ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜 作:カーテンと手袋
「千歌ちゃんがやるなら、私もやる!!」
「みんなー! スクールアイドル部だよ! 一緒にやろー!」
まずはクラスの人達を攻略しようと、頑張って作った勧誘チラシをみんなに見せた。しかし、二年生の始めだとしても高校生活で言えば中途半端な時期。「楽しそうだねー」や「見に行くよ」という観客側の意見は多数だったけど、みんなはもう部活に入っていたり、家の手伝いがあったり、早くも受験について考えていたりして、聞き馴染みのない新しい部活に入ると言ってくれる子はいなかった。まぁそりゃそうだよね。でもでも、こんな所で諦める私ではないのだ。
体育館に続く渡り廊下で、部員確保の為、精一杯の声を出して勧誘をする。そう、数日がたち今日は入学式。いつもは人の通らないこの渡り廊下も入学式となれば、様々な部活が新しい新入部員を確保するために脇を彩る。それに年々新入生も減少しているせいか、殺気立っている気がする。物怖じしていられない。ここは重要な場面だよね。まだどこにも所属していないピカピカの新一年生達を捕まえるのだ。
「スクールアイドル部です! よろしくお願いします!」
「school idle?」
初めて、金髪をなびかせる女性を見た。そのネイティブな発音、異国を思わせる風貌に少し驚く。よく見るとスカーフの色が緑。三年生だ。この学校にいたかな。
「ちょっとだけ、有名なんです!」
チラシを手渡して声をかけてしまった手前、後に引けない形になってしまった。私は構わず続ける。
「おっきなドームで歌って踊るんです!」
「これって本気?」
スッと合わされた視線に思わずたじろいだ。金髪の女性の瞳は熱意の真意を求める、そう問いかけていた。
「……本気です」
数秒、視線が合う。
「ふ〜ん。面白そうだから貰っていくわね〜 チャオー」
金髪の女性が立ち去った後、私は少し安堵した。そして緊張していた。うまく答えられなかった。彼女の瞳から勝負に慣れた雰囲気を感じたから。あれはなんだろう。私には無いもの。入ってくれないかなぁ。一緒にアイドルが出来たら、もっとキラキラしそう。
曜「あー 千歌ちゃんだー!」
私がもやもやと悩んでいると、それをかき消す声とダダダダと効果音がつきそうな勢いで駆けて来る影があった。きっとあれは渡辺曜ちゃん。今年から浦の星女学院の生徒になるピカピカの一年生。小さい頃から仲良しの幼馴染みなのだ。
千歌「曜ちゃん!」
曜「千歌ちゃんと同じ学校だー!」
千歌「やったね。あれ、曜ちゃん背、伸びた?」
曜「えへへ。千歌ちゃんを追い抜くのも時間の問題であります」
そう言って敬礼のポーズをとった。
千歌「うわーん。先輩の威厳が〜!」
曜「そういえば、さっきまで何やってたの?」
千歌「うぅ……これ、勧誘のチラシを配ってたの」
曜「勧誘のチラシ?」
千歌「うん。スクールアイドル部の」
曜「スクールアイドル部?」
分かりやすいほど、頭の上にハテナマークを沢山乗っけていた。
千歌「高校生のするアイドルって言うのかなぁ。可愛い衣装を着てね、歌って踊るの。大会もあって、すっごいキラキラしてるんだよ」
曜「……千歌ちゃんがするの?」
千歌「そうだよ。まだまだ下手くそだけど……それに私しかいないし……」
曜(私……着たら……かっ可愛い衣装……あんな……こんな……)
千歌「これ、とりあえず。もし興味とかあったら」
曜「ちっ千歌ちゃん!」
千歌「わっ! どうしたの?」
曜「私もやる!」
千歌「えっ、でも水泳は?」
曜「う〜ん、いいや!」
千歌「大丈夫なの、曜ちゃんが入ってくれたらすごく嬉しいけど」
曜「やるよ! 任せて! 新入生渡辺曜、本日よりスクールアイドル部の部員であります!!」
千歌「やったー! 曜ちゃああん!!」