IS×AC ガチタンが行く   作:ガチタン愛好者

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アンサラーの絶望感上手く表現出来たかな?それと最初は前編、中編、後編の3つにする予定でしたが、思いの外文字数が嵩んだのでその1、その2としました。


大決戦 その3

ズッズーーーン

 

「なんだ!?このコジマ濃度は!?閉鎖空間じゃねえんだぞ!?」

 

みるみるうちに上昇するコジマ濃度を見たオールドキングは思わずそう叫んだ。

 

「コジマ汚染がひどい!PAの自然減衰に気を付けろ!あんなデカイのが浮いてるんだ。無理をしてないはずがねえ。あいつを破壊すれば凄まじいコジマ汚染が起こるだろう。建物の破壊はジェットに任せて俺たちはあれを落とす!」

 

減り行くPAを見ながらオールドキングを含む3機のネクストはアンサラーに向けて突撃した。一人がミサイルを放つもアンサラーの手前で爆発し届かない。

 

「なんだありゃ?迎撃システムか?厄介だな。接近して羽を壊せ!遠距離武器は効かねえぞ!」

 

ミサイルが迎撃されたのを見たオールドキングはショットガンを構えOBを吹かして接近しようとした瞬間

 

「なんかやべえ!引け!」

 

叫びながら後ろへQBを吹かした瞬間

 

ズッゴォォォォン!

 

辺りがコジマの光で包まれた。

 

 

 

IS学園

「何なんだ‥‥あれは、あんなものを学園のど真ん中で運用するとは。目で見ても分かる高濃度コジマ汚染じゃないか?」

 

千冬は遠目にアンサラーを見ながらそう言った。慌てて企業連に連絡を取り

 

「何てことをしてくれたんだ!?」

 

「はて?何か問題でもありましたかな?」

 

「とぼけるな!なんだ!あのコジマ汚染は!」

 

「ああ、あれですか。正直ネクストの戦闘で少なからずコジマ汚染が進んでますから今さら少々汚染が増えたところで問題ありません」

 

「あれが少々だと!?笑わせるな!」

 

「あなたは立場を分かっていないらしい。元々IS学園は企業連が運営しています。今のあなたはたかが教諭に過ぎません。下らないことで連絡しないでください」

 

「おい!まだ話は終わってn」

 

ブツッ

 

今にも電話を握りつぶしそうになりながら千冬は

 

「これほど教諭になったのを後悔したのは初めてだ。無力だな。私は」

 

 

 

オールドキングside

「不味いな、こいつは」

 

後ろに飛び、落ち着いて周りを見たオールドキングは思わずそう言った。いたはずの2機の味方ネクストは姿を消し、ジェットは半数まで減っていた。

 

「遠距離はダメ、接近してもダメ、八方塞がりかよ!畜生!ここまで来て!」

 

思わず側に転がっていた瓦礫を投げつける。ネクストのパワーで投げられたそれはアンサラーに当たり、落ちた。

 

「ん?なぜ当たった?迎撃に値しないからか?いや、もしかすると‥‥」

 

オールドキングはオートロックオン機能を停止し、手動照準でライフルを撃つと

 

ガン!

 

「当たるか‥‥もしかしてあの迎撃システムはロックオン信号で稼働してるのか?」

 

オールドキングの予想は当たっていた。対ネクスト、IS用に作られたアンサラーはその脆弱さが問題となっており、それを補うために迎撃システム等を搭載していた。ネクストもISも狙うときにはシステム補正がかかるのでレーダーで迎撃するより確実だった。が、それも補正をオフにすると言う考えられない状況では稼働しなくなる欠点があった。

 

「いける!だが俺単機でやらないといけないのか。やれるか?いや、やらないといけねえんだ!」

 

先程のAAを見たオールドキングはAAの射程ギリギリで戦い始めた。

 

「射程ギリギリで戦えば‥‥‥」

 

アンサラーはAAを放ち‥‥‥

 

「AA直後はPAもない。隙も大きい。いけるぞ!」

 

徐々にダメージがたまるアンサラー、遂に羽が一枚脱落する。

 

「はっはっは、傘の下はレーザーまみれだが上はそうでもない。さて、ジェットのほうはどうだ?」

 

少し余裕が出来たオールドキングの目に飛び込んだのは建物を蹂躙するジェット‥‥‥ではなく

 

「好き勝手やってくれたな‥‥」

 

黒焦げになったジェットと父、有澤隆文の雷電とよく似た、オールドキングには見覚えのあるタンクタイプのネクストを纏った

 

「ここで確実に貴様を仕留める。生きて帰れると思うなよ!」

 

発射したばかりなのだろう。肩のOIGAMIから発射煙をたなびかせながら有澤隆彦がこちらに向かってくる姿だった。

 

 

 

数時間前

IS学園の地下ガレージは損傷した企業連のネクストで溢れていた。どれも無傷の機体はなく、とてもオールドキングの攻撃に間に合いそうになかった。ガレージには有澤隆彦もいた。

 

「簪にはもう乗らないって言ったのにな‥‥」

 

万が一の時には自分も出て学園を守れるようにネクストは準備済みであった。その時、

 

「アンサラー損傷拡大!羽1枚脱落!」

 

慌てた声の放送が流れた。アンサラーはコジマ技術の塊である。もし学園の中央で破壊されようものなら大規模コジマ汚染は避けられない。

 

「どうする?」

 

「まだどのネクストも直りきってないぞ!」

 

「これで地上に出たらコジマ汚染で戦えない!」

 

ネクストはPAを張ることで防御力の大半を賄う。ただし、今回のような高濃度のコジマ汚染状況下では、PAは自然減衰し、PAが無くなればコジマ粒子によってネクスト本体も損傷が進み、最終的には破壊されてしまう。

 

「今、まともに動けるのは‥‥」

 

このガレージにおいて無傷のネクストは隆彦のだけであった。

 

「子供に行かせるのは不本意だが‥‥」

 

それを聞いた隆彦は

 

「俺が行きます。元を正せば仕留めなかった俺の責任です」

 

即答であった。

 

 

 

オールドキングside

「ちっ!出てこねえと思ってたら温存してやがったのか!あのガキ!」

 

だがオールドキングは自分の状況も冷静に把握していた。

 

「PAはもう無い、リザの損傷も増えてきてる。アンサラーだけならまだしもあのガキも相手取るのは不可能だ。ん?」

 

オールドキングは見た。黒焦げのジェットのレーザーブレードがまだ光を失って無いことに

 

「ワンチャン行けるか?これに賭けるしかねえ!」

 

アンサラーに背を向けて隆彦に突撃するオールドキング。隆彦はそれを破れかぶれの突撃だと判断した。実力はあってもこういった戦闘経験は不足していた。だからこそ隆彦はOIGAMIを構え、

 

ザガン!

 

「!」

 

下半身のタンクをジェットのレーザーブレードで切り裂かれた。ISと違い巨大なネクストは下半身のタンク部分には生身が無い事が幸いした。だがブースターが内臓されたタンクを切り裂かれたことで飛べなくなり隆彦は無様に地面に転がることとなる。

 

「残念だったな。ジェットはかなり実弾防御性能が高い。まだ動けたんだよ。まあレーザーブレードを動かすので精一杯で自身は動けないらしいがな」

 

隆彦は目の前に突きつけられたショットガンを見ながら

 

「ああ、流石の俺もここまでか、いくら装甲が分厚かったってこの距離のショットガンは耐えられん。ジェットもまだ健在だ。装甲を過信して油断したなぁ」

 

「すまん、簪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なぜ原作ではロケットが当たるのか考えた結果こうなりました。

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