ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜   作:カーテンと手袋

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大縄跳び

「ごめんなさいとしか言いようがないのだ」

 

今日はすこぶる調子がいい。思うように太ももが上がって、腕だって速く回る。この調子なら、お星様までビューンって触りに行ける。豪速球だって、ドカーンって鳴らせられる。自分の身体が、想像さえしなかった動きを形にしてしまうことに、少しだけ恐怖を感じるけど、未知の可能性はその先へと引っ張ってくれる。あぁ。早くダンスがしたい。未発見の振り付けが閃いてしまって、みんなの驚いた顔が見たい。もしかしたら梨子ちゃんさえも思いつかないドキドキのリズムが浮かぶかもしれない。チャイコフスキーだってお手上げの素晴らしい曲なんてものが。あぁ、これから競技が始まるのに、私の心はスクールアイドルでいっぱいだ。

梨子「千歌ちゃん。頑張ろうね」

千歌「青チームに勝ってやるのだ」

梨子ちゃんの声掛けで、ふっとこちらに戻ってきた私は、この現実での遅れを取り戻すように、大きな声でみんなに言った。

千歌「みんな! 赤チームと青チームの点差は60点。まだ間に合う! 一位だって射程圏内だよ! 負けてられないのだぁぁ!!」

私が赤チームのみんなを鼓舞していると、青チームの曜ちゃんやむっちゃんも立ち上がって鼓舞し始めた。気持ちが呼応したみたいでなんだか嬉しい。ただ今ビリ独走中の黄色チームはというと、綺麗に整列をして体育座りをしていた。男子達は背筋を伸ばしている。その前で佐藤先生が腕を組んでいた。黄色チームはこの大縄跳びで一位、リレーで一位を取って、ようやく同点を狙える点数にいる。もう勝利はないけれど、士気が下がらない統制力には恐れ慄くのだ。可哀想に十勝君。この体育祭の洗礼を受け、立派な海月生徒になるんだよ。なむなむ。

めぐ『よしみちゃんも沢山飛ぶので、私が放送を任されてます。みんな頑張って〜」

私たちのチームは二列になって、真ん中から右と左に外側を向いて挑む。他のチームはまた別の列の作り方で、空砲を待っていた。こうやって待っていると、自然と頭の中が何処かへ飛んでいってしまう。待たされた時間に私はスクールアイドルの大会を思い出す。私たちが大会に出れる? あのμ'sが出ていた大会に? 今まで見ていた動画の世界に、私たちが出現する?

女子生徒A「回すよー!」

梨子「せーの……」

白代君が言っていた。夏の大会だって。どんな大会なんだろう。私たちも出場出来るのかな。まだ始めて一ヶ月くらいでも。頑張っていれば出れるのかな。μ'sを追いかけて、μ'sの曲を4曲カバーして、これから新曲を作る。私たちのーー私たちだけの歌を。構成や雰囲気はなんとなく浮かんでいる。喉仏のところまで、ここまで来ているから、あとちょっとで良いフレーズが出そうな気がする。ター ター あー なんだろう。あぁ、もどかしい! もう! 思わず飛んでしまいたくなるくらいだ。

 

「いだっ」

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