世界で最初に戦いの火蓋が切って落とされたのはアメリカだった。戦争を見越して郊外に建てられたGA本社に向けてアメリカ陸軍、空軍が進撃を開始した。
「敵、第一波来ます!」
「ISは?」
「確認されていません」
「嘗めているのか、笑わせるな。ギガベース部隊に狙撃開始と伝えろ!」
「イエッサー!」
GA社は本社を中心に何重もの防衛ラインを構築していた。外側から順に
・量産型AFランドクラブ
・量産型AFギガベース
・フラッグシップAFグレートウォール
・ビル型砲台(飛行型)
となっている。ギガベースが一番射程が長いため狙撃部隊となっている。
アメリカ陸軍、戦車部隊
「上の連中は何を考えているんだ。IS相手に戦争を吹っ掛ける奴等に通常戦力が役に立つものか!」
「そこまでだ。俺達は軍隊だ。どんな理不尽な命令でも下されたならそれに従うだけだ」
「無駄死には嫌なんだがなあ」
彼の見る先には84両という大規模な戦車大隊があった。綺麗に隊列を組んで進む様はアメリカの物量を体現していた。
「よくもまあこれだけのエイブラムスを集めたもんだ」
「ISのおかげで出番が無くなったからな。使われてない倉庫の肥やしになってたやつを全部投入したんだろう」
「数こそは正義ってか」
そう呟いた時突然衝撃と閃光が辺りを包んだ。
ドガン!
地上を埋め尽くす戦車大隊に突如襲いかかったのはギガベースの超長距離狙撃であった。
しかし流石はエイブラムスである。直撃した10両以外は健在であった。
「何だ今のは!」
「恐らく敵の長距離狙撃です!」
「なんだと!?ここから何キロあると思ってるんだ!?」
40km、その長射程は大和型戦艦に匹敵するものだった。
GA社
「報告!ギガベース部隊の一斉狙撃により敵の戦車10両を破壊!」
「思ったより少ないな、ギガベースは10機投入したから‥‥爆風では破壊できんのか、エイブラムスを甘く見ていたな」
「砲塔側面にRPGを食らっても耐えますからね。仕方がないかと」
「ランドクラブを前進させろ。グレートウォールは来るであろうISに置いておけ」
「イエッサー!」
アメリカ陸軍、戦車部隊
「凄まじい一撃だ。エイブラムスが一撃、しかもこの距離で直撃とは‥‥」
「どうしますか?」
「前進‥‥しかあるまい。さっきからさっさと突撃しろと無線機が煩いからな」
「上の連中は座って指示を出すだけですからね。大方訳もわからず怒鳴ってるだけでしょう?」
「だが従わなければならない。全車両前進!」
欠けた10両を補うように隊列を組み直して前進を開始した。なぜか長距離狙撃はあれ以降降ってこなかった。
「不気味だな。確実にさっきの射撃の射程に入っているはずなのに」
「遊ばれてますかね?」
「そうだろうな‥‥!」
「どうしました!?」
「あれを見ろ!」
目線の先にあったのは沢山の足が生えた箱、箱の上にはいかにもといった3連装砲が4基こちらを向いていた。その数何と20。
「回避行動!」
叫んだ瞬間辺りは爆炎で包まれた。
GA社、ランドクラブ部隊
「敵戦車大隊沈黙、射撃中止」
「ちょっと鬼畜な気がしますね。対IS用のAFで戦車大隊相手とは」
「ISを出さないあちらが悪い」
20機、計240門の一斉射撃によって残った戦車は皆破壊されていた。塵一つ残っていないことからもその火力と熱量がうかがえる。
「さてさて上はどうなってるかな?」
同時刻、GA社上空、アメリカ空軍爆撃部隊
「たかが一企業にこれは過剰な気がしますけどね」
「国に逆らったらこうなるんだという見せしめもあるだろう」
「しかしこれはいくらなんでも‥‥」
高度14000mの上空を飛ぶのはB-52爆撃機5機であった。
「それに搭載爆弾が通常爆弾に加えてバンカーバスターに原爆とは、GA社が郊外で助かりましたね」
「原爆は積んでることに意義があるからな。間違っても投下しないようにロックもかけてある」
「何故?」
「このご時世に自国のたかが一企業を滅ぼすために原爆を使うなんざ我々は無能だと世界に公表するようなもんだ。それに放射能汚染で後片付けも面倒だ」
「それもそうですね」
「さて‥‥そろそろ爆撃ポイントだ。幸い戦車大隊に気を取られてこちらには気がついていないらしい‥‥‥‥‥‥投下!」
「「「投下!」」」
5機のB-52から投下されたのは通常爆弾90発、バンカーバスターが10発、たかが一つのビルと工場を破壊するにはあまりにも過剰であった。
「敵爆撃機、バンカーバスター及び爆弾を投下した模様です。着弾までおよそ50秒!」
「何発耐えられる?」
「軌道から計算してバンカーバスターは本社ビル直撃が3発、計算上は問題なく耐えられます。通常爆弾に関しては完全に防げます。何発落とされても耐えられます」
「全社員に衝撃に備えるよう通達!」
「イエッサー!」
全ての社員がしゃがみ、歯を食い縛った次の瞬間
ズガガガン!ドゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーン!
凄まじい衝撃と爆炎が本社ビルとその周辺を襲った、しかし‥‥
「バンカーバスター3発の着弾を確認、損害無し」
「流石だな」
到達速度がおよそ1800km/hにも及ぶバンカーバスターを本社ビルは耐えたのだ。外からはその貫通力故に半分まで突き刺さったバンカーバスターがアンテナのように生えているのが確認できた。
「しかし損害無しとは思いませんでした。流石はグレートウォールに採用した装甲ですね」
「ああ、あれに関しては有澤重工のお陰だ。我が社より装甲と火薬の技術が秀でているのは知っていたがここまでとはな‥‥」
グレートウォールにも採用された装甲板、それは有澤重工が培ってきた技術の結晶である。ちなみにGA社に供給している装甲板は輸出用にデチューンされているというのだがその性能は規格外であった。
「そろそろISが来る頃だろう。陸軍がこうもあっさり撃破され、空軍の爆撃も効果が無かったんだ。激昂して襲ってくるだろう」
「そのときはグレートウォールの出番ですね」
「ああ、何機投入するかは知らんがここでギガベースとランドクラブは撤収だ。ISと戦うのは我々の誇るフラッグシップAFグレートウォール。さあISよ、どこまで粘れるかな?」
アメリカ、ホワイトハウス
「空軍と陸軍が!?男のくせになかなかやるわね。でもここまでよ。ISを投入なさい。ISこそが最強であることを示すのよ!」
「イエスマム!」
女尊男卑の社会になってから就任したこの大統領は前大統領であるマイケル・ウィルソンを追放し大統領の座に就いた。ここで彼女は調べておくべきだった。マイケル・ウィルソンが今どこで何をしているのかを‥‥‥
GA社地下ドック
「準備は万端か?」
「ええ大統領、機体は調整済みです」
「完璧だなジョディ、パーティーを始めるぞ」
地下では謎の青い機体が出番を静かに待っていた。
はい!出したかったので出しちゃいました我らが大統領!次回はパーティーを見せてくれることでしょう。
書いてから言うのも何ですがB-52ってバンカーバスター運用出来ますよね?