ちなみにエボルトがコッチの地球に来た時期はAルート開始、つまり第243次降下作戦の3日位前のつもりです。
※ちょっとだけ今回機械生命体サイドのオリキャラがチョイ役で出て来ます
風に吹かれ音を立てる木々、小鳥達の鳴き声、その中で生命を育む土の上を地虫が這い、それを鼠や土竜が喰い、その小動物等をイタチやキツネが捕まえ……。
この部分だけを見ると、ちょっとした田舎に行けば容易く見つけられる自然豊かな森と思う事だろう。
その森に珍妙な格好をした者達が居座っている事を知らなければ、の話だが。
子供の遊びに使うボールを彷彿とさせる丸い頭に、2つの目。
寸胴鍋をそのまま取り付けたとしか見えない胴体。
太い胴体に対して少し貧相に見える、細い手足。
墨汁を数滴垂らした牛乳の様な灰色の体色。
何よりその者達の体は、「金属」で出来ている。
その名は「機械生命体」。遥か太古の昔、地球を手中に収めんと襲来したエイリアンによって生み出された兵器。
……否、兵器と呼ぶには余りにも「ヒトに近付き過ぎた」者達と呼ぶべきかもしれない。
この森に現れる個体は、放置された古城を拠点として暮らしている。
彼等は「森の王国」の住民。200年以上昔、仁徳に溢れた大型機械生命体「国王」によって設立された国の民。
128年前に国王が崩御して以来、その王の形見とも言うべきメモリーチップを基にして作られた2代目国王が統治をしており、その王を「王国騎士団」と呼ばれる者達が護っている。
そんな小国中の小国に、1人の異邦人が現れた。
MACHINE SIDE︙森林地帯
得物を構えて用心深く、何度も辺りを見回す。そして異常が無い事を確認し、再び歩き出す。
何日も、何年も、何十年も繰り返した事だ。1日8時間、自分の住む国を守る為、警備に務める毎日。
飽きや怠惰等は全く無い。寧ろ、国王を守るという名誉な役割を果たしている事に対して喜びを覚えていた。そしてそれは、2代目国王が誕生してより強固になったと言えるだろう。
そんな「彼」は今日も、いつも通りに王城の周辺警護に務めていた。
今日も頗る平和だった。平時と変わらない穏やかな時間が流れて行く。
『今日も、異常無シ』
そう呟いた「彼」はふと気付く。もうそろそろ交代の時間だ。
ガチャン、ガチャンと駆動音を鳴らしながら門へ向かう。
その時、1つ首元から1つ部品が転げ落ちてしまった。
『おッと、こりゃイカん……何処に落ちたンだ……』
ノイズにも似たエコーを伴った声が、『彼』の発声スピーカーから漏れる。
先程落とした部品は、先代国王の体の一部だった。
王はエネルギーもパーツも、何ら躊躇する事無く国民に与えた。それが彼自身の命を削るとしても、彼は分け与え続けた。その命の炎が消える時まで。
先程の部品は、その国王から賜った名誉あるモノなのだ。失くしたとあらば、一生後悔する事は間違いないだろう。
その場にしゃがみ、オロオロとしながら部品を探し始める。何処だ、何処に行ったんだ。ブツブツと呟きながら、『彼』は探し続けた。
目の前から近寄る気配と足音に気付く事も無く。
「アンタの落とした物って、これかい?」
機械生命体特有のエコーを伴わない、低い声がすぐ目の前から響いた。
『彼』は慌てて後ろへ飛び退り、得物である槍を構えて眼前の何かに向かって構える。
『誰だッ!! さてハ、アンドロイドの仲間だナッ!!』
その「何か」は何ら臆する事なく、手を広げてホールドアップのポーズを取った。
余裕すらも感じさせる笑みを浮かべながら降伏を表す光景は、何処か相手をおちょくっている様にも見える。
「そうカリカリすんなよォ……ほら、アンタが探してたブツってこれじゃないのかい?」
上げた右手の掌をひらひらと動かすと、その中に陽光を反射して光るモノが有った。
『あっ!? そレは王より賜ったパーツ! 返せ!!』
「おっと、ただで渡す訳にはいかないんでねェ……一つ条件を飲んで貰おうかァ」
憤慨しながら部品を返すように命令するが、応じるどころか条件を提示して来た。
『……何ダ、その条件っテ……』
本来の彼であれば力づくで取り返しに掛かるだろう。しかし、今回は懸かっている物が余りにも大き過ぎた。
『彼』の家宝とも言うべき物を戦いの最中に誤って破壊してしまったらどうしよう。断った瞬間、そのパーツが粉々に砕かれてしまったらどうしよう。そんな状態に陥った彼の思考回路に、「応戦」の2文字が浮かぶ事は無かった。
数秒後、手の中に握られたパーツを見せつけながら、「何か」は『彼』に向かって1つの条件を告げた。
「アンタの所の王様に、お客が来たと取り次いで貰いたい。ちょっとばかしビジネスのお話が有るんでねェ……」
YoRHa SIDE︙バンカー
遡ること6933年前。
西暦5012年、この星に地球外生命体……所謂エイリアンと呼ばれるモノが襲来した。
彼等の目的は、所謂テラフォーミング地球を自分達の新たな植民地に作り変えるべく襲来したのだ。
彼等は地球に存在しないオーバーテクノロジーによって作られた飛行物体と、彼等の分身とも言うべき絡繰の兵士「機械生命体」を用いて人類を攻撃し始めた。
しかし、人類もただ黙っている訳で終わらない。多大な被害を被って月に居住域を移しながらも、人類はエイリアンに対して反撃を開始した。
その手段とは、「アンドロイド兵士」を用いたモノ。
5013年頃から機械生命体を主な戦力とし始めたエイリアンには、此方も機械を主戦力にして対抗すれば良い。それに単なる機械ならば、人道的に何の問題も無い……そう考えたのだろう。
そして、アンドロイド兵士達によって結成された機械生命体の根絶及び人類の居住域回復を目的とした「人類軍司令部」は、地球の衛星軌道上に基地群兼司令部である施設「バンカー」を設置。
"For the Glory of Mankind"
「人類に栄光あれ」
このスローガンを掲げた人類軍司令部は、月に設置された「月面人類会議」の指令の下でアンドロイドを大量投入して機械生命体に反抗を開始した。
だが、何十回何百回と降下作戦を繰り返しても充分な成果を挙げる事は出来ず終いであり、人間とエイリアンの代理戦争は膠着状態を迎えていた。
ちなみに西暦11945年現在の最新の降下作戦は「第242次降下作戦」である。もっとも、近々更新されるという情報が入っているが。
そんな中、従来のアンドロイドよりも高性能な新型機体「ヨルハ」によって構成された「ヨルハ部隊」が設立された。
彼等は戦闘部隊とそれを補佐するオペレーター部隊に分かれて活動している。
戦闘員は黒服と目元を覆う戦闘用のゴーグルが特徴であり、オペレーターも黒い服を纏っている。しかしオペレーターが覆っている場所は、目元ではなく口元だ。
「ヨルハ」に所属するアンドロイド兵士は規則で感情を持つことを禁じられている。
だが実際の所それ程強制力は無く、彼等には感情の起伏どころか確立した個性すら見出す事が出来る。
この感情禁止は、所謂「暗黙の了解」にも似た様なモノと言えば良いだろうか。
ヨルハ機体の各個体データは定期的にバンカーへとバックアップを取るように義務付けられている。
これを行うことで任務中に敵性機械生命体の攻撃等で死亡したとしても、そのデータを新しい義体へ入れることで、同一個体として復活することが可能である。
また、隊員は最高司令官である「ホワイト」を除き固有の名前を持っていない。
故に、型名の略称が通称名として用いられている。
例えば、ヨルハ114号D型という機体が居るとしたら114D。ヨルハ514号S型という機体ならば514S……といった感じである。
ヨルハ機体の型を示すアルファベットはそれぞれの役割を表しており、簡単に説明すると以下の通りである。
・B型
ヨルハ機体の中では最も生産数が多い。
機械生命体との戦闘を想定した機体で、とりわけ近距離戦闘を得意とする。
大剣や刀、槍、拳などの多彩な武器を容易く使いこなす事が可能である。
・S型
情報分析、ハッキングなどを用いたサポートに特化している。
女性の機体が大半を占めるヨルハにおいて唯一の男性型モデルである。
・O型
常時バンカーに滞在しており、任務中のヨルハ部隊に指示を伝達する事に特化している。
その為に、ヨルハ機体の中でO型のみ地上への降下を禁止されている。
地上に居る機体への定期連絡も行っており、一部の機体では定期連絡のつもりが無駄話や世間話になってしまう事も有る模様。
・D型
他の機体を防御する事に特化しているタイプで、生産数が少なく貴重な存在とされている。
・H型
味方の回復に特化しているだけでなく、日々進化する論理ウイルスのワクチン開発を担当している。
・E型
「処刑人」の名の通り、離反や脱走を行ったヨルハを処分する為の機体。
同じヨルハを相手取る事を想定されている為、戦闘性能はB型を遥かに上回る。
一応他の機体にもE型の存在は知られているが、同じヨルハを倒さなければいけないという性質上快く思われてはいない。
以上が、11945年の時点で主に運用されているヨルハ機体の種類である。
以前はA型やG型等が存在していたが、現在のバンカーでは生産されていない。
そんな高性能なヨルハ機体だが、彼女達をもってしても機械生命体の制圧は困難を極めた。
依然として膠着状態が無くなる事はなく、時は無情に過ぎ行く。
そんな状態が続いた西暦11945年、バンカーに1つ奇妙な報告が届いた。
「司令官、少し宜しいですか……?」
恐る恐るといった感じで上司に告げたのは、ヨルハ6号O型。
6Oと呼ばれる彼女は、ヨルハ機体の中でも非常に感情豊かな部類であり、いつも笑顔を絶やさないムードメーカーである。
欠点と言えば感情豊かなあまり世間話や無駄話に夢中になって、司令官や同僚のヨルハ21号O型にお叱りを受けるという点だろうか。
そんな笑顔の化身たる彼女が、顔を青くしながら上司に報告をしに来た。
顔が青い理由は、自分が苦手とする司令官だからという事だけでは無いだろう。
「お前から話し掛けて来るとは珍しいな、6O。顔色が悪いが……どうした?」
平時であれば後にしろ、と伝えていたかもしれない。
しかし、彼女の血の気が引いた顔色と固くなった表情が事の深刻さを物語っていた。
「14時間25分前、大気圏に突入した物体が有ったんです。200cm程度の大きさだったから、単なるデブリだろうと思ったんですけど……」
「……そんなデブリがどうした? 大気圏に突入した時点でその程度の大きさなら、すぐに燃え尽きて……「違うんです!」」
6Oがホワイトの話を遮る。
そんな事は、普段の彼女を知る者からすると考えられない行為だ。
「……何が、どう違うんだ……?」
「実はそのデブリ、大気圏を超えても全く燃え尽きなかったんです。けど、地面に着弾しても殆ど衝撃波が出ませんでした……。2mの隕石が落下していたら、1908年のツングースカ大爆発の様に半径30km以内の地域が蒸発している筈です! それに、これを見て下さい! 大気圏に突入していく例の物体を捉えた画像です!」
最後の方は半ば興奮気味に話した6Oは、画像のホログラムを出現させてホワイトに向けて見せた。
「……これは……!?」
「司令官、確認出来ましたか……?」
ホワイトは6Oの様に声を震わせ、画像を凝視した。
その画像に映っていたのは
真紅に染まったコブラの様な、人型の『何か』であった。
(文才が無くて)もう気が狂う!(糞土方)
機械生命体君の口調が少し迷子になってるのはおにいさんゆるして
最後の異形の正体、勿論あの人の究極態です。
それから読んで頂いた人はもしかしたら気づいたかもしれませんが、今回から以下の表現を導入してみます。
ヨルハ側からの視点で描く際、直前に
「YoRha SIDE」
機械生命体からの視点で描く際、前述の通り直前に「MACHINE SIDE」
エボルトからの視点で描く際には
「EVOL SIDE」
という感じの表現を使ってみました。説明が下手クソで申し訳ございません。
マッスルギャラクシーボトルの音声からインスピレーションを受けてこの表現を使ってみました。感想欄で指摘などを頂けると有難いです。
別作品のライダーを1人だけ出しても
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良い
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いかんでしょ