EVOLの壊す明日   作:野猫先輩

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稽古の続きだ!(迫真相撲部)
今回はエボルトが色々と謀略を張り巡らせたりするので戦闘シーンはないかも。
ギャグ回とか日常回とかサブクエストとか不健全な奴は別で投稿する予定なので、皆さんネビュラガスをキメてお待ち下さい(末期)


※今回百合表現が少し有りますので注意!




Phase 6.権・謀・術・数

 EVOL SIDE⋮森の国の城

 

 

「ほらよ.コイツがお望みの品だァ。採れたて新鮮、ついさっき締めたばかりのホヤホヤだよ。初回限定サービスって事で4つ追加しておいた。煮るなり焼くなり、三条河原よろしく一列に並べて飾るなり好きにするといい」

 

 ボトボト、とエボルトが床に落としたモノ。それは、つい先程海上で屠ったアンドロイドの首.つまり、パラケルスス1493から出された「課題」をクリアしたという証だった。

 その首は、まるで死の瞬間をそのまま切り取ったかの様な悍ましい表情を浮かべたまま固まっていた。ブツを差し出されたパラケルスス1493は、一応首の状態と立会人を務めたライプニッツ1716の証言を確認する。

 

 

『……よし、これで合格だ。お前も晴れてワシらの仲間入りダべ』

 

「そいつは嬉しいねェ……これから宜しく頼むよ、先輩方」

 

 

 警戒心を抱かせぬ様にさも嬉しそうな笑顔を浮かべて挨拶をする。笑顔がこのロボット達に理解出来るかという点は怪しい……が、油断は出来ないと考えたエボルトは上っ面だけの笑顔を浮かべ続ける。

 

 

「嗚呼…一番後輩の俺が言うのも少し図々しいが、城の部屋を1つだけ借りていいかァ? ちょいとやらなきゃならない事が有ってねェ」

 

『ええゾ、ワシらは部屋など使わンからナ。…しかし……』

 

 

 部屋の使用を快諾したパラケルスス1493。だが、エボルトが背負っているモノを見てボールの様な頭を少し傾かせた。

 

 

『首無しのアンドロイドなんテ集めて、何をするんダベさ』

 

 

 そう、エボルトは背中に()()()()()()()()アンドロイドの義体を背負っているのだ。まるで旧時代の「学校」と呼ばれる、生まれて6~12年程の幼い人間を教育する施設に設置された偉人の像の様に。

 首から上の行方は言わずもがな、たった今パラケルスス1493に納められた所である。切断面からの液体流出は止まっている事が、辛うじて幸いと言えるだろう。

 

 

 

「ちょっと実験に使うのさ。敵と戦うには、まず弱点を知らなくちゃいけないからねェ。コイツをバラして、隅々まで調べ上げるって訳だ」

 

『……よく分かランけど、ワシらにとって悪イ事じャ無いなら好きニしてくンろ』

 

Grazie! (グラッツェ)それなら早速使わせて貰うよォ……」

 

 

 部屋の使用許可を得たエボルトは嬉々として城の中へ入っていった。

 その背中に、首の無いアンドロイドの骸を4つ背負いながら。

 

 

『……変わった奴だナァ』

 

 

 ︙森の城内部

 

「よいしょっ、と……コイツら一体一体が中々重いねェ……」

 

 

 背中に背負っていたアンドロイドの骸を床に下ろし、ふぅ……と息を吐いて新居となった部屋を見渡す。

 エボルトが居を構えたのは古びた図書室。広さは申し分なく、「事」に及ぶには丁度良いと考えた故にこの部屋を選んだ。

 

 

「よし…じゃあ、始めるかァ」

 

 

 右の掌からゲルともスライムともつかない赤黒い不定形の物質を出現させた。

 これはエボルトの遺伝子だ。彼には自分の遺伝子の一部を分離させ自在に操ったり、別の有機生命体に憑依させて思うがままに操る能力を持っている。この能力を使い、嘗て元の世界の地球に居た際には宇宙飛行士である『石動惣一』の肉体を10年間に渡って操り、謀略を張り巡らせた。

 

 

「……純粋な機械を操れはしないだろうが、情報さえ読み取る事が出来れば御の字ってモンさ」

 

 

 先程エボルトがパラケルスス1493に言った「アンドロイドの弱点を知る為に、この骸を解剖して調べる」という旨。

 これは半分がウソで、半分が本当だ。

 エボルトが知りたい事は、彼等の弱点等では無い。まずはこの世界の情報だ。今は西暦何年何月何日なのか、人間達は何処へ消えたのか、あのボール頭達は何者なのか。

その次に知りたい事。それは、彼等の家……つまり本拠地の場所だ。

 自分の計画を遂行する為には、いずれアンドロイド側のトップとも接触を行う必要があるだろう。そう考えているエボルトは、早くアンドロイド側の本拠地を見つけて潜入しようと画策していた。

 

 

「……行け」

 

 

 合図と共に、掌から解き放たれた遺伝子は首を切り落とした断面から骸の中へと入り、血流の如き速さで内部を探索し始めた。人間の肉体とは勝手が違う為に手こずり、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと迷い続けた。

 

 

「こっちか…? いや、違うなァ。確かシグナルブレードで調べた時にはここら辺だった筈なんだがなァ…。あ、これだこれだァ……」

 

 

 想像はしていたが、ヒトの体と同じく…否、ヒト以上に複雑怪奇な構造をしている。どうにかこうにか目当ての『モノ』に辿り着いたが、あまりにも複雑な構造にエボルトは少し疲労していた。

 その目当ての『モノ』とは、胸部に収納された黒い立方体。先程彼女達ヨルハ部隊を屠る前、エボルトは頭部の特殊センサーで分析を行っていた。その際、彼女等の胸部に高エネルギーを感知したのだ。

 そしてその胸部に存在したその『箱』は、メモリーカードと植物細胞を合わせた様な構造をしていると分かったのだ。

 

 

「少しばかり非効率的なやり方だが、仕方ないねェ。スプラッター映画みたいにグチャグチャにして壊したら元も子もない…。さて、やるかァ」

 

 

 そしてエボルトは遺伝子を『箱』の中へと侵入させ、情報を読み取り始めた。

 

 

「……今は西暦11945年3月10日……その次は…人間共はエイリアンの攻撃で月に追いやられただァ? 情けないねェ……。機械生命体……これはあのボール頭共の事かァ……中々安直なネーミングだねェ。エイリアンによって造られた兵器……案の定地球外の技術だったか。先客が居たとはねェ...。衛星軌道上の基地、バンカー……? さっき来た時そんなモン……いや、俺が気が付かなかっただけかァ」

 

 

 セキュリティをぶち破ってブラックボックス内の情報を読み取りながら、エボルトは次の目標を定める。

 まずはバンカーに行こう。ブラックホールを用いた空間転移を行えばすぐにでも行ける……が、1つ大きな問題が有る。

 

 

「多分見られちまったよなァ……アレ」

 

 

 新たな拠点を手に入れる為とはいえ、既に4人のアンドロイドを叩きのめすという事をやらかした後である。その上、1人逃すというしくじりまでやらかした。

 

 

「……悪い癖だねェ、下等生物だからって舐めると痛い目に遭うのは経験済みなんだが……」

 

 

 そういえば、自分の兄も同胞も下等生物だと侮っていた人間に負けた。

 下等生物を侮るってのは、最早ブラッド族の性じゃないか? そんな事を頭の片隅で考えながら自嘲気味に嗤い、再び情報を読み取り始める。

 すると、ブラックボックスの片隅に妙な映像データが有った。

 

 

 

「……このままだと再生出来ないなァ……仕方ない、使うかァ……」

 

 

 軽く開かれた右掌。その掌の中に先程の遺伝子と同色の赤黒い煙にも似たモノが集まり、銃の様な形に姿を変える。

 

 

【ネビュラスチームガン!】

 

 

 その名はネビュラスチームガン。駆鱗煙銃の異名を持つ銃型デバイスだ。以前記した狂気の科学者、最上魁星が作り上げた人体強化システム「カイザー」を基としている。

 大元は異世界の病原体であるバグスターウイルスと、スカイウォールより発生したネビュラガス。そして開発者の最上魁星亡き後、ハザードやスパークリング、更に「ムテキ」のデータなどを取り込み反映させた強化版「ブロス」が完成した。もっとも、「ムテキ」に関しては戦闘時間が短かった為採取出来たデータは微々たるものではあったが。

 次に、そのネビュラスチームガンに乳白色をしたボトル……『テレビフルボトル』を装填。

 

 

【フルボトル! ファンキーアタック!】

 

 

 そして壁に向かって引き金を引く。すると、壁にブラックボックス内の映像データが投影された。

 これはテレビじゃなくてプロジェクターだな……と呟きながら映像を再生する。

 

 

 その映像とは……

 

 

 〘痛い"!! 先輩、痛い"です"ッ! も"う"や"だぁあッ!!〙

 

〘甘ったれるな!! お前はそれでもヨルハの一員か16Dッ!! もう一度やるぞ!!〙

 

〘やだッやだぁッ!! 痛いィあァァァァッ!!!〙

 

 

 そこに映っていたのは戦闘訓練と思しき風景……ではあるが、あまりにも一方的且つ凄惨なモノだった。一方的に攻めている方が、このブラックボックスの持ち主……つまり「11B(せんぱい)」である。

 嗚呼、人間にもよくある単なるイジメか。エボルトは1人で納得して映像を見続けた。しかし……

 

 

〘……これ終わったら可愛がってあげるから、ね…?〙

 

 

「……あ?」

 

 

 先程まで厳しく叱責していた11B(せんぱい)の声が、猫撫で声にも似た声音に変わる。その豹変ぶりに、エボルトらしからぬ間の抜けた声が思わず出てしまっていた。

 

 そして、その11B(せんぱい)に痛めつけられていた相手も…

 

 

 〘…はい……♡〙

 

 

 同じく何処か惚けた様な声音に……いや、表情までもが真夏の日差しに放置されたチョコレートの様に蕩けていた。

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 ぷちっ。

 

 

 

 

 エボルトは無言でテレビフルボトルをネビュラスチームガンから引っこ抜いた。旧時代の言葉で例えるならば「そっ閉じ」である。

人間のする事の大半を面白いと思っているエボルトといえど、いきなりキャットファイトからのイチャイチャを見せられてはたまったものではないのだろう。

 

 

 

「……妙なモン見ちまったなァ。嗚呼、しかし『ネビュラ』は慣れないねェ…重さは同じハズなんだがなァ…」

 

 

 少し疲れたのか、解す様に手を動かす。エボルトはネビュラスチームではなく本来は別の変身デバイスを使っていた……が、まだアレは使わないと彼は決めている。

()()()は取っておかなければいけない。

 

 

「さて……」

 

 

 ふーっ……と息を吐いて部屋の隅を見やると、其処には、アンドロイドの骸が4体放置してある。

 

 

「……ま、気長にやるかァ」

 

 

 折角降り立った「別の地球」だ。楽しまなくちゃ勿体無い。そう考えながら、エボルトは残り4体の情報分析に取り掛かるのだった。

 




16D「やだ、やだ、やぁ^~!ねーホントムリムリムリ! あ゙あ゙あ゙も゙お゙お゙や゙だあ゙あ゙あ゙!!」

11B「痛いのは分かってんだよオイ!オラァァ!!YO!!死ね私の後輩!生きろ私の愛人♡ 」

EVLT「ヴォエ!」

エボルトさんがブラックボックスをもう滅茶苦茶にやり始めたんや(糞土方)

ちなみに今回少しだけオリジナル要素として、ブロスにはハイパームテキゲーマーのデータがほんのちょびっとだけ入ってるというモノを描いてみました。

まぁ25mプールにスポイトで一雫垂らした程度のデータ量ですが()

別作品のライダーを1人だけ出しても

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