期待せずにお待ちくださいm(*_ _)m
彼女、ネフェルピトーは待っていた。
「ふん♪ふん♪」
もうすぐ、王が産まれてくる!
あぁどんな御方だろう?もうその時が楽しみで楽しみで仕方がない!
空想に描く、胎動の主を。
「機嫌が良さそうですね、ピトー何かいい事でも?」
普段、滅多に自分から喋ることの無いプフがこちらに向かって問いかけてくる。
まぁ、プフも緊張してるんだろうねぇ〜
「いやぁ、もうすぐだと思ったら楽しみでさぁ。」
「確かにそうですね、ですが私は貴方達が失礼を働かないか心配で…
楽しみと言うより不安の方が大きいですよ…」
プフは、時々馬鹿にしたような皮肉だけは普段から飛ばしてくる、まぁ気にしてないけど…意趣返し位は、しても良いよね?
世界が変わる、瞬間を。
「そういうプフこそ気をつけた方が良いんじゃないかにゃぁ?案外一番最初に不興を買うのはプフだったりして」
「ふっ、有り得ませんよ。
少なくとも、貴方達に遅れを取る事は無いでしょう」
こんなこと言ってるケド、どうせ注意されたりしたらすっごい動揺したりするんだよねぇ
“……“
そして、遂に、君臨する。
ーーーツ!!
来た!!
「王の、誕生だっ!」
急いで身だしなみを整え、王の元へ。
どんな御姿だろうか?
どんな性格でいらっしゃるだろうか?
最初には何とお声掛けしようか?
自分は気にいって頂けるだろうか?
歓喜、期待、不安…
様々な感情が彼女の中で渦巻いている中、左右で同じ様に足早で歩いている二人の従者、彼等も非常に似通った感情を携えて、其の声を聴く。
「いくらお腹すいたからってそれ食べるのはちょっとやめといた方がいいんじゃないかな?」
御声が、聞こえる…!
なんという美声、天井の楽器を神々が演奏したかのような、繊細で、澄んでいる。
こんな御声を最初に耳にできた者は幸せだ!!
だが、この御方ともう一人、強烈なオーラを感じる…
ま、まさか…
「…不味い」
やはり!今回の王は御二人も居られるのか!!
この御声、この存在感、間違えようがない。
王としての威厳、カリスマ、そして圧倒的な自負。
我こそが王だと言わんばかりのオーラ。
とても、間違えようがない。
「やっぱり?」
落ち着いて、先ずは我々の存在を認識していただかなければ。
だが、王が御二人となると、どうなってしまうのか?
派閥ができ対立するのか。
この場で殺し合うのか。
御二人で我々を統べるのか。
こんな事例は恐らくキメラアントとしても、我々が初めてだろう。
「うむ、やはり見た目どうりの味だな、余の馳走はどこだ?」
考えてもキリが無い。
すぐ隣に居る二人からも動揺を感じる。
しかし、僕達のやる事は変わらない。
左右の二人とアイコンタクトを交わし、御二人の前に…
「こちらでございます」
先程まで緊張していたのが嘘のようだ。
解ってしまった。動揺していたのが、要らぬ考えをしていたのが、全て無駄であると。
王が御一人か御二人かなど些細なことだったのだ。
御二人はきっと、そういった次元では無い。
ーーー僕達は唯、歓喜と畏怖に震え、お仕えする為にあるんだから。
今回も読みに来て下さりありがとうございます。
こんなノロノロ投稿ですが、これからも少しずつ上げていきますので、どうかよろしくお願いします。