ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜 作:カーテンと手袋
「梨子ちゃん。部族のモデルさんみたいなのだ」
二メートルほどの竹竿を持った私は、赤チームのみんなが入場するよりも先に、校庭の真ん中に向かった。赤、青、黄色の三チームだけだから、この役割を行う人数も六名だけ。こんなこと、恥ずかしくって耳が破裂しちゃいそう。どうしてこういう時にお母さんも見に来てるの……午前中だけなら見にいこうかななんて、この時間が一番目立っちゃうのに……気を紛らわせようと手を振ってみると、持っていた竹竿がしなった。ぶんぶんと長さがあるぶん、大きくしなる。それがみんなへの意思表示と思われてしまって、千歌ちゃんが「梨子ちゃーん! 大仕事なのだぁーー!」なんて大声で応えてしまった。他の赤チームのみんなも昂る。私はそそくさと玉入れのカゴの下へと向かった。やっぱり急いだぶん、竹竿は大きくしなった。
よしみ『さながら勇気とでも言いましょうか。お邪魔棒を掲げた各チームの先鋭達が、この灼熱のコロシアムへと歩を進めました。これは万里の長城、いや巨人の群れ。我々が放つ幾千の球を全て打ち崩す強大な盾。まさに、この力に立ち向かうことを勇気と呼ばずに何と呼ぶのでしょう。さぁ立ち上がるんだ! 勝利を望む者だけが、その手に掴む栄光がある!!』
私達、赤チームの梨子ちゃんらが位置につくと、各チームがカゴの周りに集まった。校庭には三つのカゴがあり、三チームがそれぞれそこにいる。ルールは至って簡単。地面に落ちている球を拾って、宙にあるカゴに入れていけばいい。多く入ったチームの勝ち。だけど、お邪魔棒を持った敵チームが妨害をしてくる。それを掻い潜って戦うわけだから、えきさいてぃんぐなあついあっつ〜い勝負が生まれるって、むっちゃんが言っていたのだ。
ピストルがパンっと鳴って、私は足下に落ちている球を拾った。そしてすぐに上空へと放つ。私の投げた球は一定の弧を描いて、カゴへと向かう。
「これは確実なのだ!」
次の球を投げながらそう叫んだ。
「えい。ふふ、ノンノンね」
急に視界に割り込んだお邪魔棒は、私の球をしっかりとはたき落とした。そして金髪の女性はそう呟いた。私の目を見て、ハッキリと。カッチーン。これは宣戦布告と受け取りました。
「むむむ。ソフトボールで鍛えた投力を見せつけてやる! うぉりゃー! ちかを怒らせたこと後悔させてやるのだ!!」
よしみ『放送席からの景色は、まるでポップコーンが弾けているみたいです』
京六里『そうだね』
よしみ『黄色チームが少し多いでしょうか』
京六里『次位は青、赤かな』
よしみ『やはり、青チームのお邪魔選手が上手ですかね』
京六里『鞠莉は敏捷性があるんだ。ヨガとか乗馬とかいろいろ役に立ってるんだろうね』
よしみ『なるほど。これは赤チームにとって強敵ですね。千歌が対抗心を燃やしているようですが』
黄色チームの妨害を任されたけど、前半と後半で私がブロック出来た球はいくつあるだろう。恐らく数えるくらいなんじゃないかな。一緒に青チームのお邪魔棒を持った子と頑張ったけれど、先生と男の子達の気迫が凄くて、私、圧倒されちゃった。別に私に向かって投げつけてくるわけじゃないのに、ひいっなんて声を上げてしまったりして、男の子を驚かせたりしてしまった。恥ずかしい。明らかに、私が目の前でブロックする時、ちょっとだけ遠慮させてしまったのは、本当にごめんなさい。カゴの中の球を放送部の子が数えている時、そう思いました。実際はそんなこと言えるわけもなくて、終わった後、会釈だけを何回かしました。慌てているように見えてしまったかも。そうである事は何一つ違わないのだけど。