ギルドから情報を得た二人はいろいろなファミリアの門を叩いたがウルの予想通りにほとんどが門前払いであった。
「…ねえ、ウル」
「なに」
「……容姿って、そんなに問題なのかな?」
ウル、そしてベルを見た他の者たちの対応はなかなかに辛かった。
村に居た時から〈ひと〉の悪意に晒されることのなかったベルはかなり凹んでいた。
ウルは
《この世は欺瞞と悪意、そして欲望でできている》
誰が言ったかはもう、覚えていないが真理だと思っている。
人の欲望は留まるところを知らない。際限なく広がっていく。
「人の第一印象は容姿で7~8割が決まる。だからベルが気にすることはないよ。
だからこう考えるんだ」
-ここは自分がいるべき場所じゃない
「………うん」
納得はしていないが理解はしているベルはとりあえず頷いておく。
「これからどうするの?」
ベルは空を見上げもう、いい時間になっているなと思いながら横を見た。
「今日はこのへんにして帰ろう。リオンさんからは裏から入って来るように言われてるから手伝いでもしよう」
「うん!お世話になるんだから頑張ろう!!」
そう言うと二人は豊饒の女主人に向かって歩きだした。
◇
ベルとウルはお店の裏口から入ると一人の従業員がいた。
彼女もこちらに気付いたのか笑顔で二人の前に来た。
「あ!お帰りなさい!」
何の躊躇いもなくそんなことを言う女性に面食らいながらお互いの顔を見ると-
「…た、ただいま」「ただいま、です」
若干、はにかみながらそう返事をした。
「…とすみません挨拶がまだでしたね。私はシル・フローヴァと申しますよろしくお願いしますね!」
シルはベルとウルの瞳を見ながら自己紹介をし、同時に二人がどんな人物なのかが
正直にいうとベルの人柄はよくわかった。というかわかりやすい。
問題はウルと云う少年だ。
見た目からもそうだが、その内面が読み取れない。《
(…でもあのリューが連れて来た子たちだから問題はないと思うけど、それでもこれから楽しくなりそう)
ウルも彼女-シル・フローヴァについて思案していた。
(なんか此所の店員は普通の人がいないなぁ)
-なんとものんきなことを考えていた。
閑話休題
「それでは早速なんですけど大丈夫ですか?」
「はい!」「問題ありません」
「よかったです。まずは溜まっている洗い物からお願いします!」
シルは無難に洗い物から任せることにした。押し付けたともいう
-気のせいです!
「わかりました!」
そう言うとベルは洗い場の前に立つ。すると、突然皿が宙に浮いた。
正確にはベルの目の前にだ。浮いた皿は一枚一枚、泡で包まれており回転している。数秒経つとその皿を
「ん」
受け取った皿も薄い膜で包まれて回転し、回転しながら皿に付いた水滴が下に落ちる。
みるみる内に洗い物が減っていくそんな光景をシルは唖然としながら見ていた。
「………」
(お皿ってあんなふうに洗う物だったかな?)
なんか検討違いなことを考えながらシルは接客に戻って行った。
ベルたちは次々に来る皿を処理してはその光景を見ることになったウェイトレスの驚愕をかった。
◇
「すごいニャ!皿がこうクルクル回ってたニャ!!」
腕をクルクル動かしながらアーニャは興奮していた。
「確かに驚いたけどそんなことよりも二人ともいい
もう一人のキャットピープルの女性クロエ・ロロは別の意味で興奮していた。
「なに言ってるんだかこのバカ猫は…」
そんなクロエを呆れながら見ているのはヒューマンのルノア・ファウストである。
彼女たちは皿を持って行った際に自己紹介を済ませていた。
三人を見ながらリューは先程の皿の件を考えていた。
(…魔力の反応から壁に立っていた原理と基本は同じ筈です。ですが……)
そう、普通は魔力は魔法の使用に必要なもので
そう、普通は-
(…あれこれ考えても埒があきませんね。正面から聞きましょう)
リューは誇りあるエルフとして真っ正面から聞くことにした。
ダンメモなのですが、特殊CPUPアイテムの獲得率がキツイ…。
令和コソコソ噂話
シルさんはいろいろな人を見るのが好きらしいそうですよ。