UQ HOLDER!《BLADE JOKER》   作:Million01

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不死身繋がりで作りました。
全三話のつもりです


ジオウ編とはまた別の世界軸です

あと、夏凜先輩すこ


♠ A

───あれからいくつの年が経ったのだろう

 

十年?二十年?五十年?それともそれ以上なのだろうか。もはや人の身を捨て不死身(アンデッド)となった剣崎 一真にとっては時の流れが止まって見えた

 

地上からは宇宙にまで伸びる長い長い塔が見え、文明は剣崎が人間だった時代よりも遥かに進んでいた

更には人類は魔法と呼ばれるものを使用できるようになり、異形の怪物達とも戦えるものが数多く存在しているらしい

 

だが、今の剣崎にはどうでもよかった。いや、関わりたくないのだ。彼にはそうすることしかできないのだ

 

そんな剣崎は天高く伸びるその塔を見つめていた

 

「兄ちゃん、軌道エレベータなんか眺めてどうしたんだ?」

 

そんな中、黒髪の少年が剣崎に声をかけた。昔のガキ大将のように頭に鉄製の鍋を被り無邪気そうに剣崎を見る

 

「いや、なんにもないさ。ただ、アイツもあのエレベータが見えてるんだろうなって思ったんだ」

 

剣崎がそう言って天高く伸びる塔、軌道エレベータを懐かしむように見つめていた

 

「アイツ?」

 

「ああ、俺と同じように色んな場所を飛び回ってる奴さ」

 

「へぇー、けど兄ちゃん色んな場所を飛び回ってんだろ!次はどこ行くの!?」

 

剣崎は少年の言葉に首を振りこう答えた

 

「行く場所は決まってないんだ。ただ色々と走り回るだけだ」

 

そして剣崎は瓦礫の山から立ち上がるとぱっぱっ、と膝についていた埃を手で払う

 

「ほら、もう日が暮れるから君達は帰らないと皆が心配するぞ」

 

剣崎の言葉を聞いて少年がハッ、と気付いたように顔を上げた

 

「そうだ。もうこんな時間なのか!じゃあ、俺帰るよ!兄ちゃん、また今度、話を聞かせてくれ!!」

 

そう言って無邪気な笑顔で走り、剣崎に手を振った

思わず剣崎の顔が綻んだ。嵐のような少年だ。こんな貧民街(スラム)の中でも元気に生きている少年なんてそうそういない

 

「さて、と……」

 

剣崎も借りた部屋に戻るように足を運ぶ。夕日が沈み、夜へとなり町並みが暗くなる中、一人の少女と剣崎はすれ違う

 

黒いショートカットの髪にどこかの学園の制服を着てる少女だ。明らかにどう見たってここの住人ではないことは確かだった

だけど、剣崎が気にすることではなかった。そしてお互いすれ違うように横を通った

 

「───そこの貴方」

 

だが、少女が剣崎を呼び止めた

 

「はい?」

 

剣崎がくるりと体を捻り少女の方へと顔を向けた

 

「ここら辺では見ない顔だけど貴方どこから来たのかしら?」

 

「どこからって言われても、俺はただの浪人だ。どこから来たというわけでもない」

 

「…………」

 

剣崎の言葉を聞いて少女がじっ、と剣崎の瞳を見つめた

 

「…………」

 

剣崎も少女に睨み返す。しばらくの沈黙の後、少女が口を開いた

 

「そう。一応、言っておくけどあまりここに長居しないほうがいいわ。最近、危ない奴らがこの街にやってくるもの」

 

「…………」

 

少女の言葉に剣崎は黙って歩き始める。彼にとって危ない奴らがいたとしてもどうということはなかった。

 

「何なんだ、あの子……」

 

剣崎は借りた部屋に入るとそう小さく呟いた。

剣崎をじっと見て何かを感じたのかはわからないが不思議な子ではあった

 

「まぁ、いいか。とりあえずもう寝よう」

 

剣崎はそう言ってベッドで横になり、瞼を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───崎』 

 

暗い闇の中、彼の友の声が聞こえてくる

 

『───剣崎』

 

そして闇の中で徐々に姿が映し出されていく

 

『───すまない』

 

なぜ、謝る

 

『───もう俺には自分を止めることはできない』

 

あの時も自分に似たような台詞を言っていた

 

『───お前が俺を封印するんだ』

 

彼の姿が変わっていく。相川 始としての姿からJOKERの姿へと。人から異形の姿へと

 

『───結局、俺達は戦う運命なんだ』

 

一瞬、異形の姿をした友の姿がゆらりと仮面の戦士へと変わったようにも見えた

 

『───俺を───』

 

友の声が段々と遠くなっていく。剣崎はそれに無意識に手を差し伸べた

 

 

 

 

 

「───始っ!!」

 

ガバッ!と剣崎の意識が覚醒しベッドで起き上がった

 

「ハァ、ハァ……ハァ……ハァ……」

 

額にものすごい汗を浮かびながら乱れた呼吸を落ち着かせていく

 

「今のは……」

 

この夢が何を意味するのか剣崎にはなんとなくわかってしまう。だが、剣崎はわかりたくなかった。それでも剣崎は……

 

「ハァ……ハァ、ハァ……!」

 

ムクリ、と剣崎はベッドから立ち上がり荷物を纏めるとすぐに部屋を出ていった

 

「……?」

 

だけど、剣崎は違和感を感じる。あれだけ活気溢れていた街が妙に静かだった

 

「どういうことだ?」

 

剣崎が目を細めて周囲を警戒する。そして数秒後、彼女が剣崎の前に姿を現した

 

「───貴方は昨日の」

 

昨日の夜に出会った少女だ。どこから現れたのかは知らないが剣崎を睨む

 

「君は昨日の……」

 

「貴方はここから早く逃げなさい。さもないと死ぬわ」

 

お互いの視線が衝突し合う。剣崎が口を開く。何かあったのか、と少女に聞こうとしたとき

 

《───BLIZZARD》

 

乾いた機械音声が二人の耳に届く。剣崎はハッ、と少女の顔を見る

だが、彼女は警戒するだけでその場を動こうとしない

 

「伏せろ!」

 

剣崎が少女の方へと走り込み弾き飛ばす。直後、先程まで二人がいた場所に凍てつく冷気が通り過ぎる

 

「今のは……」

 

少女が冷気が飛ばされた方向へと見た。緑色のスーツに金色の鎧と蜘蛛を模したような仮面を纏った戦士がそこにいた

 

「……睦つ……いや、レンゲル」

 

その姿を見た剣崎がかつての仲間の名前を思い浮かべた。だけど、それはすぐに否定した彼は人間だ

自分のような何十年も生きて戦えるはずがないならばあのあの戦士……仮面ライダーレンゲルは誰だ?

 

「お前は誰だ!」

 

剣崎がレンゲルに叫ぶ。

 

『…………』

 

だが、レンゲルはそれを無視するかのようにゆっくりとこちらへと足を運んでくる

 

「貴方……」

 

少女が剣崎を見る。普通ならこんな状況に出会ったら逃げるはずなのにこの男は逃げなかった。それにそれだけではなく剣崎はあろうことか襲撃者を睨みつけていた

 

『これは思わぬ収穫だ。まさかもう一体のJOKERに出会うとはな……』

 

レンゲルが仮面の下で口を開く。

 

「っ!その声、カテゴリーA(エース)か!」

 

剣崎が歯ぎしりをしてレンゲルを睨む

 

『丁度いい。そこの女が目的だったがまずは貴様から封印するとしよう!!』

 

レンゲルが左手に持っていた棍棒を構えると剣崎に向かって走り始めた

  

「───逃げろ!」

 

剣崎が背後の少女に向かって叫ぶ

 

ブォン!とレンゲルが剣崎に向かって棍棒を振るう

 

「───っ!早く逃げろ!!」

 

剣崎はその棍棒をなんとか腕を交差させて防ぐ。だが、レンゲルの力は人の数十倍もの力を持ちもちろん生身の剣崎が耐えられるはずもなかった

バキバキっ、と剣崎の腕の中から骨が折れる音が聞こえてくる

 

『…………』

 

レンゲルの攻撃はそれで止まることはなかった。踏ん張る剣崎に右足を突き出した。

思わず後ろへよろめく剣崎にレンゲルがさらに棍棒を繰り出す

 

「くっ……!!」

 

棍棒の先に付いたトランプのクラブを思わせる三つの小さな輪が剣崎を襲った

 

「なっ!?」

 

ザシュリ、と剣崎の肌を傷付け彼の鮮血が飛び混じった

驚いたのは剣崎やレンゲルではない

少女だ。少女の瞳に映るものは謎の液体。いや、血である

 

だが、それは人間のものではなかった。普通の人間ならば人の血に流れるものは赤い血だ。

だが、彼の傷から出てくるのは黄緑色の液体だ

 

「貴方……」

 

少女が剣崎を見て目を細めた。彼は人間ではないと

 

(黄緑の血……私の知っている範囲ではそんな種族いなかったはず)

 

ならば、彼は何者だろうかと剣崎の背中を睨みつけた

 

『…………』

 

レンゲルが右腰から二枚のカードを取り出した

 

そしてそのまま棍棒にあるスラッシュリーダーにカードをラウズ(スライド)させた

 

《───BLIZZARD》

 

《───BITE》

 

二つの単語と乾いた機械音声が再生される。

 

「っ!」

 

まずい、と剣崎が顔を顰めて立ち上がる。たとえ、恐らくこの攻撃を喰らえば剣崎はレンゲルに……

 

『───』

 

レンゲルが跳躍し、跳んだ。そして斜め前に降下する。そしてそのまま足を突き出した

 

「くっ……!」

 

剣崎が背後の少女を一瞬だけ見やるとそのまま防御の構えを取る

レンゲルから繰り出される蹴りは冷気を纏いそのまま剣崎の方へ直撃した

 

普通の人間ならば恐らく体は粉々となるほどの威力。だが、剣崎の体は衝撃を受けるだけでそのまま遙か後方へと吹き飛ばされた

 

「───ァッッ!」

 

剣崎が仰向けに体を転がして蹴られた部分を抑えた。

 

『───』

 

そしてレンゲルは静かに剣崎に歩み寄ると新たにカードを取り出した

剣崎はレンゲルを睨みつけた。このままでは始が、カリスが、JOKERが

あの最悪の出来事が再び起こってしまうのだ

 

シュッ!とレンゲルがカードを剣崎に向かって投げたシュルシュルシュル!と風を切る音ともに回転しながら剣崎へと一直線へと向かっていく

 

(───すまない、始)

 

剣崎が飛んでくる一枚のカードを見てもう一人の自分と同じ存在( J O K E R )を思い浮かべた

自分の終わりを覚悟する剣崎は脱力してそのまま目を閉じた

 

 

 

 

 

パシッ、と乾いた音が近くで聞こえた。それは自分を封印する音ではなかった

 

「……?」

 

剣崎は違和感を覚えて目を開けた。目の前には少女がレンゲルの前に立っている

剣崎は目を見開いて少女の背を見つめた

 

「お前、何をやってる!!」

 

「それはこちらの台詞です。一応とはいえ助けられた者が目の前で見殺しにされるのはUQホルダーとしては見過ごせません」

 

「ゆーきゅー……ほるだー?」

 

「…………」

 

少女はレンゲルを睨みつけると手に日本刀とハンマーを持つ

 

『───邪魔をするな!』

 

レンゲルが怒りを噴り、棍棒を思い切り少女に振りかぶった

 

「邪魔なのは貴方でしょう」

 

少女が素早い手捌きでハンマーの柄尻で棍棒を受け流すとそのまま遠心力を利用する勢いでハンマーをレンゲルに振り払った

 

「なっ……!」

 

剣崎は目の前の光景が信じられないように目を見開いた

 

「───貴方は早く逃げなさい。貴方がたとえタフでも戦えないはずよ」

 

「───ッ!」

 

戦えない(・・・・)』。その言葉が剣崎の胸に刺さった

 

『───させるか!』

 

レンゲルが体を起こすと一枚のカードを投げる。少女が身構える。だが、レンゲルはさらにもう一枚、カードを取り出すとラウズさせる

 

《───REMOTE》

 

乾いた機械音声と共に一本の光線がレンゲルの投げたカードと直撃する

 

『───!!』

 

直撃したカードがその場に固定される。そしてカードから怪物が姿を現した

 

「───召喚魔法!?」

 

まるで蜘蛛を人型の怪物にしたかのようなその存在が少女の虚をついて背後の剣崎とぶつかりあって押し倒す

 

「コイツはっ!?」

 

剣崎が目の前の怪物を睨みつけた。剣崎は信じたくなかった。この怪物が自分を襲ってくるなんて

 

「カテゴリーK(キング)……嶋さん!!」

 

剣崎がかつての仲間の名前を呼んだ。かつて剣崎達の仲間であり、訳あってわざとレンゲルに封印された人だった

 

『───剣崎くん、どうした。変身しないのか!?』

 

「ぐっ……嶋さんっ!?」

 

怪物の声が心に突き刺さる。

 

「このっ!」

 

少女が剣崎を襲っている怪物に刀を振り下ろす。だが、すんでのところでレンゲルが少女を棍棒で吹き飛ばした

 

「俺が変身すればっ……!」

 

あの戦いが……バトルファイトが再開してしまう

 

『───彼を……始くんを気にしているのか?』

 

「───っ!」

 

剣崎は顔を歪め目の前の怪物を睨む

 

『───君も気づいている筈だ!彼は封印を破った!いや、封印を破らされた!!』

 

今日見た夢の出来事を剣崎は思い出す。今まで剣崎の首を締めていた怪物が剣崎の体を起き上がらせるとそのまま膝蹴りを繰り出した

 

「───始が……」

 

信じたくはないと剣崎が顔を俯かせた。

 

───タタカエ

 

「ぐっ……!」

 

剣崎が頭を抑える。彼の、本能が語りかけてくる。いつもならこんな声は聞こえないはずなのに……

 

───タタカエタタカエタタカエ

 

声がさらに強調するように段々と声が大きくなる

 

───タタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエ

 

「───うあああぁァァァァァァ!!」

 

───タタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエタタタタタタタタタタタタタタ

 

剣崎が怪物を蹴る。そして剣崎の意志に引かれてなのか呼ばれたかのように何かの機械とベルトの帯になるように複数枚のトランプが剣崎の周りをグルグルと周回する

 

「───」

 

剣崎が決意を覚悟を決め決めたかのように目の前の怪物を睨みつけた。そして剣崎に呼応するように周囲を飛んでいた機械が彼の腰へと収まった

 

「───変身!!」

 

剣崎が左手を前に出し、あの言葉を叫ぶ。くるりと左手の手首を返すとすぐに左手手をベルトに手をかけた

そしてベルトのバックルの右側のレバーを素早く引いた

 

《───Tern Up》

 

ベルトから流れる音声と共に彼のバックルがクルリと変わる。カブトムシのような絵からトランプのスペードの装飾へと変わる

そして彼の目の前にカードの形を巨大化したよう青い光のゲートが現れる

 

そして剣崎はそれを通るように青いゲートの中を歩く。青いスーツに白銀の鎧

まるでスペードを模したかのように頭頂部が尖っている戦士『仮面ライダーブレイド』が再び姿を現した

 

怪物が右手の鉤爪を振り下ろす。それを潜り抜けるように体を沈ませて避けると拳を突き出した

 

『───そうだ。それでいい……』

 

《───KICK》

 

《───THUNDER》

 

《───MACH》

 

そしてブレイドが腰から醒剣ブレイラウザーを引き抜くと三枚のカードを取り出しラウズする

 

《───LIGHTNING SONIC》

 

ブレイドの体が蒸発し煙を吹き出す。ブレイドがブレイラウザーを地面に突き刺すとそのまま跳躍。飛び蹴りを怪物に突き出した

 

稲妻を纏った超高速の蹴りが怪物に直撃する。小さな爆発を上げながら怪物は吹き飛ばされる

 

「嶋さん……」

 

そしてブレイドは吹き飛ばされた怪物を眺めながら一枚のカードを取り出すと怪物に投げる

美しい直線を描きながらカードは怪物の体に刺さると怪物がカードに吸収するように収束された

 

そしてカードが持ち主のもとへと戻るようにブレイドの手元に戻る

 

 

 

 

 

『───最強のライダーは俺だ。覚えてろ!』

 

《───SMOG》

 

レンゲルが少し離れたところにいるブレイドを見て一枚のカードを取り出すとカードをラウズさせる

直後、レンゲルが棍棒を振り下ろすと煙が噴き出す

 

「くっ……」

 

対峙していた少女が目を守るように腕で顔を隠した

 

「───待てぇっ!」

 

ブレイドがその煙へと突っ込む。だが、すぐに煙が晴れるとその場にはブレイドと少女しかいなかった

 

「…………。大丈夫か?」

 

レンゲルの姿が見当たらない事を確認するとブレイドは少女の方へと振り向いた

 

「ええ、それより貴方は一体……」

 

少女はブレイドを睨みつけた。人間ではないことはわかっている目の前の男に警戒していた

 

「───俺の名は剣崎 一真。またの名を仮面ライダーブレイド」

 

そう言って彼が変身を解く。

 

それが不死身となった剣崎 一真と不死人の一家『UQホルダー』の出会いとなる

 

 

 




カリスもギャレンも登場させるつもりです

三話以上の話にしたほうがいい?

  • 続けてほしい
  • 三話でいい
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