ラブライブサンシャイン 〜if 男子がいたら〜 作:カーテンと手袋
「あの時のことを振り返ると? そうね、う〜ん、末っ子って感じかしら。私の腕、引きちぎれるかと思うくらい引っ張られて」
なーんにも思い付かなくて、図書室を飛び出してしまったのだ。千歌はトイレに向かう趣旨を述べて、真っ直ぐに伸びる廊下に出現した。右に行こうか左に行こうか、はたまた戻るか。いや、戻ったところでだ。梨子ちゃんと善子ちゃんと花丸ちゃんは、仲良くお小説のお話をして盛り上がっているし、ルビィちゃんと曜ちゃんはすやすやぐーすかだし、やけに目が冴えてしまった千歌は、手持ち無沙汰になってしまったのだ。もう、なんでルビィちゃんと曜ちゃんは夢の世界に千歌を置いて行っちゃうのさ。疲れているのとか一年生だから高校生活に慣れるために大変とか分かるけどさ、それにしてもひどいよ、もう。それにそれに、梨子ちゃんと善子ちゃんと花丸ちゃんも千歌の分からない話で盛り上がっちゃってさ。千歌もある程度の小説は読んだりするけど、あそこまで語れたりしないよ。あとあと、最近梨子ちゃんと善子ちゃん仲が良すぎる気がする。こないだお互いの家に行った事があるなんて言ってたし、何か企んでいる。もしかして、千歌がいないところで楽しいことしようとしてる!?
千歌「中庭に来ちゃった、特にすることもないけど……椅子に座ろう。うん。う〜ん、日差しが気持ちいい。夕方に入りそうな時間なのになぁ。夏を感じる。海か山もいいなぁ」
伸びをして背骨がポキポキと鳴る音を聞く。
千歌「なーんて、独り言を呟いてみるのだ」
体育館から金箔を束ねたような髪を靡かせ、颯爽と連絡通路を歩く人影があった。彼女を知っている。私がチラシを配っていた時や体育祭の玉入れで戦った時などに挨拶程度の会話を何度か。勝負師の目、をしていた印象で、私達が持たない何かがある気がしていた。
千歌「外国の人……」
異国を思わせる。
千歌「待って待って、そういえば体育祭の時も足速かったし、動きも俊敏で、どの競技も卒なくこなしてた」
例えば私はこの島に住む田舎娘。
千歌「それに金色の髪に、すらっとした身体に、高い身長……」
彼女はここで経営する家族ーー私だってホテルオハラの娘だって知ってるんだよーーと共にやって来た。
千歌「もしもスクールアイドルを始めたら、たちまち人気になって、私たちのグループも大きくなって、ラブライブなのだ!」
私はすっごく楽しくて憧れてキラキラしている遊びを彼女にも教えてあげる。
千歌「こうとなったら声掛けだよ、あっ、グループ名もカッコいい英語教えてもらおう!!」
前も断られた気がするけど、まぁいいや。
千歌「おおおぉぉーーーい!!!」
鞠莉「わっ? えぇ?」
千歌「あのね! あのね!」
鞠莉「what? なに!? なにごと?」
千歌「スクールアイドルやろ! すっごく楽しいよ! キラキラって感じで、ババーンってカッコよくて、それにときめいちゃう恋みたいで、うずうずして止まらなくなっちゃうの! だからやろ! ねーねーおねがーい!」
鞠莉「ちょっ……と、あぁ、待ってJust a sec ね? 近いから、おちっ」
千歌「やろうよ〜 お願いー!」
鞠莉「一旦、冷静に! その手を離しなさ〜い!」