぐに出ていくから縛り上げてる奴らも解放してくれないか?」

 

穏やかな声と共に静かな、相手を刺激しないような柔らかな声でギルは彼らに頼み込んだ。

 

その様子を背後から見ていた古手川も彼の普段の冷静さを見ている事から、彼のどんな状況下でも冷静でいられる胆力に改めて感服した。

 

 

 

だが、それを無碍にしてしまうほど、恐ろしい事態に陥ってしまう事となった。

 

 

 

ガンッ!!!

 

 

「「「「!?」」」」

 

突然と目の前から消化器が飛び出し、彼の頭へと直撃した。

 

周囲に響いた音と共に直撃した消化器は地面へと転がり、ギルの額からは血が流れ落ちる。

 

 

すると

 

「だ〜れが離すかよぉ!!」

 

その消化器を投げたらしき巨大な一つ目の鬼のような怪物が声を上げた。それに続き周りの怪物達も声を上げ始める。

 

「最初言ってたの聞こえなかったのかぁ〜!?」

 

「絶対出す訳ねぇだろぉ〜?侵入した以上ここでぶっ殺してやらぁ!!!」

 

そう言い周囲の怪物達も先程と同じく活気立っていく。

 

「ギルく__ちょ結城くん!?」

 

額からは血を流すギルをすぐさま介抱しようとした古手川を即座にリトは止めた。

 

「マジで行かない方が良い…ギルの奴…今にもキレそうだ…!」

 

「え…?」

 

 

すると

 

 

ゾワ__!!

 

 

古手川の全身をとてつもなく冷たい殺気が撫でた。その感触に驚いた古手川が目を向けると、そこには全身から黒いオーラを発するギルの姿があった。

 

「……」

ギルの全身から次々と溢れ出るオーラは激しさを増していき床を軋ませていった。

 

「こっちが下手に出てやってれば……いい気になりやがって…」

 

そして、その黒いオーラを纏ったギルは拳を鳴らしながら怪物達へと目を向ける。

 

「ボコボコにされる覚悟はできてんだろぅなぁ〜!?」

 

「「「「「「……へ!?」」」」」」」

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

あれから数分後。

 

 

「ず…ずびばぜん…がんべんじでくだじゃい……」

 

リトやララ達の目の前にはボコボコにされた怪物達が倒れている光景が広がっていた。リトや古手川達を取り囲んでいた狼男やミイラ男、魚人のような怪物達はそれぞれ顔面が腫れ上がり大量の鼻血を垂れ流しており、ララや金色の闇達を捕えていたタコ型の怪物は顔面に亀裂が走り、歯も何本かへし折られていた。

 

 

「おい…テメェさっき俺に消化器ぶん投げてきた奴だよなぁ…?ちゃんと見てたぞ…?俺じゃなかったら死んでたぞ?分かってんのか?おい」

 

「ばい…わがりばず…おでがいだがだ指をぐいごばぜだいで…(はい分かります…お願いですから指を食い込ませないで…)」

 

その中心地でギルは消化器を投げつけたらしき怪物の胸ぐらを掴み上げていた。その怪物の顔面は何度も何度も殴られたのか酷く腫れ上がっており、目元からは大量の涙を流していた。

 

「ぎ…ギルくんはまともだと思ってたのに…」

 

「こ…こここ…怖いよぉ…!!」

 

「もうギルルンからかうのやめよ…」

 

「私も…」

 

「もぅ!ギルったらまた乱暴して!」

 

「それどころじゃねぇだろ!?」

 

あまりにもの無惨なその光景に古手川や目を覚ました西蓮寺、籾岡、沢田はカタカタカタと震えながらギルを見つめており、ララが呆れる中、リトはそれに突っ込んでいた。

 

「……プリンス、気づいていると思いますが、彼らは幽霊などではなく、普通の異星人です」

 

「あぁ。気配がハッキリしてたから大体は分かっていた。なぜお前らはこんなとこにいた?」

 

そう言いギルは襟首を離して開放すると、彼らにここにいる理由を尋ねた。すると、倒れていたタコ型の異星人が悔し気味に答えた。

 

「うぅ…俺達は故郷の星をリストラされたのさ…行く当てもなく彷徨っていたらここに辿り着いて…偶然にも同じ奴らが集まってな…」

 

「成る程。だから幽霊騒動を起こしてたのか」

 

異星人達が集まっていた理由を理解したギルはようやく幽霊騒動についても理解した。

 

「まぁそうなると、お前らのナワバリに侵入した俺たちが悪かったな」

 

「ここまでやって悪かったなで済ます貴方の図太い神経には恐れ入ります…」

 

そう言い金色の闇は周囲の痛々しい光景に目を向けた。

 

 

すると

 

「あらあら。そういう事だったのね」

 

「ん?」

 

またもや暗闇から影が現れると共に、その影が此方へと歩いてくるとその姿が露わとなった。

 

「何だ御門か」

 

「えぇ!?」

 

現れたのは保健室の女医である御門であり、彼女の姿を見た古手川達は驚きの声を上げた。

 

それは彼女達だけではない。

 

「えぇ!?御門って…あのDr.ミカドか!?」

 

「す…すげぇ…初めて見た…!!」

 

ギルによってボコボコにされた異星人達も彼女の姿を見ると驚いていた。

 

「え…?御門先生も宇宙人なの…?」

 

「えぇ。それも名医として」  

 

「へぇ…この学校って宇宙人がこんなにいたんだ…」

 

古手川の質問にギルが答える一方で、現れた御門は周囲の状況を見渡すと、クスりと笑みを浮かべた。

 

「それにしても貴方達、この子達に手を出してよくそんな怪我で済んだわねぇ」

 

「「「「え…?」」」」

 

その言葉に異星人達は自身らが襲おうとした人物のうち、ララと金色の闇へと目を向けた。

 

「あ…あのピンク色の髪に尻尾…間違いねぇ!!ララ・サタリン・デビルークじゃねぇかあ!?」

 

「しかも金髪で黒い服の奴ってまさか……金色の闇!?」

 

それによって彼らはようやく理解した。自身らが襲っていたのは宇宙の支配者の血族どころか娘である事に加えて、もう一人は宇宙一の殺し屋である事を。

 

「ひぃいい!!こ…殺さないでえ…!!」

 

「いやいや!そんなことしないよ!」

 

「ごめんなさぁい…許してくださぁい…!!」

 

「それ以上近寄ったら斬りますよ…」

 

そんな中であった。

 

 

「じゃ…じゃあ…俺達をボコボコにした…もう一人のピンク色の髪の男は…!!!」

 

ララや金色の闇に震えていた異星人の一人が自身らを制圧したギルへと目を向け、それに釣られるようにしてその場にいた異星人達も全員がギルへと目を向けた。

 

「あ?何だコラ」

 

その目線に気づいたギルが此方へと顔を向ける中、彼の正体をようやく知った異星人達の顔が真っ青に染まった。

 

 

 

「「「「ひぎやぁあああああああああ!!!」」」」

 

ようやくギルの正体を知った怪物達は悲鳴を上げながらその場に土下座した。

 

「やめてぇ!!!殺さないでぇ!!絶滅させないでぇええ!!!」

 

「引きちぎらないでくださぁぁぁい!!踏み潰さないでくださぁぁい!!!」

 

「焼かないで!!炙らないで!!俺達美味しくないですよぉお!!!」

 

「金なら出します!!幾らでもお出ししますから命だけはぁ!!」

 

「嫌だよぉぉぉ!!!死にたくないよぉおおお!!!」

 

そう言い怪物達は次々と命乞いを始め、中には泡を吹いて気絶する者までいた。

 

「「「「「…」」」」」

 

そんな怪物達の反応を見ていたララを除いたリトや古手川達はゆっくりとギルへ目を向ける。

 

「……ギル…お前マジで何やってたんだ…」

 

「あ?俺は別に手当たり次第に喧嘩ふっかけてきたやつ殺して食ってただけだが?」

 

「く…食ってた!?」

 

「いや、そりゃそうだろ。殺しちゃ勿体ねぇし」

 

そう言いギルは泣きじゃくるタコ型の怪物へと目を向けた。

 

「俺や地球人と同じ人型は喰わねぇが、あぁいう動物系のは結構美味いんだ」

 

「分かったから余計な恐怖心を仰ぐなぁ!!!」

 

「まぁ、何はともあれ…ここにいては生徒達にもいずれバレてしまうわ」

 

騒ぎが大きくなっていく中、御門は携帯を取り出すと異星人達に呼び掛けた。

 

「私の知り合いで遊園地の経営をしている宇宙人がいるの。お化け屋敷とかピッタリだと思うから紹介するわよ♪」

 

「え!?いいんすかぁ!?」

 

「やったぁ!!!」

 

御門からのその知らせに異星人達は再び自身の居場所を得られる事に歓喜の声をあげるのであった。

 

「んで、結局 お化けはいなかったって事だよな?」

 

「ま…まぁそうだな…コイツらの仕業だったから」

 

「そ…そうよ!やっぱり私の言った通りお化けなんてものは存在しないのよ!」

 

「でも怖かったなぁ…特にギルルンが…」

 

「うん…」

 

「え〜幽霊見たかったな〜」

 

「ララさん…」

 

そう言いギルやリト、古手川、籾岡、沢田、ララ、西蓮寺は今回の騒動について彼らの仕業であり、幽霊など存在しない事に納得した。

 

 

 

 

 

そんな中であった。

 

 

_______良かったですね皆さん。お仕事が見つかって。これで私も静かに過ごすことができそうです!

 

 

『『『『……!?』』』』

 

 

突然とその場に書いたこともない透き通るような女性の声が響き渡った。その声を耳にしたギルや異星人達は言葉を止めて、ゆっくりと声が聞こえた方向へと目を向ける。

 

 

そこには………

 

 

『あ、申し遅れました!私、400年前にこの地で死んだ【お静】といいます♪』

 

 

真っ白な顔をし、白装束を身に纏いながら宙に浮く“下半身のない”少女の姿があった。

 

それを見たギル、ララ、金色の闇、御門以外のリトや異星人達の顔が真っ青に染め上がっていく。

 

 

そして

 

 

『『『『『『ぎゃああああああ!!!!出たぁああああああ!!!!!!』』』』』』

 

 

旧校舎一帯に巨大な悲鳴が響き渡ったのであった。

 

 

 




ギルの好きな漫画 ドクターストーン(御門の家に置かれてる)

好きな食べ物 二郎系ラーメン、生物型の異種族を焼いて食べることがあるが、それは自身に過剰に攻撃してきた者のみ

名前の呼び方

ララ→ララ、姉貴
リト→リト
美柑→美柑
御門先生→御門
西蓮寺→青髪、青髪デコ
リサ→アバズレさん
ミオ→眼鏡1号さん
古手川→古手川さん、委員長
天条院→ドリルさん
九条 凛→九条さん
遠藤綾→眼鏡2号さん
ヤミ→たい焼き女
猿山→サル
ルン・レン→ルン、レン
セフィ→母さん
ギド→親父
ナナ、モモ→ナナ、モモ

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