Toloveる 発明大好きなお姫様には弟がいました。   作:きょうこつ

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終わりました臨界学習。そして転校生

波乱の肝試しから一夜ともう1夜が明け、臨界学習は終わりを迎えた。その2日間はもう事故しかなく、まず2日目の海で遊んだ際にイルカが現れ女子の水着を次々と奪っていった。まぁそれは離れた陸地に打ち上げられた親イルカを助けて欲しいがための犯行であっただけであった。

 

それからは何も起きる事なく静かな夏休みを迎え、その夏休みも特にハプニングは起きる事なく平和に終えた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

夏休みが明けた彩南高校。衣替えにはまだ早いが、移行期間となっており、ブレザーを着用する者や、今も夏服を着込む生徒達の挨拶をする声が飛び交っていた。そんな中、その賑やかな校門の前に一人の男子が立っていた。

 

「ここか…ようやく会えるね…ララちゃん」

 

すると、その青年の前に一人の男子制服を着用した少女が通り掛かった。

 

「…む!?あれは!?やぁララちゃん!!久しぶりだねぇ!!」

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

「んん〜!!こうしてガッコに来るのも久しぶりだね〜!」

 

「まぁ夏休みも終わったからな」

二学期を迎え秋の季節となった。教室の隅で背伸びをしながらララのこぼした言葉にリトは欠伸をしながら答える。

 

そんな賑やかな雰囲気の中、ガラガラガラと教室のドアが開く音が聞こえてきた。

 

「よぅ」

 

「あ!ギル!」

 

今朝方は寝坊のために共に登校できなかったギルが到着した事でララは手をあげる。ララが声を上げるとともにリトもギルの姿を見るべくゆっくりと首を向けた。

 

「よぅギル。寝坊なんてめずら___」

 

振り向くとそこには陽気に手をあげるブレザーを着込んだギルの姿があった。

 

 

 

 

ボロボロの男子生徒を肩に担いで。

 

 

「ぇえええええええ!?誰それぇぇえええ!?」

 

「いや、なんか校門通ったらいきなり叫びながら抱き着こうとしてきたから取り敢えず正当防衛として腹に5発。顔面に10発ぐらい打ち込んでボコボコにした」

 

「明らかに正当じゃなくて過剰だろ!?うわぁ白目剥いてるし!」

 

「でもこの国には『やられたらやり返す。倍返しだ』っていう風習があるだろ?」

 

「それドラマな!?あと物理的じゃなく社会的にな!?しかも風習じゃねぇし明らかに物理的に倍返ししただろ!?」

 

「あれ?不味いのか?」

 

「不味いよ!!不味すぎるよ!!」

 

「じゃあ今のなしなし。テイク2いくぞ」

 

「おい待て待て待てぇ!!!」

それだけ言うとギルは肩に担いでいた男子生徒と共に一旦教室から出ていった。

 

 

テイク2

 

「んん〜!!こうしてガッコに来るのも久しぶりだね〜!」

 

「あれ!?しれっとララまでテイク2に入ってるし!?」

二学期を迎え再びブレザーを着用する季節となった。教室の隅で背伸びをしながらララのこぼした言葉にリトは欠伸をしながら答える。

 

「いや文章もなんでさっきと同じなの!?」

そんな賑やかな雰囲気の中、ガラガラガラと教室のドアが開く音が聞こえてきた。

 

「よぅ」

 

「あ!ギル!」

 

「いや無理があるだろ!?というかさっきの奴どうした!?」

 

「捨てて来た」

 

「うぉい!!」

◇◇◇◇◇

 

それからなんやかんやあり、HRとなった。ギルがボコボコにしたのは何と転校生であったらしい。

その転校生は目を覚ますと教室に入り、担任の骨皮先生の紹介のもと、名前を名乗った。

 

「レン・エルシ・ジュエリアです。よろしく」

 

「「「きゃぁぁぁぁぁあ!!」」」

その顔はギルによって所々が腫れていながらも女子に勝る程の美形で有り、服の襟元から見える肌やサラサラに流れるような髪に女子は魅了されてしまった。

 

「美形よ美形!」

 

「それもギル君と違ってスラッとした細身!!」

 

「おい今喋った女 出てこい」

 

自己紹介を終えた転校生レンはキャーキャーと騒ぎ出す中、ふとギルの隣に座るララへと目を向けた。

 

「やぁララちゃん。久しぶりだね」

 

「え?」

 

『『!?』』

そう言いながら歩いていくと何とララの手を両手で握った。当本人のララは首を傾げていたが、辺りの者は突然のその行動にざわめき始めていた。

 

 

「やはり人混みに紛れていても君の輝きは隠しきれない」

その言葉と共にレンは次々と美しき言葉で音色を奏でて行くかの様にララを形容し始めて行く。

 

「幼少の頃…王宮の庭で遊ぶ君の姿は本当に美しかった…。君の笑顔は僕の心を太陽の様に照らしていたのさ。そして今…成長した君はいっそう美しくなって眩いばかりの光を放っている…正に女神!」

 

胸に手を当てながら主張するその姿にララは相変わらず首を傾げているが、辺りの生徒達は更にざわめき出していた。

 

「なになに!?どういうこと!?」

 

「昔の男ってやつ!?」

 

そんな辺りの雰囲気に目を配る事なくレンはララへと目を向けると再びその手を握った。

 

「わざわざこんな辺境な星にまで出向いた甲斐があったよ!さぁララちゃん!久しぶりの再会を喜び合おう!」

 

 

「……だれ?」

 

『『『『え!?』』』』

 

幼馴染の再会と言う感動的な場面を打ち砕くかのように放たれたララの言葉に期待を抱いていた皆が一気に崩れた。

 

「はぁ…」

ララの忘れっぽさにギルは溜息をつくとララに耳打ちする。

 

「ララ。忘れたのか?あれだよ。お金出すから殴ってくれって土下座してきたあの…」

 

「それどこの変態!?どこのドM!?違うよ!これ見て!!」

 

そう言いレンは懐から一枚の写真を取り出す。そこには幼いララともう一人、ララと似た格好をした少年らしき人物が写っていた。

 

「「あ〜」」

 

その写真を見たララとギルは思い出した。

 

「泣き虫レンちゃんか〜!」

 

「何だお前か」

 

「ふふ…やっと思い出してくれたようだね…」

 

ようやく思い出してくれたのが嬉しいのか悔しいのか知らないがレンの目からは血の涙が出ていた。

 

「それよりも聞いたよ?なんでも薄汚い男に騙されているじゃないか…結城リトとか言う者に…そう!君だ!!」

 

そう言いレンは叫びながら何故か教壇に立っている骨皮に指を指す。

 

「へ?わし違うけど」

 

「あ、失敬…じゃあ君だ!!」

 

「えぇ!?」

今度はちゃんと当てられた様だ。指を指されたリトは困惑し始めてしまう。

 

「今すぐにとは言わない。これからの学校生活で僕が君より上だと言うことを証明してやろう…!!そしてハッキリとさせるよ。どちらが本当にララちゃんに相応しいからどうかをね!!」

 

そう言いレンは赤く揺らめく炎が宿った目を向けた。教室はざわつき始め、一人の女性を二人の男が奪い合うと言うドロドロとした雰囲気に女子達は興奮していた。

 

「それよりもおい。授業始まるだろ。さっさと席つけや美文調野郎」

 

「相変わらずギル君の口悪さは健在だな!?」

 

「君だぁ〜?」

 

「ふぎ!?」

ギルは立ち上がると素早い動きで自身よりも身長の高いレンの頭を片手で掴み持ち上げた。

 

「いつから君付けで呼べるぐらい偉くなったんだ?さん付けまたは師匠と呼べや。テメェの格闘術は誰が教えてやったと思ってんだぁ〜?あぁ?」

 

「いい痛いぃぃぃ!!!分かった!分かりましたから下ろして!頭が割れるぅぅぅ!!!」

 

それからようやく授業へと突入したのだった。

 

 

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