ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜   作:カーテンと手袋

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エビフライ・ハイ・リハーサル

「あの蜜柑はうちで取れたやつだから」

 

高校と高校の間は、そりゃ大抵は離れていることが多い。同じ年代なのだから近くに建てる必要がない。が、結構昔に男女で分かれていたらそれは有り得たりする。海月高校の男子らは各々お喋りしながら、坂ある道を歩いていた。前の塊から順に白代と沼さん、十勝と京六里、小木と俺。小学生の集団登校みたいに、綺麗に学年ごとに区切られていた。

小木「団子美女知らないの?」

塩並「デブ可愛いってこと?」

小木「違う違う」

塩並「じゃあ?」

小木「頭に団子がのってんの」

塩並「あんみつってこと?」

小木「違う違う」

塩並「じゃあ」

小木「めちゃくちゃ美人なの」

塩並「クレオパトラ?」

小木「ノーノー」

塩並「じゃ?」

小木「バスに乗るといるんだよ」

塩並「それは人くらいいる」

小木「前までいなかったのにいるの。浦女の制服で、5月だよ。こいつはきっと転校生だよ」

塩並「それって、ほら。桜内さん? って人じゃないの?」

小木「分かんない。見たことないから。でも最初はいなかった。これだけは確実」

塩並「じゃあ、頭に団子を乗せているのが噂の転校生、桜内さんの可能性があるのか」

小木「確証はあらず!」

体育祭の合同練習。合同と言っても、人数の少ない男子が浦の星へ吸収される様は、合同と言うよりは侵略に近い。別に敵対して争っているわけではないが、男子側が一方的に飲み込まれるのも、体育祭の結果がいつも敗北なのも気にしていないわけではなくはない。そして敵対していない。自分が知る限りでは負け越している海月高校は、浦の星女学院に頭が上がらない気がする、この期間だけは。確かに、内浦辺りの子供ーー俺は大仁が最寄りの駅と言えるから内浦は決して近くはないーーの数は減り「俺、甲子園に行きたいんだ!」と言っていた内浦に住む宮路は、沼津の高校へと進学した。まぁ無理もない。本年度で新入生の受け入れをやめる高校に、両親や兄弟姉妹が通っていた場合を除けば、わざわざ入学する理由なんて見つからないのではないか。正当とも思える理由。人の多い発展した街並みで、部活動に励みたいと思う、それは素晴らしいことだ。宮路もなんだかんだで良い試合をして、彼女をつくって、東京の大学へと進学するのだろう。これはよくある地方の動きだから、俺は違うけど、小木や他のみんなもそうなるのかもしれない。寂しくなるが仕方がない。若い時っていうのは何故だか騒ぎのある方へ向かいたくなるものだ。

 

集合すれば、ほぼ全てが顔馴染みか友人、そうじゃなくても一度は見たことがあったり同じ中学だったりする。それはいとも簡単にみんなを馴染ませた。会話はその結果だった。

 

……団子を乗せた……あの人が桜内さんか。確かに。整った鼻筋に爽やかな黒髪。都会の洗礼された美人の典型みたいだ。

 

女子生徒A「また太くなってない?」

沼宮「重い荷物の運び過ぎかな」

小木「俺に分けて欲しいよ〜」

女子生徒A「小木君は細すぎだよ〜」

 

白代「休みなくみんな揃ったよ」

ダイヤ「ありがとう。まぁ、報告がなくてもすぐわかるけど」

白代「何気ないことも交流が大事なんだよ、黒澤さんや」

ダイヤ「はいはい。じゃあ、佐藤先生に伝えますから」

 

女子生徒B「東京から二人も来るなんて凄いよね」

果南「宝くじが当たる確率だったりして」

十勝「そんなまさか」

女子生徒C「十勝君って何年生!?」

 

「あの……こないだの、みかんありがとう」

その女子は俯きがちに長い髪を揺らし、おずおずと言った。こないだと言われ、自身のやわな記憶を探究したが、あと一歩の所で出てこない。その少しが、あとちょっとが、憤りに変わりそうだった。視線を上げると、その女子の片側についたヘアピンの先で、京六里が金髪の女性と話している姿が瞳に映り込んだ。何故だか突然、なんとなくバス停で会ったような、そんな気がした。そして「梨子ちゃーーん」と高海が駆けて来たのだった。

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