やっぱり皆さんは原作キャラが原作からかけ離れるのは嫌みたいですね。原作通りのキャラで行きます。
楯無さんとの話を終えた俺は録音した音声を加工した。
「流石に前後の会話が入るとヤラセ臭くなるからな、分からないようにしっかりトリミングしなくては。後は俺の楯無さんへの質問の声をくっつけてやれば、、、よし」
翌日の放課後、俺は簪さんに
「いいものをあげよう。部屋に帰って中身を聞いてみてくれ。その後何かあったら俺に連絡してくれ」
「ありがとう。どうせお姉ちゃん関連でしょ?最近私と会わずに何かしてるみたいだし」
だからどうして俺の回りの人はこうも察しがいいんですかね?えっ俺が分かりやすいだけ?
翌日俺はメールで簪さんの部屋に呼び出された。そういえば始めて入るな女子部屋は
コンコンッ
「俺だけど、何の用なんだ?」
「入って」
あるえぇ?声が怒ってらっしゃる。俺なにかやらかした?
部屋に入るといい笑顔をした簪さんが座っていた。
「そこ座って」
俺は反射的に座った。逆らってはいけない雰囲気があった。
「これ、聞いたんだけどさ、どういうこと?」
「どういうこともなにもそのままの意味だが?」
「これ、弄ってるよね。大元の音声は?」
「ななな何を言っているんだ簪さんや。弄ってなんかいないさ。大体何処に弄ってるという証拠がある!?」
「犯人は往々にして証拠を求める。図星だね。私がこの程度の編集に気がつかないと思ったの?」
何故気がついたんですか!バレないように細心の注意を払ったというのに!音声にも違和感は無かった筈だ!
「私ね。過去にもこういったことがあってね。調べたらさ、編集の痕跡があるんだよね。私でも分かるって隠す気あるの?」
「、、、バレてしまっては仕方がないか。そうだよ。それは確かに編集してある。だがそれは全て俺が勝手にやったことなんだ。決してお姉さんは関わっちゃあいない。それに編集と言っても前後のトリミングと俺の音声の追加だけだ」
「、、、嘘は言ってないみたいだね」
その一言と共に重圧が消え去った。
「ごめんね。変に疑っちゃって。今までも結構こういうのがあってね。全部お姉ちゃんの仕業だったから。トリミングだけってことはこれがお姉ちゃんの本心ってこと?」
「あの人のことだからボイスレコーダーにも気が付いた上で話してそうだけどね。その通りだ。あのときの本気の顔は冗談抜きでチビるかと思った」
「なるほどね。じゃあ明日の放課後にでも勇気を出してお姉ちゃんと会ってみようかな。生徒会室に行けば大抵いるから」
「随分あっさり会うことを決めるんだな。もうちょいかかると思った」
「だって有澤君にここまでしてもらったのに私がいつまでもうじうじしてちゃいけないでしょ」
「どういたしまして。それとさ。どうやって編集に気が付いたんだ?俺が聞き直しても不自然な点は無かったと思うんだが、、、」
「えっあれでちゃんと隠してたつもりなの?背後の音の変化とかで分かるじゃん」
どうやら自分が一般人目線だと優秀に分類されることに気がついていないようだ。まあ比較対象が完璧超人のお姉さんじゃああなるよな。しかし、すんなり行ってよかった。もしダメそうなら教えてもらったもう一つの作戦を使わないと行けなかった。
翌日、生徒会室
そこには簪と楯無が向き合って二人きりで座っていた。他の人は空気を読んで退室したのだ。この固まった空気を壊したのは簪だった。
「ねえお姉ちゃん。あれってお姉ちゃんの本音なの?」
「ボイスレコーダーのこと?ええ。嘘偽りのない私の本心よ」
「私ってお姉ちゃんのことずっと勘違いしてたのかな?その、、、ごめんなさい!」
楯無は驚いた顔で固まった。
「私もごめんね簪ちゃん。もっと言い方に気を付ければよかった。あの頃は就任直後で余裕がなかったから、、、ってこれは言い訳に過ぎないのだけれど」
「お姉ちゃんがいいのならまた仲良くしてくれる?」
「もちろんよ!だって私はあなたのお姉ちゃんなんだから!」
「うわっシスコンなのは本当みたい」
「聞こえてるわよ!チクったわね有澤君、、、只じゃおかないんだから!」
「否定しないんだ。ドン引きだよ。お姉ちゃん」
「簪ちゃん!?これは違うのよ。違わないけど違うのよ!」
「ふふっお姉ちゃんとこんなにあっさり話せるようになるなんて。これは有澤君に感謝しないと」
「ええ。私はちょっとO☆HA☆NA☆SHIしてこなくちゃ」
姉妹ははお互いに笑いあった。それをこっそり見届けた俺はそっとその場を離れようと、、、
ポンッ
んっ?
振り替えるとそこには大層いい笑顔を浮かべた楯無さんが、
「へえ見てたんだあ。ニガサナイカラ」
ぎゃああああああああああ!!!!!!!
その日生徒会室からはボキッっという何かが外れる音と男の悲鳴が聞こえた。
それから数日後、俺は悩んでいた。
「何とか姉妹の問題は解決したらしいが、この日増しに強くなる思いはどうしたらいいんだ!」
姉妹の仲がよくなった日から簪の笑顔をよく目にするようになった彼はその度にドキドキしていた。彼は初心だった。しかし、悩む場所が悪かった。
「告白、、、は無理だ!出来るかそんなの。せめて友達以上にはなりたいが、、、」
「そんなことお姉さんが許しません!」
「ぎゃあああああ!またでたぁぁぁぁぁ!」
自室とはいえ一夏が居るときならまだしも一人っきりでそんな発言はするものでは無かった
「うふっ面白い」
「毎回毎回どっから入ってきてるんですか?」
「今回は天井裏からよ」
「マジか、、、今度天井の通気孔も塞いでおかなくては」
「そんなことより!さっきの発言は本気なの?」
「、、、本気です」
「ふうん。でもお姉さんとしては許すわけにはいかないなあ。友達までならいいけどね」
「このシスコンめが!」
「ええ。それの何が悪いの?簪ちゃんに知られた今、恐れるものは何もない!」
「胸張って言うことじゃないと思うのですが、、、で、どうしますか?恋人仲を認めたくないお姉さん?」
「簪ちゃんと付き合いたくば私を越えていきなさい!」
「学園最強に!?んな無茶な!」
「別に逃げてもいいのよ?あなたの気持ちはその程度ってことだから」
「一つ条件いいですか?」
「何?ハンデはあげないわよ。あなた相手は油断して良いものじゃないから」
「いえ、そうではなく。生徒会長は学園最強がなるんですよね?」
「ええ」
「この勝負、学園最強たるあなたに勝っても生徒会長はやりませんから」
「へえ。勝つつもりなの?この私に?」
「やるからには勝ちますよ」
「ふうん。なら精々楽しませてね。予定は後日伝えるわ。生徒会長権限でアリーナの一つ位貸しきりにするなんて容易いことよ」
「職権乱用と言いたいですが今は感謝します。それと今日以降俺の部屋には忍び込まないでください。手の内を明かしたくない。それくらいはいいでしょう?」
「それでいいわ」
「それではまた」
さて、学園最強か。しっかりと情報を集めておかなくては。出し惜しみは無し、武器を使いきる気で行こう。
主人公、簪のために楯無と戦う!ベタな展開ですが、彼女のために戦う主人公、いいですよね。
ちなみに企業連に教えてもらった作戦とは、
楯無さんと簪のいるところで模擬戦をする
↓
うっかり、流れ弾が簪へ飛んでいく
↓
ギリギリで楯無さんが助ける
↓
怪我はなかった?簪ちゃん。大事な妹だもの助けるのは当然よ!
的な流れです。