「終わったー!」
俺は思わず叫んだ。なんとか入学式までに間に合ったのだ。
「さて準備しないといけないな。何でも学園は全寮制と聞く」
そう呟くと男子らしい数少ない荷物をまとめ始めた。
「おーい。ちょっと来てくれ」
「はーい」
父に呼ばれて居間にいくと机に何やら見慣れない腕時計があった。うちの会社のロゴが入っている。
「これ。なんだと思う?」
そう父は聞いてきた。
「腕時計か?入学祝の?」
「そうなんだがそうじゃない。この腕時計はなんと!お前の専用機だ!」
「えっ」
思わず声が出た。確かにISは待機状態にするとああいった小物になるのは知っていたが。
「俺に?なんで?」
「貴重な男性操縦者だろ?企業連が持ってる分を一つ分けてもらった」
「でもコアには限りがあるんじゃ、、、」
「お前は分かってないな。女受けを気にしなくていい!と叫んで既にいくつか武器が制作されているのだぞ。今さら受け取らないということはできまい。それにお前は本来なら入学出来ないレベルの適正値なのだろう。専用機でないとマトモに戦えまい」
確かに俺の適正値は最低のE。出回ってる量産機はマトモに使えないだろう。しかしあいつらが欲望丸出しで作る武器か。どんな恐ろしい物が出来上がるのやら。
「分かった。ありがとう」
「加えて言っておくがお前の立ち位置はこれから企業連のテストパイロットだ。他社とも仲良くしなさい」
「えっ企業連って企業同士の仲はよくないんじゃ?」
「確かによくないが「企業連の名を世に知らしめる絶好の機会だぞ。それに企業連として下手な専用機は出せまい?」と言ったらあっさり協力したぞ。機体のパーツはどうするとかで騒いでいたから「それらを決めるのは息子だ」といったら納得してくれた。お前もそれでいいだろう?」
「それでいい」
「それと入学式なんだが混乱を避けるため直接教室に行ってくれとのことだ」
「分かった」
「最後に専用機を入学式までに完成させないといけない。そこにあるのはあくまでもコアだけだ。お前の好きなようにパーツを組み上げてくれ。ただし積載量には注意しなさい。過積載になると性能が大幅に下がるから」
遂にこのときが来たのだ。自分好みの機体を組む。考えただけで心が弾む。
今俺は企業連の本社に来ている。ここは普段企業連所属の企業が会議したりするのに使われているところだが今日は俺の専用機を組むために全ての企業の人間が集結している。ここで画面上で機体を組み上げ、後日実際に作り上げるのだ。企業の数だけ膨大なパーツが存在する。組み合わせは無限大だ。出迎えてくれた人がこう言った。
「あそこにあるパソコンに全てのデータが入っています。あなたの好きなように組んでください。分からないことがあれば我々を呼んでください。」
早速取りかかろう。脚部はうちのタンクとして、、、、、
4時間後
「出来たー!これでどうですか?」
「ふむ。積載量も問題なし。ブースターも申し分無さそうですね。いい機体だと思います。ではこれからシミュレーターで訓練ですね」
は? 今訓練って言ったの? そんなのできるの?
「シミュレーターとはどんなものですか?」
「VRゴーグルをつけて行います。IS適正値によって挙動も変わりますがあなたはEランクということなのでそのように設定してあります。もちろんシミュレーターなので適正のない一般男性でも行えます。有澤社長も仕事の合間によく行ってます」
シミュレーターか。実際に動かすわけではないが挙動の確認は重要だからな。
そして俺はシミュレータールームに案内された。指示された通りにゴーグルをつけた。いつでも来い!
「では始めます。まずはIS学園に入学できる最低レベルで行ってみましょう」
そこは荒野だった。岩が点在するそこに俺はいた。
「聞こえますか?まずはシステムを起動してください。基本的にはイメージで動きます。ただあなたの選んだ機体はタンクなので移動には少し慣れが必要かもしれません。まずは指定された場所まで移動してください」
イメージか。よし。システム起動!
『メインシステム。パイロットデータの認証を開始』
いきなり頭のなかに声が響いた。
「うわっ!なんだこれ!」
「落ち着いてください。適正の低い人のために設計されたサポートAIです。音声は後でも変更できます。指示したいことをイメージしてください。武器の出し入れやマップの表示。相手ステータスの表示などが出来ます」
なるほど。これは面白い。よし改めて、システム起動!
『メインシステム。通常モードを起動します』
システム起動よし。これで動くのかな? ふんっ、、、、、何か違和感が凄いな。足が動いてないのに進んでる。タンクだし当然か。よし到着だ。
「指定された場所まで移動できたようですね。では次は飛んでみましょう。ISのメリットの一つはPICを用いた飛行です。やってみてください」
こうか?ふんっ 飛べ。飛べっていってるんだよ。このポンコツがぁぁぁぁぁ!
ふわり
「飛んでるぅぅぅぅぅ。物理法則に反しておるぞ!」
「PICで慣性を操作できますからね。物理的でない動きも可能です。次は一旦着地して武装の展開を」
イメージ、イメージ、今俺の手には武器がある!具体的にはグレネードランチャー!
シュン
「出た。これでいいですか?」
「はい。上出来です。では目の前の的に打ってください」
こうか?カチッ
ドグォォォォォン!!
「なんじゃこの火力は!?的が吹き飛んでいる。さすがは我らが有澤グレネードだ」
「基本操作は覚えましたね?では実戦です。取り敢えず入学式までに代表候補生には勝てるレベルにしますよ」
おいおいマジかよ。夢ならさm
どうして俺は入学式当日にこんなに疲れているんだ。オペレーターの人も最初は入学できる最低レベルとか言ってたのに
「まさかここまでとは。シゴキがいがあります」
何て言ってたし。まあそのお陰でシミュレーターとはいえ3分の1の確率で代表候補生に勝てるようになったのだからいいか。初撃が当たれば勝ち。外れたら負けという火力任せだったが俺らしくていい。あの日から毎日訓練だったけど恥ずかしくないレベルにはなっただろう。ここから俺の学園生活が始まるんだ。さてどんな出会いがあるのかな?
ようやく終わりました。次から本格的に学園生活スタートです。
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