ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜 作:カーテンと手袋
「駆け足忍び足駆け足!」
「あのおほしさましゅっごくきれい!」
どこか黄色の丘の上。空は緑色に輝き、指差した星は真っ黒に輝いていた。
「ほんとだね〜」
辺りに咲いているのは電車の形をしたひまわりーー太陽に向かって伸びているだけーーと、口の形をしたタンポポのようなもの。
「はなまるちゃんはどれしゅき?」
「うーん。あれ!」
指の先からグググと首を動かし、ぼんやりと空を眺めて見ると、空はいつの間にか、べた塗りされた漆黒へと変わっていた。
「じぉれ?」
「あの虹の星づら」
その漆黒の空を一つ落ちるクマさんの人形の側で、七色の星は誰にも負けない威勢を放つように、ただ輝いていた。
「わぁぁー! きれい! きれいだねはなまるちゃあ!」
「うん。ジリリ……お星ジリリリリーー」
「うぅ……」
習慣になりつつある起床時の行動は、目覚めの悪いアラーム音を消すことだった。寝ぼけたままカチッとスイッチを押して、もう一度、布団に潜って眠りにつく。またあの夢見たいなぁ。ぼんやりと同じような夢を思い浮かべながら、布団の暖かさに包まれていた。
……またアラームが鳴った。
「うるさいよぉ……」ルビィは枕の上に顎を乗せて手を伸ばした。念じただけでは鳴り止まない時計にその手は触れる。カシャカシャと音をたてながらスイッチを探し、やがて押した。達成感を得たルビィは、また布団の中にもぞもぞと入り込もうとした。けど、ふと我に帰った。何か特別な現象があったわけではなく、たまたま。
「まっまずいよ〜! 遅刻だ〜!!」
ルビィは大きな声を出した。その声も耳に届きすぐに目が覚める。この時間帯だとギリギリ間に合う? 走れば行けるかな? でもあの坂を走るのは大変……
ドタドタと家の中を走る。準備はあと少しで終わりそう。お姉ちゃんは生徒会で早く出たんだ。きっと何度か起こしに来たって言うんだろうなぁ。でも皆んなが登校する時間よりもすっごく早いから、ルビィ、起きれないよぉ。自分の部屋と居間と洗面所を往復する。あれもこれも慌てているからいっぺんに出来なくて、思いついたものから行っていく。
「ルビィ」
襖越しに声が聞こえた。
「うぅ。お母さん……」
静かな威圧感がルビィを怯えさせた。
「学業については何も言いません。……言わんとするところ……分かりますね」
「ごめんなさい……」
お母さんに注意されて少し気分が落ち込む。でも時間は待ってはくれない。ルビィはお母さんが居る部屋の近くだけ静かに歩いた。それ以外は全力ダッシュ。
「急げ、急げ」