ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜 作:カーテンと手袋
「図書室の本の整理までの間、見学していてもいい?」
まるです。
今日は、というより今日もルビィちゃんのお話です。あと、ほんの少し曜ちゃんのことも。
まるは練習するみんなを眺めていました。ぼんやりと、すごいなぁなんてお気楽な感想を抱えながら、体育座りをして眺めていました。みんな、果南ちゃんが叩く拍手のリズムに合わせて、各々のダンスを踊っています。千歌ちゃんは左へ、曜ちゃんは右へ、そして中央から梨子ちゃんが前へ歩む。きっとそれは一つの曲の一部だとしても、知識が全くないまるにとって、別々の曲を踊っているように見せてしまう、魔法のようなものでした。ルビィちゃんもそれに倣い、果南ちゃんとダンスを始めます。まだ始めたばかりのルビィちゃんと、一ヶ月ほど練習をしていた果南ちゃんとでは、初心者のまるでも見分けがつくくらいに、技術の差があると直感しました。でもルビィちゃんは諦めず食らいついています。その健気さが、まるの心を打って、ルビィちゃんを応援させるのでした。
少し時間を巻き戻します。まるで時間旅行のように。千歌ちゃん達がライブをしていたあの日。ルビィちゃんはカメラで映像を撮っていました。「何か役に立ちたい」と一歩踏み出したルビィちゃんはその光景をレンズ越しと直接の目と、二重に収めていました。そしてそのライブ後に「ルビィも……」と勇気を出して伝えたのでした。
先日のことです。
国語の授業中、曜ちゃんのすやすやお休みしている姿が、目に焼きついて集中出来なかったあの日。ルビィちゃんとお昼ご飯を食べようと机に向かおうとしたら、曜ちゃんがルビィちゃんの手を引いて、一目散に教室を出て行ってしまいました。ぽかーんと取り残されてしまったまるは、ハッと我に返って、急いでその後を追いかけました。追いかける必要はなかったのかもしれないけど、何かがいけない気がして、居ても立っても居られなくなってしまいました。曜ちゃんとルビィちゃんは二年生の教室へと、どうやら向かっているようでした。
ここは屋上です。私は現代へと戻って来ました。またぼんやりとした様子で、CDラジカセから流れる曲を耳へと通過させます。それは聞いたことのない旋律で、幼稚園のライブでは披露していないものだと分かりました。よく見てみると、ダンスも違うような……
「花丸ちゃ〜ん!」
ルビィちゃんはまるに向かって手を振ってくれました。その笑顔はどんな星よりも、煌びやかに楽しげです。
私は親友の姿をぼんやりとではなく、瞳というレンズでしっかりと焼き付けようと思いました。